第01話 招待状
彼、新導ハジメがこの世界に転生してから1か月が経過した。
ハジメは中学校に通いながら行きつけのカードショップ【ストレイキャット】へと足を運んでショップ大会に参加したり、そこで知り合った友人とファイトする日々を送っている。
ハジメが使うギアクロニクルのデッキは誰も見た事がないのもあって一時期注目を集めていたが今ではそれも落ち着き、ハジメも周りから騒がれる事なく普通にファイト出来るようになっていた。
「クロノジェット・ドラゴンでヴァンガードにアタック!!」
「ノーガード! ダメージチェック…ノートリガー…。くそぉ! また負けたーーっ!」
「以上で全ファイトを終了します。本日の優勝は新導ハジメさんです!!おめでとうございます!」
その日のショップ大会はハジメが優勝した。
「これにて本日のショップ大会を終了します! 来週もありますので皆さんの参加をお待ちしています!ありがとうございました!」
パチパチパチパチ!
「強いな新導」
「何か勝てるコツとかあるの?」
「コツってほどじゃないけど、ドライブチェックとかで相手の手札に加わったカードの事はなるべく覚えるようにしてますね」
「カードを覚える?」
「はい。そうすれば相手の手札に完全ガードやトリガーユニットとかの防御札があるかどうか大体は分かるので『あっ、今なら攻められる』とか『このターンで詰めるのは難しそうだから手札を増やして守りを固めよう』とかその時その時で自分がどう動けば良いのかの目安になるんですよ」
「なるほどなぁ」
「確かにそうだな。よし! 俺も次からそうしよう!」
ハジメは大会参加者と雑談したりファイトしたりして楽しい時間を過ごした。
「お疲れ様でした!」
それから時間がきたのでハジメは帰宅する為にストレイキャットを後にした。
「やぁ! こんばんは!」
そんなハジメにヘッドホンを耳につけた1人の男が声をかけてきた。
「貴方は?」
「俺? 俺は
「どうして俺なんですか?」
「それはね。これを渡す為だよ」
するとジンキは1通の手紙をハジメに渡した。
「何ですこれ」
「これは最強を決める大会。"デラックス"への招待状だよ」
「招待状? デラックス?」
「そう。公式大会で活躍するフロントファイターや公式大会に参加していないが高い実力を持つカウンターファイター。そんなヴァンガードファイター達を集めて真の最強を決める大会。それがデラックスだ!」
デラックス。それは公式大会に参加して様々な戦績を残すフロントファイターと呼ばれるファイターや大会には参加せずに己の力を磨き高い実力を持つカウンターファイターと呼ばれるファイター達を集めてフロントもカウンターも関係ない真に強いのは、最強は誰なのかを決める大会なのだ。
「なるほど。でもどうしてそんな凄い大会の招待状を俺に?」
「う〜ん。特にこれだって理由はないけど、僕が君に対して個人的な興味が持っているからかな?」
「興味?」
「そう。…ギアクロニクル」
「っ!?」
ジンキの口からギアクロニクルの名前が出た事にハジメは驚いた。
「僕の知らないカード、知らないユニット。そんなカードを使った君がデラックスでどんな活躍を見せるのか? それが楽しみでならないんだ。君だってヴァンガードファイターなら強い相手と戦いたいという気持ちは勿論あるだろ?」
「それはまぁ、ありますけど」
「だったら断る理由はないよね? 君のファイト。楽しみにしてるよ」
そう言ってジンキはハジメに招待状を渡し終えるとそのまま帰って行った。
「……」
そんな彼の姿をハジメはただ見つめる事しか出来なかった。
帰宅して食事や洗い物、お風呂などを済ませてパジャマに着替えたハジメはベッドに仰向けで寝転がりながらジンキから貰った招待状を手に持って今日の事を考えていた。
「デラックス。真の最強か…」
ジンキの言っていた事が頭から離れないハジメはデラックスへ参加すべきか迷っていた。
「(本当にそんな凄い大会に参加できるなら俺としてもまたとない機会だ。テレビで見たプロのファイターとも戦えるかもしれないし、まだ俺が知らない強いファイター達とも戦えるかもしれない。…よし! 騙されたと思ってノってみるか!)」
ハジメはデラックスへの参加を決めると大会に向けてデッキの調整と実力アップの為の腕試しをして大会に備えるのであった。
そしていよいよデラックス当日を迎えたのだった。
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