Vortex 作:冬の珈琲
ザザーン、キャーキャ-(カモメ)
いつも通りのある日の世界
むせ返るような潮の香りと魚の腐臭、そして絶え間ないカモメの鳴き声。
ゼンドリック大陸の玄関口、無法の港湾都市ストームリーチの昼下がり。
――木箱の留め金を無理やりこじ開けた。
彼の、底辺冒険者としての、なんてことない雑用依頼。
その日を生きる日銭のために、特に理由もなく受けただけの、停泊した船から積み荷を降ろす作業。
大っぴらには依頼が出来ず、かと言って正式に裏の仕事とするほどでもないような、人手不足になりやすい、楽な仕事。
――わずかに開いた隙間から中を覗き込む。
適当に現地で荷受人の監督役へいつもの調子であいさつした後、彼はさっさと作業へ移った。
1つ、2つ、3つと数十キロほどの箱を抱えて運ぶ。
そこまで重くはない、冒険者でなくとも、大人の男であれば一人で抱えて持ち運べるような重さの箱だった。
――鼻腔を、強烈な死臭と鉄の臭気が突き刺した。
そして4つ目の箱を持ち上げて、ほんの小さな違和感を彼は感じた。
違和感を無視して箱を持ち上げたとき、それは確かな感触を持って彼へ訴えてきた。
荷台に運びきる途中で一度箱を置き、手を見れば、赤黒い液体が指に付着している。
――箱に入るようにと切り分けられたのだろう。
それはちょっとした好奇心。
底辺として今日まで生きてきた処世術がやめておけと囁くも、その時はなぜか無視できず、
中身を確かめたくなってしまった。
――所々腐食しているなにかの肉が、木屑と申し訳程度の氷と一緒に詰まっている。
裏の仕事はこれまでも幾つもやってきていたから、大概のことでは驚く事はないという自信があった。
――手、足、腕、胴や下半身は関節毎に分かれていて、顔はそのまま残っていた。
だから何があるか確かめて、確かめたらそのまま大きな反応を見せずに留め具に細工をして元に戻せば問題ないだろうと。
――白く濁り、見開かれたまま凍りついた首だけになっているその顔は。
忘れることは出来はしない。
10年前のあの夜、自宅の床に両親の鮮血を撒き散らし、嘲笑いながら家にあった赤い石を奪い去った男の顔だった。
復讐を誓い、自分が殺さなければならないのだと思っていた。
いつしかあの男を殺すことで人生が始まるとさえ思っていたのに。
そんな勝手な思い込みは、どれほど無意味なものであったか。
今、この世界に目を向ければ、目の前のちっぽけな箱の中で、死体が転がっているという事実。
「は、はは…」
口から漏れ出る乾いた笑いは、驚くほどにいつも通りの声音で――
AIGMへ
「ちゃんと自律性があってNPCに個々の意志が存在しててPCに肩入れせず、判定によって死ぬなら受け入れるから整合性重視でセッションとキャンペーンください」
AIGM
「サブスク課金せずそんな要求通るとおもとんのか?」
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簡易キャラクターシート(D&D第5版 レベル1)
基本情報
名前: ×××
クラス&レベル: ローグ(Rogue) 1
種族: ヒューマン(人間)
背景: 浮浪児(Urchin)
属性: 中立(True Neutral)
言語: 共通語、ゴブリン語(ストームリーチの裏路地で習得)
所持品・装備
レイピア
ショートボウ & アロー20本
ダガー2本
レザー・アーマー
盗賊道具一式(ピッキングツール、小型ワイヤーカッターなど)
泥棒パック(背嚢、金槌、バール、ランタン、油、保存食など)
ベルトポーチ(所持金: 10 gp)、両親の服から切り取った煤けた布の端切れ