Sideロイ
「その子が言ってた…」
「お、オリヴィアです…よ、よろしくお願いします」
「それでそっちのは?」
数日後の放課後お茶会でメルが言っていた女生徒を連れて来ていた。
がその隣には見知らぬ男子生徒も居た。
「わ、私がついでにお誘いしたんです…駄目でしたか?…」
「いやそうは言っていないが…先程から何か不満そうな顔をしているのでな…」
「り、リオンさんそんな顔していちゃ駄目ですよもう!」
「んあ?…ああ、悪い悪い…ちょっとばかり考え事をしててな…」
オリヴィアさんにリオンと呼ばれた男子生徒は此方を、特に俺の方を神妙そうな顔で見てきていた。
「ロイファル・ガンデスブラッドだ、よろしく」
「リオン・フォウ・バルトファルトだ…」
「バルトファルト…ああ、典型的な昇格か!しかし…」
リオンの家名を聞いて俺は思い出す。
だが彼の態度を見るに…
「バルトファルト、ちょいと二人で話をしないか?」
「あ、ああ…俺もそう思っていた所だが…」
「あい分かった、ガト、他の皆もしばらく退出しててくれ」
「承知しました」
ガトに促して人払いさせて俺達二人は本題に入った。
「なあ、バルトファルト氏…お前さん…もしかして転生者か?」
「!…そう言ってくるという事はお前もなのか?…」
俺がバルトファルトにそう言い放つと彼は驚きつつも聞いてくる。
「ああそうだ」
「やはり…この乙女ゲー世界に侯爵家が二つは存在しない筈だからな」
「んん?…今何て言った?…」
俺が肯定するとバルトファルトはトンデモナイ事を言ってきたのでおもわず聞き返す。
「いやだから侯爵家が二つは存在しないって…」
「その前だ」
「…乙女ゲー世界?…」
「え…此処乙女ゲームの異世界なのか!?」
「あ、あれ?…」
驚愕の事実が今更判明した。
「え、えっと…」
どうやら彼は前世で無理矢理妹に拷問みたいにゲームをやらされて全クリして前提知識が有るみたいだが…
「マジかよ…普通によくあるファンタジー異世界だと思い込んでたわ」
「ロイ、お前の方はどうなんだ?」
「ああ、前世で推しだったヒロインキャラが存在している上に俺が生まれ持った力も前世の作品のものでな」
「その力って?」
「口で説明するのが難解な力だが一ついえるのは不死」
「なぬ!?」
「体内に魔核ってのが有ってな…魔力が尽きない限りは死ぬ事がない…後…!」
包み隠さずに話そうとした俺だったが別の気配を感じ取ってリオンに問いかける。
「バルトファルト氏、他に何か居ないか?」
「んなっ!?」
『おや?よく分かりましたね』
俺が問いかけるとリオンは驚き彼の傍らにとある物体が姿を現した。
「光学迷彩…ドローン?いや違うな…AIか?!」
『ルクシオンと申します。旧人類と新人類の混ざりもの…』
ルクシオンと名乗った物体は此方を観察してくる。
「そいつってもしかして…」
「あ、ああ…知識を生かして隠しダンジョンで確保した課金アイテムみてえなもんだ…」
「乙女ゲーに課金要素?…ああそういう事か…」
「お察しの通りだ…攻略キャラ共の強弱が酷過ぎて正直無いと詰む必須レベルのクソゲーでな…」
「いやバランス可笑しいな!?…でさっきのあの子、オリヴィアが原作の主人公って訳だな?」
「ああそうだ」
ルクシオンに怪しさを感じたので俺はこれ以上言わずにリオンとの話を終えた。
まあ、例え乙女ゲー世界であろうと俺がこれ以上関わる事はないだろうと思っていたのだが…
「む?」
「グスグス…」
「…」
数日後、学園の屋上で見知らぬ一人は難しい顔をしている、もう一人はひどく泣きじゃくっている知っている女生徒が居た。