何故か俺の夢に出てきた最近のな○うみたいな最強溺愛系夢小説【渾ゴア×転生TS夢主】   作:remitea

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最初のシーンを書くためにいろいろと調べたら、検索履歴が変態みたいになった。
女性の体について詳しいわけではないので、間違っていたらごめんなさい。


眠れ宿痾よ目覚は遠く

 赤が落ちるのは、突然だった。

 腹部に今まで感じたことのない痛みを感じると、床が赤く染まっていく。

 ぐらり、と体が傾ぐ。

 ぼんやりと滲む視界には、侍女の姿が映った。

 

「ダリアお嬢様、初経ですね!誠に、おめでとうございます!」

 初経?

 何を言っているんだ?

 なんとか踏ん張って姿勢を保つのに必死で、話が入ってこない。

 侍女の仕事は終わっただろうに、まだ辺境伯邸に残っていたのだろうか。

 普段は厳しい侍女の珍しい笑顔が、やけに脳裏に焼き付いた。

「さて、婚姻相手を探す準備をしなければなりません。」

「待ってくだ……さい。婚姻とは?」

「ああ、ダリア様は魔導書と実験結果以外に関する常識をご存知ありませんでしたね。法律上、十八歳で婚姻ができますが、貴族のならわしとして、初経を迎える以前の女性を婚約させることはありません。しかし婚姻は貴族の務めですから、初経からおおよそ一月の間には婚約の発表を行わなければなりません。準備もありますから、今日から一週間をめどに相手を決める必要がございます。」

 は?

 一週間!?

「私(わたくし)は、研究に一生を捧ぐつもりでいます!婚姻など、結ぶ予定はーー。」

「いいえ、研究にも役立ちますよ。ダリア様の夢だった、魔法と魔術の融合に近づく助けになります。」

 なるほど……。

 魔法と魔術。

 この二つは、全く違う過程で同じ結果を生み出すもの。

 そのため、両者は仲が悪く、魔法学会と魔術学会の二つに分かれて活動を行っている。

 魔法魔術学会では、この二者のよい点を取り合わせて、よりよい結果、世界の発展に役立つ成果を生み出しているのだが、前述の事由から、魔法と魔術の両方を学ぼうと考える者はほとんどいない。

 そのため、私(わたくし)たちがどんなに素晴らしい技術を生み出しても、それを行使する人の不足により、普及することがないのだ。

「婚約によって、仲の悪い魔法使いと魔術使いを結び合わせることができたなら、私の研究成果がより多くの人に行き届く……という訳ですか……。」

「はい。ですから、ダリア様が何通か手紙をお書きになって、魔法学会、あるいは魔術学会から、優秀な学者との婚姻を目指すことも手段の一つになります。」

 

 なんか、大変なことになったな。

 そんな感想しか浮かばなかったが、頭の片隅に入れておいた。

 今は渾沌に呻くゴア・マガラの件をなんとかしなければ。

「そうですか。それでも、今は他にやるべきことがございます。侍女、奴の——渾沌に呻くゴア・マガラの居場所と、行き方を教えてください。」

「薬剤は無事完成したということでしょうか。しかし、ダリア様はお休みになるべきだと思いますが。」

「時間がありません。奴がヴィスマン家所有の土地から移動する前に、対処したいと考えています。」

「わかりました。通信本部へとご案内します。近くに控室がございますので、お着替えを手伝います。」

 力の入らない体を抱えて、侍女の後に続いた。

 

 

 通信本部の様子は落ち着いていた。

 というか、本部にいる人数がとても少なかった。

 おそらくは、第二王子殿下の指示があるまで、交代で休もうということなのだろう。

「ヴィスマン伯爵家が娘、ダリア様から、聞きたいことがあるそうです。」

 ここにいる人たちの大半が振り向いた。

 私(わたくし)はお腹に力を入れて声を出す。

「渾沌に呻くゴア・マガラの、現在の所在について教えてください。ヴィスマン伯爵家の土地に滞在していると聞き、迅速に対処したいと考えています。」

 モニターの前に立っていた、一番階級が高いであろう通信兵が、他の兵士を呼んでモニターを任せると、こちらに向き直った。

「ダリア伯爵令嬢。お会いできて光栄にございます。現在は、ヴィスマン伯爵家所有の森に落ち着き、このまま住み着く可能性もあります。詳細な場所は、すぐに資料を用意させますので、今しばらくお待ちください。」

