あとpixivは原作死亡キャラはそのままの予定ですがハーメルンではおそらく2人生存します。その話を投稿するときにタグは追加します。
今日の二刃さんとの訓練が終わった。僕初心者だけど二刃さんは容赦なくて何度でも投げ飛ばしてくる。その体のどこからそんな力が出てくるのかと考えたこともあったけど、合気の力はそんな体格差なんてものともしないってわかってからそういうことは考えないようになった。
「さて、今日はこんなもんかね。風呂で汗を流しときな。あと冷蔵庫にシュークリームが入ってるから食べたかったら食べていいよ」
「あ、ありがとうございました・・・・。シュークリームはいただきます」
腕とか顔とかボッコボコ。傷薬貰おうか。
「生傷も増えたなぁ・・・。ちょっと前とは大違いだね」
僕の身体には2ヶ月前には一切存在しなかった傷跡が大量にある。
生活で食らった傷や、二刃さんや凶一郎さんたちとの訓練でできていった傷。
毎日訓練があるからどんどん増えてく。
七悪くんの治療薬があるから古い傷は消えてるのも多いけど、先週受けた傷なんかはまだ跡として残ってる。切り傷の方が少ないのは良いのか悪いのか。
「太陽も同じ訓練をしてるんだし、僕が弱音を吐くわけには行かないね。・・・シュークリーム食べよっと」
というか本音言うと作りたいね。・・・またお菓子作り再会しようかな。生活にも慣れてきたし。
リビングに行くと、二刃さん、四怨、嫌五、七悪くんが話してた。
「お、ナイスタイミング」
「夕雅お兄ちゃんも一緒に来てよ」
「・・・ごめん何が? 状況わかってないんだけどこっちは」
「簡潔に言うと、六美が誘拐されたから受け渡しの日時を特定する。夕雅も手伝ってくれ」
・・・うん、ちょっと待って。なぜ六美ちゃんが誘拐?
「え、六美ちゃんは守られてたはずじゃ?」
「それが今回は事情が事情なんだ。最初に太陽が誘拐されて、その交換として六美が誘拐されたって感じだ」
「・・・太陽は?」
「安心しな・・・って言って良いのかわからないけど、少なくとも大きな傷はなく戻ってきてたよ」
「なら大丈夫です。いや六美ちゃんが誘拐されてる時点で大丈夫ではないんですけど。・・・ところで、特定ってどこで行うんです?」
「あたしの部屋だ。データ自体はダウンロードが完了してるからあとは特定するだけになってる」
「・・・僕って技術的には未熟じゃ?」
「特定するのに必要な技術はもう叩き込んでる。あと、4人だと時間がかかる可能性が高い。・・・ま、細かいところは置いといてあたしの部屋でさっさと特定しちまうか」
思ったよりサクサク作業は進み、6時間かからない程度でルートを特定できた。
「3日後だね。じゃ、奪還のための準備を始めるとしようか」
「「「「了解(です)」」」」
翌日。
「四怨? 凶一郎さんと太陽が見当たらないんだけど知らない?」
「あいつらか? 多分花輪のアジトに潜入してると思うぞ」
「・・・もう六美ちゃんを救出するの? 予定より早くない?」
「違う違う。六美を攫いやがったフラワー便は撹乱のためすぐに商品を流通網にのせるんだ。外部からそのルートを探るのはあたしでも流石に無理。だが、幹部以上が持つ情報端末には流通データが記録されてるんだ。この奪取のためだな、2人が潜入してんのは」
「わかった」
そして救出実行日。
「じゃ、これが夕雅のドローンだ。上に乗ってもいいしぶら下がっても良い。何にせよ移動に使え」
「オッケー。ま、ぶら下がろうかな・・・って、太陽のは? 凶一郎さんのも」
「ああ、その二人は別だ。あたしたちは空から行くけど、2人は予定の場所で待機してもらう。花輪たちと戦うのは太陽たちで、あたしたちが周りの雑魚を対処って感じだな」
「ん、わかった」
「予定時間が近づいてるね。そろそろ出発だ、準備しな」
「了解です」
「じゃ、飛ばすぞ。落ちるなよ」
そう言って四怨がドローンを飛ばした。たった一個なのに僕の全体重支えられるんだね。
「四怨、そろそろ繋がったかい?」
「もうちょっとまってくれ姉ちゃん。1分以内に終わらせる」
「・・・二刃さん? どうかしましたか?」
「あー、あたしがフラワー便のパソコンに侵入してるんだ。繋がったらビデオ通話に割り込める」
「可愛い妹が誘拐されたんだ。文句の一つでも言ってやらないと気がすまないよ」
「ああ・・・。まあ、四怨、頑張ってね」
「安心しろ。もうすぐできそうだ・・・よし、できたぞ姉ちゃん」
「そうかい。じゃ、カメラを貸してくれ」
そうするとカメラに顔をずいと近づけて話し出す。というか顔が近すぎてレンズに当たっちゃってません?
