幻想交じりの現代社会でTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
・エルフ
・ドワーフ
・獣人
・リザードマン
それ以外にもちらほらと異世界流入と一緒に流れ込みその地に根付いたり、混血してハーフやクォータを作ったりしてます。
才能が逆に俺の意識を汚染する問題については一旦棚上げした翌日の早朝。
俺は年季の入ったラジカセを庭に持ち出し、健康的なラジオ体操に勤しんでいた。
「健康的な生活、健全な精神は清らかな朝から始まる……戦神様もそう仰っておられる」
そう、これもまた戦神への奉納の儀式でもある……って、ちょっと待て。
もしかしなくても、大分このキャラシートのプリーストファイターは主張が強いな?
むしろこれだけじゃない。
「透、なんだかいつもと違って朝からシャキっとしているな」
「自分でも不思議だよ、いやまじで」
寝ぼけた頭のままラジオ体操に勤しんだ事により体は完璧に目覚め、二度寝に興じる事なく俺はそのまま朝の身支度を整え。
いつもなら適当にパンと牛乳を喉に流し込むだけの朝飯も、出勤前の父さんと一緒の食卓に着いてしっかり食べられるぐらいに快適な朝だ。
意識の中でキャラシートのレオスが腕を組んで得意げに頷いているのを感じるのは果たして、俺の才能が活性化した事による一過性のモノか。
はたまた恒常的なものかわからない、わからないが確実に言える事はただ一つ。
時間に追われず落ち着いて食べる朝ごはんはとても美味しいという事だ。
そして俺の生活に生じた変化は言うまでもないが、朝の時間だけではなかった。
俺は普段の授業でも状況や内容によって、適時役割で自己定義をして対処をしていたのだが。
感覚的に、その時に役割で自己定義すべき適性を選びやすくなっていたのだ。
例えば……。
「賽目、1950年に全世界で発生した異世界流入現象だが、最初にどこで何が見つかったか答えろ」
歴史の授業で蜥蜴人の教師が振り返りながら、抜き打ちで役割の才能について考えていた事で上の空だった俺を指名してくる。
だが俺は即座に瞑目しながら立ち上がり、才能が導き選択した役割を自己定義してから刮目し口を開く。
「最初に発見されたのはベルリンの地下防空壕跡、そこで世界初と呼ばれているダンジョンが発見されました」
俺が自己定義した役割は歴史学者、今まではとっさにこういう時は学者としか自己定義してこなかったが慌てる事無く最適解とされる役割を選択できるようになっていた。
「正解だ」
俺の回答に教師は満足げに2mを超す巨体を揺らしながら頷き、それと共に午前の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
「最後の問題は勿論だが、このダンジョンが攻略された時に出土した遺物についても試験に出るからな。皆もしっかり予習しておくように」
教師はそう告げると黒板を消してから資料をまとめると、のっしのっしと足音が聞こえてきそうな大股で教室から出ていく。
それと同時に教室の中はとたんに騒々しくなり始め、賑やかな昼休みの時間を迎える。
俺も鞄から母さんが作ってくれた弁当を食うかと取り出すと机の上に広げ、飯を食う前に両手を合わせると食事に取り掛かる。
転生してから慣れ親しんだ味付けな、塩辛い卵焼きに舌鼓を打ちつつ白米を口の中へ放り込む。
そして何となくだが、ふと視線を少し離れた席で黙々と昼食を味わっている静へ向けた。
静の弁当箱はいつ見ても小柄な体付きのどこに入るのか不思議なくらい、重量級な大きさを誇る二段重ね弁当であった。
俺の席からは静の席から少し斜め後ろに位置するため表情は見えないが、時折小刻みに動く狐耳とゆらゆらと揺れる尻尾の様子からご機嫌なのは想像に難くない。
「ごちそうさま……っと」
ともあれあまりじろじろ見るのもアレなので、俺は食事に専念しあっという間に完食し。
弁当を作ってくれた母さんと、食材への感謝を込めて両手を合わせる。
どうやら静も俺と同じぐらいのタイミングで食事し終えたらしい、がっついてる様子はなかったけどいつ見てもとんでもないペースで食うなアイツ……。
そんな事をぼんやり考えていたら静は弁当箱を片付けると席を立ち、こちらへと近付いてきた。
