異世界に転生したくない!!!!(女神は帰れ) 作:才名無一郎
俺の朝は早いわけでも遅いわけでもない。だがちゃんと俺は間に合うように家を出てるし今まで遅刻したことだけはない(早退は良くするが)
俺はどちらかというと真面目に分類されているのだ
だが俺とてこんな形で遅刻することになるとは思わなかった。
眼の前にある事故現場を見ながら俺は警察に通報したばかりの携帯を握りしめると大きくため息を付いた。
事故はこれで今日何回目か、もうすでに分からなくなりつつある
『ええ……なんで生きてるんです?あの状況絶対に死ぬはずでしょう』
「ッッッ」
聞こえてきたのは今日の朝?昨日の夜?とにかく夢に現れた女神の声。どこだ?どこにいる?まさか───
『あなたの頭になんて住むわけないじゃないですか、失礼な』
「成る程、テレパシー能力か」
『似たようなものです』
「どうでもいい、それよりまさかこの事故のことを見ていたのか?」
いや、なんでこいつは俺のことを最初から見ているんだ?わざわざ見るにしてはなにかが───まさかこいつ
「俺のことを見ているだけじゃない、俺に手出しして殺そうとするために
呆れた、全く違う人間を使ってまで俺を異世界に呼び込もうとしているのかッ
『この国の神々にはちゃんと許可というものを取りましたよ』
「俺には?」
『 神権ないので』
「クソみたいな世界だな、それでまだこんなことを続けんのか?全く関係ない一般市民を巻き込んでまで?どう考えても邪神じゃねぇか」
『邪神でもなんでもこうしてる今も私の世界で何百人という人間が死んでいってるんです。たとえこの世界のいかなる人間に被害が及ぼうとも止める気はありません』
そんなことよりと邪神は続ける。なぜあの状況で生き残れたのかと
その言葉とともに俺は今日の通学路でのことを思い出した。
「行ってきまーす」
返事が帰ってくることなどありえないと知りながら俺はそれでも挨拶をした
いつまでも帰ってこない言葉が胸に残り続けていることを噛み締めて通学路へと踏み出す。
俺の学校───火陰高校の朝は普通の学校と比べて早く7時半には校舎についていなくてはならない。その分帰りこそ早いのだが俺の親友がもしこの高校に所属していたならば初日で発狂していただろう
そんな事もあって俺はいつもどおりの6時半に家を出ていた。いつも通りのいつものような十字路に俺は差し掛かり
その瞬間、飛び込んできたバスが俺の体をはねてガードレールに激突した───
「ウッソだろ」
なんてことはなく当然のように俺はバスから逃れていた。とりあえず救急車を呼びながらまた通学路を駆け出す。この事故のせいで俺の通学時間は5分ロストした。かなりギリギリの時間に学校につくように家を出ているのでかなり急がないといけない
「───ッッ!」
飛び退いて道の脇にそれる。その瞬間にトラックが大型自動車にぶつかってこちら側に飛んでくる。そのトラック自体は問題なかった。だがその次
突如止まった大型自動車に後続車両が慌ててハンドルを切った。その先には紛れもない自分の姿がある。
止まれと書いてある交通標識に向かってジャンプして上に上がる。更に別の車両がぶつかって倒れてきた大きな街路樹から逃れるために大きく跳んで花屋のサンシェイドに降りる。
時刻を見る。7時登校時刻は7時半、あとの距離は走っても40分以上かかる
終わった、この時刻からでは何をどうしても間に合わない。
俺は救急車を呼んで休むことにした。
「そこの坊主!引きかけたの謝るからここから出してくれーいやちょっと待てよどこに行こうとしてるんだ俺はトラックの前に座って───」
「あのくらいの状況は生きてて当然だろう。高校生を舐めてるのか?」
『断言しますけどあれがデフォルトの高校生なわけ無いですよ?毎回転生者があれならば今までに死んだ転生者はいないってレベルですよ』
「あとあのトラック運転手さん気絶しちまったんだぜ!もうちょっとなんかこう申し訳ないとかそういう気持ちないのかよ!この人でなしめッ」
『いやあの時のトラック運転手が気絶してるのは助けを求められたのに助けなかったからでしょう?』
「もともとの原因はお前だろうが」
一時間目の教師は英語か、よしサボろう
「で、なあんで遅れたのかね」
「交通事故のせいっす」
このクソ英語教師がいつの時代も英語教師はアタオカって決まってんだよ(最上級の偏見)
それにこの教師言葉使いがなんか変で聞いてて嫌になるし
またもや事故に巻き込まれて全力で走って学校についたら校門の前に1時間目の授業を終えた英語教師が立っていて今滅茶苦茶怒られている←今ここ
「なあらばそのことを警察に報告して事情聴取を受けているはずだあろう?」
なんか言われてみたらそうかも知れないな。でも
というかいつまで校門の前で怒ってんの?さっさと校舎内に入れさせろよ
『おや、こんなところにいたのですか。もう教室の中に入ってると思いましたが』
クソ女神かよ、あの後もよく何回も事故を起こしてくれたもんだな
俺は口に出さないようにじっとりとした目を·········どこに向けようか?
