ゼンゼロ世界で天然の食材を使って屋台を開く。 作:ダブルモナカ
新エリー都。今日も様々な者たちがホロウやエーテリアスなどの非日常に振り回されて穏やかながらも慌ただしく毎日を生きていた闇に乗じて他者を殺すもの歌で皆を癒すもの大切な人を探すために誰かの依頼をこなす者。
しかし今日はだれとも違う。だれとも関わることもなく一人で帽子を被った男が小さな屋台をどこからもなく街の何処かへと現れる。彼の存在はこの街でどんな物語を作り出すのか。
旧エリー都付近に位置するカンバス通り。新都からの直通の道が無くなっている住む人々の大半が貧困層や新エリー都への市民権をもたず合法的に住んでいる人もいるようなスラム街で、TOPSお抱えの女性裁決官。「氷の処刑人」の肩書を背負うクランプスの黒枝に所属している女性裁決官、プロメイアは青黒いひらひらとしたドレスの様な上着を依頼を終えた帰り道でふと足を止めどこからか漂ってくる今までの人生で嗅いだことのない極上とも思える匂いを嗅ぎつける。
「なんだ……この匂いは。」
プロメイアは生まれてこの方嗅いだことない芳醇で脳に響く香りを鼻をならしながらその匂いがある方向に足を運ばせていく、スラム街の道の角にある薄汚れた路地の奥にぽつんと小さな屋台が建っており簡易的なパイプ椅子が三つカウンター席に置いてあった
「おい…貴様こんなところで何故屋台などを開いている」
クランプスの黒枝としてTOPSの命令に従い冷酷に時には無実の人間も殺してきたプロメイアは疑問を抱きながら目の前にある屋台と座っている帽子を被っている青年に淡々と告げていく
「この匂い…新エリー都で大量生産された合成食品や加工品などとは違う、鼻から通り脳に直接叩き込まれるこれはなんだ?答えろ…」
道の角に佇む不自然なほどの一つの屋台そして漂ってくる極上の食材、添加物の人工的な匂いではなく天然の素材でできた本来の料理の香りにプロメイアは顔を必死に耐えるような表情をしかめながら俺をクランプスの黒枝の裁決官は見つめて来る
俺はそっと今日のメニューをカウンター席のテーブルに出していく
「……………………………。もし毒物を混入させたり不自然な動きを見せたらどうなるかわかるな?容赦なく貴様を殺す。」
依頼で対象を殺すような口調なのにもプロメイアは極上の食材を目にしていつもの彼女のテンションとは変わり頬がほんのり赤くに染まっていた
俺は無言のままカウンターに今日のメニューを出していきプロメイアはちっ....と歯切れ悪そうにコウモリの様な外套をなびかせながら真ん中の椅子に座り後ろ手になった両腕を拘束している腕輪を外すと問題のメニューを目線を下に向けて見る
今日のメニュー
牛肉飯
味噌汁
一口ドーナツ
「………………は?」
(牛肉飯?味噌汁?一口ドーナツ?一体どんな料理の組み合わせだ。この男は私を馬鹿にしているのか、いや、そもそもこの新エリー都でもしこの料理を作れる人工的に管理・生産された食料ではない「新鮮な天然食材」食材をどうやって調達した!?)
「おい貴様ふざけているなら殺すと言った筈だこれ以上私をーーー」
と言い終わる瞬間に俺は厨房から小さな皿を取り出して味噌汁が入っている鍋から少し注ぐとそっとプロメイアの席に乗せるとプロメイアはその小さなさらに注がれた新鮮な土の栄養を吸い込んだ大豆からできた純度100%の味噌とわかめと昆布のだしとを熟成したそのまさに命の水の液体を目の前にしたプロメイアはごくりと喉を鳴らして約一分、目が左右に泳いで鼻がぴくぴくと動いて彼女は我慢できずにゆっくりと小さな皿を取りいっきに口に入れていく。
「ん!?!?!?!がはぁっっっっ!!なんだこの海の新鮮な旨味を凝縮はぁぁぁぁ!旨い!!旨いぞこんな!こんな味がこの世界にあったのか!?」
プロメイアはその爆発するような暴力的な旨さにすっかり虜になりテーブルを叩き興奮した様子でテーブルを叩いて注文をしてくる
「おい!!店主!このメニューに載っている料理全部頼む!!!!」
俺はその言葉を聞いて厨房の鉄板に牛肉を細切れにしたものと刻んだたまねぎとソースを絡めて焼いていき次に鍋の味噌汁を器に入れて事前に用意いて冷蔵庫に冷やしているプラシックの容器に入った六個の茶色の丸い小さなドーナツを傍にある解凍用のレンジで温める。大きな皿の真ん中に白米と黒コショウを振りかけて出来上がった牛肉と玉ねぎを乗せていき、たれがしみ込んだ白米に黄金色に焼けた玉ねぎと焼けた牛肉を乗せてプロメイアの目の前に出来上がったすべての料理を出すと屋台はむせ返る料理の匂いに包まれてプロメイアは我慢できずにスプーンを掴み口にかきこんでいく
「もぐっ、んぐっ!ん~~~~~!!旨い!!旨いぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!こんなに旨い料理が在ったのか!?止まらない!手が止まらん!!」
「この牛肉の絶妙な焼き加減!!玉ねぎの甘さと黒コショウの効いた白米の組み合わせ。そして味噌汁がその油を浄化するようなやさしくて胃に落ち着く味!!更に別腹で食べるこのドーナツ!!幸せだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
俺はそんなプロメイアの様子を見ながら少し驚いた顔をして深めに被っている帽子のつばを恥ずかしそうに触れながらパイプ椅子にぐったりとしているプロメイアの様子を心配そうに見ていた。
「はぁ……はぁぁ…はぁぁぁぁ…心がこんなに満たされたのは初めてだ感謝する…。名もなき店主」
それから十分後にプロメイアは慌てて体を起こすと肝心のこの料理の額について賢者タイムの様な冷静で思考をぐるぐると
(これほどの美味な料理、間違いなく天然の食材を使って調理した物。至高の品々値段はいくらだ!?普通の料理店の相場は2000ディニーから3000ディニーが相場。少なく見積もってもそれの数百倍かそれ以上!任務ばかりであまり自分に金を使うことが無かったが足りるか……?)
