〜《ふにゃふにゃ運び屋》鈴鳴つづり〜
随分前に利用者がいなくなり錆び付いた廃工場で、赤い制服を着たヤギ獣人の少女に向かってスーツを着た強面の男が言い放つ。
「このスーツケースを指定した場所まで運ぶこと。それが今回の依頼だ。報酬は前払いで1000万、無事荷物を届けきったら追加で4000万支払おう。この依頼はとても危険なものになっている。自信が無いなら断ってくれても構わない。」
少女は自信に満ち溢れた表情で答える。
「任せてください、銃には自信がありますから。」
そう言った少女の背中には、可愛らしいその姿からかけ離れた無骨なライフルが背負われていた。
そして少女は、思い出したかのように男に問いかけた。
「ところでどちらまで運べば?」
「ああ、栃木だ。」
「とちぎ!?」
〜《元気いっぱい警官》百灯キョーコ〜
警視庁本部の一室で、オレンジ色の髪をした少女と上司と思しき男が対面していた。
「百灯君、君に重大な任務を行ってもらいたい。」
男が真剣な雰囲気を醸し出しながら、オレンジの髪の少女にこう言った。
「わかりましたっ!!!この百灯キョーコ、その任務を必ず成功させてみせましょうっ!!!」
百灯キョーコと名乗った少女は、間髪入れずに元気よく返事をする。その瞬間、真剣な雰囲気が崩れさってしまった。男は眉をひそめ、疲れを超えに滲ませながら言い聞かせるように言う。
「あのね百灯君、まだ内容も聞いてないのに承諾したらダメよ…それと声もすごく大きいから、こんな至近距離で元気よく返事されたら私の耳悪くなっちゃうから。わかった?」
「はいっ!!!それでは任務の詳細を教えてください!!!」
「百灯君?話聞いてた?」
〜《宇宙大好き博士》宙科そぴあ〜
何の用途に使うのか分からない機材に囲まれた研究室の中で1人の少女がモニターを見つめながらつぶやく。
「本物の宇宙人から技術提供され兵器?なにそれめちゃくちゃ気になるんですけど!」
そう言って少女はモニターに向かって情報収集を開始した。
「へー、警察ももう嗅ぎつけてるんだ。そぴあも早く動かないと。」
少女は計画や武器の準備をしながら、追跡用に用意した移した端末を確認する。
「兵器を持った対象は移動中か、移動先は…栃木?どうして栃木なんかに…」
〜《数百年ぶりの下山》熱千メラ〜
「すまーとふぉんとやらで遊ぶの飽きたのじゃ〜」
とある山のとある洞窟の中。角としっぽを持つ少女が、青い炎を撒き散らしながら言い放つ。
「そろそろ山を降りてもいいのかもしれないのじゃ。」
そう言った少女の顔には、外への興味がありありと見て取れた。
「そうと決まれば早速荷造りじゃ。善は急げなのじゃ〜」
彼女はこのとき、自分の今後を左右する事件に巻き込まれると少しも考えていなかった。