少なくとも今も怒り続けているクソ教師から睨まれないようにしないといけないし·········
『ああ、さっさと要件のみを伝えます。』
要件?また何か事故を起こすのか?いやそれならばわざわざやることを最初から宣告しておく理由というものがないだがそうすると何をいやさらに逆·····
だとすると
『
「───ッ貴様ッッッ」
「なあんだね君教師になあんて口を利いてるんだ!!」
テロリスト?ありえないわざわざ俺にそんなものを送りつけるんだ?全く関係のない人間をこの世界の神が許すっていうのか
まずなんでテロリスト?これについては予想だがこのテレパシーか何かを祈ってる最中とかに送ったんだろう。「神の侮辱をこの男がしたので殺せ」とかなんとか、普通はそれじゃあ動かないと思いたいんだが狂気に飲まれてるような奴らがどう行動するかは俺にはわからない
ならなんでそこらの一般狂人じゃなくてプロの奴らを選んで───
「まさか、殺すんじゃなく拷問まで入れた考えかッ」
『まあそれだけじゃなくてあなたの能力の試運転も兼ねてるんですよ』
能力の試運転?そういえば夢の中でこいつは俺に能力を与えたから世界を救う責任がとかなんとかほざいていた
だからプロに任せようになるわけか、確かにプロ相手だったらかなり強い能力であっても倒せないだろうし能力の概要を教えることも驕り高ぶった人間が持ちそうな自尊心プライド一気にまとめて焼却炉に持っていけるだろう
《vib:3》だんっっっっっ《/vib》
大きな音が放送室から聞こえてきた。今の時間には誰もいないはずだが鍵を銃でこじ開けたか
『ア、ア───聞こえてるか
?我々はテロ組織「ヴァンガード」下部組織「
『神に敵対する行動を起こした大罪人に告げる。今すぐこの放送室に来たまえ』
『この命令に背いた場合この学校にいる異教徒を10分ごとに一人殺害していく、勿論ただ殺すのではなくありとあらゆる苦痛を与えてから殺してやる。』
「邪神が、いまのはお前の命令で」
『その通りですよ、さっさと命令に従ったほうがいいですよ。まあ逆らってもあなたに与えた能力の実験になるだけですが』
「そんなことのために全く違う人間を巻き込んだのかッ」
『はい、何も許可を取らなかったわけではないですよ、ちゃんとこの国の神には連れて行くためには私が取り得る行動を取っていいという確約を』
「巫山戯てんじゃねえ」
人間という種族はいつだって孤独だ、誰もが自分自身という存在を獲得していく進化をする過程で「完全なる理解」を捨ててきたような種族だ。
だからこそ人間はその生き様を、せめて死に様を勝手に関係ない人間が変えていいようなものではない
自分の行動は自分だけが変えていいのだ、そこに他人が訳知り顔でなにかいって良いことなんて何一つとしてない
俺は大きく深呼吸をして眼の前の門の脇から刺股を取り出そうと四苦八苦している英語教師の横を通り過ぎて歩き出す。
それと同時に俺は夢の中で
「異能展開<