「「光雷魔導士ノルン」でアタック、【迅雷】でキャスト「光翼の翼」。このターンノルンは7以下のユニットからブロックされない。4コスト以上のアーツを【迅雷】で使ったのでノルンは覚醒状態に、ラクシュミ2体の効果で「蒼竜騎士ポセイダル」を-2000、リヴァルディアはドゥルガーのブロックに使った。これは止められない」
「ライフ……」
「ライフが減ったのでノルンの効果発動、トラッシュの運命の選択を回収し5枚オープン、「召雷の波動」「光天の雷」2枚、「輝ける終幕」を手札に加える。ついでに5枚以上回収したので黄のユニットを全て回復……今回収した「輝ける終幕」を使えばドゥルガーのパワーは60000、ライフを1度に5つ砕く」
「終戦の鐘も間に合わないか……投了だ、暴君にキャリーされてるかと思ったが下手したらあんたの方が強そうだ」
「あんまり暴君って言ってやるな、こいつそれ嫌い……琴音?」
「ああいや、大丈夫だよ?もっと凄いの見たし……」
「何がだ……」
決勝トーナメント第二回戦、また不利対面の「嵐竜」だったがアーツのゴリ押しで突破。「歌聖」はドゥルガーが雑にゲームを終わらせてくれるので考える事が少なくていい、あとこれでエリア代表も確定。
というか……決勝トーナメントが始まってから琴音が微妙に大人しくなったのは何故?
「隠し球切らなきゃダメだなぁこれ……共鳴で3軽減の6コスト「雷魔女帝フリッグ」召喚!」
「な……それ前弾トップレアの……!?」
「トラ以外に使いたくなかったけどね。フリッグの召喚時効果で自分フィールドの黄のユニットの数までトラッシュの黄のアーツを手札に、今回はドゥルガー2体、ラクシュミ2体、アシュヴィン、フレイヤ、レグナ、フリッグの8体居るから全て回収!」
「んなっ……」
「覚醒状態のドゥルガー2体とこの量のアーツは流石に無理でしょ。マナの残し方的に終戦の鐘もないよね?」
「……此処までか、サレンダー。タッグなら勝てると思ったが流石に強いな琴音」
「私も強いけどトラも同じくらい強いからね!後砦機対面はとにかく対策したし」
「アイギオン3枚揃えてるのすげぇなあんた」
「パックの山ができたよ……妻に一回鬼の形相で怒られた」
「おいこら」
決勝トーナメントベスト8、なんと琴音とよく大会で当たるらしいタッグと遭遇、しかも妻子持ち。アイギオン処理したら2枚目3枚目が出てきてクッソ焦ったが琴音の隠し球を使って無事勝利、趣味に金を使うのも程々にしとけよおっさん。
しかしまあ本業とは別に此処までのめり込めるのか……恐ろしいなカードゲームの魔力は。
「ラクシュミでアタック時歌唱台4枚で4コスト軽減の共鳴3で2コスト、キャスト「輝ける終幕」。このターン中俺のフィールドの「歌聖」のパワーはトラッシュの黄のカード×1000上昇、「福唱」でもう一度使用し更に×1000上昇追加。トラッシュの黄のカードは10枚なので計20000上昇、ラクシュミのパワーは30000、更に2体分の効果で「災牙獣ガルノス」を-4000だ」
「ライフ!」
「ラクシュミのアタック終了時効果で輝ける終幕を回収、2体目でアタックし再度キャスト、これで「歌聖」のパワーは合計+40000。ガルノスを更に-4000して破壊」
「ドゥルガーの火力が上がっていく……9コストのアーツだから許された効果を連打されては流石に……!」
「ラクシュミの効果で輝ける終幕を回収……さて、俺の手札には「光翼の加護」がある、後は分かるな?」
「ドゥルガーのパワーは合計76000、私のフィールドには8コスト以上のユニットはなく1度のアタックでライフは6つ砕ける……完敗、ですね」
「対戦ありがとうございました……なあ琴音、やっぱ歌唱台ダメじゃないか?」
「多分半年後くらいに制限じゃない?」
「だよな」
「軽減効果の重複が此処まで強いとは……恐れ入りました」
準決勝、歌唱台を貼りまくった結果長引いた時詰めの1枚として積んでた「輝ける終幕」がとんでもないことに。タッグじゃなくても3枚貼ればこれを3コスで使えるしなんならブーストもするし……このカードはダメだ、確実にダメなカードだ。今使えるうちに擦り倒しておこう。
