遂に始まったデラックス。
その最初のファイトは
結果は廻間ミチルの勝利。
その圧倒的な強さの前に誰もが驚きのあまり言葉を失った。
「(凄い。あれがプロのファイター達の中でもトップクラスの実力)」
しかし皆がミチルの強さに圧倒される中でハジメだけは自身の闘争心に火がついていたのだった。
そんなハジメがいるのは予選Cグループでメンバーはこうなっている。
予選Cグループ
優勝候補がいたり、公式大会で活躍する実力者達が集まるグループにいるハジメとしてはどれも気が抜けないファイトになるだろうなと思っていた。
そんなハジメは自身の番が来るまで控え室のテレビを見ながら他の参加者のデッキや使ってるカードをチェックしていた。
その他にもファイトとファイトの間の待ち時間ではテーブルの上にデッキを出して1人回しする事でデッキの動きの調整も行った。
そしていよいよ次はハジメの番がきた事で彼は控え室を出て会場の舞台へと向かった。
「「あっ」」
すると途中の廊下で廻間ミチルに遭遇した。
「えっと…」
「面白いね」
「えっ?」
「君の魂。とても綺麗だ」
「魂?」
ミチルには人の魂が見える特殊能力とも呼べる力があった。
それを使って見たハジメの魂は赤い炎で、激しくはないけど強く燃え続けているように見えた。
「うん。とても冷静だけど、心の中はとても熱い。そんな感じがするなぁ」
「はぁ…」
ハジメはミチルの言っている言葉の意味が良く分からなかった。
「君のファイト。楽しみにしてるよ」
そう言ってミチルは控え室へと戻って行った。
会場の入場口に到着したハジメが出番を待っていると対戦相手の鹿足ヒマリがやって来た。
「今日はよろしくね!」
「はい。よろしくお願いします!」
「聞いたよ。君が噂のギアクロニクルの使い手なんでしょ?」
「噂ですか?」
「うん。クランって呼ばれる国家の中に出来た新しいグループのカードを使ってファイトするファイターが
ハジメが住んでいる町、【
「そんな事になってるんですね」
「そうそう。私ね、テンプレや完コピっていうのがあんまり好きじゃないの。流行ってないデッキを使って"そのカードなんですか?"って聞いてもらう事で相手と交流して楽しくファイトするのが好きなんだ」
「分かります。俺もファイトってただ勝つんじゃなくて自分が楽しいって思うファイトを相手にも知ってほしい。感じてほしいって思ってますから」
「分かるぅ! 君とは仲良くなれそう! でも、ファイトは手加減しないから覚悟してよね!」
「勿論! 受けて立ちますよ!」
2人は雑談しながら仲良くなるとあっという間に時間がきて2人はステージの中央にあるファイトテーブルの前で向かい合った。
「いよいよね」
「うん」
「えっ? 何がですか?」
ウララは瀬戸トマリと
「彼、新導ハジメ君の使うギアクロニクルのカード。私達も見るのは初めてなのよ」
「ええっ!? そうなんですか!?」
「うん。映像も無いからどんなスキルを持ったカードなのかも分からないけど、それも今日のファイトでハッキリする」
トマリも知らないカードにウララは驚くが、メグミはこのファイトでギアクロニクルのカードの詳細が分かるのでとても注目していた。
そして注目していたのはメグミ達だけではなかった。
今回のデラックスに参加してるファイター達はみんな控え室のテレビの画面を通してハジメのファイトに注目していた。
「さて、お手並み拝見といこうか」
控え室のテレビ画面を見ていたタイゾウがそう呟いた。
「いくわよ!」
「はい!」
「「スタンドアップ・ヴァンガード!!」」
そしていよいよ2人のファイトが始まった。
「
「クロノ・ドラン!」
「きゃーっ! 可愛い! それがギアクロニクルのカードなの!?」
「はい! これが俺の、ギアクロニクルです!」
「良いわね!」
それから先行のヒマリはグレード1のキョウカへとライドしてターンを終えた。
