タイトルに『解体』って付いているのに、解体話1個も出てきていないんだが???
大変、申し訳ありません。
作中設定だと、まだ1日経っていないというのと、作者の想像が弱々すぎるというのが言い訳です。
正直、多分あと5話ぐらい(思い付いてないけど)解体話出てこないです。(主人公の家の家事程度のことぐらいなら出てくるかもしれない……。)
魔法少女に変身して、片手に斧を持ち、歩きながら
「なぁ熊スコット。私が持ってる武器は斧だが、形変えたり出来ないのか? この大きさだけだといつの日か限界来るぞ」
「無理ぷ。魔法少女が変身した時に持つ
「ふ〜ん。ところでこの武器って本来私のように解除するものなのか?」
「それは違うぷ。アレはミーが驚かすための冗談で言った嘘ぷ。だけど、お前はそれで行けてしまったぷ。不思議なことぷ。それでお前と一体ギァア"ァ"ア"ァァァ" !?!?!!!!??!?」
「なるほど。私はマスコットのことを信頼していたのに、まず最初に命を絶つ決断を迫るとは……許されざることだと思わんかね?」
私はこいつの頭を顔や腕、手に血管が浮かび上がるほどに強く握りしめた。
あのタコも最終的には拳で仕留めたと言っても過言ではないし、きっと……いや絶対痛いだろ、私の握りは。
今すぐ神経なんかを斧でぶった切って痛覚を覚醒させまくった状態で解体してもいいが…………やめた。
「おいマスコットしばらく黙ってろ」
「ゾンナコトイウナラテヲハナシ……gyyy……」
マスコットが何かを言おうとしていたが、さらに力を加え、口の部分を完全に潰した。
多分意識も潰した。
私が何故急に物陰に隠れ、声を殺し、熊カスを締めたのか。
いや、熊カスは締めて当然だったわ。
では改めて、何故私が隠れることにしたのか。
それは私の耳が右前方から人の話し声のようなものを受信したからである。
ちなみに距離は結構遠い。
では、なんで隠れたかと言うと深い理由はない。
こんな恐ろしい廃墟街で人なんて鉢合ってみろ。
強盗されるぞ! 財布とか、金とか、財産とかを盗まれるんだぞ!
なら、鉢合う前に隠れたほうが絶対いいじゃん。
絶対にバレてないが、さらにもっと確実にバレないようにするために隠れた。
ちなみにだが、この廃墟街のような場所はどこもかしこも完全な暗闇だったわけじゃない。
ところどころに煙が出てたり光ったりしてた。
最初は誰かが花火でもやっているのかと思ったが、それにしては静かすぎたりしたため、一応念のために警戒しておいたのだ。
いや〜功を奏した!
ヤヤミミとか動物とかだったら全然解体してたんだけど、人間を殺っちゃうと法律に引っかかるからね。
法律に引っかかれば魔法少女は確実に剥奪されるだろうけど、肉屋にも就職できなくなってしまう。
それどころかもうほぼヤヤミミのように人類の敵になるしかなくなっちゃうよ。
あぁ、法律ってなんて残酷なんだ……くっ……。
せめて、私がヤヤミミみたいな見た目だったら罪をなすりつけられるのに……。
私がそう残念がっていると、話し声と足音が少しずつ近くなってくるのを感じた。
変身した私の姿は少し光っているし白い。
いくら煙がところどころにあったり、光ったりしても近くを通ったらほぼ必ず見つかるだろう。
一体どうすれば……。
……!
フハハハ! これだ! この手を使えばいいんだ! なんて私は頭がいいんだ!
こうすれば私が魔法少女とは思われないから見つかっても大丈夫だし、上手く行けば人間も解体できる!
しかも、こんな見た目をしていたら確実にヤヤミミにしか見えないから罪もなすりつけられる!
あぁなんて素晴らしい考えなんだ。
欲も解放でき、能力の新たな使用方法も考えられ、やったことのない人間の解体まで出来る可能性がある!
