空想令嬢ガールはえちえちホームズを夢見るか? 作:何処にでもある
起きてる間の牢屋敷(夕方の黒い森の中)
エマ「ふぅ…無事にアトリエも見つかったし、アンアンちゃんはメルルちゃんがミリアちゃんに届けたし、途中でシェリーちゃんとハンナちゃんと逸れたし、脱出計画は全く進んでないや! どうしよう!」
ナノカ「ねぇ、あなたは私のリボンを奪った人?」
アリサ「ちげーよボケこのアホヅラがそんな事出来ると思うか?」
「突然の暴言!?……ってナノカちゃんとアリサちゃん! こんな所でなにをしてたの?」
「……黒部が自分の大切なリボンを落としただのウチが盗んだかどうかだの煩くてな。【発火】で追い払おうにもしつけーし銃持ってるし、とにかくしつこ過ぎるから仕方なく一緒に探してんだよ」
「見るからに盗み癖がありそうだから疑ったけど、案外親切だった。根は良い人。多分」
「ほらな? この調子でうぜーくらい絡んでくんだよ。テメーこのポンコツ連れてけよ。聞いた感じ黒部の魔法便利そうだしどっかで役に立つと思うぜ?」
「だったらボクも一緒に探すよ! どんな特徴? その服みたいに黒色だったりする?」
「おい無視かよ良い度胸してんなぁオイ」
「ごめん! 役に立つかどうかで人付き合いを決めたくないなって思っちゃってつい」
「……ハッ。おめでたい奴」
「!! 私が言う前にリボンの特徴を当てるなんて……もしや」
「ちげーよ単なる予想に一々反応すんな」
「……ありがとう。手伝ってくれた分だけ、二人には私が調べた情報を伝えておく。これで協力関係ね」
「あ"? 元はと言えばテメェがしつこく追いかけ!」
ー同時刻、レイアはミリアとココと一緒に牢屋敷限定配信をしていたー
レイア「私こそが皆を脱出させるとここに誓おう! みんなの光にさせてくれ!」
ココ「おーサマになってるねー。誰も見てねーのによくやるわ」
レイア「──なん…だと…!?」
「ちなあてぃしはミリアに一任した。なんで文句はミリアにしくよろー」
ミリア「え!?……ご、ごめんねぇ? おじさんみんなにやるって告知し忘れちゃってたー…あーはは」
レイア「……仕方ない、急な話だったしまた今度にしよう」
「ところで別室騒がしくね? あてぃしそっち覗きに行っていい?」
ー同時刻、ノア・アンアンチーム、シェリー・ハンナチームはー
[誰だ♦︎の6を堰き止めている者は]
「いやぁ、ヒリついてきましたね!」
「ビリがスーパートレデキムの治験をする…正に命を賭けたデスゲームですわね…」
「絵の具を食べるのは身体によくないとのあは思うなー……のあが描いた絵じゃないけど」
「……意地悪はやめてさっさと【自分の手番で♦︎6を出せ】」
「あ、ズル! それズルですよ! 皆が見逃しても名探偵は見逃しません!」
「……勝てばよかろうなのだ」
「あーシェリーちゃんがハンナちゃんみたいなこといってるー」
「3日も同室なら言い回しの一つや二つ移ることもありますわよ。だからどうしたって話……それと、それを言うなら聞き逃すじゃありませんの?」
「というかノアさんとアンアンさんが作った手作りトランプなんですし、製作者ならカードの差とか分かりませんか?」
[吾輩はしっかり線に沿って画用紙を切ったぞ]
「のあはちゃんと裏柄は揃えたよ? あ、♦︎の6出しとくね」
「なんだか職人魂を感じますわねー」
[今サラッととんでもない裏切りの発覚起きなかったか?]
