キチガイ達が暴れるだけの、そんな話。   作:シニカケ

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サイトウラブリイのコウフク論

誰にもあげられない。私だけのものになって?

 

ソウちゃんは可愛い。

 

敬語で、ツインテールで、学生で、色白で、目がくりっとしてて、強くて、でも優しくて、本当は愛した相手を殺すのは抵抗を感じてる。

 

私はソウちゃんの愛を理解出来ない。

私がゾンビにならない限り、「愛して」もくれない。

 

でも、私のソウちゃんでいてくれるなら我慢できる。我慢、しないと。

 

 

 

「ソウちゃんをいじめるなハゲ!」

 

「グフッ!」

 

ソウちゃんの頭を撫で回しやがったソウちゃんの照れ笑いを見やがったソウちゃんの頭を堪能しやがった。仲間のニシでも許せない。

 

脇腹にクリーンヒットした肘鉄が刺さりニシは悶える。ニシを踏まない様にだけ注意を払い、ソウちゃんに抱きついて息をつく。

 

大丈夫、我慢。

 

気持ちが落ち着くまで、2秒。ソウちゃんの髪を弄ると、だいぶ落ち着いた。

 

それから、改めてニシを見る。

やり過ぎたかなと思ったけど、ニシはこっちを見てしょうがないなとばかりに苦笑したので大丈夫と判断した。

 

「ソウちゃん大丈夫?襲われてない?!」

 

何を言うんだ、とばかりにニシが目を見開く。でも、私の気持ちが落ち着いた事に安心している気持ちも伝わる。

 

「大丈夫です。ニシさんはヘタレなので。」

 

ソウちゃんも私の気持ちを理解して、軽口を叩いた。

 

「あー、うん。ニシってヘタレだよな。」

 

チカはよく分からない。けど空気を読んだのか、冗談に付き合う。

 

「ちょっと待てや。」

 

ニシがツッコミを入れて、ほのぼのとした雰囲気になる。

本当に、良い人達ばかりで少し困ってしまう。

 

 

私は異常なのに。

 

 

 

私は異常くらい執着心が強い。

 

全てのものはいつか壊れてしまう。壊れて私を置いてきぼりにする。

 

それは物でも、者でも。

 

置いてきぼりにしないでと願っても。

ずっと一緒にいると約束しても。

縛りつけても、監視しても、閉じ込めても、誘惑しても、

 

いつか。必ず私を置いてきぼりにする。

 

私はそれを知ってから、ますます執着するようになった。

 

でも、何でもかんでもではなく自分のものだけ。そう制約をかけた。

 

 

 

 

ソウちゃん達は、数週間前に出会ったばかりだ。

私は委員会の資料作りのために、あの日は早く学校に来ていた。

 

朝練をしていた運動部の誰かがゾンビに食べられているのを見て、私は委員会の部屋に立て籠った。幸い小さな冷蔵庫の中に、皆のおやつやお茶が入っていたのでそれだけで十数日過ごした。

 

辛くて、ソウちゃん達に助けられた時にはお礼も言えない程に衰弱していた。栄養が足りなくて踞る事しか出来なかった私に手を差し伸べたソウちゃんが、ヒーローみたいで。

 

 

ほしいなぁ。

 

 

つい、思ってしまった。

 

人が欲しいと思ったのは、久しぶりだった。我慢しようとは思ったけど、一週間も経たない内にカミングアウトした。

 

 

今もソウちゃんは私のものじゃない。私はソウちゃんの仲間として、サポートするために隣に立つ。

 

この現状はちょっととは言えない程に苦しい。もしかしたら立て籠った時より辛くて死んじゃいそうな気になるけど、私は今は我慢することにした。

 

だってソウちゃんが好きだから。

 

家に置いてあるコレクションも、学校にある私のものもどうなってるのか気になって眠れない。

けど今一番欲しいのはソウちゃんで、ソウちゃんから絶対離れたくないと願ってしまっているから。

それに、この執着を理解しようとしてくれる仲間もここにはいるから。

 

 

私はこのセカイ自体に、執着しかけているのかもしれない。

 

 

立て籠っている間は辛かったけど、ずっと何も出来なくて校庭を見ていたからゾンビがどうして増えるのかを知ることが出来た。

 

ゾンビに食べられた人は、脳を食べられてなければゾンビになる。

 

ゾンビになるのにまる1日から2日かかり、人間なら死体でも食べる。

ゾンビには視力があるようだ。遠くでも、目が合うと近づこうとする。

 

運動神経は個体に差がある。損傷部分が原因の時もあるけど、鉤爪とか明らかに後からパーツをつけたようなのとか、最早人の形をしてないのとかもいる。そういうのは校庭の外からだけ現れた。

 

人以外は食べようとしない。それは正にゲームや映画のゾンビのようだった。

 

 

まるで。ゲームや映画のゾンビを参考にしたかのように、共通点は多い。

 

 

 

「おい、騒ぐな。次が来ちまったぞ。」

 

トシが私の至福の時の終わりを知らせる。……爆破すんぞ。冗談だけど。

 

「アイ。」

 

ソウちゃんがそっと耳打ちする。

 

「何?」

 

「また一緒に暴れてくれますか。」

 

そう言ってソウちゃんは、優しく笑った。

 

 

Side:斎藤愛凛

 

それは苦くもいとおしい。




「キチガイ共の愛の歌」とかにタイトル変えようかな?(笑)

愛凛と書いて、ラブリイと読みます。キラキラネームってやつです。
愛凛も複雑な家庭で産まれて、そのエピソードがあったのですが入りませんでした。

ゾンビについてようやくちゃんと書けました!愛凛ナイス!次が最後の予定だけど!

すみません、どうしても納得のいく最終話が書けませんでした…。いつになるか分かりませんが、いつか書こうと思います。
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