街に戻った俺たちはギルドに行き、討伐完了の手続きをするためにカウンターに向かった。
ユキベエ「クエスト完了しました。ルナさん。」
ルナ「ふぇ!?も、もうですか!?」
ユキベエ「はい、こちらの通り。」
ルナ「・・・たしかに、10匹討伐されてきますね。了承しました。討伐した蛙の買取ですが、ギルド回収の1匹5千エリスと納品の1匹1万エリスはどちらにしますか?」
俺としては持ってきても良かったが、相棒の意も汲んでギルド回収にすることにした。
ユキベエ「ウチの相棒も疲れてるみたいですし、ギルド回収でお願いします。」
ルナ「わかりました。・・・お待たせしました、クロダさん。報酬の10万エリスと買取の5万エリスです。お確かめ下さい。」
過不足ないかしっかり確認して、と。
ユキベエ「では、今日は帰ろうと思います。さようなら。」
ルナ「お疲れ様でしたクロダさん。またお願いしますね。」
そうして、談笑していたカズマとクリスの元に向かった。
ユキベエ「じゃあ合計15万エリスだからそれぞれ5万エリスでどうだ?」
カズマ「俺はそれでいいぜ。」
クリス「えっ、私もいいの?」
クリスはどこか遠慮がちだが、俺たちとしては受け取って欲しかった。
ユキベエ「まあ、あの時は同じパーティメンバーだったからな。カズマも異論は無いみたいだしな。」
カズマ「ああ、実際俺も今回学ぶことは多かったし、授業料だと思って受け取ってくれ。」
クリス「わかった、受け取るよ。じゃあ、2人とも、良き冒険者ライフをね!」
クリスを見送ると俺たちは、少し早いが宿屋に向かい、4000エリスを払って二人部屋をとり武器を手入れすることにした。
カズマ「手入れできたと思うけど、どうだ?」
ユキベエ「ん、どれどれ・・・ここら辺の磨きがまだ甘いなもうちょい綺麗にしたら万全になるからさっきの容量であと5回くらい磨いてくれ。」
カズマ「うへえ、まだだめか・・・?」
20分もやりつづけたからかカズマはいい加減終わらせたいみたいだが、こればかりは俺も譲歩することはできない。
ユキベエ「まあ、武器が手入れ不足で脆くなることなんてザラだからな。手入れひとつで命が拾えるのなら、それに越したことはないだろ?」
カズマ「そうだな・・・っと、今度こそいいと思うんだが、どうだ?」
ユキベエ「・・・よし、OKだ。じゃあ、ギルドに行って夕飯を食うか。」
カズマ「おう。」
そして再びギルドに向かった俺たちは、夕飯時なのもあって喧騒に満ちたギルドの中を進んで席に座った。
カズマは鶏の唐揚げを、俺は先程退治した蛙の肉を使った唐揚げを注文することにした。ちなみに、カズマの鶏の唐揚げの方が少し割高である。
カズマ曰く、鶏の唐揚げは俺たちの世界の鶏の唐揚げより上品な味わいだったという。俺の頼んだ蛙肉の唐揚げはコンビニとかのジャンクフードの唐揚げのような味わいだった。
そして食事を終えた後、俺たちはカズマの提案でパーティメンバー募集の貼紙をすることにした
戦ってるうちに俺もカズマも気づいたのだが、性分として俺はどちらかと言うと前衛向きでカズマはどちらかと言うと遊撃向きなので後衛で魔法や矢を放ったり、回復したりする者が欲しいと感じたのだ。
ルナさんを通じてギルドに許可を取り、貼紙を掲示することした俺たちはギルドの掲示板にパーティメンバー募集の貼紙を貼り付けた。そして宿に戻った。
そして次の日の朝・・・俺たちは土木現場に居た。俺たちに助けを求めてきた土方の親方曰く、納期が今日までの仕事が積み上がってしまっているらしいのだ。
カズマ「パワード!」
ユキベエ「親方さん、この資材はこっちで良かったよな?」
親方「あんがとな兄ちゃんたち!俺たちも街の掲示板に求人を出したりしてるんだが、ギルドも中々こっちの仕事には冒険者を回してくれなくてな・・・」
そういう親方の顔には、精神的な疲労が見えた。
カズマ「俺たちの好きでやってるんで気にしないでください。」
ユキベエ「そうですよ。それに貴方たち土方の仕事によって家や防壁ができる。そうして俺たちが暮らしが成り立っている以上、貴方たちは生活インフラの一部です。なればこそ、このような手伝いや親切をすれど、不便や害を成すなどあってはなりませんよ。」
親方「・・・ホント俺ァ、兄ちゃんたちみたいな親切で気のいい冒険者が増えることを心から願ってるぜ。」
というか、そもそもこういった待遇の話は領主や文官の領域だ。それを土方やギルドの負担にしている時点でこの街の経営陣の底が知れるな。
しかし、親方の様子を見るにそちらには期待していないらしい。そしてそれが言えないとは、どんな外道が領主をしているのか・・・と、俺は思わざるを得なかった。
読んでいただきありがとうございました。