あぁ、思考とは素晴らしい♡
「はぁはぁはぁはぁ」
「ウフフフフフアハハハハハハ!!!」
俺は謎の化け物から逃げている。
それは人の皮を被り、頭と2本の腕しか存在せず、その3つ全てが空中に浮いている。
さらには両腕には
そして、淡い光を常に放っている。
「ッ!? ぶねっ!!!」
ヤツは時々どちらかの腕を俺の前方や左右に出現させ、足を狙ってくる。
ほぼ確実に動けなくするためだろう。
その後に何をされるかは想像に難くない。
──俺は魔法少女を恨んでいる。
理由は単純、ヤヤミミによる被害者の一人だからだ。
正確には、俺ではなく妹がヤヤミミの被害に巻き込まれて死んだ。
昔の話をしよう。
俺はその時、ネッ友と一緒にプチ旅行に行っていた。
プチ旅行でお土産も買い、妹の喜ぶ姿を想像して早くその笑顔を見たいと思っていた。
だが、俺が帰ってきたときには既に町が滅んでいた。
俺はその光景を見て絶望した。
持っていたお土産には割れ物もあったが、手から力が抜けスッと地面に落とした。
気が付くと足が動いていた。
ただその思いだけを胸に宿して、動かしていた。
最悪の予感を感じながらも、それを思いついたその場から否定していく。
妹の無事を祈る思いすらも、焦りと恐怖と絶望と……そんなたくさんの思いに押し殺されて、──―頭が真っ白になった。
妹が行きそうな場所を探して、探して、探して、探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して。
…………恐らく、きちんとした時間で1時間ほどだったと思う。
俺の体感時間はもう何日も、何週間も、何ヶ月も探したような気持ちで、……だが、見つからなかった。
俺が行った全ての場所に妹は居なかった。
俺は胸を圧し潰すほどの不安と恐怖に苛まれながらトボトボと家までの帰路に着いていた。
その過程で俺はたくさんの人が密集していた場所があったので、何か妹が見つかる希望があるかもしれないと思い、そっちに足を運んだ。
──―そこで俺が最初に見たのは、ある魔法少女だった。
青寄りの水色の髪をしていた。
顔は整っていて、身長も高かった。
妹が少女漫画について話してた王子様のようだと俺は思った。
そして、すぐ後ろを見ると今回のヤヤミミによる被害者たちであろう民間人と魔法少女が顔に白い布をかけられてブルーシートの上に寝かせられていた。
近所のまっちゃんや、よくお裾分けをしてくれていた照さん、PTAについて愚痴ってた薫さんに、イタズラをしまくるけどいつも子供たちの中心になっていた明くん、恋人のさっちゃん。
他にももっともっと沢山の知り合いの死体を見た。
そして、その中には妹の彩芽の姿もあった。
「彩芽……?」
毎日変えず続けていたポニーテール、好きだからとよく着ていたフリフリのついた碧を基調とした服、毎朝同じマニュキュア……。
他にもたくさんの情報が妹と似ていた。
揃っていた!
