「顔60点、体100点」と評価されている幼馴染と同棲することになった俺。彼女は無防備なうえに甘やかしてくるので、毎日が刺激的すぎるんだが…!   作:白井ムク

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【お詫び】

予約投稿の設定がうまくいってなかったらしく、
連載がストップしておりました。すみません。

本日からしばらく毎日投稿していきますので、
引き続き本作をよろしくお願いいたします。

本日は2話投稿です。

白井ムク



第6.5話 再会のあとの…【小晴ダイアリー.01】

 律の部屋を訪れたあと、小晴は逃げるように自分の部屋へ戻った。

 扉を閉め、バスタオルを外し、パジャマに着替え、ベッドへ顔から倒れ込む。

 

「ふぅううう〜〜〜〜〜〜……」

 

 胸の奥に溜め込んでいた息を、枕へ全部吐き出した。

 心臓が、まだドクドクとうるさい。小晴はのろのろと顔を上げ、律の部屋があるほうの壁を見る。たった一枚隔てた向こう側に律がいる。そう考えただけで、頬がまた熱くなった。

 

「ちょっと、やりすぎちゃったかな……」

 

 今日だけで、二度も抱きついてしまった。

 一度目は再会できた勢いで。二度目は、元気のない律を慰めるため――なんていうのは、半分嘘だ。

 

 もちろん、律に元気になってほしかった。あんな寂しそうな顔をしてほしくなかった。

 けれど、それ以上に——

 

「私が、抱きつきたかっただけだよね……」

 

 口にした途端、枕に顔を埋め直し、両脚をばたばたさせる。

 

 昔は、もっと気軽に触れられた。手をつなぐのも、隣に座るのも、ごく当たり前だった。

 でも、今日会った律は、記憶の中の男の子よりずっと背が高く、声も低くなっていた。腕の中に飛び込んだ瞬間、知らない男の人みたいで、それなのに間違いなく律だった。

 

 そのことが、どうしようもなく嬉しかった。

 

 しばらく悶えたあと、小晴は身体を起こした。机の引き出しから日記帳を取り出し、今日の日付を書く。

 

 ペン先を紙の上で迷わせてから、ゆっくりと言葉を綴り始めた——

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

【七月十九日】

 

 律くんと再会した。

 

 背が伸びて、声も低くなって、髪型も格好よくなっていた。昔より大人しくて、優等生っぽくなっていたけど、私を見た瞬間の顔は昔とあまり変わっていなかった。

 

 覚えていてくれて、すごく嬉しかった。

 

 本当はもっと喜びたかった。抱きついて、これから一緒に暮らせることを自慢して、離れていたぶんまでたくさん話したかった。

 

 でも、律くんはときどき無理に笑っていた。

 

 なにかあったのかと訊いても、なんでもないと言われた。

 

 私の知らないあいだに、律くんにもいろいろなことがあったんだと思う。

 

 少し寂しい。

 

 だけど、また会えたことは、やっぱり嬉しい。

 

 今日の私、七十五点。

 再会してすぐ抱きついたのでマイナス十点。

 律くんが困っているのに、少しはしゃぎすぎたのでマイナス十五点。

 

 でも、最後にはちょっと笑ってくれたので、七十五点のままでよし!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 書き終わると、小晴はしばらく日記を見つめた。

 

 七十五点の自分。

 まだまだ足りない。

 

 やがてぱたんと閉じ、壁の向こうへ届かないくらいの小さな声でささやく。

 

「おやすみ、律くん」

 

 返事はない。

 それでも小晴は少しだけ笑い、日記帳を大切に引き出しへ戻した。

 

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