アスピナの傭兵がISの世界で頑張るようです【リメイク】   作:AIthe

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次の話を書こうと話を振り返ったら、あまりの酷さに涙が出てきました。

前作から見ていてくれている人がいるなら、今作も宜しくお願いします!


第1話

何もない砂漠に、一陣の風が吹き荒れる。少し先にコロニー“アナトリア”が在るが、彼の視界にそれが映る事はない。

彼ーーージョシュア・オブライエンの目は、最強にして最悪の兵器、ネクストがこちらに向かっている事以外を捉えていない。そのラインアイはこちらを真っ直ぐと見据えており、歴戦の強者である彼にさえ、無機質な恐怖を感じさせた。

 

(アナトリアの傭兵…………)

 

彼が乗っているNEXT、正確にはそのプロトタイプであるこれは、00-ARETHAと呼ばれる機体で、最強であるネクストを優に超える性能を持っている。彼は、今から目の前の敵を殺すのだ。

 

(…………すまない。)

 

今からの殺し合いは、この場の誰が望んだものではない。

しかし、彼には、目の前の友を殺してでも達成するべき目的がある。自らの故郷を、アスピナを守る為に、彼は戦う。例え、その身が朽ちようとも。

 

「遅かったな…言葉は不要か……」

 

その言葉を切っ先に、その機体は動き始める。コアと接合されたヘッドのカメラアイが光り、その異常に長い左腕に固定された巨大な砲身が、緑色の光を漏らす。それを地面に叩きつけ、自らを鼓舞する。その大きな動きに乗じ、背部に取り付けていた簡易レーダーをパージする。

 

「許しは乞わん、恨めよ。」

 

彼の目に決意の色が宿る。が、彼は知っている。この機体を使えば、重度のコジマ汚染と、超高出力クイックブーストによるGがかかり、完全に体は壊れてしまう事を。

 

(それでも、守りたいものがある…………行くぞ。)

 

決意を胸に、彼はブースターを点火、急接近をしながらコジマキャノンを発射、コジマ爆煙の中に5連装ガトリングガンを乱射する。しかし、その猛攻が全て捌かれたのか、煙の中から灰色の機体が飛び出す。装甲には殆ど傷が付いておらず、やはり攻撃を躱された事が確認出来る。

 

(やはり………強い!)

 

ニヤリと笑う。自分の目の前の強敵に、身体が打ち震える。

飛び出した機体をクイックブーストで追いかけ、瞬間的に追い付く。この00-ARETHAのクイックブーストはアスピナの研究者に“テレポート”と称される程の速さで、現ネクストの最高速度の比では無い。

急接近を許した敵機は危険を感じたのか、クイックブーストで機体を左右に揺らしながら後方へ逃げる。逃げながらも右手のアサルトライフルを撃ち続けており、必死にこちらに噛み付いてくる。

右腕を構え、クイックブーストで追い抜き、着地しながらターンする。背後を取り、コジマキャノンを発射する。

 

(………決まったな。)

 

ようやく追い越された事に気付き、反応の追い付かない敵機に緑色の光が迫り、着弾すると思われたがーーー

 

(なっ!?)

 

こちらを見ずに、背を向けたまま光を縫う様に回避し、その勢いのままターン、既にグレネードキャノン放たれていた。

 

(ちぃっ!化物め!)

 

心の中で悪態を吐く。ガトリングガンをばら撒きながら、着弾だけは回避せんと無理な姿勢でクイックブーストを点火する。榴弾の爆風が機体を掠め、彼に危機感を感じさせる。

 

(これ程とは…………)

 

アナトリアの傭兵。彼と共に、企業であるレイレナード社とアクアビット社の新兵器であるソルディオス自走砲を破壊、オリジナルナンバー1のベルリオーズを含めた4機を単騎で壊滅させ、このリンクス戦争を終結に導いた立役者だ。元々は伝説的なレイヴンだったが、国家解体戦争で重傷を負い、アナトリアのフィオナ・イェルネフェルトに助けられた。AMSの適性は劣悪で、傭兵を始めた最初こそ非力なリンクスという扱いだったが、砂漠の狼と呼ばれたアマジークを壊滅させた事により、大きく名が上がった。

彼もコロニー“アスピナ”を拠点に、独立傭兵で稼いでいたので、その名は耳にしており、それに加えて注目していた。自らと同じ独立傭兵で、ミッションの遂行率はほぼ100%。元々の名が知れていた為、注目するなというのが無理な話だろう。

初めて共同ミッションを受けた時、その強さを実感した。そして、彼という人間を再確認し、彼を友として認めた。

そして、今。出来れば彼とは戦いたく無かった。しかし、故郷を右の天秤にかけ、友と自らの命を左の天秤にかければ、自ずと右に倒れてしまう。

誰も望まない戦い。しかし、彼はそれを全力で挑んだ。文字通り、命を燃やし尽くす様に。

目の前の敵を視界に入れ、クイックブースト。敵の死角に潜り込む様に機体を滑らせ、その噴射力で粉塵を巻き上げる。目視での視界を阻む作戦だ。幾らロックオン機能が付いている言えど、目視が出来なければその性能は下がる。下手に近づけばガトリングで蜂の巣に出来る。迂闊に突っ込んで来る事は無い。そう考えたのだがーーー

 

(なっ!?)

