pixivからの変更点
・裏設定追加
・一部の会話を消去&追加
・一部の技の名称を変更
・誤字修正
・一部の原作死亡キャラ生存
(↑これはもうすこし後の話です)
こんな感じですね。
朝ご飯の時間になっても太陽が起きてこない。よし、起こしに行こう。
「太陽起きてー、朝ご飯の時間だよー」ガチャ
「ここか?「ぅ゙」ここか?「あ゙っ」」
「兄ちゃんやめて!」
うん、どういう状況? 凶一郎さんが太陽をツンツンしてるんだけど。
「何してるんですか凶一郎さん」
「夕雅か。ということはそろそろ朝食の時間だな。先に行ってるぞ」
太陽がベッドの上でピクピクしてる。・・・筋肉痛かな?
「・・・見ての通り、太陽は動けないの」
「六美、すまん起こしてくれ・・・。朝起きてから、筋肉痛がひどくて」
「あ、そう。んじゃごめん、ちょっと失礼」ドス
「ぎゃうっ!?」ドフッ
あ、崩れ落ちた。
「夕雅お兄ちゃん!? 何してるの!」
「心配いらないよー。これツボ押しだから。腰のあたりには筋肉痛に効くツボがあるからね。他にもうなじのところや「あだっ!?」背骨の真上とか「うぎっ!」色々あるんだよねー」グーリグーリ
「あぐべぇえええ・・・」
「断末魔?」
「兄貴がひどい」
「というかちょっと話変えるけど太陽、なんでこんなに酷いの?」
「昨日の夜から、違和感はあったんだけど・・・朝になったらほとんど動けないレベルに」
「あー、ということは血が入ったから? 絶大な力は適応するか飲まれるかって言われるし。漫画で。それと太陽、そんな身体で学校は無理でしょ。休んだら?」
「そうする・・・あと、できたら朝食は運んでくれるとありがたい」
「はーい。六美ちゃんはちょっと太陽見てて」
リビング行ったら凶一郎さんいなかった。
「あれ、凶一郎さんは?」
「兄ちゃんなら今トイレ」
「あ、そう?・・・それならちょっと二刃さんと辛三にお願いが」
「「?」」
「ちょっと凶一郎さんを抑えてくれてるとありがたいんですが。今から僕は太陽と六美ちゃんの分の朝食を運ぶので」
「・・・ああ、なるほどね。理解したよ。抑えとくから渡して来な」
「ではお願いしますねー」
「ということで持ってきたよー」
「何がということでなのかわからない」
「あれ、2人分?」
「六美ちゃんもここで食べたらどうかなって。夫婦だし2人きりの食事は普通でしょ。太陽に『あーん』とかしてあげたら? ここ置いとくからねー」
キラーン
一瞬で目が欲望にまみれた。なんだかんだ六美ちゃんも太陽に依存してるよね。
「うん。ありがとう、夕雅兄ちゃん。ということで太陽、あーん」
「えちょ、兄貴っ!?」
「ごゆっくりー」
「太陽、あーん」
降りてきたら凶一郎さんが捕まってた。七悪くんも参戦してくれてる。見た感じだと二刃さんが最初に組みかかってその後辛三と七悪くんで動かないようにしてる?
