幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
ちなみに感想でも聞かれましたが、現在の透は椅子に座るときはちょっと難儀してます。
異種族(尻尾付き)対応椅子ならともかく、普通の椅子に座る場合は浅く腰掛け……人がいない方向から尻尾を前に回し、尻尾を抱える形で座ります。
その際尻尾におされて胸がむにゅりと音を立てて変形したりします、エッチですね。
新幹線で向かう筈が突然のダンジョン出現により、急遽高速バスで母さんの実家があるH県で向かう事になった俺達。
当初は昼頃出発の夕方前には先方との合流地点にある駅に到着する予定であったが、やはりそこは新幹線と高速バス。
座り心地や快適さという面では高級と言うだけあって非常によかったが、いかんせん速度の問題は如何ともし難く。
「流石に夜に到着となったのう」
「まぁしょうがないわね」
「むい……」
高速バスから母さんたちと共に降車し、体をほぐすように背筋を反らせながら伸びをする。
俺のその動作にはしたないからやめときなさい、と言わんばかりの視線を向けられるが流石に長時間座っていたのだから勘弁してほしい。
ちなみに静は先ほどまで爆睡していた影響で、眠そうな目を擦りながらふらふらしている。
「小狐や、荷物を受け取るぞ」
「んー……わかった」
若干ふらついてる静に声をかけ、その声でようやく少しは気合が入ったのか静は耳をぴょこんと立てて俺と共に荷下ろしをしている場所へ向かう。
特に荷物の取違が起きる事もなく無事ダンジョン探検用装備の入った鞄やケース、それに着替えが入ったバッグを受け取ると俺は母さんへ向き直る。
「伯父上には連絡済みかのう?」
「勿論、予定より遅れる事も含めて伝えてるし。そろそろロータリーに来る筈よ」
俺の言葉に母さんはスマホを取り出して画面を確認しながら応じる。
一方静は失礼のないようにしなきゃと考えているのか、先ほどまでの寝ぼけ眼は何処へやら尻尾をゆらゆら振って緊張していた。
「小狐よそんな強張る必要もない、伯父上は鷹揚な人物じゃからのう」
「う、うん……」
母さんが前もって伝えてるし、なんなら中学生ながらクロウラーとして頑張ってるなら是非来てもらいたいって言ってたらしいしな。
伯父さん、一体どれだけ切羽詰まってるのだろう……。
「もうそろそろ到着するらしいわ、晶くんも一緒らしいわよ」
「晶さん?」
「晶兄上か、久しいのう……伯父上の息子殿で、東京で大学生をしておる従兄じゃよ」
懐かしいなぁ晶兄さん、母さんの実家に帰っても顔合わせる事ない年もあるから何とも珍しい。
性格としては陽気な善のチャラ男って言うのが相応しい性格してるから、今のこの姿で会うのは若干どころじゃない不安があるのは内緒だけどな。
そんな事を考えながら、ぴょこぴょこ動く静の耳先を指でちょいちょい弄っていたら見覚えのある、そこそこ高級車に位置するミニバンがロータリーに入ってくるのが見えた。
そしてミニバンはロータリーの一時停車スペースに停まり、運転席と助手席からそれぞれ男性が降りてくる。
「久しぶりやな洋子、元気にしとったか?」
「お久しぶりっす!おばさん!」
「まぁぼちぼちね、晶くんも久しぶり。また背が伸びたんじゃない?」
小太りのおっちゃんこと伯父さんと、がっちりした背の高いあんちゃんが母さんに親し気に声をかける。
母さんは伯父さんには素っ気なく応じた一方で、晶兄さんには親戚のおばさんそのものと言った調子で愛想よく応じた。
我が母ながら態度が露骨である。
「そんで、透くんも難儀やったな才能がつよなったのはええことなんに……」
「透も元気やった、か……」
そして伯父さんと晶兄さんの視線がこちらに向き、言葉が段々と尻すぼみになっていく。
視線は俺の顔からゆっくりと下へ移動し、そして再度俺の胸元に固定された。
何だろう、この後の二人の発言が容易に想像できる。
「「いやでっか!?」」
そしてその予想は的中し、二人は異口同音に魂の籠った漢の叫びをあげた。
あ、母さんと静が二人をゴミを見るような目で見ている。
「……いやちゃうねん! しゃーないやんか洋子に静ちゃん……やったっけ? こない立派なもん見てもうたらこうもなるで!」
「せやでおばちゃん、これは男の性や。本能に刻まれた聖痕や、抗う事なんて無理に決まっとるやん!」
「あんたらが相変わらずなんはよーわかったわ」
二人が慌てて言いつくろう姿に母さんは腕組みしながら睨みつけると、深々と溜息を吐く。
俺が男の時はノリが良い頼りがいのある伯父さんと兄貴分だったが、割とダメ人間なところあったんだな二人とも。