「そういえば夕雅ってでかい任務ってこれが最初じゃね?」
「・・・そういえばそうだね。小さなことは何度か経験したけど、戦闘が介入する任務は初だね。1回合ったけど七悪くんがほとんどやってくれてたし」
「夕雅お兄ちゃん、無理しないでよ?」
「安心して、多分大丈夫だから。・・・というか、せっかくだし訓練に使おうかな」
「ん、実践練習か?」
「そうそう。現役の人に僕がどれくらい通用するのか知る良い機会だからね」
「たぶん負けることはないだろうし、気楽にやればいいんじゃないかな? 二刃姉ちゃんの訓練受けてて成長しないなんてありえないし」
「あはは。気楽にはできないけど頑張ってみるよ」
二刃さんが話し終わったっぽい。
「護衛は4隊。ハッキングは四怨に任せて、1人1隊ずつかね」
「えぇ!?たった1人で!?や、やだムリ怖い・・・!」
「いまので仕事前の泣き言5千回突破だおめでとう」
「多すぎない?」
「さあ、行くよ」
その掛け声と同時に僕達は落下する。そして勢いのままコンテナを突き破って車内に侵入した。
「誰だ!」
「侵入者でーす。こういった任務は初なので皆さんには訓練に付き合ってもらいますねー」
「・・・ナメてんのか!ふざけやがって!どうせお前はこの業界に入って数ヶ月の新人だろうが!」
あもう僕の情報とか広まってる感じ? さっきの発言からすると。
1人飛びかかってきたけど、全然早くないし勢いもない。ナイフを持ってても怖くないね。二刃さんや辛三との訓練を経験した後だと、正直脅威に感じなくなっちゃった。
だってレベルが違いすぎるし。
「短気は損らしいですよ」
ナイフを躱してがら空きの胴体に拳を叩き込む。鉄線でできた手袋をつけているとはいえ、一撃でノックアウトだった。
・・・思ったより僕強くなっちゃってる感じ? いやでも自画自賛はダメだね。
「・・・全員でかかれ!」
リーダーらしき人の声に反応して、全員、とまではいかなくても近くの人達が同時に襲いかかってきた。
「こういう状況を想定していなかったのかもしれませんが、多対一をするときは影響し合わないように動いたらどうです? しゃがむだけで避けられちゃいますよー」
相手を煽ってやると短気な相手は激昂して単調な動きで襲ってくる、って教えられたけど、本当なんだ。嫌五は人心をよく理解してる感じかな。
「俺達を舐め腐りやがって・・・もう許さねえ。ぶっ殺してやる!」
スキンヘッドの男が僕がいる位置に向かって前蹴りを放つ。ちょうどいいから後ろにいる人を壁にして避けた。
「ぐほぉっ!?」
「うわ!すまねぇミント!」
「怖いですねー。前はちゃんと確認したらどうですか? 味方を減らすことに繋がってしまいますよー」
そう言いながらも飛びかかってくる人たちを対処していく。すると、最後に見た目からして他の人より強そうな人が2人残った。
「あなた達二人で最後ですか。・・・見た目は強そうですねー」
「お褒めにいただきありがとさん。・・・なら、死ね!」
そう言うと2人同時に飛びかかってくる。・・・この2人、連携に慣れてるのかな。
ま、いっか。多対一の練習にもなるし。
「ま、やってみようかな。・・実践で2人対僕っていう状況は初めてなんです。せっかくなので練習させてくださいね」
その言葉に返事はなかった。その代わり2人の顔がより怒ったような顔になった。・・・あれ、怒らせちゃった? 別に今回は怒らせるつもりじゃなかったんだけど。
・・・まあ、いっか。
短刀をしまって懐からガラス容器を取り出し、床に叩きつけて割る。その中から灰色のガスが出てくる。
七悪くんに習った製薬技術で作った。・・・といってもまだ単純なのしか作れないけど。今回のは筋力を一定時間低化させる薬。5分間は大人でも歩けないレベルにまで下がってしまう。なお僕は解毒薬を飲んでるから平気。
相手の動きが遅くなったところで、片腕ずつ掴んで床にひっくり返す。
これは二刃さんに習った合気の技術。まだ僕はこんな感じで相手をひっくり返すくらいしかできないんだけどね。
そして、筋力が低下してるから起き上がれてない。
最後に爆弾をポイッとして天井の穴から脱出する。爆発する前にさっさと離れよ。
2秒ほどしてトラックが爆発した。おそらく死なないであろう威力の火薬の量を辛三に教えてもらったから多分大丈夫なはず。
