.hack//Error 〜死神は世界を嘲笑す〜 作:あるま☆
司を見ていると本当にあいつと似ている思う。あいつーー荘司杏は、近所に住んでいて昔から仲はいい方だったと思う。幼い頃に母親は他界。父子家庭で育ったが父親は最低の人間で、何かがあるたびに杏に暴力をふるっていた。そのせいで杏の人格に色々と問題が出ていた。あまり、人との関係を持たず、一人で居ることが多く、周りの人間も関わろうともしなかった。俺は幼馴染でもあり、同じ境遇の杏をほってけなくていつも一緒にいた。杏も俺といる時は楽しそうにしていた。そのことがすごく嬉しかった。
しかし、父親の虐待がひどくなるに連れて杏は一切感情を表に出さなくなってしまった。そして、関わりを持つことはなくなった。
俺はそのことを後悔しながら生活していた。
今、あいつはどうしてるんだろうか。気になるがどうしようもないしな。ここを出なきゃいけない理由が出来てしまった。
「なあ、司」
「なに?」
「おまえは現実に戻りたいと思わないか?」
「・・・・前にも言ったけど、絶対に戻らない」
やっぱり無理か。俺だけがここを出ては意味がない。司を一人おいて行ったら、また、紅衣の騎士団に捕まる可能性が出てしまう。そんなことは絶対にさせない。
「俺には戻らなきゃいけない理由が出来た」
「僕のこと置いてくの・・・・?」
「置いて行かない行くわけがない」
「けど、僕には戻る理由がないから・・・・」
「・・・・・じゃあ、探せばいい!」
司はエクサの予想外の言葉に驚いていた。
「さがす・・・?」
「ああ!おまえが自分から戻りたいと思える理由をこれから探すんだ!」
「そんなの・・・・見つかるわけ・・・」
「俺も一緒に探してやる!俺の理由みたいにな!」
「そういえば、エクサの理由って?」
「俺か?俺は・・・・・あれ・・・?」
なんだ。俺はどんな理由で戻ろうとしたんだ。いや、そもそも戻るってどこに戻るんだ?現実ってなんだ。なんだこの気持ち悪い感じは、頭の中の何かがえぐられたような感じだ。
「どうしたの?」
「思い・・・だせない・・・」
「大丈夫・・・?」
「司・・・・おまえ何か忘れた感覚はないか?例えば、俺が言った現実ってわかるか?」
「ううん。忘れた感覚はないし、現実は現実でしょ?」
どうなってるんだ。記憶を消された?けど、誰が何のために消す意味がある?いや、そもそも誰がそんなことができる。TheWorldにいると言うことはわかるのに、何かを思い出せない。
頭を抱え込んでいると司が杖で思いっきり殴ってきた。
「いってぇ!!何すんだよ!」
「エクサ考えすぎ。少し落ち着いた方がいいよ」
確かに司の言う通りだ。変な感覚に襲われてパニックになってたようだ。俺は深く深呼吸をした。だいぶ落ち着いてきた。
「司ありがとな」
「べ、別に気にしなくていい」
「ああ、取り敢えず気になってたこと聞いていいか?あのベッドの上で寝てる子誰だ?」
俺たちがこの部屋に着いた時からずっとベッドの上で寝ている白い髪で幼稚園児ぐらいの見た目の女の子がいた。しかも、起きる気配が一向に感じない。
「この子はアウラって言うんだって」
「・・・・なんか雰囲気司に似てるな」
「子供っぽいって言いたいの?」
杖を構える司に即座に頭を下げて謝った。そういうわけで言ったんじゃないんだけどなぁ。そういえば、マハがさっきからいないな。なんでだろう。司に聞いたところ、自由に動き回ってたまに目の前に現れたりするらしい。猫だ。
それにしてもなんか眠い。そういえば全然寝てないからな。寝ようかなぁ。
「ベッドとか他にないのかな」
「ないと思うよ」
「じゃあ、座って寝よ」
ベッドに寄りかかる形で、寝ることにした。司も隣にくっついて座った。
「一緒に寝よ」
「いいけどよ。おまえはベッドに寝れば?一人分ぐらいは空いてるんだし」
「僕の勝手」
「はぁぁ?なんじゃそりゃ」
会話をしているうちに眠気が限界を迎え、眠りに落ちた。