『リヴァルディアの召喚時効果、このターン中私のフィールドの【流撃】を持つユニットは全て【増幅】状態になる!』
リヴァルディアが厄介なのはこのターン中持続する流撃持ちのパンプ効果、しかもターン中に出した【流撃】持ち全てに付与。これが【増幅】もせず召喚するだけで起動する。
パワー計算が唐突に全部狂わされては光天の雷も役に立たないし何よりあれを出してマナが3つ残ってるって事は連撃する気満々だ、ふざけやがって。
『そのままアタックステップ、行きなさいリヴァルディア、アタック!」
「リヴァルディアから……ならライフだ……っ』
激流を纏った……というか水そのものなドラゴンが突撃し、ブレスでライフを一点砕く。しかし何故リヴァルディアから殴ってきた?守護者から殴ればマナも増えるし……いや待て。
『アタック終了時リヴァルディアの【流撃】発動。1コスト支払い手札の「蒼竜騎士ポセイダル」を召喚、リヴァルディアを手札に戻すわ』
「そういう事か……」
合点が行った。リヴァルディアから先に行ったのはこいつの……ポセイダルの着地を確実に通すため、ライフを削りきれないのに仕掛けてきたのは次で確実に仕留められるよう手札を整えたいんだろう。
終戦の鐘を警戒してだろうか?歌唱台の軽減効果は黄のアーツだけ……いや新弾のカードだもんなぁ。
蒼竜騎士ポセイダル
(嵐竜・鱗獣)
【共鳴:青2】(このユニットを召喚する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【召喚時】自分はデッキから2枚ドローし、その後手札1枚を捨てる。このカードが【流撃】の効果で召喚されている場合、この効果でドローする枚数を3枚にする。
【流撃5:嵐竜】【アタック時】このユニットのアタック終了時に自分の手札からコスト5以下の「嵐竜」ユニット1体を1コスト支払って召喚してもよい。そうしたらフィールドのこのユニットを手札に戻す。
【増幅3】+3000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+し、以下の効果を得る)
【アタック時】自分はデッキから1枚ドローする。
『ポセイダルの召喚時効果、【流撃】によって召喚されているので3枚ドロー。その後手札の「ブロッサムナイト」を捨てる』
「バウンスを逆手に取られた……」
「流石にプロだな、状況をよく見ている」
水流となって戻っていったリヴァルディアの代わりに出てきたのは軽装の竜騎士、本来なら1枚何を捨てるかの択があるが今回に限っては琴音が戻したブロッサムナイトを迷わず即切り。
結果論ではあるがあそこでブロッサムナイトを処理してなければ圧がかかりっぱなしだったので悪手ではなかった筈だ、多分。
『続いて古樹の守護者でアタック。アタック時効果で1、朝露満ちる樹海の効果で更に1マナ追加』
「それもライフだ……っ」
「トラ、砂時計はいつ切る?」
「難しいな……マナが増えた以上今リヴァーチュを戻しても流撃の弾になる」
バウンスしても【流撃】でまた出てくる以上この場における「遡行する砂時計」の圧はないに等しい。ウシャスでブロックすれば破壊できるが3枚ドローされた以上何を握っていてもおかしくない……どうする?