「しゃっ! アガリですわー!」
ココ「なるほどトランプかー…と。やべっそろそろ
ーそして7並べはノアの敗北で終わりー
ー22時になり独房の鍵が閉まる前に戻りそびれたハンナとシェリーはノアとアンアンのベッドを借りー
「10時過ぎちゃった!……真っ暗で怖い!」
「はぁ……(ボッ)…発火にはこういう使い方もある…明るくしたんだから桜羽はウチから離れろ」
「……着いてきて。私が付き合わせたのが悪いのだし、安全な場所に案内する」
ーエマはアリサとナノカと野宿することになったー
「……あちこち見て回って遊んで寝た直後に、事件解決に行くのだいぶ怠いですわね。1日がなっがいのなんの」
「おはようございますハンナさん! あれ、でもハンナさんからしたらこんばんはが正しいんですかね?」
「おはようで構いませんわ。それより、周囲が前と場所が違うのはどういう理屈かしら?」
就寝し霧の都に来たハンナが早速辺りを見渡し始める。
それもそうだろう。前回は確かお昼休憩にお洒落な喫茶店で消えた筈。なのに周りを見ればオペラ座の観客席に座っているではないか。
「………じー」
これまでの流れからして、こんなことになる原因は一人だけである。ハンナはシェリーをジトーっと見つめると、いつも通りの実に爽やかな笑顔で解説してくれた。
「前回コチラにポップした際座標がズレたのは覚えてますか?」
「ええ、勝手にわたくしで実験しやがったのはよーく覚えてます」
「そこで名探偵シェリーはこう考えました! ハンナさんが最後に立っていた地面が出現起点になっているのではないかと!」
「んな物理的な……」
「なのであの時ハンナさんが踏んづけていた小石を拾ってたんですけど、この予想が正しければ小石の上、即ち私の上にポップする筈なんですよ。なのでここまでのシェリーちゃんの仮説は間違っていたというわけですね」
「……つまり?」
「なんで私の近くにポップしたのか全く分かりません!」
「ここまでの時間を返しやがれですわこの迷探偵がー!……手がっ…このゴリラぁ…」
ブーーーーーー!!!
パシパシとハンナがシェリーを叩いて手を痛める中、ブザーと共に観客席が暗くなっていく。
急な音にハンナがびくりとして辺りを見渡す。先程は気付いて無かったが、疎らな空席が目立つものの高級なドレスを着た貴婦人やシックに仕立てた紳士服の男性が一様に座って居るではないか!
隣には怪訝な顔で騒いでいた自分を見る観客も居て、ハンナは苦笑いでお茶を濁す羽目になった。
「ど…どういうことですのこれ…!」
「シー…これからレイアさん主役の演劇が始まりますので、お静かに」
ハンナが小声でシェリーに問い詰めるも、シェリーはイタズラが成功した様な顔で指を口元で立てるだけだ。
「〜〜〜! 後で説明して貰いますわよ…!」
あまりの急な展開についていけてないが……折角の舞台を前に立ったり騒いだりするのは高貴な令嬢らしくもない。
ハンナは渋々蓮見レイアそっくりな看板役者、レイア・マリーが先導する舞台に視線を向けることにしたのだった。
♧ ♠︎
「で、なんでわたくし達は舞台を観ることになったんですの」
「面白かったですか?」
「答えになってない!……まぁ、惹き込まれる良い舞台なのは認めてやりますわ」
「ですね! 面白い舞台でした!」
舞台も終わり観客席からぞろぞろと退館する流れから外れ、ノアの作業現場に向かう二人が言葉を交わす。
「真面目な話をすると調査の一環ですね! ハンナさんが居ない間にレイアさんの魔法を体験しようと思い立ちまして。一応いつ来ても良いように2席分チケットを買ってて正解でした!」
「喫茶店に出てたらどうするつもりでしたのそれ」
「店員に書き置きを置かせて貰ったので、それでオペラ座に来たハンナさんを回収ですね!」
一見抜け目のない予定に思えるが、劇の方に出なかったらかなりの時間待ちぼうけになっていた事を思うとまぁまぁガバガバなスケジュールだった。
ここは一発叱って起きたい所が、ずっと引きずっていても仕方がないこともある。かなりの時間を観劇に使ったことに免じ、ハンナは話の続きを催促した。
「それで、肝心の魔法は何か分かりましたの? わたくしは全然意識してなかったからさっぱりですわよ」
「確かに【視線誘導】でしたが、キッチリ3錠服用してる強さではありませんでした。レイアさんが舞台に上がっている間はどうにか視線をズラそうとしても顔や全体の動きに視線を奪われますし、別のことに意識が向けません。説明としては興味関心を一点に固定する…が正しい表現でしょうか。これ、変なタイミングで使われたらかなり厄介そうですね!」
「変なタイミング?」
