「まったく、面倒だな」
はぁ、と死柄木は溜息をつく。
ここはトブの大森林の奥地。木々を斬り裂き雑に作った小屋の中。
死柄木が得ている個性は複数あり、中には斬撃を放つ物も当然、ある。
それらの個性を駆使して森を切り開き、得た木材を使って作った小屋がここだ。
当然、小屋は表部分のみ。地下を掘り進み研究所を作っている。
とはいっても、研究所とは言っても名前だけだ。大した設備も何も無い。
原作知識とハイスペック、創造の個性を酷使する事で作ったこの場所は脳無の研究。及び個性の研究所だ。
今後配下を作るにしても、部下を得るにしても。個性の複製は急務である。
何しろこの世界の住人は個性を持っていない。つまり自分は、これ以上個性を得て強くなれないのだ。
ただ、それ以外は別だ。個性以外の──別の能力を得られるであろう確信を得ている。
騎士の記憶を奪った際、もっと別のモノが奪える予感を得たのだ。だが確信は無く検証も出来ていない。
だからこその個性複製。
ダブっている個性というのが今のところ幾つかある。それらを実験材料にして個性を複製出来ないか、試そうとしているところだ。
だが、これ以上はこの世界の住人の協力が居るだろう。複数の意味で。
「未来について考えようか」
増やした自分たちを地下の会議室に集めて、会議を開く。
と言っても、大した意味は無い。今も自我が共有されているので言葉を交わす必要も無い。単なる思考実験のそれに近い。
そして会議の内容だが、これからどうするのか、というものだ。
この先、この異世界で自分は何をするべきか。どう暮らしていくべきなのか。
と言ってもこれは会議の振りしたお遊びだ。自我が共有されている、つまり完全に一人の人間の思考なのだから見かけだけ人を増やしても同じ結論しか出ない。
元の世界に帰るべきなのか。帰れるとして。この姿と力を持ったまま帰るのか。
元の世界に帰るとしても、どうやって帰るのか。
この世界で生きてくとして、どう生きて行くのか。
どちらを選ぶにしても、組織作りと個性研究は急務である。
何しろ、自分だけが特別では無いからだ。
六大神と八欲王。恐らくは同胞なのだろう。自分と同じくコミックの姿と力を得てこの世界に来た同胞。真なる同胞(はらから)
自分がジャンプのキャラクターである死柄木弔の姿と力を得た。ならば他の者が他のジャンプボス、鬼舞辻無惨や両面宿儺。ユーバハッハ等の力をもってきていない保証はない。
あるいはもっと別の、自分が知らない漫画やゲームの能力というのもあり得るだろう。
だからこそ、相手が何をしてくるかわからない以上自分の強化と殺されない為の組織は必須だ。自分が他者の力を奪えるならば他者も自分の力を奪ってくるかもしれない。そうなれば隠れ潜んだ所で探される。
その為に今、本体は冒険者になるべく下準備をしている。
本体は今、森で個性の練習をしている。ここに居るのは全て分身体。
分身体たちで今後の方針を決めている訳だ。
現状の問題としては魔法に対する対策だ。新秩序で精神操作系に対してルールを付与したが無効化までは出来ない。極論目と目が合うだけで相手を操る等が居れば終わり。
流石にそんなものはいないだろうが、対策はすべきだ。
即死系の魔法もあるのかもしれないが、対策するには新秩序が必須。だがどこまで対策出来るかわからないしあるのかも不明。現状は保留。
対策に新秩序を二つも割くのは少々勿体無い。攻撃にこそ新秩序は使うべき。
次に脳無研究。