『ポセイダルでアタック、アタック時効果で更に1枚ドロー』
「ライフ……!」
『アタック終了時に【流撃】発動……「遡行する砂時計」が見えているものね、1コストで「蒼牙騎士レヴィ」を召喚。戻ってきなさいポセイダル』
「流石に4枚引けば引き込んでるか……」
流撃は止まらない、ポセイダルと交代して出てくるのはマーメイドのような女騎士。ただ出てくるだけならいいがリヴァルディアの効果で全員【増幅】状態なんだから溜まったものではない。なんだよあのカード何コスト分踏み倒してんだ。
蒼牙騎士レヴィ
(嵐竜・鱗獣)
【共鳴:青1】(このユニットを召喚する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【召喚時】相手のパワー3000以下のユニット1体を手札に戻す。
【流撃3:嵐竜】【アタック時】このユニットのアタック終了時に自分の手札からコスト3以下の「嵐竜」ユニット1体を1コスト支払って召喚してもよい。そうしたらフィールドのこのユニットを手札に戻す。
【増幅2】+2000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+する)
『レヴィの召喚時効果で……貴方達のフィールドのアシュヴィンを手札に戻すわ。本当はシヴを戻したかったのだけど』
「こいつは充分に仕事をしてくれたがシヴはどれだけ居座ってもいいんでね」
シヴは残れば残るほどアドを稼ぐついでに除去したら除去したでデバフをかけてくるこの上なく厄介なカード、最優先で増幅したのも存在するだけでとんでもない圧がかかるため。
さて……この局面、どう動くか。
『そのままレヴィでアタック!』
「賭けにでるか……ウシャスでブロック」
『レヴィはリヴァルディアの効果により【増幅】状態、パワーは6000……ただ』
「ええ、歌唱台2枚と1軽減で1コスト、キャスト「遡行する砂時計」、まずはリヴァーチュを手札に」
『そっちの効果で戻されるくらいならこっちで有効活用するわ。共鳴で2軽減して2コスト、キャスト「渦巻く海流」!』
「それか……!」
渦巻く海流
【共鳴:青2】(このユニットを召喚する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【対抗】自分の青のユニット1枚を手札に戻す。その後この効果で戻したユニットのコスト以下の相手のテリトリー1枚を手札に戻す。
そのまま殴ればウシャスと相打ちになるってのにアタックしてきたから何かあると思ったがそれか。レヴィを失ってでも歌唱台を剥がしたいらしい。
「【対抗】はない」
『ならリヴァーチュを手札に戻し4コスト以下の貴方達のテリトリー、【増幅】中の「神聖なる歌唱台」1枚を手札に戻してちょうだい』
「次の俺のターンまでこいつは貼れない……が、ラクシュミの効果でレヴィはパワー-1000、5000になる。ついでにシヴの効果で1枚ドロー」
『その効果相手ターンでも使えるのね……いいわ、ごめんなさいレヴィ』
ウシャスの放つレーザーに焼かれレヴィは破壊、ただ遡行する砂時計は実質的に空撃ちになってしまった。
3ターン後には手札を整えきったリヴァルディアの連撃が走ってくることを考えると猶予は次の俺のターンまで、緑の猛攻を琴音が抑えてくれることを信じるしかない。
『深追い厳禁、ターンエンド……でも、これでチェックね』
「私のターン、ドロー、チャージ、リフレッシュ、メイン……トラ、詰めは任せるよ」
「ああ、任された」
琴音の様子を見るにあいつはこのターンである程度盤面を掃除できる自信があるのだろう、だったら問題ない、あとはどうキルを取るか計算するだけ。
「2軽減2コストでキャスト「召雷の波動」、2枚ドローして歌唱台2枚の効果で2マナブースト……来たね」
『あら、そっちももう仕掛けるの?』
「その下準備ですよ、4軽減の4コスト、行くよ切り札!」
『8コスト……!』
このゲームにおける8コストは基本的に戦況を大きく動かす大型だ、出せば勝ち、とまではいかないがリヴァルディアのように圧をかけて相手を急かす事ができる。
「せっかくだしね。時は我の物、過去も未来も全て今へと収束する!「光雷魔導士ノルン」召喚!」
「俺もこれやらなきゃダメか?」
「うん」
「そうか……」
かっこいいんだか滑ってるんだかよく分からない口上で琴音が召喚するのは何年も共に戦ってきた切り札。
光雷魔導士ノルン
(光魔)
【共鳴:黄3】(このフィールドを配置する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【召喚時】自分のトラッシュから黄のアーツを2枚まで手札に加える。
【迅雷5】【アタック時】手札からコスト5以下のアーツをコストを支払わずに使用してもよい。
【増幅4】+4000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+し、追加で以下の効果を得る。)
【アタック・ブロック時】このユニットのバトル中にコスト4以上の黄のアーツを使用した時、このターン中このユニットを覚醒状態として扱う。