「嘘だ……」
そう思いながら両手で顔を抑える。
その瞬間、毎日見せてくれていた笑顔も、一見つまらない世間の話も、バカらしいちょっかいも、何もかもがもう出来ない、訪れないと察すると、俺は落胆した。
絶望した。
苦しんだ。
もう二度と訪れないその日々をこれからも続く長い人生を想像して恐怖した。
そうしていると、先ほど見かけた魔法少女が寄ってたかってたテレビ局に向かってこう言っていたのを今でも覚えている。
「今回なヤヤミミによる被害についてご遺族の方に深く謝罪申し上げる。言い訳などはしない。
ドライだった。
まるで手慣れているかのように。
今考えれば、町なんてまだ小さい方で、星や国、県や州が機能しなくなる可能性すらある相手と戦っているのだから、被害を出さないなんて不可能なはずだ。
きっとこういうことを何度もやってきたのだろう。
だから、やり方をわかっているのだろう。
そう思える。
だが、当時の俺は心に余裕なんてものが隙間1つなく埋まっていた。
俺は小心者だから声を荒げるなんてことは出来ない。
でも、その魔法少女を睨んだ。
魔法少女もその思いを感じてか表情を変えないまま、どんよりとした空気を出して、マスコミの集団の中を通って、歩いて、消えていった。
誰もその歩行を邪魔しようとしなかったし、文句の1つもかけられなかった。
そして、俺は心が落ち着くまで、ネッ友の家で世話になった。
ネッ友はそんなことがあった俺を見ても、ニュースを見ても、決して態度を変えなかった。
最初こそ怒鳴り散らかしたり、喧嘩になっていったが、時間が経つにつれ少しずつその程度のありがたみを感じた。
きっと、同情されてたり、それに近しい感情を態度に表されていたら、
──少しだけ余裕が持てた頃に俺はめちゃくちゃに謝った。
怒りをぶつけてごめん、理不尽に怒ってごめん、殴ってごめん、壊してごめん、ごめんごめんごめんごめん……。
ただ、謝り続けた。
こうしないと俺は心が保てなかったというのもある。
そして、そんなネッ友は一言だけこう告げた。
「心は落ち着いたか?」
その一言に俺も「少しだけ」と答えた。
ただ、その一言がこれまで受けた励ましの言葉よりも、同情の態度よりもずっとずっと温かくて、救われた。
そして、後からニュースで知ったことだが、町のライフラインの7割近くが機能を失い、死者数は十数万にも昇ったらしい。
そして、その被害を出したヤヤミミは20分ほどで討伐されたらしい。
たった20分で町を機能停止させるヤヤミミとそれを討伐可能な魔法少女という存在について、俺は改めて自分の浅はかさを思い知らされた。
だが、救われたからといって許すわけにはいかない。
家族がもう戻らないから。
二度と会えないから。
もう絶望しきった後だから。
だから、あの日遅かった魔法少女を許すことはない。
無論、ヤヤミミも許すことはない。
俺はあの災害から10年間科学を学び、工学を学び、ただひたすらに知識と経験を積み、この立ち入り禁止区域であり、俺の大切な人たちが滅んだ町。
ここで俺は両勢力を討つために力を蓄えていた。
だが、先ほどから逃げ続けている、後ろのヤヤミミでもなさそうで、魔法少女でもない化け物に襲われている。
もしかしたら、人のために動く魔法少女に対して憎しみを持った罰かもしれない。
だけれども死ねない。
ここで死んだら全てが無に帰る。
だが、何とか間に合った。
俺は今走っていた道の路地裏に曲がり、さらに2個目の道を右に曲がった*1。
「よしっ!」
ここには、長年の試行錯誤で
俺はそれを手に取り、撃った。
「喰らいやがれっ!!!」
それはヤツに当たるはずだった。
突如、放ったエネルギー弾が消え、
「!? あがぁぁ"あ"ァ"ァ"ァ"!!!」
人体に特効じゃないとはいえ銃。
殺傷力は高い。
俺の足から手が流れ、力が入らない。
「……クソがっ……」
悔し涙や悪あがきの声なんかは出なかった。
所詮、俺なんてこの程度。
そう思うと、こんな死に方なんて身の程知らずが突っ込んだら当たり前だったんだ。
と、そう感じながら、俺は迫りくるヤツの斧を見ていた。
もう先ほどのやる気なんて感じなくなって、目を瞑った。
なんて理由はない。
ただ、もう一度大切な人たちに会えることを祈って。
だが、その一振りはどれだけ待っても来なかった。
なんだ?
そう思い、ゆっくりと目を開ける。
そこから見えたのは、10年前見た魔法少女がヤツの斧を止めているという事実だった。
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今
桜鉤 駿介(さくらかぎ しゅんすけ)
年齢:28
大切な人たちの仇を想って、10年間頑張ってきた人。
原作(ゲーム)の設定だと、魔法少女にもヤヤミミにも属さない第三勢力(第三勢力は両勢力に付かず、戦う人の総勢)。