「夕雅、貴様・・・」
「この人は今日も平常運転だねー。嫌五か四怨、縛るもの持ってきてくれない? 動けなくするから」
「もうあるぞー。四怨がさっき取ってきてた」
「準備早っ」
それじゃ使わせてもらってぐーるぐーる。七悪くんたちも一緒にしてくれてる。二刃さんと辛三は暴れたり動いたりしないように止めてくれてた。
「・・・後で覚えておけ」
「よし、止められたし朝ご飯食べようかー」
「ふぃー、腹減ったー。朝っぱらから無駄な労力使わせんなよ」
「四怨は全部ドローンだったでしょーが。一番身体を動かしてないでしょ」
「頭使ってんだよ、頭」
「そういえば夕雅お兄ちゃん、今日の朝ご飯は何?」
「今日は洋食だね。ハンバーグとかミネストローネとか作ってあるよ。ハンバーグは六美ちゃん、スープとサラダは僕担当。スープはちょっと作りすぎちゃったからおかわりどーぞ」
「・・・俺達、いつの間にか夕雅に胃袋掴まれてる気が」
「「確かに」」
「よく作ってくれるおやつとかデザート、まず間違いない味だしな」
「今日も作るよー。リクエストとかあったら言ってね。また今度出すから」
「だったらまたいつかケーキ作ってくれよ。夕雅が福引で当てたって言ってたときみたいなやつ」
「はい注文入りましたー」
「ラーメン屋みたいに言うんじゃねーよ」
ツボ押しの効果があったのかどうかは不明だけど、3日後にはなんとか学校に行けるようになった。全然筋肉痛は治ってないっぽいけど。
あの後凶一郎さんに捕まって丸腰で山奥に放り投げられた。正直言うとそんな大変じゃなかった。だって車の音が聞こえたらそこに向かえばいいだけだし。
太陽が行動可能になってから2日後。
「夕雅お兄ちゃんっている?」
「ん、六美ちゃん? なにー?」
「あ、いた。ちょっと手伝って欲しいことがあって」
「ん?」
「料理の手伝いを・・・いや料理なのかはちょっと不安だけど」
「どゆこと」
「キッチンを見てくれたらわかるはず。来て」
なんだろーね。
紫色でヘドロのボールみたいなモノがまな板の上に。
・・・何この物体? 見てもわかんない。
「なにこれ?」
「家に伝わる秘伝のおまんじゅう・・・のはず」
「・・・饅頭? え、材料何使ってるの?」
「えーっと、小豆、もち米、中力粉、水銀、フグ・・・」
「うんゴメンストップ。毒だよ? 最初3つはいいとしてそれ以降は猛毒だよ?」
「レシピに書いてあったから・・・」
「どんなレシピ・・・というかなんで急にこんなの作ってるのさ」
「えーと・・・太陽が筋肉痛に悩まされてるから、何か妻として助けになれないかなって思って・・・」
「ふんふん、それで?」
「それで見つけたのがこの『やるきまんまんじゅう』。夜桜の血による心身の疲労を和らげてくれる秘薬なんだって」
見せられた冊子の表紙には丸くて白い饅頭が。ということはこれ失敗ってことじゃ?
「完成図と程遠い見た目してますけど。レシピ間違えてないよね? あともしこれが完成品なんだとしたら善意じゃなく割とガッツリとした敵意や殺意を相手に抱いてると思うんだけど」
「これ2回目の挑戦なの・・・。1回目と全然変わってない。それと私太陽に敵意なんて抱かないもん」
「そっか・・・。あと、気にしないようにしてたんだけど、なんで凶一郎さんは泡吹いて倒れてるのさ」
すぐそこに倒れてる。何があったのよ。
「えーっと・・・
「どれどれ・・・『一口味見して仮死状態になれば手順は合ってるので再挑戦すべし』。これ仮死状態・・・いやちょっと待って。手順合ってるのに
というか凶一郎さん、よくこんなやばい見た目のを口に入れられましたね。少しは躊躇しなかったんです?
「なんで失敗してるのかわからなくて・・・」
「いやー、これはちょっと・・・僕の手には負えない・・・かな。うん。七悪くんたち呼んでみようか」
僕以外の兄弟にも手伝ってもらおう。
「触ってるとわかるんだけど、見た目とは違って全然ベタついてたりしてないんだよね。むしろサラサラ。光沢があるのにベタベタしてないって変な感じー」
「AIの成分解析だと『食品』じゃなくて『兵器』って出てるな」
「命を刈り奪る味がするね」ボフッ
七悪くんの顔一瞬で膨らんだけど大丈夫? というか兵器はやばい気が。
「2人もどう・・・?」シュババッ
嫌五と辛三は一瞬で逃げてる。
「しっかし、こんな見た目じゃ食べる気も失せるだろ。こんな紫色じゃなく、もっと白かったり茶色かったりで美味そうな・・・なんか腹減ってきたな」
