幻想交じりの現代社会をTRPGの能力で生き抜いていく 作:一般通過きなこ餅
静が土壇場で斬鉄に開眼し、晴れて伯父さんダンジョンボス撃破に成功した俺達。
その日にもはや馴染みとなったたこ焼き屋で行った打ち上げは、ソレはもう賑やかになった。
「かんぱーーーい!!」
伯父さんの声と共に各々の飲み物が入ったグラスが打ち付けられる。
当たり前だが俺と静、ついでに晶兄さんはノンアルコールのジュースである。
「まさか7日目にしてダンジョン踏破に成功するとはなぁ」
「せやせや、一斉にガーッいった時ならともかく、1パーティでこの早さは快挙やで!」
ビールを一気に半分飲み干したシゲさんはしみじみと呟き、ジョーさんはジューシーな唐揚げを頬張りながら上機嫌で語る。
考えて見れば突発ダンジョンは短期間で攻略されるが、今回のようなケースだと状況次第では時間が大分要する場合もあると聞く。
ソレを考えると今回はかなり弾丸攻略だったのかもしれない。
「もきゅもきゅ……」
「ああもうほんとめんこいわこの子、今日が最後なんて寂しいわぁ」
一方静はと言うと、女将さんに頭を撫でられながらたこ焼きを頬張っていた。
可愛くて食べっぷりもよくて行儀も良い静は、女将さんにとって大分お気に入りのお客さんになったらしい。
撫でられたまま逃げようとしない辺り、静も大分女将さんとは打ち解けてるようだ。
「しかし終わってみると、呆気なくそして短かったのう」
「なんや透ちゃん、寂しいんか?」
「そうじゃな、妾にとっても非常に新鮮だったし楽しかった。終わるのは惜しいと思ってしまうのう」
伯父さんのやらかしと天罰めいた騒動から始まった今回のダンジョン攻略だったが、終わってみると寂しく感じる。
晶兄さんからの言葉への返事も、どこか力ないものになったのは気のせいではないだろう。
「何言うとんねん透ちゃん、これが今生の別れでもないんやで」
「せやせや、また二人がこっちに来た時は声かけてくれれば幾らでも手伝うでー」
ベテラン二人がガハハと笑いながらかけてくれた言葉にどこか恥ずかしさを感じながら、俺は誤魔化すようにウーロン茶のグラスを傾ける。
だが何かに気づいたように、伯父さんが少し難しそうな顔をした。
「しかしアレやな……透ちゃんは変身しとるとはいえ、どんな姿でも今後も派手な活躍すると思うねんな」
「むぅ、急に何を言い出す? 伯父上」
「いやいやこれはマジな話やで透ちゃん、よう考えてみいや。透ちゃんは絶世の別嬪さんで静ちゃんもめっちゃ美少女や、そないな二人を世間は放っておかへん」
伯父さんの発言の意図が読めず、明石焼きに伸ばした手をとめその真意を問いかける。
俺の問いかけに対して伯父さんは普段の朗らかな様子ではなく、大分真面目な顔で述べた。
「じゃが伯父上、美女になるわけでもないし。幾らでも……」
「でも、その姿を使わなくなるワケちゃうやろ?」
「それは、そう、じゃのう……」
伯父さんの言葉に俺は考え込みながら反論するが、続けて放たれた言葉にぐうの音も出ない。
実際問題、元の姿に戻れるようになったからと言ってディーヴァの姿を今後使わないのは余りにも勿体なさ過ぎる。
「卓ー、若い子脅かすのは感心せえへんでー」
「せやでせやで」
ベテラン2名が考え込む俺を援護するかのように伯父さんを窘める。
だがしかし伯父さんの言葉ももっともだ、何せ地元でも変なのが時折湧いてくる程度には話題になっていたのだから。
「何か、良い方法はないかのう……」
「いっちゃんええ方法はクロウラーで活動する時の名前と、実名を分ける方法やな」
「ワシらもそうしとるからなぁ」
「名前そのまんまやけどな」
むぅ、と考え込みアイデアは無いかと聞くと伯父さんはビールを飲みながらシンプルな方法を教えてくれる。
そんなものでいいのかと思ってしまうが、シゲさんとジョーさんも同意を示すあたり悪い方法じゃないらしい。
「後はアレやな、悪質な取材とかは相手にせーへんのが一番やで」
「それはいいのかのう、晶兄上」
「かまへんかまへん、クロウラーの本業はダンジョン探検や魔物退治や。芸能人やあらへんしな……有名人になってぶいぶい言わせたいなら話は別やけどなー」
晶兄さんはそんなことを補足しながら、たこ焼きを口に放り込みあちちと声を漏らす。