「あー美味しかった……ねぇ透、ちょっといい?」
「ああ、別に構わないけど。どうした?」
鞄の中からペットボトルのお茶を取り出し、その中身を喉に流し込んでから静の言葉に応じる。
「透の才能だけど、あれから何か変化とかはない?」
「変化、変化かぁ……」
昨晩冒険の後にエールを飲みたくなったり、今朝は健康的に早起きしてラジオ体操で体を覚醒させて戦神に感謝を捧げた。
うん、どう考えても変化しか起きていないな。
しかしどう伝えたものか、脳内キャラシートの化身が俺に干渉してきた結果生活態度を改めたとか、割と精神的に狂気入った扱いされそうな案件である。
よし、ここは無難に応じるとしよう。
「特に変化はないぞ、今日は健康的にラジオ体操をして朝飯も落ち着いてしっかり食べてきたくらいだ」
「大分変化起きてるね」
だが俺の言葉を静は大分深刻そうに受け取った、まるで俺が普段からだらしないと言いたそうな様子である。
「昨日もそうだったけど見た目どころか喋り方までガラっと変わってたからさ、何か精神に異常出てないかふと心配になったの」
「できればその心配は、手合わせする前に気づいてほしかったと思う俺は我儘か?」
個人的にその心配をするのはもう少し早い段階ではないかと思い突っ込みを入れると、静は気まずそうに耳をペタンと倒して目を反らしながら嘯く。
「大分我儘だね、久しぶりに本気出せそうだったからしょうがないと思う」
「静……お前って常識人ぶってるけど、たまに狂人度合いが瞬間最大風速叩き出すよな」
それどころか逸らしていた目線を戻し、真正面から曇りなき眼でこのようなことまでのたまう始末。
年頃の女の子にかけるには、かなり火力が高い発言が俺の口から飛び出したのもやむを得ないと思う。
しかしまぁ言葉と内容はどうであれ、静が心配してくれているというのは事実だ。
「まぁ、そうだな。意識の中で変身先の自己主張が強いことはたまにあるが、基本的に俺の意思を捻じ曲げるような事は今のところないぞ」
「そう? それならいいんだけどさ、ついでに聞いてもいい?」
「どうした?」
俺の言葉に静は少しだけ眉を顰め心配そうにしながらも、とりあえずは納得を見せる。
そして、聞くか聞くまいか少し悩むそぶりを見せながらも静は口を開いた。
「なんで透はあの姿に変身できたのかな? それがいくら考えてもわからなくて」
静の言葉に俺の思考が止まる。
古代アトランティスの戦士を前世に持つとか豪語している、有名な冒険者もいるっちゃいるから前世が影響していると言ってもまぁ受け入れられるだろう。
むしろ、素直に正直に話してしまった方がいいまである。
だが俺は、何のかんの言って今世でかなり長い付き合いとなっている目の前の幼馴染にその事を打ち明ける度胸は無かった。
前世の人生経験を持つ男が、才能の違いに打ちのめされて不貞腐れていた事実を知られたくないというみみっちいプライドが原因である。
そんな俺が選んだ回答、それは……。
「俺にもよくわからんのが正直なところかなぁ、技能とか体の使い方は変身先の記憶が教えてくれたけど」
「そうなんだ、うーん……不思議な才能だよねぇ」
俺の回答に対し静は訝しそうな視線を向けながら尻尾をゆらゆらと揺らすが、これ以上追及する気はないのか質問を切り上げた。
罪悪感が浮かばないわけではないが、多分そのうち事情をゲロるから堪忍してほしい。
「ところでさ透、今日の午後のダンジョン実習は何か予定ある?」
「……何もないから、そっちに合わせる」
「うん、ありがとね透!」
そして話題を変えると言わんばかりに静が口にしたのは、昨今では珍しくなくなった学校のカリキュラムの一つに組み込まれたダンジョン実習。
いつもなら俺はソロで、超安全圏をウロチョロしてたが……幸いと言うか何というか、俺が目覚めたキャラシートのキャラクターことレオスは実力で言うなら中堅冒険者クラスの実力者だ。
ガンガン突き進み敵をばっさばっさ薙ぎ倒していく静の足を引っ張る事はないと、自信を以って断言できる存在と言えよう。
まぁ要するに何を言いたいかと言うと。
静は深く追求しない代わりに、実習でパーティを組もうと言外に申し出てきたワケである。
