.hack//Error 〜死神は世界を嘲笑す〜 作:あるま☆
【目を覚ます】と言っていいのかわからないが、俺は起きた。何と無くであるが、寝た感覚がないんだ。これが、ゲームの中だからなのか、単に寝付けなかっただけか。この二択だと、たぶん後者の方だと思ってます。だって、司が寄りかかっているから、寝付けるわけがない。
いや、女の人に寄りかかられて、熟睡できる人なんて早々いないよ?第一に女性との恋愛経験が皆無だから、こうゆうのには慣れていないんだよ。
さて、これからどうするかな。やることと言っても、現実に帰る方法を見つけるのは、簡単ではないし、かと言ってじっとしているのも俺の体が許してくれない。一日に一時間以上は動かないと体が気持ち悪くなるんだ。運動バカってやつだ。
寄りかかっている司を起こさないように、立ち上がろうとしたが、がっちりと司の手が俺の服をつかんでいて、離れることは不可能だった。起こすのも可哀想だし、自然に起きるのを待とうか。
寂れた廃墟のように崩れた建物が並び、普通ではあり得ないおかしな姿のPCがうろつく非公式サーバー、その名は【ネットスラム】壊れたNPCや残留データが行き着く墓場のような場所だ。
どうゆう経緯で、作られたかは誰一人として、知っている者はいない。そのネットスラムで、ただ一人まともな姿をしたPCがいた。名前は楚良と言い、かなり強いPKで襲われたら、確実にPKされてしまう。
「うーん・・・」
「楚良だwwなんでここにいんだ?w」
「ちょーっと暇つぶしだ、みょん」
「いつもの相棒はどうした?見捨てられたかw」
顔文字が映ったモニターの顔をしたチートPCが、笑いながら楚良に冗談で言った。しかし、それが気に食わなかったのか、楚良が持っていた双剣をチートPCに突きつけた。
「ちょw冗談冗談w本気になるなよw俺が悪かったw」
口では謝っているが、チートPCは一切反省の色を見せてはいなかった。しかし、それが普通だというのか、楚良は意に介さず、話を続ける。
「冗談でも言っていいことと、悪いことがあると思うなぁ」
「悪かったってwお詫びにいい情報やるよwお前の相棒がログアウトできなくなったってよwww」
「へぇ・・・面白そうだね・・・・それ・・・・いいよ許してあげる。じゃあね!ばびゅん!!」
おかしな効果音を口にし、一瞬でその場から消えてしまった。それを、建物の影から覗くPCがいた。
「いいこと聞いちゃったかしらね?ふふふふ・・・・!」
不敵に笑いながら、そのPCは影の中に消えて行った。