アスピナの傭兵がISの世界で頑張るようです【リメイク】   作:AIthe

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ジョシュア「一夏、電話の掛け方を教えてくれ。」
一夏「こうやってこうだ。」
ジョシュア「分かった。」

プルルルル、プルルルル、ガチャ

ジョージ「もしもし。」
ジョシュア「もしもし、こちらジョシュア。」
ジョージ「ジョシュアか、こんな遅くにどうした?」
ジョシュア「すまない、時差を忘れてた。プレゼントの件だが、日本の少女漫画とやらがいいらしい。」
ジョージ「そうか!すまないな。」
ジョシュア「では、何れまたな。」

ガチャ

一夏「何の電話だったんだ?」
ジョシュア「なあに、少しフラグをだな。」

これがクラリッサがオタク街道を突っ走る原因となる事など、誰もが思いつかなかっただろう…………



第6話

 

「ふう………ここが日本か………」

 

ジョシュアは空港に降り立っていた。ドイツでの生活は、一夏が帰った後は暇で暇で仕方なかったが、本を読んで時間を潰す事が出来た。

それに、彼女はその間にアーキテクト試験を受け、見事合格した。これで一応は“アーキテクト”と言う事になるが、無名の技術者など無免許と同じ様なものだ。やっと、スタート地点に立てたと言えるだろう。

飛行機の乗り方も勉強し、保護者(織斑千冬)の許可も得て、1人で日本に来てみたのは良いのだがーーー

 

(ここは何処だ…………)

 

迷いに迷っていた。こんな事になるなら1人で来なければよかったと後悔するのだが、いかんせんアーキテクトの試験が飛行機の便が発つその日だったので、1日多く滞在したのだ。織斑千冬は「家がとても見せられる状態じゃないから帰る」と言って先に帰ってしまった。彼女もドイツでの教官が忙しいらしく、折角取れた1週間の休みを無駄にしたくない気持ちも分からなくはない。

 

(それにしても………一夏はどこだ?)

 

一夏が迎えに来てくれている筈なのだが、人がごった返している為に、ここがどこだか分からない。彼は彼女よりも小さい為、彼自身も迷っているのではないかと思う。

 

「ジョシュアー!!おーい!!」

 

遠くから久しく聞いていない声が聞こえる。隣には織斑千冬が立っている。彼女は背が高い為、私を見つけられるのかもしれない。それに、髪色が目立つのもあるのだろう。

走ってそちらに向かう。

 

「久しぶりだな!」

「久しぶり、まあ、片方は2日ぶりだがな。」

「それじゃあ行こうじゃないか。」

 

横には車が停まっている。運転席には人が乗っているので、彼女の持ち物ではないのだろう。

 

「ああ、行こうか。」

 

軽い鞄をトランクに詰め、ジョシュアはこれからの我が家となる家に出発したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

「あのさぁ…………」

「どうした?」

「何故荷物持ちをさせられているんだ?」

 

ジョシュアは車に入ると、直ぐに眠りについた。正直なところ、飛行機でくたくたになってしまった。機内のルールが思いの外厳しく、席も窮屈だった。そして、起きるとそこはどこかの町の様に見えたが、それは彼女が一度も見た事のないものだった。

長方形の高層建築物が立ち並んでいた。側面には窓がズラーッと並んでおり、蟻の巣の様に見えた。

聞くと、マンションと言うらしく、何とあれの一つ一つが住居になっているらしい。蜂の巣という表現は、あながち間違いではないのかもしれない。

更に進むと、マンションとやらは無くなり、平家だけになった。瓦で出来た屋根は、まさにインターネットで調べた日本といった雰囲気だ。

そして、漸く下りたのがこの町なのだが、何故か買い物の荷物持ちをやらされている。姉の方は先に帰っており、今は2人きりだ。

 

「いやー、買い過ぎちゃったというか………」

「織斑千冬は?」

「千冬姉は家の掃除でもしてるんじゃないか?」

 