脳無自体はスピンオフで描かれたアノニマス計画と統合し数と質を合わせた軍隊を作りたいところだ。
指揮官役はどうした者か。適当にハイエンド脳無を作るか現地人類を勧誘するか。
だが問題は施設不足。電力などは個性でどうとでも出来るとしても機械類が一切ない。
一応今はちまちま創造を使って作っているが芳しくない。物理法則の違いとそもそもの科学知識の不足だ。
元が単なる一般人。研究職についていた訳でも科学オタクでもない以上知識には当然限りがある。
まぁ、ハイスペックやオーバーホールで補助しながらどうにかしている。恐らくは後五年程で形だけは出来るだろう。趣味としてみていた科学系のアニメ等の記憶を掘り起こしている。
逆に言えば五年間自己強化は不可能という訳だが。
ここら辺はやはりAFOで魔法能力や武技等の力を奪えるか検証すべきだろう。奪えるなら奪って糧にすべきだ。
次に情報収集と最終目標。
情報は現状では配下も無いため自分で集める必要がある。分身を性転換の個性で女になって関係ない第三者の振りして集めるというのもあったが女の身だとどうなるかわからないので辞めた。
何なら最悪レイプとかされて妊娠でもしたらヤバい事に成るし、性転換して街中歩くのも結構なストレスに成りそうだったから。
だからこその冒険者。ある程度身分が怪しくても成れて、かつ様々な都市へ行っても不思議では無い職業。
という訳で、分身の役割をわける。
一人はこの森の完全掌握。一人は個性・脳無研究。一人は科学実験。
本体はこれから冒険者だ。
そして最終目標は国家作成。
自分の今の寿命がどれだけかはわからない。だが最低でも二百年は生きれるだろう。感覚的にはその程度ではない。
恐らくもう少しAFOが成長すればもっと本質的な物さえ奪えるようになる。例えば──寿命とか。
そうなれば自分は実質的な不老不死に成れる。流石に惑星の崩壊や太陽系の消滅などが起これば死ぬだろうが。
となれば、ただ無駄に無意義に生きるのはつまらない。
世界征服でもしようか──なんて思ったが現実的ではない。
世界を征服するには必要なモノがある。
1.永遠の命。何があっても失われず、脅かされること無い力。
2.圧倒的な頭脳。その他知的生命体全てを凌駕する頭脳。
3.自身に心酔する配下。絶対に裏切らず、死ねと言えば即座に死ぬ忠実なる下僕。
1は持っている。2はハイスペックでギリギリ代用できるかもしれない。だが最後が無理だ。
配下など、脳無という代用品はあるが脳無に自立思考能力は無い。ハイエンド脳無は生前の自我が残るが優秀とまでは行かない。
というか脳無もアノニマスも戦闘前提の存在だ。統治には向かない。
だらこそ、一国家が精々関の山。世界を征服するなど夢。
この世界が何なのかよくわからんが、吸血鬼とかエルフとかの長命種がいるならばそれを語ればいいだろう。どんな立場かわからないので下手に語れないが。
という訳でまずは、冒険者に成るとしようか。
しかるべき準備をしてから。
■
「なんだろう……あれ」
カルネ村に近づく一団。一応はその頭目とされる男。片目を隠した髪型をしたそれ以外に特徴は無い者──ンフィーレア・バレアレ目の前の光景に目を疑った。
頑丈そうな、丸太の城壁が出来ている。
実に頑丈そうだ。狼等では突破出来ず、弓矢による攻撃は完全に防げるだろう。この城壁を破壊するならば魔法を使うか、それこそ攻城兵器でも持ってこないといけないだろう。
それほどに強固な壁が出来ている。
カルネ村は単なる農村。それなのに、何故?