【覚醒5】+5000(指定されたコストを支払うことで増幅状態のこのユニットのパワーを+し、追加で以下の効果を得る。)
【アタック時】【ターン1回】このユニットのアタックで相手のライフが減少した時またはコスト4以下のユニットを破壊した時、トラッシュから黄のアーツ1枚を手札に加え、デッキの上から5枚をオープンする。その中の黄のアーツを全て手札に加え、残りは好きな順番でデッキの下に置く。この効果で手札に加えたカードの合計が5枚以上の場合、自分フィールドの黄のユニットを全て回復する。
神々しい光と共に降り立つ全身のあちこちに時計の衣装が施された魔導士、ノルン。
『フリッグじゃない……?』
「そっちもあるけど今回はこっち。まずは召喚時効果でトラッシュの「召雷の波動」2枚を回収し、その後4コストでノルンを【増幅】!」
「そして召雷の波動を2枚キャストし4枚ドロー……引いた!2コストで3枚目の「神聖なる歌唱台」を配置し4コストで増幅していない2枚を両方【増幅】!」
『せっかくさっき戻したっていうのに……引き良すぎないかしら?』
「そのまま返すよアタックステップ、ラクシュミでアタックして歌唱台3枚で3コスト軽減キャスト「光翼の翼」。ノルンはこのターンコスト7以下にブロックされない、ラクシュミの「福唱」は使わず-1000は古樹の守護者に、ついでに歌唱台3枚目の効果で更に1マナブーストしシヴの効果で1枚ドロー!」
あーなるほど、琴音は確実に耐え切れる布陣を整えつつドゥルガーのキルラインまでお膳立てしてくれるらしい。ただ相手が全部ブロックしない想定ならこのターンで相手のマナは20まで行く……大丈夫か?
『パワー10000、ライフしかないわね……っ!』
「ラクシュミの効果で「光天の雷」を回収……続いてノルンでアタック!【迅雷】でキャスト「運命の選択」、落としとくよトラ!」
「ああ、確実に仕留める」
続いてはノルンのアタック、新規が入ってからの琴音のお家芸が炸裂する。トラッシュにさえ送っていれば俺もウシャスかラクシュミで回収してコンボできる、思ったよりトラッシュの管理が重要だなタッグは。
運命の選択
【共鳴:黄2】(このアーツを使用する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
自分のデッキの上から8枚を確認する。確認したカードを好きな枚数デッキの下に戻し、残ったカードは好きな順番でデッキの上に戻す。
「デッキトップ8枚を見て……OK、3枚戻して5枚戻す。ノルンの【増幅】時効果でこのターン中【覚醒】状態に、ついでにラクシュミの効果で古樹の守護者をさらに-1000!」
『それもライフ……!』
「ライフを減らしたのでノルンの効果発動、トラッシュの「召雷の波動」を回収しデッキの上から5枚オープン!「雷律の封詔」「光天の雷」「遡行する砂時計」「運命の選択」「光翼の加護」を全て手札に、5枚以上加えたので私の黄のユニットは全て回復!」
『ほぼほぼ自作自演じゃないの!?』
正直俺もそう思う、今までずっとロマンカードたったとはいえ……まあその、念願の実用的な新規だから許してほしい。
「絶対に勝てる運ゲーって言ってほしいな、回復したラクシュミで再度アタック、3軽減の0コストでキャスト「光天の雷」、【福唱】とラクシュミの効果込みで古樹の守護者を-6000し破壊!」
『ライフっ……やってくれるじゃない』
「ターンエンド、さあお膳立てはしたよトラ!」
「ああ、もう逃がさん」
フィールドにノルンとラクシュミ、増幅済みの歌唱台3枚、ついでにトラッシュに運命の選択……流石にこれで仕留め切れなかったら数か月は文句を言われ続ける、琴音の名誉とおれの日常生活のためにも次のターンで仕留め切ろう。
『私のターン、ドロー、チャージ、リフレッシュ、メイン……3コストで「ブロッサムナイト」を召喚し効果で朝露満ちる樹海の効果も合わせ2マナ追加……続けて軽減3の4コスト』
「琴音、しっかり残せよ」
「分かってる」
『「皇樹竜セイバ」を召喚!』
見えてる手札から何をしてくるからはおおよそ予測できる、後はほぼほぼ詰将棋だ。相手が嵐竜だったらドローの暴力で予期せぬ札を引き込んでる可能性もあったが樹界にはそんなドロソはないし俺が間違えなきゃ……勝てる。
皇樹竜セイバ
(樹界・樹竜)
【共鳴:緑3】(このユニットを召喚する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【召喚時】自分フィールドの緑のユニットの数までマナをストックに置く(最大3)。
【増幅3】+3000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+し、以下の効果を得る)
【荒天3】【アタック時】このユニットがブロックされた時、相手ユニット3体を疲労させる。
『セイバの召喚時効果により3マナ追加、そして4軽減4コスト。来たれ樹海統べし天上の皇!「樹冠甲帝イグドラシル」召喚!』
全身が老木で構成された竜の咆哮に合わせるかのようにしてフィールドが揺れ地面から巨木が生える、そのまま人型に変形して大型ユニットに……なんでこうこのフィールドは大型の演出に凝ってるんだ?