「よーし決勝進出、やったねトラ!」
「まさか本当に行けてしまうとは……エリア代表は確定したとはいえ」
「だから言ったでしょ、私が知ってる中で一番強いのはトラだって」
「過大評価しすぎだっての……」
「「魔導暴君」お墨付き、と。実際に対面してみてもプレイングの圧が比になりませんし過大評価ではありませんよ」
「やろうとしてること全部見抜かれて防がれたし……」
「「災獣」と「樹界」で組んでたから自分のユニット大量に割って超ブーストってのは想像付いたんでな。できないようにあれこれやらせてもらった」
「相手のデッキを瞬時に判別して対処できるなんてそれこそプロの上澄みでもないと無理ですから……」
……なるほど、つまり対面デッキの知識ってのはこの世界における特殊技能みたいな扱いと。
いやまあカードがクッソ高いしプールも多いし自分のデッキで手いっぱいだから他のデッキまで気が回らないんだろう。カード単価が前世くらい安けりゃ一般的な知識になり得たんだろうけどこればっかりは世界の歪さか。
「決勝戦頑張ってください、私達が一番乗りしたかったんですけど」
「貴方達の分まで楽しんで勝ってくるよ、世界初の3Dフィールドの勝者って良い響き!」
「だから自惚れんなっての……まあ此処まで来たからには当然勝ちを狙いに行くさ。次は全国大会で」
「ええ、また戦いましょう」
対戦相手と握手を交わし席を後に、これで残すは決勝のみ。エリア代表権利は勝ち取ってるとはいえどうせなら勝って帰りたい、俺が最強だと信じてる琴音を満足させるためにも生半可な試合はできん……配信卓で手の内が割れてないのは運が良かったな。
「琴音、配信卓の方今どうなってる?」
「そろそろ終わりそうな感じ。顔色見るに……あっちかな」
「んー……知り合い?」
「いや、見ない顔、でもどっかで見たような……」
マナー違反ではあるが敵情視察と配信卓に目を向ける。優勢なのは澄まし顔の男性とおっとりした女性のタッグ、手つきに全く無駄がないし熟練者ってのは確かなんだが大会出まくってる琴音が知らない?どっか遠方から来たって事か?
「あ、終わったみたい」
「琴音の知り合いなら人読みとかできたんだがな」
「流石にそれはできてもやっちゃダメだよ……あの人達が決勝の相手かぁ」
観戦席は結構盛り上がってるし圧倒、というよりは逆転勝利的な展開になったと思われるが果たしてどんなデッキか。「嵐竜」「砦機」でないことを祈るしかない、だって明らかに手つきが違うんだもんあの2人。
『ただいま準決勝2試合が両方とも終了しました。決勝戦開始まで少々お待ちください』
「……んじゃ行くか」
「うん、勝つよトラ」
「勿論、強豪だろうがプロだろうがねじ伏せて優勝を勝ち取る。それが俺たちのやり方だ」
こっちに係の人がやってきたので案内される形で控室に、3Dフィールドの初お披露目ということで盛大にやりたいんだろうな。
「あ、服はそのままでいいんだ。プロテクターとかも必要なしと」
「真のバトルみたいに痛いって訳でもないんじゃないか?衝撃はある程度来そうだが」
「それはそれでいいや。私はトラといつでも真のバトルできるし」
「調整感覚で言うな」
特殊なプロテクターやスリーブを使う訳でもないらしく本当に選手紹介の準備だけだ、一体どんな物なんだか。
「それではお二方、どうぞ」
「よーし行くよトラ!」
「テンションがいつもの3割り増しだな……」
「そりゃあね!」
兎にも角にもこれが決勝だ、あいつらも見てるんだし落ち着いて……勝つ。
『第一回タッグトーナメント関東エリア予選も遂に決勝戦、まずは9600人の中から勝ち残り決勝へと足を進めた4人の紹介からです!』
いつの間に用意したんだか結構豪華なステージに琴音と並び進行を待つ。これ配信されてんだよな……間違っても醜態は晒せねぇ。
『右手側、関東各地の大会で名を馳せる「魔導暴君」こと「山吹琴音」選手と大会経歴一切なしのダークホース「須藤景虎」選手のタッグ!両者学生ながら卓越したセンスで此処まで勝ち上がって来ました』
