何故か俺の夢に出てきた最近のな○うみたいな最強溺愛系夢小説【渾ゴア×転生TS夢主】 作:remitea
話の都合により、短いうえに引っ張るような終わりになってしまいましたが、数日中には次話も投稿しますのでお許しください。
薬が完成した。
狂竜ウイルスの特効薬だ。
早く感染者たちに届けなければならない。
「クドメルスス・クラ・ニロガウ・ヒナ・ヨクリム・カダッタ・クッハ・トゼラ・ヘカソ・チ」
対策本部になっている練兵場に着くと、すぐに聖女様が迎え入れてくれた。
「来てくれてありがとうございます、伯爵令嬢さま。」
「お会いできて光栄です、聖女様。」
「感染者はみな、こちらの簡易医療所に集めました。伯爵令嬢さま、みなさまを助けてください!!」
短く挨拶を済ませると、息が切れるほど必死に頼んできた聖女様とともに、駆け足で医療所に向かった。
医療所にいた人数は、広さの割に少ないように見えた。
しかし、数えてみると百人以上である。
「聖女様は、この人数すべてに治療を……?」
「対処療法ですが。聖女なので、これくらい、なんてことありません!」
聖女でも、なんてことないなんてあり得ない。
魔力だけなら
しかし、治療に必要なのは魔力だけではない。
それだけの回数の詠唱をすれば、喉は枯れてしまうだろうし、詠唱には時間がかかるから、寝る間もないくらいに忙しいだろう。
「早く終わらせて、お昼にしましょう!」
そう言うと、聖女様の腹の虫が鳴った。
やはり、寝食を犠牲にしているのだろう。
大した聖女様だ。
「来たか。」
それでも、アレクサンダー様に会うと、聖女様は顔を明るくする。
「はい!」
「約束通り、できた薬を持って参りました。すでに
「わかった。」
さすがは聖女様。
どの病人も傷がなく、顔色は悪かったが、重症のものは一人もいないようだ。
さっそく薬を飲ませる。
聖女様が手伝ってくれたが、その手つきは迅速で、患者を安心させるほほえみを忘れなかった。
一番重症だという、一人の患者のベッドに向かった。
「これは……?」
「みなさんの病気を治すためのお薬です。」
「
「それはーー」
「いいから、飲んでください。早く直して、周りの人を安心させてあげましょう?」
「承知しました……。」
騎士であろう、手に傷のある男性は薬のビンを傾ける。
「あっ、それ、すごく不味いので……。」
「うっ。いえ、心配には及びません。騎士の旅食よりは……。」
騎士は遠い目をするが、顔色はよさそうだ。
「体調はどうですか?」
聖女様の問いに、拳を握りしめながら男性の様子をうかがう。
この瞬間は、どうしても緊張する。
「息が、しやすくなりました。一週間も寝込んでいたので、体力は落ちているようですが、すぐに元に戻します。お二人とも、感謝いたします。」
よかったー。
これで、ここにいる人たちの大半は治療できるだろう。
「感謝する、ダリア伯爵令嬢。」
「礼には及びませんわ。これは
「それで、だ。今この薬は、何人分ある?」
「ちょうど、100人分でございます。残念ながら、こちらにいる病人すべてを治療することはできません。すぐにでも、量産体制についてお話をさせていただきたい所存でございますわ。」
「わかった。」
アレクサンダー様と話し合い、明日から量産に取り掛かれるように手配した。
すでにウチケシの実の量産や、その他素材の手配は進めており、あとは工場を稼働させれば完璧である。
しばらくは、ヴェルディライト辺境伯邸にある倉庫で生産を行うことになった。
さて、これで薬は完成した。
これに関して、私ができることはもうない。
あとは、徹夜をしているから仮眠を取りたいし、その後は、渾沌に呻くゴア・マガラをどうするか決めなくてはーー。
もしかして、このままだと、処分される?
息が詰まるように感じた。
これは、恐怖だ。
白衣の胸の、ボールペンを挿してあるすぐ下のあたりを手探りで、ギュッと握りしめた。
逃げるように、辺境伯邸を出ようとする。
辺境伯邸を出るための、最後の曲がり角を走って曲がったとき。
「何か、困っているの?」
子どものような言葉遣い。
されど、凛としたよく響く声。
顔を上げ、なぜか滲んでいた視界を確保するために、手の甲で顔を拭うと、真紅のきらびやかなドレスが見えた。
クレール様?
あの派手な彼女が、こんな言い方をすることなんてあるのだろうか。
徹夜明けの頭は、ずれた方向へと思考をめぐらせる。
もしかして、操られている?
大好きな婚約者に振られて、おかしくなった?