「例えば私が壁を殴ろうとした瞬間にハンナさんの方に意識を向けさせられた場合、私はハンナさんを誤って殴ってしまうでしょうね!」
「こわ! イヤな想像をさせるなこの馬鹿! もしそうなったら意地でも避けてやりますわよ!」
唐突なイヤな想像にハンナは再度叩いては自分の手を痛めた。前々からよく似た事を考えるが華奢な自分が恨めしい。
シェリーはわーっはっはっはぁ!とジョーク前回に笑っているが、そんなことでシェリーに人殺しをさせるなんて御免被るというもの。
「例えでもあなたにわたくしを殺させないでくださいまし! 冗談じゃねーですわよ!」
「………すみません、間違えてしまったみたいですね」
ハンナの様子にようやく例えを間違えたことを悟ったのだろう。シェリーは眉をひそめて申し訳なさそうな顔をした。
……それでも笑顔のままではあったが、彼女なりに反省しているのは間違いない。
「……反省しているならいいですわ。もう二度とすんじゃねーですわよ」
「はい! シェリーちゃん反省、ごめんなさいでした。てへ!」
「…そこでちょけたら台無しですのよ!」
「はい」
死とは冷たく心細いものだ。ハンナはその事をよくよく知っている。
花を手折る様に人は思っていたよりも儚く死ぬし、見てない間に居なくなられたら後悔が積もる。
シェリー・ホームズは橘シェリーと別人か夢と現の関係かは分からないが、ハンナはもうどっちとも憎からずな関係で、怪力で明るく心優しい友人であると認めている。
ブラックジョークでもその様な言葉は聞きたくは無かった。たとえウザがれてもここだけは譲れないのである。
「ふぅー…話が随分と逸れましたわね。それで、これで分かったことはありますの?」
「先ず、レイアさんの魔法の詳細からノアさんを深夜に魔法で誘導し描かせたという仮説が生えました。これならノアさんが暴走させた訳ではなく、レイアさんが故意にノアさんという道具で今回の事件を起こしたという事になります。真実がどうあれ、これを事実にすればトータルの被害は少なくなるでしょう」
発展したことは新たな仮説に基づいて調査できる様になったこと。
ハンナはそこで漸く違和感を感じた。今、探偵とは思えない発言が通り過ぎなかったか?
「…ちょっと? 真実を探すんじゃなくて隠蔽工作をしてどーすんですの」
「実質今回の依頼の裏の意図がそういうものなので……真実は解明しますが、それはそれとしてカバーストーリーを考えるのも探偵の仕事です」
「……ノアさんは犯人を見つけろと言ってましたわよ!?」
「勿論理想は真犯人をビジーっと指差してトドメを指すことですよ? ですが誰しも真実を求める訳でもないですし、やっぱり隠した方が良い事はあります。浮気調査とか、真実を調べても報告の時にやっぱり聞きたくないとお金だけ置いていく人もいる訳ですからね」
「シェリーさんの口から聞きたく無かったタイプの現実の辛さですわぁ!」
ハンナは頭を抱えた。
もうほとんど夢の中みたいな物の癖に妙に生々しいリアリティと対面する事になろうとは夢にも思わなかったのだ。
「最近の事例だと依頼人のヒロさんという方が、無理してご友人のエマさんの真実を聞いてなれはてになりました。魔法少女相手だと特に真実ってデリケートなんですよね」
「ヒロさ〜ん!!?」
ハンナは自分でも悲しいのかちょっと嬉しいのか同情心なのか分からない悲鳴をあげた。
まさかここで初日にデュラハンになった人物の名前が出て来るとは思わなかったのだ。
おお、ヒロよ。ここで死んでしまうとはなさけない。
「因みにハンナさんが初日に追いかけられていたなれはてがヒロさんです」
「あ、なんか急に哀れみが消えましたわ。……因みに、どんな真実でしたの?」
「要約するとエマさんがやったと思ってた罪が免罪だったって感じですね。詳しくは守秘義務があるのでこれ以上はハンナさんでも言えませんよ!」
「もう良いですわ。死体蹴りする趣味はねーですもの」
最初に散々命を取られかけたよく知らない相手の事情を知った所でどうしようもない事もある。
またもや逸れた話を戻す為、ハンナは今度こそと気合いを入れ直した。もうツッコミを入れて逸れないようにしよう…と。
「さて、表側から集められそうな情報は集めました。ここからは裏取りの為にちょっと危ない事をします」
「何すんですの」
「夜間に侵入して機密資料を探したり問い詰めたりですね! 具体的には日記や手帳でしょうか。それらを拝見させて貰うか、無理矢理知ってる事を吐かせます」
「この脳筋!!」
これは流石にハンナも我慢ができず突っ込んだ。どこまで強引に解決するつもりだと。
この際不法侵入は放っておこう。探偵なら寧ろ普通のことだ。
それよりもハンナは今、探偵としてのあり方を問うている。
「もう敢えて一個ずつ聞きますわよ!?