その光景に護衛として雇って連れて来た冒険者。漆黒の剣の一同も驚愕している。
「これほど立派な壁があるとは……この村はそれほど危険なのでしょうか?」
よくよく考えればここはトブの大森林に最も近い村の一つだ。防衛設備があっても不思議ではない。
漆黒の剣の面々はそう考えるがそれをンフィーレアは否定する。
「いえ、この村は森の賢王の縄張りが近く、モンスターが来ることも無かったはずです。なのになんで……」
その言葉に全員が頭を悩ませる。
「考えても仕方がないからさ、取り合えず中に入らない?」
入れるかは兎も角、という言葉を弓使いルクルットは飲み込んだ。
門の左右には櫓がありそこには兵士代わりの村人が居た。
弓と矢を持ってはいるが鎧は来ておらず服のみ。
それを視認したペテルは声を上げる。
「エ・ランテルから来た冒険者の一行だ! 門を上げて貰いたい!」
櫓の上の村人は少し悩み。門を開けることを決意した。
ゴゴゴ、と大層な音と共に門が開く。
「エンリ!」
門の向こう側に居た人物にンフィーレアは声を上げた。
人間は二人。片方は何度も見た事のある相手であり、自身が恋する女性。
エンリ・エモット。
隣にいるのは見た事の無い村人だ。この村の住人は大体知っているはずだがそれでも見た事が無い。
特徴が無い訳ではない。むしろありすぎる。
老人の様に白い髪と対極的な赤い瞳。
背丈は自身を越え、ダインやペテルを超えている。凡そ百八十は最低でも超えているだろう。
体格はそこまでではない。ダイン程がっしりとはしてないがそれでも戦士の体付きをしている。
馬車が進み。エンリのもとまで進む。
ンフィーレアは馬から降り、エンリに駆け寄る。
「何があったの? この城壁は? それと、隣の人は?」
最後だけ、口調が強くなっていないだろうか。ンフィーレアはそんな心配をしてしまう。
「いろいろあったの。話をしたいから、私の家まで来てくれる?」
■
「そっか。そんなことが……」
エンリから話を聞けば。それは悲惨な話だった。
帝国騎士の装いをした者達が村人を虐殺したという、あんまりにもあんまりな話。
「けど、くよくよしてちゃだめよ。妹もいるし、頑張らなくちゃ」
空元気だ。一目見て分かる。
両親を亡くした今。畑の管理はどうなるのか。貯蓄だってそう無いだろう。
村の生活は辛く苦しい物だ。話でしか聞いたことの無い自分であってもそれぐらいは分かる。
だから──
(ここで、自分と一緒に街で暮らそう、て言い出さなきゃ)
このままいけば順当にエンリとネムは死ぬ。それが現実。
平時ならば他の村人が助けてくれるだろう。たが他の村人も家族を殺されたり畑を踏み荒らされている。ただの小娘二人に構う暇も余裕も無い。
それに、村が襲われたからと言って税収が変わるだろうか。嫌、変わらないだろう。寧ろほかの村が滅んだことで税収が減るとカルネ村に重税をかすかもしれない。
王国の貴族ならばそれをするという嫌な信頼があった。
「けどね、今はシガラキ様の手伝いをしているの」
「シガラキ──様?」
先程の話にも出ていた人物だ。村を救ったという戦士。
「なんでも、実験? がしたいんだって。それで今、手伝ってるの」
畑を弄ったり。水を弄ったり、と。
その言葉に裏は無い。尊敬の念すら感じる。
ンフィーレアにとって救いなのはその言葉に恋愛感情のそれが無い事だろう。
感じているのは恐らく尊敬や崇拝の類だ。
事実、エンリにとっては神にも等しいのだろう。窮地に陥った自分を救ってくれたばかりか、自分の食い扶持まで用意してくれてるのだから。
現状エンリは死柄木の手付き女の様な地位についている。──実際は肉体関係等無いが。
これは村長の企みもある。あれほどの戦士が村に居てくだされば、という儚い願い。
「そ、そっか」
「うん!」
キラキラと、尊敬の目をする想い人にンフィーレアはそれ以上言えなかった。
■
(クソわよ! ガチのクソわよ! ゴミ! うんち!)