「俺のターン! 手札を1枚捨てて、メーザーギア・ドラゴンにライド!」
メーザーギア・ドラゴン パワー8000
「クロノ・ドランのスキルで1枚ドロー。更にメーザーギア・ドラゴンのスキル。追加で1枚ドローして《クロノジェット・ドラゴン》のクレストを獲得!」
ハジメはメーザーギア・ドラゴンのスキルを使ってドローしつつ、《クロノジェット・ドラゴン》のクレストを獲得した事でそのクレストカードをフィールドに表向きで置いた。
「クレスト?」
「はい。このカードが俺のユニット達に力を与えてくれるんです」
「へぇ。ちょっとカードを見せてもらっても良い?」
「どうぞ」
ヒマリはハジメのカードを見せてもらう事でカードやテキストをしっかりとチェックした。
「ありがとう。やっぱり良いわね。初めてのカードとのファイトはこうでなくっちゃ!」
それからお互いにターンを重ねていく中でヒマリがグレード3にライドしたターンが終わった時点で、ヒマリのダメージは2点、ハジメのダメージは3点になっていた。
「さぁ見せてよ! 貴方のヴァンガードの姿を!」
「えぇ。行きますよ! 俺のターン! スタンド&ドロー!」
ハジメのターンになると彼はユニット達をスタンドさせてカードを1枚引くとライドするコストとして手札を1枚捨てた。
「導くぜ未来、切り開け世界! ライド! クロノジェット・ドラゴン!」
クロノジェット・ドラゴン パワー11000
「きた」
「あれがギアクロニクルのグレード3」
クロノジェットの登場にライカとタイゾウはどんなスキルを持っているのか興味津々だった。
「きたわね! でもどうしてパワーが11000なの?」
「大丈夫ですよ。クロノジェット・ドラゴンのクレストのスキル発動! 自分と相手のターン中、クロノジェット・ドラゴンの元々のパワーは常に13000になる!」
クロノジェット・ドラゴン パワー13000
カードに表記されているクロノジェット・ドラゴンのパワーは11000だが、クレストの効果で常に元々のパワーが13000になった。
「更に、クロノジェットにライドされたスモークギア・ドラゴンのスキル発動!
スチームファイター バリフ パワー13000
「さぁ、いよいよこのデッキの真の力をお見せします!」
「それって、メインデッキの横にあるカードが関係してる?」
ヒマリにはずっと気になっている事があった。メインデッキとライドデッキの更に隣に置かれているカードの事がずっと気になっていたのだ。
「はい。このカード達はお互いのヴァンガードがグレード3以上にならないと使えないんです。だから…」
「このターンで貴方のヴァンガードがグレード3になった事でいよいよ解禁ってわけね」
「はい! 行きます! ジェネレーションゾーン、解放!」
ハジメは手札のバリフを1枚捨てた事でジェネレーションゾーンを解放して"Gゾーン"と呼ばれる場所にあるカードを1枚手に取った。
「今こそ示せ、我が真に望む世界を! ストライドジェネレーション!」
ハジメがGゾーンから手に取ったカードをヴァンガードのクロノジェットの上に重ねるとイメージの中でクロノジェット・ドラゴンの身体が光り出してその姿が巨大な姿へと変わっていった。
「時空竜 フェイトライダー・ドラゴン!」
時空竜 フェイトライダー・ドラゴン パワー15000
「ええっ!? グレード4にライド!?」
「クロノジェットは手札からグレード3になるように手札を捨てる事でGゾーンにあるGユニットへその姿を変える力を持っているんです。そしてストライドされたGユニットはその元となるクロノジェットの名前とパワーを引き継ぐのでファイトライダーのパワーは合計28000です!」
15000➕13000 28000
時空竜 フェイトライダー・ドラゴン パワー28000
