.hack//Error 〜死神は世界を嘲笑す〜 作:あるま☆
司に元気づけられて、気持ちがスッキリした。
いつの間にか精神的に追い込まれていたようだ。正直、《閉じ込められている》そうわかっていると、人間と言うものは精神が徐々に弱って行く。次第に諦め死を選ぶ。人間は弱い生き物だ。けど、一人じゃないとわかれば、大丈夫なのが人間の心の強さだ。
実際、俺も司がいなかったら、ただのオブジェクトのように動かないデータになっていただろう。考えただけで、恐ろしい。
司には本当に感謝している。お礼をしたいが、どうすれば喜んでくれるだろうか?女の子にプレゼントか・・・・・やばい全然わからない。第一俺は、彼女ができたことがないんだぞ。どうすれば・・・・・・・・・・・・
「それで、あたしにメールして来たわけね」
「すいません・・・・・」
やっぱりミミルしかアドバイスをくれなさそうだった。だって、前に自分で現役女子高生って言ってたし、期待しないわけがあるか?
「いいけどさ!けど自分の状況理解してるの?ログアウトできないんだよ?」
「焦って無いと言えば嘘だけど、司がいるから大丈夫だ」
「ふぅん?妬いちゃうなぁ」
いたずらっぽく笑ったミミルは、そうだ!と言ってある物を進めて来た。俺はそれを聞いて一発で採用した。
司の元に戻るとふてくされていた。相変わらず子供だな。
俺の心が読めたのか知らないが杖で横っ腹をどつかれた。本当に勘弁してください。
どうにか機嫌を取ることに成功。司を連れ、あるクエストに向かった。
このクエストは、特殊なクエストで、二人のパーティじゃないと受けることができない。ダンジョンも特殊で、一本道をただひたすら歩き、最奥にいるボスを倒すと言うものだ。
最初は司も特殊な仕様で驚いていたが、新鮮な感じだったためか、とても楽しそうな顔をしていた。本当に司は純粋な娘だと思う。
最奥に着くと、待っていたのはいつもと違う姿をしたモンスターだった。
「これがボス?」
「本当に特殊なんだな」
「なんか、倒すのが勿体無い・・・・」
「おいおい・・・・」
残念そうな顔の司に苦笑しつつ、武器を構えた。司も諦め杖を構えた。ボスモンスターは、耳の奥に響く雄叫びを上げて襲いかかったが、通常のザコモンスターと変わらない動きとステータスだったため、一撃で倒してしまった。
これは予想外。あっさりとやられてしまったボスモンスターに司は驚いていた。ま、無理もないか。俺も驚いたからな。
さて、目的の品はどこかな?
「お!あったあった!倒せばドロップするのか!」
「さっきのモンスターから?」
「ああ、にしても本当に特殊だな」
ドロップしたアイテムの欄を選択し、説明文を見ようとすると、アイテムが具現化し俺の手に握られていた。
「へ?」
「具現化した・・・?」
もしかして、そうゆう仕様なのか?どんだけこのクエストに力入れてるんだよ。まあ、好都合なんですがね。
司が興味津々の顔で俺の手に具現化しているアイテムを見ていた。そりゃあ気になるよね。
「ほら、あげるよ」
「え?いいの・・・?」
「ああ、そのために手に入れたんだから」
俺はドロップしたアイテムーー忍冬の花を司に手渡した。司は嬉しそうに花を見つめていた。しかし、不思議そうにアイテム欄を見つめていた。
「どうした?」
「アイテム欄に追加されてない」
「まじか。もしかして、あげたら消える仕様なのか?」
「ねえ、この花の名前って何?」
「ええっと、確か・・・・忍冬?」
忍冬と聞いた途端に司の顔が赤くなっていた。やっぱり、PCの体になっても赤くなるんだ。
それよりも、なんで顔を赤くしたんだ?
「エ、エクサ・・・・忍冬の花言葉って・・・・知ってる?」
「え?知らねぇ」
「うぅ・・・・」
「どうしたんだよ?」
「ちょ、ちょっと先に出てるね!!」
何を焦っているのか。急いで精霊のオカリナを使い、司は一人ダンジョンを脱出した。
なんだあれは・・・・・ん?ミミルからメール着てる。どうしたんだろう。
【件名:どうだった?】
クエスト無事にクリアした?
すっごい特殊だったでしょ!私も友達と行ったんだけど、もうびっくり!
それで、忍冬の花は手に入った?いやぁ、後から知ったんだけど、忍冬の花言葉ってすっごいんだねw
花言葉?そういえば、司も花言葉知ってるって言っていたな。もしかして、花言葉が原因で赤くなったのか?でも、あそこまで赤くなる花言葉っていったい・・・・?
気になった俺は、ミミルに返信してお礼とともに聞いた。メールは数分で帰って来た。内容を見ると、俺は先ほどの司みたいに顔が赤くなった。
【件名:花言葉は・・・・】
《愛の絆》だって!
愛の絆って・・・・・告白したみたいじゃねえか!!恥ずかしすぎるだろ!司も花言葉を知っていたから、赤くなったのか。こんな意味の花を貰ったら赤くなるよ!ああ、司にどう説明しよう・・・・。
精霊のオカリナを使い、脱出したエクサの背後に銀の鎧を纏ったPCが隠れていた。
「不正行為を確認」
銀の鎧は、すぐさま誰かに連絡を取った。