一人。畑で心の中で愚痴を吐く男が居た。言うまでも無く死柄木である。
実験として用意してもらった畑で。死柄木は一部の個性の練習をしていた。
目論見は成功。三日前に撒いた小麦の種は順調に成長し芽が出始めている。
それならば実験通り、と言えなくも無いが他の作物──小麦その他に問題があった。
この小麦は、品種改良されたものだと。練習した千里眼やオーバーホールを使って分かったのだ。
つまり、この村自体が同胞によって作られた村だということだ。
(いや、あるいは人類自体が? 明らかに品種改良された小麦に対し農具等の文明レベルが合っていない)
最悪。この小麦自体も魔法で作られた、というのもあり得るだろう。恐ろしい話だ。
こちらも個性で無機物を作れるがそれにはエネルギーを消費する。ならば魔法で使われるエネルギーは何処から来ているのか。
エネルギー保存の法則。極論言えば世界は消費する事で存続する。まぁ宇宙とか言い出すとわからなくなるのでそれは置いておくとして。
一本の木を育てるエネルギーと一本の木から得られるエネルギーは等価ではない。エントロピーだったか。詳細は死柄木も知らないが。
まぁ死柄木自体も摂生やエネルギー効率等の個性で半分以上逸脱しているので文句を言えた身ではないが。
この小麦は改良されている物であり、現代のモノに非常に近い。
理由は単純。自分が良く知る小麦とほぼ同質の物だから。
明らかに変だろう。小麦や畑に関する知識は無いが、それでも科学の科の字しかないような世界で育てている物が現実と同質? 何の冗談だ。
となれば誰かがばらまいたと考えた方が自然だ。誰が、何のために、というのは付くが。
次に農耕。これらは地球のそれらと近いとわかった。
家畜を使って畑を耕し道具を使って補助する。そして、魔法を使う。
ここにも魔法である。攻撃以外にも使えると聞いてその便利さに拍手を送ればいいのか、あるいは科学に唾吐くクソ技能として吐き捨てるべきか。
「……さて」
遠くからこちらに近づく一団──ンフィーレアの護衛として来たという冒険者の一同を見る。
実にファンタジーな格好だ。武器を手にし鎧を纏う集団。現代だとしてもコスプレ集団には見えないだろう。
武器は使い込まれているのが良く見えるし、恰好は実に似合っている。コスプレの様なコレジャナイ感が無い。
そして能力を知る為に個性を使う。
「は?」
思わず。間抜けな声が出た。
個性サーチ。見た者の位置と弱点等の情報が得られる個性。
この個性で得られる情報は既に検証済み。だが、これまで見た事の無い物を持っている人物を見て言葉が漏れた。
サーチでこの世界の人類を見ると。位置と弱点以外にも面白いことに職業が見れる。
例えば村長ならばリーダーという職業を。ただの農民ならばファーマーという職業を持っている事がわかる。
(メタ視点だと職業だけ。レベルは見れない。最も高いレベルが見れる 上級職>最もレベルの高い職業が見れる)
その中、ニニャという少年の振りをした少女の能力──
欲しい。思わずそう思ってしまった。
というか奪える。この力も。
まだまだAFOも進化の途中だ。恐らくもっと行けばもっと違うのも得られるのだろうが──今のこの段階でも
だが、奪ったところで使い道は無さそうだと何処か冷静な自分が告げる。
魔法適正。魔法の習得速度を速めるこの力は自分が得ても意味の無い力だろう。
そもそも自分に魔法は使えない。
分身にサーチを使わせて本体を確認した際、自分の所持している個性や能力は判明したがこの世界の住人の様に職業までは見れなかった。弱点は見れたが。
自分にも職業が適応されるならば戦士や格闘家。あるいはモンスターなどの職業が見れてしかるべきだろうに。
これは恐らくそもそもの規格、法則が違うからだろう。
死柄木弔である自分は僕のヒーローアカデミアの法則で動いている。
それに対しこの異世界の住人は異世界の法則で動いてるのだ。
ならば何故自分が存在しているのかとか、サーチで何で職業が見れるのか、という問題がある。世界観がそもそも違うのに何であってるのだという問題が。
そこまで考えだすときりが無いので止めておくとする。
兎も角死柄木はこの世界に干渉できるし、この世界の住人は死柄木に干渉できる。