日記を書いてる保証! 吐かせる方法!
推理はどうしましたの探偵! やってる事が最早特殊部隊やスパイなんですのよーーーー!!」
「いつどこで魔女や消えない魔法で死ぬか分からないので、他の人に何処が危険か知らせる為にも日記や手記を書いてない人は居ません!
吐かせる方法は説得か物理的に勝つかですね! 言葉で折れない人も何故かトドメを刺す一歩手前まで追い詰めれば大体喋ってくれますよ!」
「いや手段がジャンプのバトル漫画! さっきまでの妙な生々しさは何処に行きましたの!?
というか日記や手記を書く理由がゾンビ映画のそれ!! これで魔法少女の隔離がされてないのが寧ろ謎ですわね!?」
「ハンナさんって案外娯楽について詳しいんですね。貧乏なのにそういうのは見れたんですか?
………? なぜ私はハンナさんが貧乏だと知って…?」
「はぁはぁ…うっせー…はぁ…ですわ…紙ゴミで捨てられてたジャンプを……弟2人の為にかっぱらってただけですの……はひぃー…なんか息苦し……後はテレビ……ぬぅぅん!」
「へー。そうなんですねー。ところでなぜ押し出しをー?」
はぁはぁ…とハンナが一度に言い切り息切れを起こし、唐突にシェリーに張り手で押し出し始める。なんと言うべきか、この世界のチグハグさに付き合ってたらその内憤死でもしそうな勢いであった。
もしやすると諸事情で現実で同じベッドで寝ることになった奴が強めに抱きしめたりした影響なも知れないが、ここからは確認できないので不確定である。
「ふぅ、やっと息が……夜に侵入するのは確定事項って事で合ってますわね? 昼間に訪ねるのでは無理であると」
「はい。ノアさんと一緒に今日も起きたのを確認しましたし、早めに終わらせないと取り返しが付かなくなりそうで……昼間だと言えないことも有りますからね。色々と都合が良いんですよ」
「わたくしはいつコチラに来れば良いんですの?」
夜間侵入なんて結構重要そうな局面である。
ハンナはキリッとした顔で何をするべきかシェリーに尋ねた…が。
「え、いつも出て来る時間は同じですし参加は無理じゃ……あ、やば。今の聞かなかったことにできません?」
具体的には午前10時から午後6時までの8時間である。
丁度午前午後を反転させれば牢屋敷の就寝時間と同じであった。
あちゃーとシェリーが頭に手を当てる。時間の流れに相違はないのを利用しばれないよう今回の侵入調査には参加させない予定だったのだが……うっかりボロを出してしまった。仕方ないので直接断る方針に変える。
「……昼寝必須ですわね」
「そうなりますよね。要りません。大丈夫です。無理にやらなくても私が全部やりますから。ハンナさん、夢の用事を優先して現実を疎かにしてはいけませんよ?」
「あ、遂に夢と言い切りやがりましわねコイツ!」
これまで本当にそうだったらイヤだなーと思って明言を避けてきた言葉がアッサリと出て来る。
ハンナ的には情緒のない行いだと批判するものの、対してシェリーはジトーっとした眼でハンナを咎めていた。……表情の作りが下手なので、どちらかと言えば流し目みたいになってたが。
「実際は兎も角ハンナさんは間違いなく寝てる間にこっちに来てるんですから言いもしますよ。
まぁ……仮に来ちゃったら仕方ないので、ノアさんかレイアさんと劇団長さんのどちらかを任せますけど……普通に時間外労働厳禁ですからね、ハンナさん。
ただでさえ牢屋敷の方で大変そうなんですから、あまりこっちにカマけないでください」