 

相手は、それすら見越していたかと言わんばかりに、彼の移動場所に攻撃を撃ち込んでくる。榴弾が目の前に迫り、それを回避するとその場所にアサルトライフルが撃ち込まれ、致命傷こそないものの、着実にこちらが削られている。

その煙が自分の首を絞めている事に気が付いた彼は、その場からクイックブーストで離脱、見晴らしの良い上空へと飛ぶ。ロックオンと共にコジマキャノンを放ち、今度こそ着弾する。緑色の光が地を裂き、着弾時特有の大きな爆発を起こす。今の一撃で、多分あのネクストは落ちただろう。ロックオンは消え、敵機が落ちたことを再確認する。

 

「…………がはっ!」

 

倒したという事実に安心をしてしまい、同時に友を殺した事への後悔の念がふつふつと湧き上がってくる。その気の緩みに漬け込む様に、全身に激しい痛みが襲い掛かる。突き刺す様な痛みに耐え切れず、口から血反吐を吐き出す。

 

(……………終わった……のか………)

 

溜息を吐き、その場でガシャガシャと足を動かし、アスピナの方を向く。オーバードブーストで帰還をしようと思ったが、点火した瞬間キャンセルする。どっちにしろ、このまま帰還しても身体が持たない事に気が付いた。ならば、友であるアナトリアの傭兵と共に、この荒れ果てた砂漠で朽ちよう。そう考えたのだ。

 

「………責めはそこで聞こう。」

 

もう動かないであろう彼に最期の言葉をかけ、彼はゆっくりと目を閉じてーーー

 

ドヒャァ!!

 

「なーーーー!?」

 

コジマ粒子と土が入り混じった粉塵を吹き飛ばし、何かが急接近する。音に気づき、回避を試みる。が、反応が遅れ、ブースターに光が灯った瞬間、紫色の光が00-ARETHAの背部を切り裂く。ブースターが大きく爆発し、体勢を大きく崩す。反射的に逆側にブーストし、二撃目を避ける。

 

(な、何故………あれは……まさか!?)

 

勢いを生かしながらターンして、相手を視界に捉える。相手の姿は、先程とは違い、左手のレーザーブレード一本のみ(・・)になっていた。

そして、彼は気付く。着弾の瞬間、相手は左手のレーザーブレード以外の全てをパージし、ぶつけ、爆発させたのだ。相手が知っていたのかのかは知らないが、プロトタイプである00-ARETHAはレーダーが搭載されていない。その理由として、彼のAMS適正ではレーダーの情報を脳へ流したまま戦闘は不可能だ。文字通り、脳が焼き切れてしまう。多分、そんな芸当ができるのはオメールの狂気の天才、セロ位であろう。

その上、この機体のFCSは近距離型だ。恐らく、コジマ爆発が起きたのとほぼ同時に、後方へと回避、FCSの射程外に出てしまったのだ。倒したと勘違いし、安心しきった隙を見逃さず、一撃を加えてきたのだ。

 

(本当に出来る………この機体を使って、これ程まで追い詰められるとは……………)

 

機体差では、こちらに分がある。しかし、それを埋め合わせ、さらに追い越す程の実力を持っている。その事実に、彼の口がニタリと裂ける。

 

(もう、長くない…か………)

 

身体を走る電撃の様な痛みと、脳を突き刺す様な頭痛に、彼は自分の死期を悟る。

 

(俺が生きていた証を……リンクスとして生きていた証を……最後にーーー!!)

 

目の前の紫色の剣身を持つレーザーブレードーーー07-MOONLIGHT、通称月光と呼ばれるそれを展開し、2000km/hを超える速度でこちらへ突っ込んで来る。先程の一撃で、右側のブースターは大破している。

 

(…………なら!)

 

ゆっくりと後ろに下がりながら、ガトリングガンを乱射する。コジマキャノンを放ち、ある程度の牽制をする。

その弾幕を捌き、相手が目の前に接近しそのブレードを振るう。紫色の光が現れーーー

 

ヒュィィンーーードグオオオオオオオオン!!!

 

コジマ粒子が瞬間的に収縮し、大爆発を起こす。

アサルトアーマー。試作段階のトーラスが開発した兵器で、通常プライアルアーマーとして展開しているコジマ粒子を攻性転換し、全方向にコジマ爆発を起こす兵器だ。

 

(…………今度こそ……終わり………いや…………)

 

この距離でこれ程の濃度のコジマ爆発を食らえば、流石に相手も落ちただろう。彼はそう思った。そうだった筈だった。なのにーーーー

 

(……やはり、お前は…………)

 

閃光の様な光がFCSを麻痺させ、ロックオンが機能していない。しかし、彼には分かった。分かってしまった。

 

(……………お前は……強い……)

 

粉塵の奥に、微かだが紫色の光が見える。

もう、自分の身体は動かない。彼は走馬灯の様に思い出す。これまでの日々を。

 

(……………すまない、皆……)

 

紫色の光が、彼を切り裂きーーー

 

「終わりか………これで……いい…………」

 

血反吐を吐きながら、その口で、目の前の友に最後の言葉を紡ぐ。

 

「お前は………折れるなよ………」

 

彼の意識は、そこで途切れた。

 

しかし、彼の想いはそこで途切れる事は無くーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーとある世界に、一輪の花を咲かせた。

 

これは、彼とその仲間の物語ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 





文章って、難しいッス………もうグラブレ使うしかないッスよ(RD並感)
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