そんな母さんの追及の視線から逃れるように二人の視線が今度は静へ向く。
「ええと、そっちの可愛い狐ちゃんが静ちゃんでええねんな? おっちゃんは卓って言うんや、よろしゅうなー」
「ワイは晶ちゅーんや、普段は東京の大学に通いながらクロウラーもやっとる。ダンジョン行くときは頼りにしてくれてええで!」
「あ、はい……狐森 静って言います。よろしくお願いします」
先ほどの失態を無かったことにするかのように、爽やかさを前面に押し出して挨拶する二人の勢いに若干たじろぐ静。
思わずこっちに助けを求めるような視線を向けてくる静に対し、俺は腕を組んで若干唸りながらなんとか言葉を絞り出す。
「……悪い人物ではないのは確かじゃ、先ほどのを見ると大分不安になるのもやむを得ぬが」
「いやだってしゃーないやん! 押すな言われたら押すのが礼儀なのと同じやで!」
「せやで透!」
不思議なことに伯父と従兄を弁護したのに、二人の発言が大分信用ならないしフォローできない。
俺は思わず母さんに助けを求める視線を送る。
「……透に静ちゃん、見ての通りのアホ二人だけど変な事は私の命に懸けてもさせないから安心してね?」
母さんのその発言と表情は、守るべきものを守る覚悟を決めた母の貌をしていた。
まぁ少しばかり一悶着はあったが……。
その後俺達は伯父さんの車に乗り込み、まずは当面の宿となる伯父さんの家へと向かう事になった。
「ほんまは市内観光して、馴染みの店でごちそうしたかったんやけどなぁ。この時間やし二人とも疲れとるやろ?」
伯父さんは車のハンドルを握り、視線を前に固定したまま後部座席に座る俺達に声をかける。
大分スケベなおっさんという事が判明した伯父さんであるが、その声はこちらを気遣う感情に満ちていた。
「晶に聞いたで、二人とも駅に出たダンジョンの攻略に大活躍したらしいやん。おっちゃんも鼻が高いし、これなら悩みも解決できそうやわ」
「もうニュースになったんですか? でもそういう時に参加したクロウラーが、特別報道されることもないと思うんですけど……」
「うむ、特にテレビの取材を受けたワケでもないしのう」
カラカラと笑う伯父さんの言葉にむず痒い物を感じつつ、その発言の内容に疑問を感じた静が問いかける。
その言葉にソレもそうだと思い俺も追随、特別身柄が割れるような事はしてなかったし……取材も受けた覚えがないから不思議な話だ。
「二人とも気付いとらんかったん? クロウラーの情報サイトで二人とも大分話題になっとるで」
俺達二人の疑問に答えたのは晶兄さん、彼は手元のスマホを操作すると表示された画面を助手席からこちらに見せてきた。
俺と静はその画面に顔を近づけ、そしてその言葉の意味に気づく。
「『ちっちゃい狐の剣士ちゃんと、グラマーなドラゴンの魔法使いが凄かった』……『魔法使いの子がドラゴン召喚してた上に凄い威力の魔法使ってた、うちのパーティに欲しい』……って」
「『あの二人仲良さそうだし二人とも可愛いから、是非ともパーティにしたい』、『まだ学生だから遠慮しておくって断られた、いろんな意味でマジかよ』……ともあるのう」
相手の許可を得ず撮影する事は厳しく取り扱われ、俺達二人は写真撮影を求められたが個人情報を守る為に断った。
だがしかし、人の口に戸口は立てられないとはよく言ったもので……駅での俺達の奮闘の証言がこれでもかと語られていた。
あ、蜥蜴先生の事も少しだけ言及されてる。
「偶然かなとも思たけど、流石に出来すぎとるから親父と二人の事で間違いないやろって話しとったんや」
「なるほど……」
晶兄さんの言葉に静はスマホを返しながらその言葉に応じ。
続けて放たれた言葉に、少しだけ空気を研ぎ澄ませた。
「それに静ちゃん……大分ヤる口やろ? 重心やら佇まい見て一発でわかったわ、この娘ならそりゃ話題になっとる程度余裕やろなって」
「へぇ……わかるんですか?」
「頼むから車内で剣呑な空気出さんといてな? 晶はともかくおっちゃんはただのおっちゃんやで???」
「兄さん、運転に集中せーや」
晶兄さんと静の間に静に走る緊張感、それに耐えきれなかった伯父さんが悲しそうな声で切実に訴える。
だが伯父さんの味方は誰もおらず、身内である母さんにすらぴしゃりと言い放たれるのであった。
愉快な伯父さんだけど、この伯父さん遺産相続で土地分捕ってる程度には銭ゲバなんですよね。
後、晶兄さんは糸目の優男です。
裏切ったりはしないけど、裏切りそうと言われてるのが悩みの種だったりなかったり。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)