アスピナの傭兵がISの世界で頑張るようです【リメイク】   作:AIthe

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ac4の世界でリンクスのご飯ってどうなってるんですかね?
既に決まった設定がないのなら自分の考えたものを採用しようと思います。


第3話

織斑千冬は烈火の如く怒りに打ち震えていた。決勝戦直前に彼女の弟が攫われたと聞き、彼女は試合を放棄し、ISを装備したまま会場を飛び出した。

彼女の唯一の肉親。それを攫った相手など、許すはずもない。

全速力でそこに向かう。そこに辿り着くまでの時間は、まるで永遠の様に長く、何時もは速いと思っていたISの速度も、今では全くの無意味としか思えなかった。

そして、彼女は辿り着く。その廃ビルに。

彼女は弟の名前を叫ぶ。そして、弟の横に立つ少女を睨みつける。

一瞬、その目が合う。その蒼く澄んだ瞳はが、こちらを射抜く様に捉える。そしてーーー

 

彼女は思い切り弟の鳩尾を殴った。

その後の事は、よく覚えていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

「ああああああ!!!殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

(……もう逃げるしかねえなこれ、死の予感しかしねえよ。)

 

彼女は少なからず恐怖を感じ、同時に自分の運命を呪った。

目の前の敵が怖いのではなく、その異常な程の狂気に当てられたからだ。経験上、ああいうのは最もタチが悪い。何時までも諦めずに追いかけて来る。あの異常な執着力は何処から生まれるのか、気になる所もあるが、今はそんな場合ではない。

 

(逃げ切れるか?いや………)

 

取り敢えず、兵器なら実弾を持っていると思って間違いない。見たところ、何も装備していない様に見えるが、あのパワードスーツも突如消えるのだから、突如武器が現れても何もおかしくないだろう。

彼女は振り向かず、走り出す。ビル内に入れば、地形的にこちらに分がある。この少年が目的なら、攫ってすぐに逃げ出すだろう。

 

「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

倒れている少年には目もくれず、こちらに飛びかかって来る。思いのほか速く、直ぐにその距離が縮められる。

 

(近接型か!?)

 

既に目の前に来たパワードスーツの女性と目が合う。その目は憤怒や憎悪などの黒い感情に染まっていた。

その腕を振り上げーーー

 

突然、その手に、刀が顕現した。

 

「なっ!?くっ!」

 

慌てて上体を反らし、身体を左に捩らせる。振り払われた剣先が彼女の頬を掠め、血が流れ落ちる。

 

(………厄介だ、逃げきれん……しかし、助かった……女の身体で…)

 

彼女は少なからずその身体に感謝する。今の不意打ちを避けられた要因は三つ。

一つ目は、身体が小柄になった事。おおよそ150と少しといったところか、一瞬しか動かしていない為完全にとは言えないが、男の時より、身体に小回りが利く様になっている気がする。

二つ目は、彼女自身の危険察知能力。リンクス戦争において、リンクスは戦争における全てだ。なら、正攻法で戦闘によって倒すより、暗殺の方が成功率が高いと考える人間もいる。特に、彼女の様な傭兵稼業をやっていると、他企業から怨みを買う事もあるので、襲われた数は他のリンクスより多い。勿論、襲われた時の対策の為、身体は常に鍛えていたし、生身での戦闘訓練も行っていた。

三つ目は、身体の柔軟性だ。男性よりも女性の方が優れているこれは、今の攻撃を避けられた最大の要因だと言っても過言では無い。何せ、重心をずらし、身体を反らせ、その状態から横に捩らせるなど、そんな芸当は、相当な柔軟性がないと不可能だ。

 

(……不幸中の幸いってか?)

 

バックステップで距離を取り、回避重視の構えを取る。足腰を曲げ、どの方向からの剣撃も回避出来る様、体勢をとる。

 

「ああぁぁぁぁ!」

 

一撃でもまともに喰らえば、それは即ち死を意味する。

 

(予測しろ……次の動きを!)

 

右左上下右右下左右斜め下左。躱しきれなものはその細い腕で受け流す。素人目から見てもそれは異常であり、世界最強の彼女の剣撃を躱し続けるなど、どう考えても人間業ではない。

しかし、対する彼女も決して有利ではない。彼女の得意な機動力が生かせるほどの広さは無く、彼女の十八番である対ISの最強の一撃も、人間相手では意味は為さない。

その上、彼女は全ての行動に前後の移動を組み入れている。内側に入れば相手から攻撃を喰らいにくくなり、そこから外側に離れれば刀は大振りになり、それもまた避けやすい。

織斑千冬は、初見の彼女に完全に翻弄されていたのだ。

 

「はあああぁぁぁ!」

 

怒りに身を任せているのか、その剣は揺らいでいる。その全ては何時もの彼女からは程遠く、完全に実力を発揮できていない。

 