言うまでもないが俺に拒否権はない、流石にここで断るのも気まずいしな。
そんなこんなで昼休みは終わり、午後のダンジョン実習の時間を迎えた俺達のクラスの面々は学校が手配したバスに乗り込み。
車で30分ほど離れた山間のすそ野に存在する、通称古戦場跡ダンジョンに到着していた。
歴史を遡ると戦国時代にここで一向一揆ととある武家の軍団が衝突し、双方に結構な犠牲者が出たそうな。
その結果『出る』と噂が絶えなかった地であったらしく、それが異世界流入によって今や立派なダンジョンへと変貌したらしい。
ちなみにおどろおどろしい背景で生まれたダンジョンだが、中学校のダンジョン実習で選ばれる程度には管理されている。
「よし皆、準備は出来ているな?」
歴史の教師であり今も高等級クロウラーとして活動をしている、巨漢の蜥蜴人の教師が装備を整え整列した生徒たちを見まわして確認の言葉を発する。
その出で立ちは普段かっちりと着込んだスーツと違い、鍛え抜かれた筋骨隆々の体を敢えて露出し左手には半身が隠れるほどの大きさの円盾、右手には使い込まれた様子が見て取れる槍を携えている。
いわゆるスパルタスタイルってヤツだな。
「辰野先生の肉体いいよね……」
「うん、ムッキムキで素敵……」
ちなみに蜥蜴人先生事、辰野先生は女子人気が非常に高く今も周囲の女子がひそひそと言葉を交わし合いながら熱い視線を先生に向けている。
一方で先生はそんな声を気にする事なく、ふと俺の顔を見てその視線を止める。
表情が分かりにくいとよく言われる蜥蜴人な先生だが、その特性を貫通するほどには困惑している表情が見て取れた。
「ソレが、成長した才能で得られた姿か? 賽目」
「ハッ、その通りであります教官殿!」
先生が困惑している理由、それは周囲の生徒たちから頭一つ飛び出ている俺の姿……レオス・クラインに変身したその姿が原因であった。
ダンジョンに熱心に通う静のような生徒みたいに自前装備を持ち込んでいる生徒も少なくはないが、それでも今の俺の姿は大分異質と言える。
同級生らは大体が身に着けている防具は胸当てかローブ、そこに腕当てがあるかないかぐらいである。
一方で俺の装備は全身を覆うプレートアーマーに、背中に背負っている重厚なグレートソード。
大分場違いなのは言うまでもない。
「クソが……」
「ケッ……」
そしてそんな俺の様子が気に入らなさそうな連中も勿論いる。
そう、昨日ダンジョンの待合室でやらかし気味に絡んだ挙句係員に連行された2名だ。
名前なんだっけ……確か筋力増強の方が五条で、才能不明だけど良くつるんでるのが四辻だったか?
「まぁいい、だが才能が開花したからと言って油断するなよ。管理されたダンジョンとはいえやっていることは命のやり取りだからな」
「ハッ!肝に銘じておきます教官殿!」
「……その口調はやめろ賽目、ここは自衛隊じゃないんだぞ」
教師として先生は俺に念のためと言わんばかりに釘をさしつつ集合時間を通達し、整列していた生徒たちに解散を促す。
それと同時に同級生達は思い思いに散らばり、気心知れたメンバーでパーティを組んでダンジョンへと入っていく。
「透、ボク達も行こうよ!」
「承知しましたぞ、静嬢」
こちらに五条が敵意を向けているのを感じて視線を軽く向けるが、五条は四辻に促されて足元の石を苛立たしそうに蹴り飛ばすと二人でダンジョンへと向かう。
流石にダンジョンの中で襲撃するほどアホじゃないよな、きっと。
まぁそんなことはさておいて、俺と静も古戦場跡ダンジョンへ入る事にする。
受付で処理を行い、この姿でも取り出して使用可能なアプリ入りスマホの存在に若干驚きつつ俺たちが入り口をくぐると、そこは入り口からは想像もつかない鬱蒼とした木々が生い茂る自然派ダンジョンがそこには広がっていた。
「隊列はどうする?」
「いつもなら静嬢が前で吾輩が後ろであったが、今回は二人とも前衛でいきましょうぞ」
「知っていても口調の違いの違和感凄いね……りょうかーい」
いつもと違う俺の口調に静は苦笑いを浮かべながらも、いつでも抜刀できるよう柄に手を添えつつ尻尾をゆらゆら振りながら歩き始める。
俺もまた彼女に遅れないよう隣に立って歩き始め……たのだが、プレートアーマーって歩くと結構音がするんだな。初めて知ったわ。
