いよいよ本編突入です。
これ書いてて思うんですが、一夏ってホントに鈍感ですよね。
正直言って殴りたくなります。(`・ω・´)
四月上旬、全ての高校が入学式を執り行う時期。IS学園もまた入学式が行われていた。だがそれが終わるとすぐに授業が始まる。
一年一組の教室内、副担任である"
学園に関する簡単な説明を山田先生が終わらせ、各生徒の自己紹介へと移る。自己紹介をしているクラスメイトの声を聞きながら一夏を見やる。一夏は両手を頭に当て、俯いていた。声を掛けようとするが、自己紹介の順番が回ってきて中断させられる。
山田先生が「お願いしますね。」と言って笑いかけてくるのに返事をして立ち上がる。
「《狼騎》代表取締役兼社長、雨月慎です。趣味は動物と戯れること、特技はモノマネです。今はいませんが、俺の相棒と言える奴がいますので後で紹介します。様々な方面で皆さんのご迷惑になるかもしれませんがよろしくお願いします。」
一息に言葉を紡ぎ出し、お辞儀をして締める。
頭を抱える一夏以外のクラスメイトは呆然とした様子で俺を見て、きっかり3秒経ってから驚きの声を上げた。
彼女らの反応としては、
「え!?狼騎ってあのIS装備の開発会社?」
「そもそも代表取締役兼社長ってどういうこと!?」
「ていうか相棒ってなに!?」
と言ったものだった。
ところで"狼騎"とは何かというと、銀狼事件をきっかけに企画されていた四脚型のISを基に、武装やISを製作する会社である。ISの製作は狼騎の所持しているコアが一つのために開発が遅れているが、武装製作に関しては業界トップクラスの売上を誇り、第三位の位置にから変動していない。
「とりあえず、そこらの質問は後にしないかな?次の方が皆気になってる筈だし。」
一夏のほうを見ながら言う。その発言の意図を悟ったのか質問の波が止まる。
「進行お願いします。」と山田先生に言いながら席に着く。山田先生が自己紹介の進行を再開したことを確認し、PCを取り出す。起動されたモニターに表示されるのはISのパッケージ企画書。簡単に言えば、追加武装に関する企画書だ。それのデータを打ち込み、計算を始める。
計算を始めた5秒後、ズルッと言う擬音が正しいと言えるほどにクラスの女子達は転け、一夏は世界最強と謳われた自身の姉である"
「自己紹介すらまともに出来んのか、馬鹿者。」
「げっ!?千冬ね…」
「学校では織斑先生と呼べ。」
一夏はそんなやりとりをしている最中に今日二度目の出席簿による痛みを受けていた。
「諸君私が担任の織斑千冬だ。これから一年間でお前たちを使い物にするのが私の仕事だ。だから私の言う事はよく聞き、よく理解しろ。私の仕事は十五歳から十六歳までを鍛え、お前たちを使えるようにする。別に逆らっても良いが、私の言う事だけは聞け、いいな。解らなくても返事をしろ!」
一夏とのやりとりを終えた後、千冬さんは声を響かせる。しかし、それ以上に女子達が黄色い声を響かせる。
「キャーー!!千冬様!本物の千冬様よ!!」
「私、ずっとファンでした!!」
「私、お姉さまに憧れてこの学園に入学したんです!北九州から!!」
「私、お姉さまの為なら死ねます!!」
正直耳が痛い。これほどまで大きな声を女子が出せることに驚く。あと千冬さんのファンの数にも。
「全く、よく毎年これほど馬鹿がいるもんだ…私のクラスに集めてるのか?」
千冬さんは明らかに面倒くさそうな表情を隠しもせずに呟く。しかし女子達は千冬さんのそんな表情でさえ憧れの眼差しを向けている。その中で一人、一夏は驚きを隠しきれず、
「千冬ねえ…先生やってたのか…」
と呟いていた。
ホームルームが終わり、少し長めの休憩時間に入り、クラスメイト達の会話が始まっている。
「なぁ、慎兄だよな…?」
授業の準備を進める途中、声を掛けられる。声の方を見ると一夏が此方の顔をのぞき込むように見ていた。
「これまた懐かしい呼び方だね、一夏。昔を思い出すよ。」
「やっぱ慎兄か、俺一人じゃなくて良かったよ…。」
俺の声を聞いた一夏は安心したような声を出す。
「ーーちょっといいか?」
そんな会話をする俺らに声がかけられる。話しかけてきたのは
「おぉ、箒ちゃんじゃないか。ひさしぶり。昔と変わらず元気そうだね。」
「慎さんこそ、身長以外そのままじゃないですか。その長い白髪も含めて。」
「そうなのかな?一夏もそう思う?」
「変わってないから気付いたんだけどな。」
「マジでか…。ところで箒ちゃんは一夏に用事かな?一夏だったら持って行っていいよ。」
「ちょっ、慎兄!?」と驚く一夏の背を押し、箒の方に行かせる。
「う、うむ…ありがとうございます、慎さん。」
顔を少し赤くした箒に手を振り、IS開発用の簡易ディスプレイを開く。そこに在るのは白と黒で彩られた四脚型のIS。かつて"銀狼"と呼称されたモノ。その名を"
さて、楽しもうかな…ここの生活も、一夏の成長も…。