「だからぼうく……配信されてるんだった……」
「異名が全国デビューだな」
「嬉しくない」
やっぱり関東じゃこいつは暴君で通ってしまっているらしい、ちょっと可哀想な気もするがまあ此処まで広まってしまったんだ諦めろ。
『対する左手側はなんと現役プロのタッグ!Aリーグ所属「加賀龍臣」選手と同じくAリーグから「篠宮梨恵」選手です!流石の実力で此処まで快勝、その実力は誰もが知るところでしょう』
「プロォ!?」
「落ち着け配信中だ……なるほどそういう訳か」
確かにプロならあの手付きも納得が行くし琴音が覚えてないのも関東周辺の大会には出てないからで説明が付く。プロは基本リーグ戦だからオフシーズンでもないとこういう大会は出れないしな。
『そして決勝戦は全世界初公開の3Dフィールドでの対戦となります!え、この会場の何処にあるか?それはですね……』
そういややるとは言ってたけど実際どんな形なのかは知らされてなかった。何がどうしたら小型はともかく超大型共を並べられるようなフィールドが……
『此方の装置を使い形成した仮想空間にて行われます!』
「待てや」
「ステイ、トラステイ。言いたいことは分かるけど」
「どう見ても
別の空間を作るって時点でどう考えても
『無論合言葉は皆さんご存知のあれ、各選手は挨拶を交わしてから準備の方をお願いします!』
「まさか決勝戦の相手が学生とは……手加減はしませんよ」
「寧ろされる方が嫌なんで全力でお願いします。その上からねじ伏せるんで!」
「随分と血気盛んな子ね。貴方も結構苦労してるみたい」
「あ、分かりますか。ほっといたら手を噛まれますよ」
「人を躾のなってない犬みたいに言うなトラ」
プロ相手という事もあって少し萎縮するかと思ったがそんなことは全然なく琴音はいつも通りの態度and挑発。
おっとりした女性の方……梨恵さんから思わず同情されてしまった、あっちも多分こういうので苦労してるんだろうな。
『それでは準備も終わりましたので行きましょう決勝戦、せっかくなので会場の全員で、せーの!』
「……勝つよ」
「当然だ」
門が開くのか転送されるのか、いずれにせよ見知ったフィールドであれば緊張も何もない、落ち着いて試合に臨める。
会場全員での開始コールと共に周囲の背景がブレて……
「あー、こういう感じか」
「着替えてないね」
気づけばフィールドの端と端に聳える台に俺たちとプロタッグがそれぞれ立ち準備完了。着替えてないって事は真のバトルじゃないしデッキもフィールドに置いてある、風景がほぼ同じだから
「……これ声届くの?」
『ご心配なく、このような感じらしいので』
「あそういう感じ?」
真のバトルみたいにフィールドを好き勝手移動できないから声届くのかなーと思ってたらまさかのモニター通信、そういうところはしっかりファンタジーじゃなく現代技術なんだな。
「先後は……よし、こっち!」
『あら取られちゃった……さーて、どんな勝負をさせてくれるのかな学生コンビ?』
「実際に見た方が早いと思いますよ。それじゃあ私のターン!」
どうも実況はこの空間には届かないらしい、完全に閉じ切られた4人だけの空間だ。盛り上がりには少々欠けるが集中できるのはありがたい、周りに流されずに思考ができる。
「ドロー、メイン!」
ま、兎にも角にも……
「2コストで「見習い術師シヴ」を召喚、更に2コストでテリトリー「神聖なる歌唱台」配置!ターンエンド!」
此処はホームグラウンドみたいなもんだ、負けるわけにはいかん。
見習い術師シヴ
(光魔)
【このユニットの破壊時】相手ユニット1体のパワーをこのターン中-3000する(パワー0以下のユニットは破壊される)。
【増幅2】+2000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+し、以下の効果を得る)
【お互いのアタックステップ】【ターン1回】自分が黄のアーツを使用した時、デッキから1枚ドローできる。