「いえ、それには及びません。侍女に案内させます。」

 私の左斜め後ろに控える侍女が頷いたようだ。

「承知いたしました。」

 これで、渾沌に呻くゴア・マガラの元へ行ける。

 前世からのあこがれの、あの竜の下へと。

 

 

 侍女から場所は教わった。

 でも、私(わたくし)が一人で行きたい。

 正直、体調がよくないし、吐き気も酷いが、それでも、一人で向き合いたい。

 一人と一匹で。

 

 私(わたくし)は、一度研究室に帰って、禁呪に手を染めた。

 生命の錬成——それに近い。

 成功するかはわからない。

 禁呪とはいえ、そもそも成功しないことが前提にあるため、特に禁じられてはいない研究。

 もし成功したら、多くの人々に希望を与えーーしかし、自らの体にはそれが使えないことに、絶望させるだろう。

 だから、私(わたくし)の感情や倫理観というものからしても、禁呪としか言えない。

 それだけではなく、もう一つ。

 万一のために、かの竜を介錯するための準備だ。

 できることは、すべてし終えた。

 あとは向かうだけだ。

 

 

「クドメルスス・クラ・ニロガウ・ヒナ・ヨクリム・カダッタ・クッハ・トゼラ・ヘカソ・チ」

 普段よりゆっくりと、一つ一つの言葉を噛みしめるように詠唱した。

 空間を切り裂き、天と地を結ぶという意味の言葉。

 どこか、竜と龍との間にある彼と、似ているように思えた。

 白い光に包まれる慣れた一瞬を、生命のどこか深いところへ向かうようなーーそんな特別な瞬間に感じた。

 気がつけば、かの竜が、渾沌に呻くゴア・マガラが過ごしているという森の、入り口に立っていた。

 

 さて、彼はどこにいるのかを探さなければならないが、手間はかからなかった。

 あの巨体が入れる場所なんて、たかが知れているからだ。

 とはいえ、そこまでの道のりを歩いて向かうのは危険だ。

「ニョ・イチ・ダ・オウ・ニユ・ウテ・クリョ・ノ・ケニカ・ぜマカ・ア」

 飛翔の呪文を唱えて舞い上がる。

 彼も、こんな景色を見ながら飛び立ったのだろうか。

 

 

 開けた泉のそばに、黒と金にきらめく影が見えた。

 原作でも温暖な気候を好んでいたな、と、おぼろげな記憶をたどる。

「ルガリロ・ギヒ・ヨガ・ノンク・モヤハ・ジキ・イオセア」

 咆哮に備えて、小声で消音の呪文をかける。

 私の体は、常に多量の魔力で保護しているから問題ないとは思うが、念のためだ。

 より近づいたが、咆哮は微風のようにしか感じられなかった。

 無事防ぐことができたようだ。

 近づいて、足の下に潜り込んで、転がるように飛翔の呪文を解除した。

 小さな、だが重たい装置を取り出して、すばやく地面に設置した。

 また、転がって奴の足の下から抜ける。

 シビレ罠……に、似たものだ。

 奴は稲妻にからめとられてもがくが、抜け出せない。

 作ったのは主にクレール様だ。

 彼女もすごい才能を持っているようで、頼りになる。

 

 いよいよだ。

 いよいよ。

「ごめんね!長生きできるように、あなたの体を作り変える!!」

 届いているのかいないのかわからない。

 だが、無意識に声に出していた。

 私(わたくし)は両手を構える。

 深呼吸して、魔力を集中させて、放出。

 命中したら、体全体に広げて、発動。

「ごめんね——」

 なぜか泣きたくなってくる。

 いけない、この術は集中力が肝心なのだ。

 涙がこぼれたのに構わず、操作を続ける。

 魔法とも、魔術とも呼べない強引な魔力。

 目を背けてはいられない。

 より大きくもがくように見えたが、気のせいだと思い込む。

 