可愛い弟と身分が不明な者を2人きりにするなど気が知れないが、それ程信用されていると考えれば、その想いには応えなければならない。

数分程歩いていると、こじんまりとした家が見えてきた。

 

「あれが俺達の家だ!」

「ほぉ………これが日本の……」

 

家を舐めるように見渡すと、扉が開き、人影が出てくる。

 

「千冬姉!」

 

予想通り彼の姉だった。ドアの前で仁王立ちしている世界最強は、どこか滑稽な感じがした。少し近づくと、その顔がニヤリと笑っている事に気が付いた。

 

「遅かったじゃないか………」

「どうした?そんなに見せられない程の部屋なのか?」

「掃除は既に果たしたよ………一夏がな!」

 

某弱王に似た台詞を吐き捨てる。ドヤ顔をして立っているが、早く荷物を回収してほしい。いい加減腕が痛い。

 

「…………」

「分かったよ。では、一言だけーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「織斑家にようこそ。歓迎しよう、盛大にな!」

 

この日から、彼女はこの家に住む事になったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

「失礼します。」

「そんなかしこまんなって!」

「そうだぞジョシュア、ここはお前の家でもあるんだからな。」

 

部屋は予想以上にこざっぱりとしていて、2人で住むには少し大きい気がする。“畳”というのは慣れないもので、どうして日本人はこんな草を縫い合わせたものの上に座ろうと考えたのか分からない。

礼儀上一応日本人風の挨拶をしてみるが、何故か注意された。日本について学んでいた事が無駄になった瞬間であった。

丸机に正座で座る。こっそり足の間に座布団を挟んだのは内緒である。

 

「お茶持ってくるから待っててくれ。」

「悪いな。」

「では、私も手伝ってくる。」

 

そう言って、2人とも部屋から出て行ってしまった。

 

(……………)

 

洋風のドアに畳とは些かどうかとは思うが、現実はこうなのだろう。インターネットで見た和室の様なものは、今や少ないのだと考えられた。

 

(…………落ち着かん)

 

周りに何かものがあれは気をそちらに回せるのだが、不自然な程にこざっぱりとしていて、逆に落ち着かない。窓からは大きな建物が見え、その向こうにある山を視界から塞いでいる。青く澄み渡った空は、何処までも、果てしなく遠くに続いている。そんな気がした。

感傷的な気分になっていると、扉を開く音がそれの終わりを告げる。入って来たのは一夏で、ドアノブを握っていない方の手には、お盆が握られている。上に飲み物が乗っている。

 

「どっちの飲み物がいい?」

「えっと…………」

「グレープとオレンジだ。」

「じゃあオレンジを頂く。」

 

目の前にオレンジジュースが置かれる。水以外の飲み物などプロテインか栄養剤しか口にした事が無かったが、こういう飲み物もまた一興である。

 

「煎餅食うか?」

「せんべ…………は?」

 

出されたのは、放送用のビニールに包まれたお菓子の様なものだ。破いて齧って見ると、案外硬い。バリッという心地良い音と共に、口内に熟成された何かの風味が漂う。

 

「米のお菓子か。程よいしょっぱさで美味い。食感もいい。」

「そうか、良かった良かった。」

 

バリボリと噛み砕き、2枚目を奪い取る。破く、食う、飲む、破く、食う、飲むーーー。気が付けば、お盆の上に置かれていた煎餅は一枚も無くなっていた。

 

(せんべい……侮れんな………)

 

一夏の方を見ると、余程食べっぷりが良かったのが気に入ったのか、とても嬉しそうな顔をしている。

 

「ご馳走様でした………食い過ぎちゃったかな?」

「いやいや、気に入ったなら好きなだけ食べていいぜ。おーい!千冬姉!」

 

姉の方はまだ何処かに行っているのか、遠くで物音がするだけで、声は聞こえない。弟の声に反応しないとは、彼女らしくない。

 

(一つ、悪戯をしてやるか………)

 

「一夏、千冬姉愛してるって言ってみろ。」

「えっと……千冬姉愛してる。」

「大きな声で!」

「千冬姉!愛してる!!」

 

ドンガラガッシャーン!!

