私の愛を受け取って欲しかった。
「愛させて欲しい。」
その願いが叶うなら、セカイの終わりも悪くない。
「某漫画の世紀末って感じだな。戦争が原因でも、世界が終わりでも無いけど。」
「……セイキマツ、って何ですか?」
聞き覚えの無い単語に首を傾げる。チカイ先輩に問うと、快く教えて頂けた。
「世界の終わり、みたいな意味だよ。ノストラダムスの予言みたいな。」
「それ、外れましたよね。」
小さな頃に、どうせ世界は終わりじゃー!みたいな予言を信じた人が居たらしく、この国がパニックになった事があった。
因みに私の父もその一人である。今にしてみれば恥ずかしいと、語っていた。
「有名な予言だったから、それを題材にした漫画があったってわけ。設定では戦争で目茶苦茶な世界になってんだ。」
「確かに似てるのかも知れませんね。戦争が原因ではないし、日本以外はセイキマツではありませんけれど。」
荒廃した国。人の生活の名残の残骸をぐるりと見渡した。
セカイの終わり。そうかもしれない。
「……それ、世紀末の使い方間違ってるから。」
「てへぺろ。」
「古ッ!」
セカイの終わり。セイキマツ。
とっても素敵だ。
「ソウちゃん、次5体来るよ!」
アイが耳打ちすると同時に気分が高揚する。指差す方を見ると確かに5人、確認できた。テンションが上がる。
「アイは3と2どっちが良いですか?」
余計な事を聞いてみる。アイは私にとても優しい。私の考えを理解は出来てないのに、察して上手く立ち回ってくれる。
「ソウちゃんは思う存分やっちゃえば良いんだよ。私がちゃんと合わせて、サポートするから。」
「アイ。ありがとう。」
「ソウちゃんのタメ口、キター!!死ねる!」
アイは優しい。変だけど。
そうこうしていると、敵が近づいてきた。その内の一人が飛び出して来る。
「ソウちゃん!」
「アイ、大丈夫です。……あの子を愛して来ます。」
愛させて。あなたを見せて。愛してあげる。大丈夫私はあなたをちゃんと理解できる。真っ直ぐに私に向かっている。私を食べたいのね。大丈夫。私がちゃんと愛してあげる。あなたを完全に理解したわ。失敗すればすぐにアイを襲うのでしょう?分かるわ、でもごめんね私が愛してあげるの。そう愛してあげる。大丈夫一瞬だから。痛覚は無いと思うけど、次が来ちゃうからすぐに首を屠ってあげる。だから愛させて。
『総司、剣道の極意を教えてやろう。
剣道は相手を見切れねば勝てぬ。よく見て、理解しろ。行動を全て読みきれ。最強の剣豪になるために。
お前には俺すら越える才能がある。お前が二代目沖田総司となる為に、一目で敵を完全に理解出来るようにしろ。心を全て暴いて、全てを見透かすのだ。
恋をするように、理解しようと努力しろ。』
昔、セイキマツの予言よりずっと前に父はそう言った。
私はその教えを守って戦っている。
けれど。その思考は異常であると、すぐに理解した。だから隠し続けた。
弱くなると知りながら、愛する事をせずにひたすら相手を睨んで竹刀を振るった。
でも、このセイキマツとこのセイキマツを一緒に歩くアイは分かってくれる。
「愛してあげる。だから愛させて。」
私はこのセイキマツを、愛せる幸せを噛み締めた。
Side:沖田総司
この絶望ごと愛してる。
オキタ ソウジはツインテール女子学生です。ややこしくてすみません。