樹冠甲帝イグドラシル
(樹界)
【共鳴:緑4】(このユニットを召喚する時、自分フィールドの対象カード1枚につきコストを1つ下げることができる)
【荒天3】【アタック時】このユニットがブロックされた時、相手ユニット3体を疲労させる。
【増幅4】+4000(指定されたコストを支払うことでこのユニットのパワーを+し、以下の効果を得る)
自分フィールドの「樹界」ユニットのパワーを+2000する。
【覚醒4】+4000(指定されたコストを支払うことで増幅状態のこのユニットのパワーを+し、追加で以下の効果を得る。)
【自分のエンドステップ】自分フィールドの「樹界」ユニットを3体まで回復する。
『イグドラシルを【増幅】そして【覚醒】』
自身の効果も合わせこれで18000、生半可なユニットじゃ受けきれないしエンド時に回復してくる。その効果どっちかといえば緑より橙じゃね?と思うがドローできない分攻守をこれで補おうって感じなんだろう、多分。
『残り3マナでセイバも【増幅】しアタックステップ、イグドラシルでアタック』
「ライフっ……これ複数個一気に割れたらどうなるんだろうね?」
「そんなことを考えてるなら余裕だな、うん」
当然覚醒まで行ったってことはリヴァルディアのキルラインを縮めるために殴ってくる。んでもって俺たちはこれを馬鹿正直に相手する必要はない、というか寧ろマナが増えるのはありがたい。
『続いてセイバでアタック』
「それもライフ……!」
イグドラシルが横凪に振るった槍で1点、セイバの尻尾による強打でさらに1点。あっという間に残りライフは2。
『ブロックしない……?アクシャヤヴァタでアタック!』
「【対抗】でキャスト「光天の雷」、ブロッサムナイトを-2000、ラクシュミの-1000も合わせ破壊!んでもってその攻撃はノルンでブロック!」
『処理できる奴だけを確実に、ってことみたいね』
本当はこれもライフで受けたかったがそうすると高パワーのブロッカーが3体残ることになって少々面倒だ、此処で処理しておかねばならない。
「あとシヴの効果で1枚ドロー……んー、今じゃないよきみぃ」
琴音がドローしたカードに顔をしかめる中ノルンは名前通り空からレーザーと雷を振らせてアクシャヤヴァタを迎撃、ちょうど1000差のパワーではあったが蹂躙して破壊した。一歩及ばないじゃなくて普通に蹴散らすんだなそれ。
『エンドステップにイグドラシルの効果でイグドラシルとセイバを回復……そろそろライフも風前の灯、次がラストターンです』
「それは私たちが一番分かってるよ、だからわざわざイグドラシルとセイバを通したんだし」
相手のマナは3、盤面には10000超えのブロッカーが2体、尚且つ次の手番は手札を整え切った嵐竜。此処で決めきらなきゃ確実にやられる文字通り後がない状況。
「俺のターン、ドロー、チャージ、リフレッシュ、メイン」
んで残し方を見るに多分終戦の鐘を握ってる……ちょっとこれはデッキを掘らなきゃ仕留め切れん、最後の最後で運ゲーか。けどまあ、こういう方が盛り上がる。
「……ふぅ、んじゃ。宣言させてもらいます」
『宣言?』
「ええ、せっかくだし恰好付けたいので」
カードゲームってのは……
「ファイナルターンです、このターンで俺たちは貴方たちのライフを0にする」
劣勢からの逆転劇が一番楽しいんだから。