前世に比べてマスメディアが大分お行儀が良いと感じる世界だが、それでも大分アレな取材をする連中はいるらしい。
「ふむ……小狐はどう思う?」
「んー、考えた事もなかったや」
一方ダンジョン探検大好き狐な静の返答はシンプルそのものである。
何だろう、こいつは変な取材に絡まれてもいつもの調子を崩さない気がする。
「まぁ先生に相談したらええんちゃう? 普通は高校辺りで教えてもらう話やけど、透ちゃんらは色んな意味で規格外やからな」
「そこで妾の胸を見ながら言わなければ、良い話で終わったんじゃがのう」
「見納めやからな……おっとおばちゃん、そのお盆はそっとおろしてえな」
少し悩む俺の気持ちを晶兄さんの言葉が軽くしてくれるが、それはそれとして胸に集中していた視線で大分台無しである。
なお晶兄さんは半眼でお盆を構えた女将さんにそっと両手を上げて、降伏の意思を示していた。
「じゃが、そうじゃのう……学業が再開したら教諭殿にでも相談するとしようかの、小狐」
「んい……そうだね」
俺の言葉に静はたこ焼きを呑み込むと同意する。
しかしこの短時間でコイツ、もう3人前平らげてやがる……。
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一方その頃、I県K市のとあるゲームセンター。
花の夏休みをエンジョイし満喫している、二人のチンピラ中学生男子は電子音と共に自身のスマホにメッセージが届いたことに気付いた。
「ん? 珍しいな。賽目からメッセージが来てるぜ」
「あん? ダンジョンに潜る時ぐらいしか連絡よこさねえアイツが珍しいなオイ」
五条という名の少年は尻ポケットに仕舞っていたスマホを取り出し、同様に彼の相棒とも言える四辻もまた自身のスマホを取り出してメッセージを確認。
それと同時に、届いたメッセージと写真を見てわずかにだが目を見開いた。
届いた写真には不本意にも見慣れたが未だに見慣れない絶世の美女で勝つ豊満な肉体を持つ美女と、ぼーとした印象を他者に与える狐耳尻尾を持つ美少女。
女体化と言う面白過ぎる状態になっているダンジョン探検仲間の賽目 透と、彼の幼馴染であり頼りになる仲間の狐森 静の2名……のみならず。
その2名と合わせて……知らないおっさん2名と年上と思しき男性1名を加えた合計5名が仲良さそうにポーズをとって写真を撮っている、そんな写真であった。
彼らの名誉の為に言うならば、彼らは決して透にも静にも恋愛感情のようなものや下心は持っていない、かもしれない。
だが心の底から楽しそうに写真で笑顔を浮かべているその二人の様子は、少なからず二人の脳を揺らすインパクトを持っていた。
「……どういう事だよオイ浩二」
「俺に聞かれても困るぜ、なになに……」
写真に一緒に付けられていたメッセージを浩二と呼ばれた少年、四辻は読み上げる。
「……頼りになる仲間との記念写真、だってよ」
「んだよソレ、俺達は頼りにならねえってのか? オイ」
「知らねえよ、けどこの3人は確かにベテランそうだな……」
ゲームセンターの賑やかな音声が聞こえなくなると錯覚するぐらい沈黙する二人。
そして二人はどちらともなく頷くとスマホをポケットに仕舞って歩き出す。
どういう感情かは自分達でも説明が出来ないが、何だか面白くないと感じた二人が目指す先は一つ。
ダンジョンに潜って夏休みエンジョイ生活でなまった体を、叩き直す事であった。
唐突に自分達が知らない笑顔を浮かべた女仲間の写真を送り付けられる五条達。
大分被害者である。
AIのケツ引っ叩いて描かせるキャライメージ絵は必要ですか?
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どちらでもよい
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AI絵じゃないのが好ましいがないよりマシ
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AI絵ならいらない
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お前の財布を酷使しろ(断固たる決意)