仮に絶対にどんな相手も燃やす炎があれば死柄木弔は燃える。だが大体の相手が燃える炎ならば死柄木弔は燃えない。死柄木は炎の個性を持つ事で得た炎耐性があるから。
死柄木は自身に近づく一団に自分から声を掛ける。
「やぁ。冒険者の皆さん。この村に何の用で?」
■
「成程。その様な魔法があるのですね……」
冒険者の集団と話す事数分。話題は主に魔法になった。
自分が住んでいたところでは魔法使いはいなかった、という話に彼らは疑問を抱くことなく気持ちよく話してくれた。
恐らくこれはこの国──あるいはこの世界の気風によるものなのだと思う。魔法使いは非常に珍しいらしい。
そして冒険者の仕事内容について聞いたり彼らの普段の生活について聞いたりするうちに聞きたかった魔法について聞くことが出来た。
聞いた限りでは魔法を使うには世界への接続が要るらしい。
これで確信できた。魔法とは法則だ。ルールだ。
言ってしまえば科学の振りしたゴミだと思っていたが、恐らく魔法も科学の範疇に入るのだ。この世界では。
だが、才能という個人に依存するらしい。それだけはゴミと思えるが。
というか才能とは一体何なのか。それを考えると魔法はやはり法則ではない気がするし、逆に世界への接続だとすると法則な気がする。
科学とは誰がどうやっても同じ結果に成る事をさす。極論言えば核兵器のスイッチを赤子から大総統まで誰でも押せるのが科学。
赤子では押せなくて研鑽した老人なら押せるのが魔法、と言ったところか。
この違いは何処からくるのか。恐らくは職業というこの世界独自の法則からきているのだろう。
恐らく、魔法詠唱者は"魔法法則"に接続し、そこから魔法を引き出している。
例えるならば役所への申請に近いだろう。金の代わりに魔力を。申請書の代わりに詠唱を用いている。
こうして例えるならば、この世界の魔法──位階魔法は才能が全てと思える。
つまり、第一位階しか使えない人間は第一位階しか。第五位階ならば第五位階用の。
上は下を兼ねるが下は上を兼ねない。悲しい現実。
恐らく何かしらの手法で越えることは出来るのだと思うが確信は無い。
生まれ持ったそれが全て。貴族も平民も関係ない。才能という形で表す越えられない壁。
そして自分は魔法を使えない。
握手する事が出来たのでニニャという魔法詠唱者の力を奪えないか試したが奪えなかった。これもまた法則が違うことによる弊害だろう。
だがタレントは奪えた。直ぐに返したが。これを考えるにタレントもまた別の法則で動いている気がする。
そして魔法で出来ることとなれば、何とも青筋建てる様なクソの塊である。便利ではあるのだが。
例えば、周囲の温度を変えたり。食料品を長時間保存できるようにしたり。炎を出したり。武具に特殊効果を付与したり。
何ともまぁ、科学に喧嘩を売ることこの上ない技術だ。エネルギーリソースが何処からきているのか実に不思議極まる。
彼らが住んでいるエ・ランテルなる都市には一年以上食料を保存し続ける事が出来る巨大倉庫があるらしい。だからそのエネルギーは何処からきてるんじゃボケ。
まぁこれも法則として納得するしかないのだろうが、一応現状科学者として実験検証をしている死柄木としては質量保存の法則何処行ったと嘆きたくなる。
更に水を作り出すマジックアイテムもあるとか。その水は何処から来てんだよほんとにもう。
この場合、考えられるのは二つ。
一つ。魔法とは無限のエネルギーであり。文字通りの無限。尽きること無い永劫なる炎。
二つ目。普通に魔法もエネルギーを消費する。そのエネルギーは人程度では認識できないナニカであり、あるいは世界そのもの。
可能性としてはどちらともあり得るとしか言えないだろう。そもそも魔力が何なのかという問題もある。
ニニャ曰く魔法を行使するエネルギーであり、剣士で言う体力の様なモノ、らしい。詳細解ってないのかと怒鳴りたくなった。
というかこいつらは原理不明の訳の分からない物をよく使えるものだといっそ感心する。訳の分からないまま使っていたら何時か使えなくなるかもしれないのに。
「ん、あれは……」
そうして談笑していると遠くから彼らの依頼人であるンフィーレア・バレアレが小走りでやって来る。
「あの、──シガラキさん。少しいいですか?」