「お昼ご飯食べたでしょーが。あでも四怨はちょっと早めに食べてたっけ。・・・それならおやつに普通の饅頭でも作ろうか?」
「お、いいのか?」
「いいよー。皆も食べるでしょ?」
「「「「「もちろん」」」」」
「んじゃ待ってて。3時くらいに持ってくから」
「微妙に待ち時間なげーな」
「そういうものだからしょーがないよ」
「手伝うか?」
「嫌五は邪魔だから来ないでねー」
「ひどくね?」
ちょっと前一緒に作ったら分量図らないわ焦がされるわで大変な目にあったからね。二度と一緒に作ろうとはしません。
「こしあん、薄力粉、砂糖・・・あ、黒糖あるじゃん。こっちに変えよっと。・・・普通の饅頭もいいけど、たまには揚げ饅頭もいいよね。両方作っちゃおうか」
このこしあんは・・・200グラム。いくつかパックはあるけどまあいっか、全部使っちゃおう。今度買い物行ったときに追加分買っておかないとね。
黒糖は鍋で溶かす。沸騰しないように気をつけないと。で、今のうちにこしあんを分けておく。1パックにつき10等分くらいかな? あ、でも揚げ饅頭は薄皮だし、2パックは9等分にしようか。
黒糖が溶けたらボウルに出して粗熱を取る。そしたら水で溶いた重曹を加えて混ぜていく。そして薄力粉も混ぜて、混ざりきったら台の上に落として何度も折りたたんで伸ばす。
もちろん打ち粉は必須。引っ付いちゃったら後始末大変だし。
「揚げ饅頭用の生地は普通の半分くらいの薄さ・・・もう少し薄くてもいいかな?」
切り分けた生地であんこを包んでいく。破れないよう注意。
そしたら後は蒸すだけ。生地表面に打ち粉が見えないように水を吹きかける。
蒸し器に全部は入り切らなかったから、薄皮の方を先に。15分くらいかかるから、その間に油と天ぷら粉を用意。
天ぷら粉はしっかり水で溶いて、油は170℃。
蒸し上がった饅頭を天ぷら粉にくぐらせて、そのまま油にドボン。くっつくと嫌だから、同時投入は1回に4つまでだね。
鍋あと3つくらい出して時間短縮しようか。油とあんこの匂い嗅いでたら僕もお腹空いてきちゃった。
衣部分がサクッとなったら完成。じゃ、残りもちゃっちゃとやっちゃおう。
「でーきたよーっと」
「お、来たか・・・って思ってたより多いな」
「あれ、2つも?」
「茶色っぽいのがが普通の饅頭。白っぽくなってるのは揚げたやつね。熱いから気をつけて。あと緑茶淹れたから置いとくね」
ちょっと濃いめだから氷で冷ましつつ薄めてる。
「ああ、ジュワジュワ音がすると思ったらそれか」
「しかし、よくもまああんな短時間でこんなに作れるもんだ。・・・うん、美味しいね」
「熱いけどうまいな。・・・サイズは別として、普通はこんな感じだよな饅頭って。何だあの特級呪物は」
「材料からして普通とは全然違うし、イレギュラーとでも思えば?・・・ああでも家に伝わる秘伝の饅頭なんだっけ」
「そのはずなんだけどね・・・。それはそうと、いつまでたっても夕雅兄ちゃんにお菓子作りで勝てるビジョンが見えない・・・。私じゃこんな美味しいの作れない」
「夕雅の菓子作りはもうプロ顔負けだろ」
「六美ちゃんもこれくらいできると思うけどねー? それはそうと、皆はどっちが好き? 普通のか揚げたのか。僕は普通の方だね」
「俺は揚げた方。味はもちろん食感がいい」
「俺も兄貴と同じ。サクサクしてるのがいいな」
「あたしは普通の方だな。ベタつかないし」
「僕はどっちも好きだよ。もちもちした普通のもいいし、サクッとした揚がったのも好きだね」
「どっちかといえば普通の方だが、あたしはどっちだろうと喜んで食べるよ。交互に食べると飽きがなくていいんじゃないかい?」
「私は揚がった方かな・・・。いや、そうじゃないの。近い味には出来ても、あんな短時間で作るのは出来ないの。この量を1人で作るとなると、普通1時間じゃ終わらないのよ」
「え、夕雅40分くらいで持ってきたぞ?」
「だから負けてるってことなの・・・」
「この家で暮らし始めて前より器用になってきたんだよね。指も早く動くようになったし。いやースパイ技術って便利ですなー」
「「「夕雅(お前)(あんた)がおかしいだけだ(さね)」」」
「ま、それはそうと結構バラバラだね。・・・あ、ラスト1個じゃん。僕は別にいいんだけど、誰か食べる?」
「「「「俺(あたし)」」」」
「それならじゃんけんで決めようか。出す手を見切るのは禁止だよ」
「先に言われた・・・」
「はい、さっさと始める」
嫌五の一人勝ち。一発で決まるって結構珍しくない? 僕の気のせい?