「ぬぎぎ……シェリーに常識を説かれると無性に腹が立ちますわね…!」
とはいえ、やるべき事の共有はこれで済まされた。済ませてしまった。
一応ダメと言ったが、こうなったからにはハンナの性格なら絶対に仕事をしに来るだろう。
シェリーは透明になっていくハンナの顔を見てやれやれと肩を竦める。これは次の再開は早めに来そうだ。……或いは、本当は来て欲しいからボロをこぼしたか。自分で自分がわからないと厄介だとシェリーは内心ひとりごちる。
「では、16時間後に会いましょうねハンナさん! そしたら完璧にお仕事を終わせたシェリーちゃんのこと、可愛い大好きえらいねすごいね天才っていっぱい褒めてください! そしたらシェリーちゃんは無敵になれちゃいますから!」
「いーやーでーすーわー! 絶対手伝いに行きますので準備しておくことですわー…ぁー……ー…」
「鉄火場ですし、来るなら武器か何か持ってきてくださいねー!……さて」
毎度のことだがエコーを響かせながら退場するのがちょっとシュールだとシェリーは小石を片手お手玉しつつ思う。
「出現位置にこちらの地面との位置関係が関係ないとなると……ハンナさんの牢屋敷、そこで暮らす魔法少女達の距離関係の方でしょうか? 帰還時のエコー、ハンナさんの物理的な魔法での物品移動。かなり物理的な現象だとは思うのですが……ふむ」
そういえばコチラの物を運べるなら、人を持つとどうなるのだろう。いまだ向こうの品をコチラに持って来る実験が出来てないので試せてないが、ハンナが武器を持ち込んで来たらやってみても良いかも知れない。
「謎は着々と解けてますよ、ハンナさん……と!」
小石を噴水広場に投げ入れた。
チャポンと噴水の水面に消えるのを眺めつつ、シェリーは地図に警備員の見廻りルートを書く為の調査に乗り出すのだった。
起きてる間の牢屋敷
「むにゃむにゃ……」
「──ン"ッ!……イッッ……っシ上半身抜けた! ゴリラ女め、わたくしを抱き枕にするなんて。まーじで死ぬかと思いましたわ」
「ぬへへ……」
「……多分、シェリーの隣に居たから向こうでも隣に出れましたわね? つまりお昼までに武器を見つけシェリーとお昼寝するのが望ましい……誘うの恥ずいですわね、これ」
「しぇりーさー……」
「……現実を優先しろ…か。あー言っちゃいましたけど、確かにコッチの居心地も良くなっておりますし、それもアリなのかも知れませんわね……」
「うぇへー……」
「……馬鹿みたいに幸せそうですわね。……あ、そうか。アイツここに来る前のわたくしみたいな辛気臭さがあるのか……はぁ、ほっとけない訳ですわ。勝手に自己投影して、あの時自分がして欲しい事をしてた……うわっ我ながらくそダセーですわー」
「………(今起きたけどなんか大事な事言ってるし、なんか頭撫でられてるしで動けないシェリーちゃん)」
「……ふふ、可愛いお顔……もう少しだけ、見させてちょうだいな?」
「………(ここで起きてるのバレたらその後どうすれば良いってものではないのでくすぐったいのを我慢してるシェリーちゃん)」
「ノア、ノア…下の空気がすごいことになっている。起きろ、絶対みた方がいいぞあれは」
「すきにかけるー……えへへ……」
「……嘘だろ、吾輩だけか? 吾輩だけが尿意を我慢して耐えねばならんのか?……ノア起きろ、吾輩と同じ目に合うかこの空気を破壊しろ、頼む、頼むから。なぁ、ノア〜ぁ…」