量産兵のボクにチートなアドバイザー(オレ)がつきました 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
『バーン! 今日の分!』
「ありがとうな。今魔石に変えちゃうから」
島に来て3週間ちょっと……だいぶ島での生活も慣れてきた。
というか、フランがちょっと凄すぎて、食料問題、衣類の問題が一瞬で解決したし、建材に使うかって言われていたゴーレムを倒してレンガを集めるよりも、フランの錬金術で海底粘土を良質なレンガやコンクリートに加工した方が早いとして、建材問題もほぼ解決してしまった。
今はジン達が音頭を取って倉庫や家を作る真っ最中。
何ならフランが錬金術で強化プラスチックの枠組みを作り、その枠組みに合うようにレンガを置いていく作業で家が組み上がるようになっていた。
まぁ家を欲しがったのは一部だけで、殆どは砦の部屋が快適だから砦の部屋に継続して住み続けているけど。
家は将来住民が増えることを考えてだね。
というか海底資源採掘できるから、ゴーレム倒さなくても、砂鉄が集められるし、錬金術で鉄インゴットや他の金属と混ぜて合金にできるから、ゴーレムが本格的にいらない子になったり……。
さてさて、エデン島の住む場所とかが整備されていく中で、魔族として強くなるのは重要なので、アイに協力してもらって、引き続き翼? の一部を提供してもらって、魔石に変えて、それを皆が1日1個摂取する生活を続けていた。
『少しずつだけど皆強くなってるよね! お父さんとお母さんも魔族としての格が上がっているのがわかるよ! 逆にフランとかは魔石を食べた当初は急激に格が上がったけど、そこから停滞しちゃったね』
「個人差はあるからね。それにアイが強くなれば皆も更に強くなるわけだけど」
『うーん、もうしばらく時間が掛かるかな〜手っ取り早くだったら信仰の力で引き上げるってのも私はできるけど』
「信仰の力……」
《オレ》に説明を求めると、天使族は信仰されることでも自身の格を上げることができりのだとか。
「ちょっと……それは考えておくわ」
『例えば……』
アイが翼の一部を変化させて、自身を模した手乗りサイズの石像を作り出した。
『これを皆に崇めてもらうだけでも効果があると思うんだけど……隊長がそれは許さないよね』
「まぁ部隊の秩序が乱れるからな。あくまでトップは隊長だ……だけど人間に崇めさせることはできると思うぞ。ちょっと考えておくからまた協力してくれ」
『はーい! じゃあ私は魔法の練習を皆としてくるね〜』
「いってらっしゃい」
アイに信仰を集めるの……この島の食料とかを人間に横流しすればできるんじゃないか?
〈例えば、凶作で作物の収穫量が減ってしまって、食料に困っている村にアイを送り込んで、食料を渡して信仰を得るってのはできるんじゃないか〉
《オレ》によると、夜間とかにボクが人間の村の上空から塩をばら撒き、不作を誘発させて、村人の食料を困らせてからアイに食料を持たせて送り込めば、勝手に信仰してくれるだろうと言い始めた。
これを《オレ》の世界だとマッチポンプって言うらしいけど、塩も今のボクらだったら量産できるし。
(やるなら早いほうがいいよね?)
〈そうだな。その方がアイの信仰による格の強化にもなる。地図作りも並行してやればいいんじゃないか? 〉
(隊長に報告してみるね)
隊長に報告すると、またえげつないことを考えたねって言われ、確かにアイの魔石を取り込んで格を上げる方法は、前よりゆっくりになっているし、隊員の格も上がってきていると言う。
「とりあえずアイと相談したり、技術指導をしながらやっていこう。効果が出てくるのは半年後とかになるだろうし」
「そうですね……じゃあ準備だけでも先にやっておきます」
「うん、よろしく頼むね」
隊長から言われた翌日から、ボクはスクエニーを伴って、周辺の地図を作成することを始めた。
対岸にマーキングしておいたので直ぐに瞬間移動で飛んで、2ひでぶらぶら空中散歩。
海岸は三日月型になっていて、東に進むとエデン島、北に進むと人間の領土、島から見て南西が魔族の領土。
東には火山と山脈があって、壁になっているし、移動には適さないので、一種の緩衝地になっている。
雲に隠れながら人間の領地を見て回るが……ここらへんは平和そのもの。
近くの魔王軍は消滅しているし、山脈の壁で行軍は不可能地域が横たわっているから今眼下に広がっている村々は平和な日常が行われている。
「ポツポツ村があって、街道があって……本当に普通の人間の領地って感じだね」
「まぁ魔王軍に対抗するために食料の調達とかがされているだろうけどな」
「だねー……よし記録できたよ。やっぱり空を飛びながらだったら地図を作るの早く済むね」
「お、ありがとう。じゃあもう少し北に移動しようか」
「おー!」
海沿いにはポツポツ町が見える。
港町で栄えていそうだな。
「上空から見ても全く見えないエデン島……」
「まぁ凄い距離が離れているからな」
遠見の魔法で見てみると、多くの魚が水揚げされて、その魚を商人達が買っている感じ。
「採取の杖だと魚は捕れないからね……」
「上手いこと交換できたりできないかな」
「「うーん」」
スクエニーとかは商人的な考え方ができるし、ボクは《オレ》っていう例外がいるからわかるけど、基本魔族に交易の概念はない。
隊長とかは人間の文化を知識として理解している節はあるけどね。
「領主とかを利益で魔族側に転ばせることができれば色々楽になるんだけどなぁ」
「そこら辺は今後に行うことだね。強い魔物とかも居ないし、強そうな人間も居なさそうかな」
そしてちょっと周りから離れている村に目星を付けてから、ボクとスクエニーは夜間に塩を上空からばら撒く作業を行うのだった。
塩攻めと言う農業を根幹から破壊する邪悪なことをボクらは行っているが、今後の為だ。
それにマッチポンプで助けることになるから結局助かるし、少しの間人間達には絶望していて欲しい。
地図の方はスクエニーが転写の魔法で紙に写し、今は隊長の部屋に飾られている。
結構様になってるんだよな〜。
あとは生活が安定してきたことと、サードアイの面々も彼氏、彼女の恋人関係になる人が増えた。
元々夫婦関係にあった人達もいたけど、15歳以下の面々も恋人関係に進展して、子作りに励み始めたけど、エレンみたいに種が強力というか……エレンは孕ませるのが凄いんだけど、魔族として強くなってしまったことで女性側が孕みにくくなってしまった。
ジンと隊長はどうしたものかって頭を抱えたけど、フランが、
「強制妊娠薬でも作ろうか? 素材あるから簡単にできるよ」
とのことで、フランの力技でこれも解決してしまった。
そのためエデン島では若者達の子作りラッシュが始まることになるのだった。