周りを見てみると、横転したトラック、切り裂かれたみたいにボロボロになったトラック、爆発したのか運転席しか残っていないトラック、あと地面に伸びている嫌五がたくさんいた。
一人だけだったら絶対敵だって気づかなかっただろうけど、10人以上いるんだもん。絶対気づくって。それに本物はあっちで四怨や七悪くんと話してるし。
というか辛三? ここでもヘタレ属性発揮? ゴミ箱に入ってるけど。
「お、夕雅も終わったっぽいな」
「じゃあ、後は本丸だけか。ま、姉ちゃんなら心配ないだろ」
その言葉で前方を見てみると、敵の人が何人か投げ飛ばされて外に飛び出してきたところだった。
「ん、そろそろだな。近づくぞ」
「オッケー。七悪たちもついて来いよー」
そう言うと、先に四怨だけ前に向かっていった。嫌五はのんびり歩いてる。
ちょっと見えづらかったけど、二刃さんが敵の人に弾き飛ばされて外に出たみたい。それを四怨がキャッチしてた。
二刃さん身体軽いからなぁ・・・。こういうときには際立って不便に見えるね。
と思ってたら、凶一郎さんが道路を切断した。その上にいたトラックも落下するけど、鋼蜘蛛で空中に固定した。
「いや、走ってるトラックを止める方法がそれって・・・」
「まだまともな方じゃね? 多分六美がいなかったらトラックも道路もみじん切りになってたと思うぞ」
「確かに」
いやすっごい物騒。
四怨にドローンを貸してもらって空から見ていると、花輪らしき人物と太陽が戦い出した。
・・・凶一郎さんがいるから心配はいらないんだろうけど、太陽が大怪我しないか心配。
そんな事を考えながら見てたら、太陽の銃が急に破裂した。
「あれはおそらく銃口に何か突っ込まれで無力化されたな。たぶんあいつのハサミだろうけど」
そういう無力化の方法があるのか・・・っていうか花輪って人、武器はハサミを使うんだね。
すると、太陽が急に体勢を崩した。その隙をつかれて太陽が花輪に切り裂かれる。
「太陽!!」
「待ちな」
僕は太陽の方に行こうとしたけど、二刃さんがそれを止めた。
「あんたが太陽が心配なのはわかるが、多分今回はあの子1人で行けるよ」
「・・・でも」
「血の繋がった弟を守ってやりたいんだろうけど、今は太陽もあんたも夜桜の一員なんだ。あの子はやるときはやる男だろうし、見守ってやるのも一つの優しさだと思うよ」
「・・・・・・・・・・わかりました」
そう言われてしまっては僕は何も言えない。
でも、僕の心配をよそに太陽は立ち上がった。傷はワイヤーで簡易的な止血をしたみたい。
六美ちゃんがハサミの残骸を拾って花輪の後ろから投げる。でも花輪は避けた。・・・と思っていたら、花輪への攻撃じゃなくて太陽に武器を渡すための行動だったみたい。
その拾った武器で太陽は攻撃を仕掛け、隙ができたときに花輪の頬を殴り飛ばした。
「・・・成長してるんだ」
「言っただろう?あの子はやるときはやる男だって」
「・・・そうですね。血の繋がった兄弟だから心配し続けていましたけど、僕が思っているより太陽は強いんですね」
「そうさ。なんて言ったってあの子はあたしたちの訓練に耐えられているんだ。善戦はできなくともあんなやつに負ける道理はないよ」
「そう、ですね。・・・巣立ちの時期、ということですかね」
「それに近しいものだろうね。過保護でいる時期はもう終わったんだ。これからは対等な関係で過ごしなよ」
「了解です」
・・・太陽には隣に居てくれる人がいるんだから、これからは目を離す時なんだ。
「・・・ああでも、やっぱり・・・」
僕がそこまで目を向けている必要はないと理解はしていても、寂しくなるのは変わらない。長年ずっと近くで見てきたんだから。
・・・でも、僕がいつまでもうだうだ寂しがっているわけにはいかないね。
太陽が戦って、勝った。悲しむ要素なんかどこにもない。
・・・でも、やっぱりすぐには駄目だなぁ。
太陽は進んでるけど、僕だけが過去に取り残されてる。
「はあ、あのバカも夕雅くらい物わかりがよかったら・・・」
「え、何です?」
「いいや、なんでもないよ。ただの独り言さね」
・・・気になるけど、まあ良いか。
裏設定3
実は夕雅、内心ブチギレている。