 一度術が発動すれば、もう両者は動くことができない。

 私の体は普段からみなぎる魔力に無意識で守られている。

 渾沌に呻くゴア・マガラは、膨大な魔力に包まれて、何者も接近できない状態にある。

 集中して、集中して、集中して。

 細胞の一個でも術から漏れれば、こんなに痛い思いをさせたのに、寿命を伸ばしてあげることができない。

 余計なことは何も考えず、集中して。

 

 ようやく魔力を解いたときには、かなり日が傾いていた。

 

『はぁ、はぁ……。』

 荒い呼吸が、二重に重なる。

 私は、渾沌に呻くゴア・マガラの体を見上げた。

 シビレ罠の効果は切れたが、奴も絶え絶えに脱力している。

「終わった……のか?」

「誰!」

 聞き覚えのない声に、あたりの茂みに目を凝らす。

「見えていないのか?ここは目を使うには適さない場所なのか?」

 目を……使う?

 敵意はなさそうだが、この声はいったい?

 そうだ、目!

 錬金術の成果には、使用期限がある。

 こちらを優先しよう。

 私は動けずにいる渾沌に呻くゴア・マガラに近づき、その垂れた頭に手を添える。

「ごめんね、嫌な感じがすると思うけど、少し動かないでいてね。」

 片方には目をつける場所がないので、魔力で場所を開ける。

 地味な石のような外見をした、錬金術の成果を当てると、膨らみ、馴染んで、赤い目玉となった。

「これで、見えるし寿命も気にしなくてよくなるよ。」

 やり遂げた。

 自然と笑みがこぼれる。

 私(わたくし)は今、最高に晴れ晴れとした笑顔を浮かべていることだろう。

「ありがとう。」

 また、謎の声だ。

 私(わたくし)はこの間も警戒を怠っていないのに、出処がわからない。

 透明化でもない、録音再生機でもない、携帯電話も違う。

 何がこの声を発しているんだ。

 あたりを見回して、再び渾沌に呻くゴア・マガラに目を向けると、彼は白い光に包まれていた。

 繭のような光。

 うごめいて、形が変わり、そして小さなーー私よりは大きな、人の形を成した。

「これって?」

「こっちが聞きたいよ。まさか古龍の力が使えるようになるなんて。」

「えっ、古龍……?まさか、目の前にいる!?渾沌に呻くゴア・マガラなの!?」

「そりゃあ、古龍にはできるだろう。喋ることも、姿を変えることも。——自分にはできなかったが。」

 えっ、そうだったの?

 いや、この世界ではこうなの!?

 とりあえず——。

「目、ちゃんと見えてる?」

「白くなってて、よく見えない。」

 確かに、目を細めている。

「それは、ま(・)ぶ(・)し(・)い(・)ってことだと思うわ。見えるようになるには、時間がかかるでしょうね。」

 さて、どうしたものか……。

 確か、彼の身柄は私(わたくし)の好きにしていいんだったよね……。

「渾沌に呻くゴア・マガラ——ああもう、面倒くさい!あだ名、つけていい?」

「呼び名か?好きにするといい。もともとそれも、人間がつけたものだろう。」

「人間のつけた呼び名で悪いけど、あなたに馴染みの深い名前——ケイオスと呼ぶことにするわ。それでいい?」

「ああ。」

「それじゃあ、あなたの身柄は私が預かることになるんだけど、何かしたいことはある?故郷には帰れないし、他にしたいことと言われても、困るだろうけど……。」

「しばらく、ついて行ってもいい?助けてくれた主(ぬし)には、一緒にいて悪い気がしない。」

「私(わたくし)はダリアと言うのよ。そう呼んでくれたらいいわ。決まりね、私(わたくし)の家まで転移するから、手を握ってちょうだい。」

「ああ。」

「クドメルスス・クラ・ニロガウ・ヒナ・ヨクリム・カダッタ・クッハ・トゼラ・ヘカソ・チ」

 光に包まれ——視界が暗くなった。

 なんで?