 

盛大に皿が割れた音が鳴り響く。

 

(世界最強も、弟のラブコールには勝てない……か………)

 

ジョシュアはからかいに成功し、煎餅も相まって暫く上機嫌であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

今日は1日が長く感じられた。多くの“初めて”を体験し、とても充実した日を過ごせた気がした。

 

(平和とはいいものだ………本当に………)

 

見た事もないものを食べたり、一緒に食事をしたり、風呂というものに浸かったり、そこに一夏が乱入して来たりと、こんな事はあちらの世界では味わえなかっただろう。そう考えると、自分は幸せ者なのではないかと思い、口元が緩む。春風が彼女の頬を撫で、夜の月明りが白い髪を照り輝かせる。彼女の座っているベランダは、普段では似つかわしくないのだが、幻想的なものになっていたと言える。

 

(月とはこれ程にも綺麗なものだったのか…………)

 

昔の身体なら月見酒もまた一興ではあっただろうが、今はまだ子供のままだ。オレンジジュースで妥協点とする事にした。月見オレンジジュースとはまたどうかとは思うが、正直なところ飲み物が酒だろうが何だろうがどうでも良かった。今は、この月を見られればそれでいい。そう思えた。

そこに、月明りに照らされた新たな人影が現れた。

 

「織斑千冬か。一夏は?」

「その呼び方は止めろ、身の毛がよだつ。それとあいつはもう寝たよ。」

 

隣に座る彼女は、その口の割には優しい顔つきをしていた。そして、勿体振る様にその口を開いた。

 

「………私は、お前の事を信頼している。だが、完全に心を許した訳ではない。」

「そんな事か………」

「お前にその気がない事も分かるし、真面目な奴だって事も分かる。だが、不審な点が多すぎる。」

 

当たり前の事だ。この歳でこんな日本語をペラペラと話す外国人はおかしいし、その上他国の言語で書かれた本を簡単に読みこなすとなれば、それは不審以外何者でもない。それに、この白髪となれば直ぐに保護者が見つかってもおかしくない筈だが、未だに見つかっていない。

溜息をつき、横を見やる。その顔には覚悟の色が見えるが、その隙間にはチラチラと悲哀の色も見える。

 

「………そんな顔をしていたら、世界最強(プリュンヒルデ)の名が泣くぞ?」

「ふっ……私にプリュンヒルデの名は似つかわしくない。弟1人さえ守れない人間が……世界最強を名乗るなど………馬鹿馬鹿しい。」

 

自嘲的な笑みを零す。それに釣られ、彼女もフッと笑う。その笑みは優しく、そして美しかった。

 

「……お前は、名誉よりも家族を選んだ。」

「…………」

「その心は強い。それこそ、世界最強を名乗れる程に。」

「しかし、私は弟を守れなかった………」

「それで何が悪い?」

 

彼女はハッとした顔でこちらを見る。

 

「織斑千冬。お前は世界に対して、最強(プリュンヒルデ)にはなれなかったかもしれない。だがな、お前の弟からしたらーーー」

 

一拍おいて、その言葉を紡ぐ。

 

「誇らしい、最高の姉だ。お前は一夏の(プリュンヒルデ)なのただから。」

 

そう言い捨て、空になったコップを持ってベランダを去った。

織斑千冬の頬に流れる、温かな涙を見ぬ様に。

 

 

 

 

 

 




ジャスト4000文字ですよ!やったねジョシュアたん!

あれ?全然ストーリーが進まない…………
そういえば、原作3年前って鈴ちゃん居ましたっけ?

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