そうやって進んでいると、やがて木々の間を縫うように幾つもの影が現れる。
出現したのは小柄な静より少し背が低いぐらいの狼の魔物4体、万が一ソロで遭遇したらかなり危険な相手と言える。
「それじゃ、やろっか!」
「承知!」
だが静は臆することなく抜刀しながら狼の集団に飛び込み、相手が迎撃の態勢を整えるより早く一匹の狼を太刀で両断。
しかし狼魔物もまたやられるばかりではなく、すぐに混乱を立て直すと静を取り囲むように布陣し始める。
「こちらを忘れてもらっては、困りますなぁ!」
そこに俺が薙ぎ払うように振るったグレートソードが着弾、2匹の内一匹は辛うじて回避に成功したが直撃した狼魔物は一撃で絶命した。
「凄い一撃だね透!」
「弛まぬ研鑽の賜物ですな!」
「そうかな?そうかも……」
才能でいきなり発言した能力で研鑽の賜物と言って良いのか自分でも疑問だが、静はとりあえずは疑問を飲み下したらしい。
その後残った2匹の狼魔物に苦戦する事もなく、俺達は無事勝利を収める事が出来た。
「その鎧凄いね透、さっき狼の魔物に噛みつかれたけど傷もほとんどついてないよ」
「戦神の加護のおかげですな」
互いに健闘を称え合いながら消耗もケガもないことを確認しあう俺達。
だが、その時であった。
耳をつんざくような警報音が辺り一帯に響き渡る。
「ひゃぁっ! な、なに!?」
背筋が泡立つような激しい警報音に静は耳をピンと立て、尻尾をぶわっと膨れ上がらせる。
音が大きすぎて出所が断定できないが俺達周辺ではない、もっと奥の方から聞こえてきた。
「……誰かが、罠で警報を引き当ててしまったのか?」
俺自身もその罠に当たったことはないが、授業で警報のトラップについて受けた事は覚えている。
大体が宝箱に巧妙に仕掛けられており、発動させてしまった場合は周囲の魔物が音源に向かって殺到する……大分殺意が高い罠だ。
「……透、どうする?」
静は迷った様子を見せながら俺に意見を仰ぐ。
こういう場合、授業では急いで退避し引率の教師かダンジョンの係員に知らせるというのが通例だ。
「狐森、賽目……?とりあえず賽目!やべえぞ、奥の方で五条達が警報罠に引っかかりやがった!」
実際今も俺達より奥に進んでいたであろう同級生達がなりふり構わず、全速力で向こうから走ってきている。
しかも引っかかったの、あのチンピラコンビかよ。
「……その二人は大丈夫なのか?」
「四辻が魔物に足をやられて動けねえ! 今は五条が踏ん張ってる!」
俺からの問いかけに対し同級生はこの場からすぐにでも立ち去りたそうにしながら、それでも俺の質問に答えてくれた。
そこまで見ていたのなら助けてやれよ、などというのは酷だろう……警報罠は文字通りフロア中の魔物を呼び寄せるとまで言われている。
そんな中で大して仲良くもない、むしろクラスの鼻つまみ者ですらあるあの二人の為に命を張る奇特な輩など存在しない。
だが、俺の魂が。
レオス・クラインの魂が叫んでいる。
戦神の名において、闘いの中で足掻いている者を見捨てるなと。
「わかった、場所は?」
「待てよ賽目! 授業ではすぐに先生か係員を呼べって……」
「場所を教えてくれ」
「……クソ!わかったよ! こっから奥までまっすぐだ! 辰野先生呼んでくるから自殺行為だけは絶対するんじゃねえぞ!」
そう叫ぶと同級生たちは駆け足で入り口まで走っていく、俺は早まったかもなどと少し考えつつもダンジョンの奥へ視線を向ける。
「静嬢も彼らと一緒に脱出を、見えている危険に貴女まで付き合う必要はありますまい」
「何バカ言ってんの透、ここまで来てボクだけ帰るなんて嫌だからね」
俺の言葉に静はどうしようもないアホを見る目で俺を見ながらも、同道する事を宣言する。
その様子に俺はさらに説得を重ねようとして、言っても聞かないだろうし余裕もない事から静の言葉に無言で頭を下げると二人でダンジョンの奥へ向かって走り出した。
蜥蜴先生はガチムチマッスルボディをスーツで包んだタイプのイケトカゲです。
嫁さんと子供もいる愛妻家でもあります。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)