クロノジェットにはお互いのヴァンガードのグレードが3以上の時、手札からグレード3になるように手札を捨てる事でGゾーンにあるGユニットへ超越《ストライド》する事が出来て、ストライドしたユニットは自身の元となるユニットの名前とパワーを引き継ぐ事ができる。
そして今回ハジメが手札から捨てたバリフのグレードは"3"なのでバリフ1枚をコストにして捨てる事で超越できたのだ。
〜♪
「っ!?」
「ウララちゃん?」
「えっ?」
「どうしたの?」
「い、いえ…何でもないです!」
「そう?」
「はい!」
ウララはメグミからどうかしたのか聞かれるが何でもないと答えた。
「(新導さんの音…)」
ウララはハジメから聞こえてきた音が気になっていた。
彼女にはカードの音が聞こえるというミチルの魂が見えるのと似たような力を持っていて、それによってハジメが超越した時に彼のカードの音が聞こえてそれに反応したのだ。
「(凄い。力強くて聴いてるこっちまで熱くなるような。そんな音…)」
ウララにはハジメから聞こえた音がとても力強く、だけど嫌にならないどころか聴いてるこっちまで熱い気持ちにさせられるようなそんな音が聴こえていた。
「スゴッ!」
「まだまだこんなもんじゃないですよ! バリフのスキル! このカードが超越のコストで手札から捨てられた時、山札から1枚ドローできる!」
ハジメが捨てたバリフには自身が超越のコストで手札から捨てられた時、山札の上から1枚引けるスキルがあるのでハジメはそのスキルを使って1枚ドローした。
「続けてクロノジェット・ドラゴンのストライドスキル! アーチェを山札の下へ!」
「ええっ!?」
ストライドスキルとはヴァンガードがGユニットに超越した時に発動できるスキルで、クロノジェットのストライドスキルは
これによってキョウカの盤面にいたリアガード《ブルー・フロンティア アーチェ》が山札の一番下へ送られた。
「リアガードの除去!? そんな事もできるの!?」
「更にアップストリーム、リィン、バリフをコール!」
すかさずハジメはリアガードを展開して攻撃の準備を整えた。
「さぁ、行きますよヒマリさん!」
「き、きなさい!」
それからハジメのアタックを何とか凌いだヒマリだったが、その返しのターンのアタックをハジメが凌いだ事で次のハジメのターンでヒマリが6ダメージとなり決着がついた。
「勝者! 新導ハジメーーーッ!!」
ワァーーーーッ!
「う〜〜〜っ。くやしぃーーーっ!」
「ヒマリさん。ありがとうございました!」
「ハァ…こっちこそありがとう! ギアクロニクルって凄いのね。けど、次は負けないからね!」
「はい。またファイトしましょう!」
ヒマリとハジメはファイトを終えるとお互いに控え室へと戻って行った。
「やったぁ! 新導さんが勝ったぁ!」
「凄い」
「そうね。あれがギアクロニクル…」
ハジメの勝利にウララが喜び、メグミとトマリは初めて見たギアクロニクルのファイトに驚きを隠せずにいた。
「へぇ、やるじゃん」
「……」
ハジメのファイトを見ていたタイゾウがハジメを評価している横でライカは何も言わずにハジメ達のファイトが映っていた画面をジッと見つめていた。
「あれがギアクロニクルのファイトか…」
「でも! お父さんなら負けないよね!」
「そうだな。お父さん頑張るよ」
霧島モンドとその息子、ヒロキはハジメ達のファイトを見て、父親が勝つと信じていている息子に対してその思いに応えたいと思うモンドだった。
「ギアクロニクルか…ファイトするのが楽しみだ」
同じくハジメと同じグループの江端トウヤはハジメとのファイトが楽しみで仕方なかった。
こうしてデラックス1日目のファイトが全て終了してハジメは無事に初戦のファイトを勝利で終える事が出来たのだった。
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