幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
(中身をさておけば)妖艶なドラゴンお姉さんと小柄な美少女狐っ娘のまったり回!
「よし……聞き耳を立てている者はおらぬな。 小狐や、一つ問う」
「また藪から棒に唐突だね透、どうしたの?」
伯父さん家に到着してから5日目。
伯母さんが丹精込めて用意してくれた朝ご飯を堪能した俺達は、現在寝泊まりしている部屋にてだらしなくない程度にリラックスしつつまったりしていた。
そんな状況の中俺は部屋の襖を開けて周囲を確認、周囲に誰も居ないことを確認した上で。
寝そべって刀剣カタログを眺めていた静に声をかけると……静はごろりと姿勢を入れ替え、こちらへ視線を向けてくる。
ちなにに伯父さんと晶兄さんは現在、東京の大学から来たという学者先生と応接室で難しいお話の真っ最中。
母さんも親族と言う事で参加を余儀なくされている為、この部屋には俺達しかいない。
「折角じゃし今日は小狐用に繰り返し使える道具を拵える予定でのう、一日で作れるモノに絞ればいくつか案があるのじゃ」
「嬉しい話だけどいいの?」
「構わぬ、妾がこうなる前から小狐には世話になりっぱなしじゃからのう」
「よっこいしょ……そんな気にしなくていいのになー」
俺の言葉に静は佇まいを直して座布団の上に座りながら、こちらの手間を惜しんだのか遠慮する発言を口にするも。
その耳と尻尾は小刻みに動いており、嬉しさを隠しきれていないのが良くわかる。
「まずは一品目、ファイアボルトのワンドじゃな。妾が撃つより火力は目減りするじゃろうが、複数回撃てるし夜明けに使用回数も充填される」
「サブウェポンとして嬉しいかも、注意点はあるの?」
「6回目までは問題なく撃てるが7回目で低確率で損壊して使えなくなるのう」
「なるほど……」
まず一つ目と言わんばかりに指を一本立てる。
俺の説明に対し静は首を傾げながら何か注意点があるかと聞いてきたのでソレについても解説する。
静の手番が攻撃ではなくワンドの使用で潰れるのは一見痛手に見えるが、今回のダンジョンのように太刀が通じない魔物相手では有効打になりうる品だ。
昨日のダンシングライトのように、何処まで機能が劣化するかは実際作ってみないと判らないのが難点だが……。
「そして二つ目は太刀が敵に当たり易くなる護符じゃ」
「たまにそういう護符やアクセサリ取り扱ってるお店あるけど、どれも凄いお値段じゃん……大丈夫なの?」
「まぁ小狐の言う通りじゃし、そもそも恒常的なモノを作るとなると一週間以上時間が必要になるでの。ここぞとばかりに効果を発動させる類の限定的なモノじゃな」
静が心配そうに問いかけてくるので慌てて限定的な機能だと補足する。
1回発動すればその戦闘中ぐらいは効力が持続するものの、一度効果が切れたら再発動するための魔力を充填するのに数時間は必要になりそうというオマケまでついてくる。
「時間があれば小狐が愛用している太刀に付呪する事も考えたのじゃがのう、流石にソレは時間が足りぬので無しじゃ」
「本当に色々出来るんだね透……でも、そっかー……悩ましいねぇ」
どうじゃ!と言わんばかりに問いかける俺に対し、静はのんびりとした口調で尻尾をゆらゆら振りながら考え込む。
表情はいつもののんびりとした様子をしているが……耳がぴょこぴょこと小刻みに忙しなく動いてる様子から、大分真剣に考えているのが容易に読み取れる。
「よし、決めた。ワンドに入れる魔法はほかの魔法でもいいかな?」
「うむ構わぬぞ、強力な魔法になるとその分時間を要するから内容によるがのう」
「ダンシングライト……だっけ? あの光の魔法を入れてほしいな」
「別に構わぬが、良いのかのう?」
短くない時間静は悩んだ末に耳をピンと立て、ワンドを希望しつつ質問を問いかけてくる。
その内容に俺は鷹揚に頷きながら言葉を返すと、静は想定外の魔法を希望してきた。
使い道がないわけではないし便利な魔法だが、静が望む魔法としては少し意外だったので俺は思わず確認の言葉を投げかけてしまう。
「うん、それで……違うね。あれがいい、透が作ってくれたスクロールで……初めて使った魔法だもん」
俺の言葉に対し静は照れ臭そうに笑みを浮かべながら、尻尾をゆらゆらと振ってダンシングライトの呪文を希望した理由を述べた。
初めて使った魔法と言うのは確かに衝撃的と言えるが、その静の言葉と行動。
それは……賽目 透の感情と、ディーヴァの可愛いモノ愛でたい欲が相乗効果を生み出す事で激しく俺の脳を揺さぶった。
「……小狐よ、お主は大分……魔性じゃのう」
「どうしたの?」
「いや、なんでもない。しばし待つが良い……」
俺は静を直視できず片手で自らの顔を覆い隠すようにしながらそっと顔を背けた。
恐らく今の俺は大分人様に見せられない顔をしているだろうし、手に伝わる熱から顔が熱いのを感じる。
その後俺はワンド作成用の素材を部屋の中からかき集めると、即席の作業場である庭へとそそくさと赴く。
とにかく今は作業に没頭したい。
「ワンドの母材良し、魔力充填用宝石……の欠片良し。取り掛かるとするかのう」
俺は大きく深呼吸し、母材となる素材と宝石の欠片を手に取り魔力を流し込みながら組み上げていく。