 術は成功したのに……なんだか息苦しい。

 ふと、自分の名前の横で炎のようなアイコンが燃え盛っているのを幻視した。

 ウチケシの実、使い切ってた!?

 次の瞬間、目覚めると自室のベッドにいた。

 

 

「ケイオスは!?生きてる!?」

「生きているぞ。」

 ずっと、手を握っていてくれたようだ。

 他に人はいない。

「人を呼んでくる。」

 そう言って、私(わたくし)の自室の扉を三回叩くと、すぐに侍女と、聖女様が入ってきた。

「お目覚めですか。今回は長くかかりましたね。」

「伯爵令嬢さま、すぐに診察しますね。」

 ぐっ!

「痛い……。」

「一週間も眠っていましたから。さて、午後からはリハビリですね。」

 うーん、そんなに体力は落ちていないと思うけど……って、一週間と言ったか!?

 そんなに経っていたのか……。

「さて。」

 え?

 侍女が口を開いた。

 侍女からも何か話があるのだろうか。

「ダリア様は、初経から一週間が経過いたしました。」

 げ、その話!

「いち早く婚約相手を決定しなければ、婚約発表までにご準備が間に合いません。」

 い、今!?

「しかしながら、ダリア様は寝室で渾沌に呻くゴア・マガラ様とお二人になられました。」

「待って、彼、男性じゃないよ!?」

「問題ありません。同性婚も認められています。けじめはつけるべきです。特に、異世界からの使者を取り込むために、ぜひ婚姻を結んでほしいと、当主様から伺っております。」

 え、まじで?

「か、彼の意思は……。」

「先ほどダリアの言ったとおり、性別がないから婚姻に特に意味はない。それでも必要なら、恩もあるし構わない。」

 え、えぇ……。

 まあ、子どもを作らないなら、研究にも支障は出ないかな?

 対外的にも有利だし、何より憧れの渾沌に呻くゴア・マガラ様と一緒にいられる!

 婚姻という形でなのは、ちょっと意味がわからないけど……。

「仕方ない。それと、彼の名前はケイオスでいいと思うわよ。」

「正式名称は渾沌に呻くゴア・マガラと登録されておりますので、正式な場ではこのようにお呼びいたします。婚姻が済めば、正式名称を変更することはできますが。」

 えぇ……。

 

 

 ということで、こんなトンチキな婚約パーティが成立してしまった。

 彼は異世界に来て戸惑うことも多いようだが、百五十歳までは生きられそうな状態だった。

 何よりである。

 そして私(わたくし)は、病み上がりの体調を過剰に心配されて、おかゆをつついている。

 まあ、憧れの相手と一緒にいられるのはよいことかもしれないが、実際はこんなトンチキな状態という訳である。

 しかし、ケイオスはまあまあかっこいい。

 実は(胸以外)ネフィリム装備のほうが近い出で立ちだったりするのだが、羽は自前だし、顔立ちも中性的な美人だ。

 何より、私(わたくし)の作った赤い瞳がかっこいい。

 前世からの厨二病が、とても生き生きとするようだ。

 長生きしてほしい。

 そのためなら、私(わたくし)はまた禁呪に手を染めることもいとわない。

 死を待つばかりだった儚い命が、この世界では生き生きと暮らしていけますように。

 

 《完》

完結後の構想の話なんですが、三つの案があります。 もちろん、どれも書くという前提なんですが、どれを最初に書くのかをみなさまに決めていただきたいと思います。 きっと、先に書いたものほど熱量があって長編になり、後に書いたものほど文章が上手くなっていると思います。 もしよかったら、気軽に考えてやってください。選択肢は時系列順です。

  • 婚約パーティに至るまでのお話
  • 婚約者として共に戦うお話
  • 渾ゴアに性別をつけようというお話
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