「あ、嫌五か。はいどーぞ」
「イエーイ、ラッキー」
「そういえば太陽の分は取ってあるのか?」
「3つずつ取ってあるけど、今は冷蔵庫の中だよ。食べたらダメ」
「もし食べたら?」
「この特級呪物を
「「「絶対に食べません」」」
「よろしい」
「・・・いやいやいやいやどういう仕組み?」
饅頭を作ってから翌日。僕も秘伝のまんじゅうを作ってみた。
・・・その結果、なんでか触手生えてきてるし動いてる。生命体は入れてないはずなんだけど。悪魔でも憑依してる?
「コブとか出来てるし・・・空気が溜まってる感じ?」
ちょっと穴開けて抜いてみ・・・いや、ちょっと七悪くんに相談かな。毒性あったら普通にアウトだし。
「発酵してできたガスっぽいね。強い毒性は無いけど、可燃性だから火は厳禁。・・・それにしても、夕雅お兄ちゃんでも出来なかったんだ。六美お姉ちゃんのとそっくり」
「そーなんだよねー。レシピはコピーしたやつがそこに。手順は間違えてないんだけど」
「レシピには・・・暗号とかでもないっぽいね。ちょっと食べてみていい?」
「ん? 別に良いけど・・・あんこ入れてないよ」
「そこは大丈夫。あーん・・・」ピカー
光った。
「いやなんでやねん」
「唐突な関西弁」
なんで解毒方法がこの前と違ってるのさ。
「昨日と同じく命がすり減る味だね。・・・夕雅お兄ちゃんでも作れなかったってことは、もう打つ手はない状態じゃない?」
「かもねー。もしかしたら文献がもう一つあって、それと組み合わせたら本当のレシピが出てくるとかあるかもしれないね。情報秘匿には定番のやつ」
「あ、そういうのあるかもね。・・・ただ、ウチにはそういう文献が数え切れないくらいあるから」
「探すのも現実的じゃないってことか。・・・うん、僕には無理でした」
「六美お姉ちゃんも夕雅お兄ちゃんも出来なかったし、現状はお手上げかな」
「だね」
そんなこんなで数日後の深夜。仕込みも終わったから部屋に戻ってた。
まあ寝たくないから包丁研いでたりしてたけど。
「たいよおおお!?」
六美ちゃんの叫び声。何かあった?
「何々どうしたの。急に叫んで・・・なんで太陽気絶してるの?」
「えーっと、これを食べて・・・」
「何それ?」
「饅頭の完成品」
「え、完成したの? レシピは間違ってたんじゃなかった?」
「えっとね・・・正しいレシピは隠されてたの。でもそのレシピは隠し墨で書かれてて、夕雅兄ちゃんには絶対読めないもので。夜桜の血じゃないとだめっていう。太陽が見つけてくれたのよ」
「あー、そういうこと。だから僕はバケモノが完成したんだ。・・・にしても隠し墨か。ご先祖様が秘密を守るためにしたってことかな? 面白いアイデアだねー」
七悪くんが見たレシピはコピーだったから気づけなかった感じだね。流石にコピー機に特殊インクは入ってないし。
それにしても、僕はちょっと不便。そういう文献があったら僕だけ読めないってことだから。
・・・六美ちゃんが気づいてなかったことは一旦無視で。
「ふふ」
「ん、何か笑うところあったー?」
「ううん、違うの。太陽もまったく同じことを言ってて、兄弟なのねって思っただけ」
「まあ、ここ数年は2人だけだったからねー。ある程度思考も一致するでしょ」
「・・・辛いこと思い出させちゃったかな」
「大丈夫だよ。高校のときに嫌と言うほどわからされてるから」
卒業までの半年間で、家族の大切さを思い知らされた。
失ってわかるんだ、日常がどれだけありがたいものだったか。
「それなら良かった、のかな。・・・それと、太陽運ぶの手伝って?」
「おっけー」
そして今日も、涙は流れた。
「なんか体めっちゃ軽い!」
「よかったー!」
「というか、完成しても仮死状態になるのは変わりなかったんだねー。早く起きれてよかったよ。・・・凶一郎さんはまだ寝てるけどー」
「お兄ちゃんまだ起きないねえ。電気ショックでも使おうかな?」
「ま、べつにそれはいいんじゃない? いつかは起きるでしょー」
落ち着いた日々になってるからもう少し寝ててくれてもいいですよー。
裏設定13
凶一郎さんはその日の夕食直前に起きてきた。