籠める魔法は静のリクエスト通りダンシングライト、それを暴発しないよう細心の注意を払いつつ集中を持続させ、ワンドの中に魔力による回路図めいた構造を造成。
耳に届くのは鳴動する魔力が奏でる波紋のような音と、時折吹き抜ける風の音と騒がしく鳴く蝉の声のみ。
その中で俺は何時間集中を続けたか、その感覚すらも曖昧になりつつあるトランス状態に陥りながら作業を続ける。
そして大いに引き延ばされた感覚が現実に引き戻される感覚と共に、俺の手の中で組み上げられたワンドは一つの魔道具として完成を遂げた。
喉の渇きを感じると共に頬を伝う汗、思わず空を見上げれば太陽は真上に達していた。
「思うた以上に集中し過ぎたのう、喉が渇いてしょうがないわい」
「お疲れさんやで透ちゃん」
「ぬぅ!?」
自嘲気味に呟いた俺の言葉に絶妙なタイミングで入った合いの手と、差し出された缶ジュースに思わず飛び上がりそうになりながら驚く俺。
思わず缶ジュースを差し出してきた手から視線を動かすと、そこには晶兄さんが立っていた。
「大分集中しとるようやったからな、ああ安心してええで。まだひやこいから」
「う、うむ感謝するのじゃ」
「お礼は静ちゃんに言うとくとええでー」
「む、むぅ」
晶兄さんからまだ冷たい缶ジュースを受け取ってプルタブを開き、中身を一口喉へ流し込む俺に対し晶兄さんは放った言葉に何とも言えない顔を浮かべる俺。
良く考えなくても静から逃げるように飛び出してきたから、なんかこう気まずい。
「まぁ何となく何があったかわかるけどな、でもワイは安心したでぇ」
「何に安心したというのじゃ」
「見た目がこないに変わってもうても、透くんは透くんて事や」
「何の事かようわからぬわ……」
喉の渇きを潤した俺は広げていた素材や道具を片付けつつ、縁側に座った晶兄さんの隣に腰かける。
今も我が物顔でこの世の夏を謳歌してるかのような蝉の鳴き声が、非常に五月蠅い。
「まぁ静ちゃんそない気にしてる様子なかったし、ええんちゃう?」
「うむ……のう晶兄上や」
「どないしたん?」
飲み終えた空き缶を縁側の上にコトリと置き、縁側から立ち上がると俺は晶兄さんに向き直る。
そして。
「女心を妾に伝授してくれぬか」
「藪からスティックになんやねん透くん、そないなもんワイが心の底から知りたいっちゅーねん」
「ぐぬぅ」
「せやけど、まぁ二人の様子見るに……焦らずいつもの調子でええんちゃう?」
渾身の想いを込めて頭を下げるが返事は無常、どこか背中が煤けた顔をしながら晶兄さんはげんなりと呟く。
だがすぐに気を取り直したのか少し考え込み……助言になるのかならないのか、軽い調子でそう言い放った。
「……そんなもんかのう?」
「そんなもんやで、透くんは今は透ちゃん状態の別嬪さんやけど、だからと言って無理に身構える必要ないとワイは思うわ」
「そうか……」
流石年上と言うべき含蓄の籠った言葉に俺は感心しながら、縁側に座り直す。
元々距離感が近い関係になっていた俺と静だが、この体になってから大分距離感がバグっていた気がする。
だがそれも含めて、第三者から見て特に問題は無いように見えるという事なのだろう。
少しだけ気持ちが軽くなった気がした。
だがそれはそれとして別の疑問が湧いてきた。
「ところで晶兄上、透くんと呼べるなら何故最初からそう呼ばぬ?」
「え? 強いて言うならノリやで」
やっぱり俺は相談する人間違えたかもしれない。
その後俺達は伯母さんが用意したお昼ご飯を食べたのだが、静は特に変わった様子が無くいつも通りだった。
母さんは何か違和感を感じていたらしいが、気のせいかと思いそのまま特に何も言う事はない。
なお伯父さんはそのまま東京から来た学者先生と一緒に、外にご飯を食べに行ったらしい。
そして俺は昼ご飯の後に、静へ完成したワンドを差し出した。
ちなみに渡す前に念のため動作確認もしており、問題なく動作する事は実証済みである。
「先程は無様な姿を見せてすまぬのう、これが注文の品じゃ小狐」
「え、もうできたの? 嬉しい……ありがとう透!」
「うむ、喜んでもらえて妾も嬉しいのじゃよ」
部屋に戻ったところで俺は静へダンシングライトが籠められたワンドを手渡し、静はパァァと表情を輝かせると心の底から嬉しそうにワンドを受け取ってくれた。
尻尾が勢いよくばさこんばさこんと音を立てて振られてる様子から見るに、凄まじく喜んでくれているのがわかって渡した俺も嬉しくなる。
「ちょいちょい小狐や……」
「? どうしたの?」
静の姿に満足感を覚え頷いた俺は座椅子に座ると静を手招き。
手招きされた静はワンドを抱えたまま不思議そうに首を傾げながらも、ちょこちょことこちらに近付いてきたので座ったまま静を抱えるように背中から抱きしめる。
うん、やっぱり安心するしこの絶妙なサイズ感とふわふわした感触がたまらない。
細かい事やアレやそれは一旦置いといて、俺はおとなしく抱きかかえられたままとなっている静の尻尾を堪能するのであった。
透は色々脳を揺らされつつ、晶兄さんのアドバイスもあり現状維持を選択した模様。
なお傍から見ると、美女と美少女がいちゃついてるようにしか見えない構図と思われる。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)