異世界に転生したくない!!!!(女神は帰れ) 作:才名無一郎
「よお」
「なっ、なんだ隠岐か。いやお前今テロとかなんとかで大変になってんだよ!ってそもそも学校来てないから知らないか、ん?なんかお前別人になったか?」
「そーいや来る途中でなんか変な人達きてたな、挨拶()されたから挨拶()返しといたぞ。あと別人ってなんだ別人って」
「なんか挨拶に変な含みあるような·········気のせいか?ああ、そうだ聞いてくれよここにいたテロリストのことなんだけどよ、隣のクラスの小笠原さんがなんか来てぶっ飛ばしちまったんだよ!!」
俺の所属しているクラスこと3組にやって来ている。何らかの方法を使ってこのテロ集団を攻撃していた人間の存在を俺は探りに、この犯人についてなのだがまず最初にクラスに来ていたテロリストを攻撃していたらしく様々なクラスでテロリストが死んだり気絶していたりしているのである。最初に見た時びっくりした。めっちゃ残虐な方法で殺すやつなんだ、仲良くできなさそうだ
やり方としては残虐な方法を使って顔を剥いでいるときもあればひと目では生きているのか死んでいるのかわからないほど生者と変わらない死に方をしていることもあった。
この情報の中でわかることはこの犯人はこの学校の生徒の中の誰かということ
理由は学校のことを知り尽くしていないとわからない死角から攻撃したのだろうあとがあったりクラスで集まって隠れている生徒たちの顔などがまあ暗かったが少なくとも全く何も知らない人に救われたという類のものではなかった··········これについては個人差もあるからわからないか
そこで俺が声をかけたのは同じクラスで人のことが好きでいつも人間を観察している佐渡である。こいつならば誰に助けてもらっても確実に名前がわかるだろうと踏んでいたがビンゴのようだ
「で、その小笠原ってのは?」
「あれ?お前この学年のマドンナの小笠原さんのこと知らないのか?あの美しい甘栗色の髪にキレイな外国人混じりの青い目、ツヤツヤした肌いつ見ても最高だろう。何か今日見たら髪が青色になってたけど。というかお前も前にこの話したときに頷いてなかったっけ」
「さあな、もうずいぶん前のことだからわかんね」
いやまだ一ヶ月も経ってないと騒ぐ佐渡の戯言をBGMとして聞き流しながら思考を進める。
この小笠原というのがこのテロリストをやった犯人で間違いはないだろう。髪が云々についてはわからないから聞きとばすとして
「なあ、その小笠原さんがこのテロリストとやらを倒した時どうなってたんだ?」
「え?俺もよくわからなかったがなんかこいつがいきなり後ろに吹っ飛んで更に顔がグニグニ歪んでってたよ。ちょっと小笠原さん怖かったけど··········正直ね、興奮した」
「踏まれてろ」
「御褒美じゃないか」
「ちなみに今その人がどこにいるのか知ってるか?」
「放送室なんじゃないか?なんか言ってたし」
後ろに吹っ飛んだ、か·····何の異能なのだろうか?
いやむしろ異能じゃない全く別の力の可能性もあるか、魔法とか言われたら考えようもないし
どちらかというと後ろに吹っ飛んだよりも顔がグニグニ歪んだってのが気になる。
サイコキネシスみたいな力だったらかなり熟練度が高いことになるし
「あんがと、ま、知りたいことはしれたかな」
「なら良かっ、おいちょっと待てお前どこに行こうとしてるんだまだ外には敵がいるかも知れないから出ちゃだめって小笠原さんが───」
俺は放送室に向かうためにクラスを出て歩き出す。
学校の水飲み場
何時もの学校ならば水筒を忘れた水無しにして自販機にも頼りたくない金欠がぞろぞろと集まっている場所だが、今日はテロなどという一大事があったせいで誰もいない
静かなその場所にて二人の人間が向かい合っていた。一人はこの作品の主人公こと異世界に行きたくない隠岐、そしてその対極に立っている水色の髪(違法染色)の少女である。さてこの少女はヒロインになれるのだろうか?