「いい加減にーーなっ!?」

 

床の一部が欠けており、そこに足を引っ掛け、体勢を崩す。

 

「まずーーーがぁぁっ!……ちぃ!」

「あああぁ!一夏ぁぁぁ!!!」

 

畳み掛ける様に突き刺す様な一撃が繰り出され、それが肩に突き刺さる。致命傷にはならずに済んだが、左肩がパックリと切れた。痛みを堪え、戦闘を続ける。肩を庇いながら、その滅多斬りを避け続ける。

ジョシュアの青い瞳が、細く長く、何かを見定める様に目の前の敵を睨む。

 

(……まだ………)

 

右左右下ーーー

 

(………まだ…………)

 

左斜め下右上左左ーーー

 

(…………まだ……………)

 

右下上下左下ーーー

 

「うおおおおお!!」

 

思い切り屈み、その一撃を避け、隙だらけの懐に入る。右手を強く握りしめ、その顎に向けて一撃を加えてーーー

 

「なっ!?効いてなーーーごふっ!」

 

しかし、ダメージは全く入らなかったどころか、顎が動きさえもしなかった。

 

(………死ぬ……のか…………)

 

そのままモロにボディーブローを喰らい、彼女の意識は削り取られてしまった。

そして、その刀が彼女の喉元目掛け振り下ろされてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

彼女が意識を取り戻し、初めて見たものは白い天井であった。

 

(ここは………)

 

起き上がろうとすると、左肩が痛み、右手で抑える。服も、患者用の病院服に着替えさせられており、ここが病院だと認識する。にしても、横にはテレビ、冷蔵庫などが合体した棚が置いてあり、中々贅沢だ。

そんな事を考えている内に、彼女の意識がハッキリして来る。

 

(……あの後一体どうなった?)

 

気絶させられたところまでは覚えているが、それ以降はさっぱりだ。身体の傷も左肩以外は目立ったものは無く、頬の傷も無い。もしかしたら、あれから数日経ったのかもしれない。

 

コンコン

 

「失礼しま…………」

「……………は?」

 

入って来たのは、自分を気絶させた張本人だった。その目は何故か泳いでおり、完全にこっちを見ない様にしているのが分かる。

 

「えっと、その……だな………」

「…………何?」

「す、すまなか「千冬姉!俺を置いてくなんて酷……………え?」

 

場の空気を読まずに入ってきたのは、あの少年であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふむ、そういう事だったんだな。済まない。」

「いや、こちらこそ貴女の弟を殴ってしまって済まなかった。」

 

その後、少し話して見ると、両者共に勘違いしていた事が分かった。彼女の名は織斑千冬。少年は、彼女の弟で織斑一夏。彼女は攫われた少年を助けに来たのだが、弟の鳩尾を殴った彼女を攫った犯人だと勘違いしていたそうだ。ジョシュアも自分が勘違いしていた事を説明、殴った事の弁解をし、謝った。

そして、あのパワードスーツの事も聞き出せた。

あれは、インフィニット・ストラトスーーー通称ISと呼ばれるパワードスーツで、現在世界最強の兵器らしい。自分が世界最強の兵器と戦っていた事を知り、彼女は知らなくて良かったと安堵した。

 

(………勘違いで死ぬところだった………)

 

織斑千冬はジョシュアを殺そうとしたが、既で声を出せる様になった一夏がそれを止めたそうだ。この少年にも感謝が必要だと感じたが、同時にこの少年の所為で死にかけた事にも気付き、複雑な気分になる。

 

「それで、名前は何て言うんだ?」

「ジョシュア、ジョシュア・オブライエンだ。」

「………ジョシュア?」

 

一夏の質問に普通に答えてしまい、織斑千冬が怪訝そうな声を出す。

安心して名前を出してしまった事に、彼女は内心舌打ちを打つ。ジョシュアとは基本的に男性名だ。女の身体である彼女がその名前なのは、いささか不自然だろう。

 

「………そういえば保護者はどうした?まさか一人じゃないだろう?」

「……………」

 

彼女は考える。恐らく、ここは別の世界だ。ネクストもリンクスも、国家解体戦争も無い、そんか平和な世界。そんな世界もあると考えれば、少し頬が緩む。

 

(………何も……分からない……だが…………)

 

彼女には身寄りも当ても無い、そんな人物は存在しない。しかし、この世を生きる為には自分の戸籍位は必要だ。しかし、彼女にその様なものが存在するとは思えない。

 

(………分かる様、努力する事なら出来る筈だ……………)

 

「実は、私はーーー」

 

彼女は、出来立ての作り話を話し始めた。

 




ジョシュア先輩にはちょっと迷惑をかけますぜ!

前回とは違い、レイレナード結成までの流れを書こうと思います!
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