二重人格だったりして。
しかし、クレール様の真紅の瞳は、こちらをまっすぐと見つめていた。
「同じ転生者に出会えたのは、あなたが初めてなの、ダリア。何か困っていることがあるのなら、
「ごめん、ちょっと……落ち着くまで待ってくれるかな。年下の女の子に、こんな顔……見せたくない。」
落ち着いた。
前世について、話したら、前世のことを思い出してしまった。
きっと、クレール様の口調が変わったのも、同じ理由だろう。
彼女には、安心して話せる。
「憧れてたんだ。前世から。」
「なにに?」
「渾沌に呻くゴア・マガラ……あのかっこいい竜に。俺、前世は男でさ。」
「え、男なの?」
「だっただけ。」
「そうなんだ……。」
「それで、死なせたくないんだ。俺なら、それができる。今世の頭脳と魔力があれば、ウイルスが広がらないようにして彼を生かすことが。」
「なら、問題ないでしょ?」
「え?」
「この世界の法律上は何も問題ないから、できるならすればいいと思うよ?」
「法律上?あんな危険な生き物を生かしておいていいのかとか、そういう問題は?」
「ウイルスは広がらないようにできるって言ってたよね?」
「できるけど、これまで多くの人を危険に晒してきたから……。」
「あれ、そういえば、侍女が言ってた。ダリアは転生について何も知らないって。むしろ歓迎されるよ?
「え?」
「この世界の法律では、異世界からの
「え?」
「今がチャンスだよ。好きにしても、誰も何も言わない。」
えっ?
いいの!?
知らなかった!!!!!!
好きにできる、なら、寿命の残り少ない渾沌に呻くゴア・マガラを延命して、手なづけるしかない!
早くしないと、彼の儚い寿命は尽きてしまうかもしれない。
それに、伯爵家の領地から移動してしまうかもしれない。
念のため魔力で防御しながら、急いで転移しよう。
その後は、渾沌に呻くゴア・マガラの体をちょっとだけ作り変えて、シャガルマガラの影響を受けない状態にすればいい。
いや、待て。
渾沌に呻くゴア・マガラは、故郷に帰るため生きる種族だ。
ここは異世界。
故郷になんて帰れるはずもない。
それに、試したことはないが、同族の影響を受けないようにするには、別の種と言えるくらいに遺伝子を書き換えなければならない。
それを細胞の一つ一つに施すなんて、とてつもない苦痛を伴うはずだ。
そんなおぞましい術を、了承なく勝手に使って延命するなんて、そんなことをしていいのだろうか。
「他に何かあるの?悩みがあるなら、全部話して。さっきのお話ではあんまり力になれなかったから、今度は私の力を使えることだといいな。」
「……延命治療は、ものすごく痛い。故郷から遠く離れた異世界で、痛い思いをしてまで生き続けなければならないことが、本人にとって幸せとは思えない。」
「それは違うよ。」
「なんでそう思うんだ?」
「私は、生まれたときから心臓が悪くて、七歳で死んだんだ。ずーっと、信じられないくらい痛い延命治療を受けてきて、最後には何も感じなくなった。でも、少しでも長く生きられたことが、それだけで幸せだった。生まれ変わった今も、自由に走り回って世界を見られることが一番の幸せだと思ってる。それでも辛いなら、そのあと死のうってこともできるでしょ?でも、今治療をしなかったら、寿命が来ちゃうかもしれないんでしょ?」
「それでも、自分の手でしなきゃいけないとなると、迷うよ。今日、安全だって自信があって、自分で飲んで試した特効薬だって患者に飲ませるのをためらったくらいなのに。貴族なんて身分ある立場にも向いてないよ。自分じゃなくて、他人の人生を決めるなんて。」
「死んじゃったら、決めるってこともできないから。お願い。彼にも決める機会をあげて。」
「……ありがとう。クレールにしか話せないことを話してくれたおかげで、助かったよ。」
「また何かあったら教えてね、おね……おねにいちゃん!」
おねにいちゃんはやめてほしかったな。
でも、とにかく助かった。
本当は、直接本人の意思を聞ければいいけど。
そうとなれば、仮眠なんてしている暇はない。
まずは、詳細な場所を誰かに聞かなければ。
恥ずかしいことだが、
研究にしか興味がないし、移動もリムジンで送ってもらうか、転移魔法を使うかだった。
森の位置なんてわかるはずもないし、渾沌に呻くゴア・マガラも移動しているかもしれない。
侍女はまだいるだろうか。
対策本部に行って、侍女の所在と渾沌に呻くゴア・マガラの動向を聞きに行こう。
痛そうなシーンを書きたくないのは、どちらかといえば作者の意思。
マイルドにいきます。
完結後の構想の話なんですが、三つの案があります。 もちろん、どれも書くという前提なんですが、どれを最初に書くのかをみなさまに決めていただきたいと思います。 きっと、先に書いたものほど熱量があって長編になり、後に書いたものほど文章が上手くなっていると思います。 もしよかったら、気軽に考えてやってください。選択肢は時系列順です。
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婚約パーティに至るまでのお話
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婚約者として共に戦うお話
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渾ゴアに性別をつけようというお話