「あんたがあの悪魔の力というものでテロリストどもを殺した犯人なの?」
「君がクラスにいた奴らを攻撃していた犯人かい?」
どちらも相対する人間の反応から今聞いたことが事実であることを理解する。そして同時にそれ以上の情報を喋る気はないということも
(クラスを守ったのは事実のようだけどあまりにも最初から敵意を見せつけてくる。それにこちらの手札が何なのかを推理するかのように視線を彷徨わせている。なんだ?この状況は、・・・・・・まさかこいつあの自称女神の放った刺客なのかッ、あまりにも多くの人間の命が失われるのは女神としてもこの世界の神?に目をつけられる可能性もあるから取りたくない。だけど無理だったときの保険として仲間のように見せかけた敵を贈ることによっていつでも殺せるようにしているのか!)
隠岐の予想は外れている。だがしかし少女が内心敵意を持っていることも隠岐の異能を推理しようと目を凝らしてその痕跡がないかを探っているのも事実
そして
(なぜあのテロリスト集団に狙われているのか?その答えは私にはわからないけれどはっきりとしている事がある。)
(あのテロリスト集団は悪魔の力と言っていた。それは創作現実問わず邪悪な力の総称)
小笠原は思い出す。あの自分の行った異世界に悪の種を撒き散らし世界を崩壊へと向かわせていた魔王のことを
(そして彼らの持っていた手記には"女神の声が聞こえてきた"と書いてあった。)
彼女の異世界転生をサポートした女神は正直者で、親切でどうしようのないほどの善人だった。
だから彼女は女神の声を本当に聞いたのかと言う問いは生まれてもその女神によって人が騙される状況が思い浮かばない
(まだ怪しいところもありますが、ここまで状況が揃えばほぼ黒でしょう。もし違っても今本物の悪魔を逃すほうが危険ですの)
隠岐の抱える人間不信と少女の口の下手さ、思い込みの強さが最悪の形で交わる
どちらが思考の海から帰還するのが早かったか、攻撃はほぼ同時に始まった
瓶が割れて硫酸が撒き散らされる。小笠原の体が後ろに引っ張られてその液体を回避すると同時にその硫酸の水たまりに向かって隠岐の体が引っ張られる。
硫酸を地面に染み込ませることで危険をなくし踏みとどまるがすでに後手に回っていた、隠岐の左右から空気の壁が迫るがそれを地面に自分を「染み込ませる」ことで回避する。
(こいつの能力は空気を操るものか?気圧差を生み出して空気を攻撃に使ってきた·········いや違うなその能力なら口の周りを空気の膜で覆って息できないようにすればいいがそれをしていないということはまだなにか別の条件があるのか?まあいい次の手は近づいて攻撃をしたら自分を巻き込まれるような状態に陥らせてみて考察の情報を手にするか·········)
(この人の悪魔の力もやっぱり能力なのね、しかし''油断は禁物”ですわね。それに悪魔にしては身体能力が低いような·········能力だとしたならばこの能力は一体?液体が消えた、人間の姿も消えた、異界にでも格納してるのかしら)
お互いがお互いの能力を考察し合うその瞬間にも戦場は変わっていく
小笠原の後ろから現れて手に取った棒で殴りかかるが躱される。対して小笠原は好機とばかりにテロリストにもやったような顔を歪めるように力を調整する
だが
「今確信した。小笠原さんあなた能力で気圧差を作って攻撃してるだろ」
「なっ、なんで私の異能が効いていないの?」
「さあね」
隠岐は変わらずにその場で自分の推理を語り笑っていた。小笠原は一瞬自分の能力が発動しなかったのかと疑うが自分の記憶も能力も気圧差による攻撃が実際に起ったと伝えてくるために困惑が強まる。
「もうお前の能力の対処方法は解った。勝てると思うなよ」
「なんですって·········」
小笠原の顔に汗が流れる。異能戦において異能がバレるというのはおまりにも不利
異能というのは成長することが極端に難しいもののため一度知られてしまえばそれは一度取られた対応がずっと効果を持ち続けるということ。畢竟殺されやすくなる。
更に異能はその人間がどういう人間なのかという本質をついているものでもある為自分の異能が知らない人間に知られるというのは単純に死が近くなるだけではなく人間性についての予測が立てられるということ
だからこそ普通異能者は異能を隠すし絶対にバレないようにブラフをかけて戦いを行う
(
(あっぶねぇーッッ、カンでやった作戦が当たってて良かったー)
無一郎 「基本的にこの作品の主人公の認識おかしくね?ってなったらそれは意味があります」
友人 「ええー?ほんとにござるかぁ〜」