ごそごそとコウモリの様な外套を脱いで体のプロポーションがくっきり見える露出度の高い服が露わになりプロメイアは紫と黒の長財布を手に取りだして
「店主、この料理の品の代金だがいくらだ?これだけの極上の料理はTOPSの幹部や裏のギャングや貴族などが払えるだろうが一般人の市民や私の様な依頼をこなす仕事をしている人間には荷が重い……クランプスの黒枝としてTOPSに仕える身。普通の市民よりは高給取りだが…」
その言葉を吐いた時に俺は厨房の席から立ち上がってメニュー表の部分を指で軽くたたいていく。
牛肉飯
1900ディニー
味噌汁
500ディニー
一口ドーナツ
1100ディニー
「は?…………いやいやいやっ!?正気か?貴様!これほどの美食がたったの合計4000ディニーもいかない値段だと!?市場にまず出回らないレベルの超高級品の食材を一体どうやって調達している!?この食材の供給ルートは!?どんな辺境の土地にある!もしこの食材が育つような環境があると知れればTOPSや裏の組織や治安局などが黙っているわけがない!!!!!」
「そもそも私の事を知っているのか店主!!!私はクランプスの黒枝。新エリー都を牛耳るTOPSのいわば駒だ!自殺行為だぞ貴様!!」
俺はそんなプロメイアの剣幕に動揺の仕草を見せることなくポケットから出したスマホを弄り始める、プロメイアからは驚愕と呆れた声が漏れるが俺のすぐそばに隠れていた白と青のカラーと濃い緑のエプロンをつけたボンプがプロメイアの傍までくる。
「ンナナナっ!!ンナ~。ンナっ、ンナナナ~~(まいどあり~ここに支払いを置いてください~)」
ボンプは黒色のキャシュトレイをカウンター席のところに置くと左右に揺れながら支払いを待っているようだった。プロメイアは俺の提供した極上の料理によって普段の彼女から漂う殺気や警戒心はもう無くなって主人に懐いたばかりの動物のように嬉しくして顔をしかめながら財布から牛肉飯と味噌汁と一口ドーナツの代金3500ディニーを財布から掴みたたき出すように置いていく。
「くっ……!いいだろう!!代金は置いておく!……安心しろ今日の事はボスには報告せずにおいてやるその代わりまた私に料理を振舞うことだ今度は貴様のその閉じた口から詳細なことを聞くせいぜい裏の人間や組織や厄介ごとに巻き込まれないように用心するんだな、貴様のその料理と法外な値段を知ったらこの新エリー都において貴様は特権階級・大企業の独占欲の標的になる。よく考えることだ」
息を整えて脱いでいた外套着て腕に腕輪を取り付けてプロメイアは味わった料理の味が脳内に反芻しながらハイヒールを地面に鳴らしながらスラム街の路地から立ち去って行ったこの路地の奥には俺と一体のボンプが残ったまま数分後には消えていた。
────TOPSお抱えのクランプスの黒枝のメンバーが集まる会議室
「照ちゃん先輩~~~昨日のクライアント様のクレームマジで怠かった!いつもみたいにはいはい~承知しました~って答えたらなんか追加でお前の所の企業で弁償しろとかいってきて、はぁ?って心の声が漏れたけど適当に流しちゃった~!」
クランプスの黒枝のメンバーの一人、白と黒のチャイナ服にツインテールの髪形の少女のダイアリンはお菓子を食べながら、正面に座る背の低いピンク色の兎のシリオンの少女。照に愚痴と業務連絡を絡めながら話している
「ダイアちゃん…お客様の事はあんまり蔑ろにしちゃだめだよ?せっかく黒枝に依頼してくれたからやる気はまぁ気分次第でやればいいけどお仕事はしっかり完了させないと」
「ええ~~!!今日は照ちゃん先輩が味方してくれない!」と談笑の声が響く中扉を開けてプロメイアが帰ってくる。
「あっ!!プロメ先輩任務お疲れ様です~あれ?あれ?プロメ先輩からすっごく!!いい匂いがしますけど帰り何処かで食事してきたんですか?」
プロメイアはそんなダイアリンの言葉を聞き自分だけが知っているあの屋台を混沌としたこの新エリー都で見つけた極上のオアシスを普段のプロメイアが言わない自分だけの宝物を自慢するように興奮気味に話していく
「ああ……スラム街での任務を終えて帰宅の為に歩いていると人生で嗅いだことない尋常ではない匂いを感じてな、路地裏に小さな屋台が建っていて店主一人とボンプ一体だけのこじんまりとした規模の店でな試しに入ってみたらまず私に小さな皿に一口で飲める味噌汁を出されてもちろん警戒したが飲んだ瞬間に体に電流を流されたような衝撃が私の体を襲ってきた。」
「それだけではない!メニューには見たこともない食べたこともない純度百パーセントの天然の食材を使った料理だった…焼いた牛肉と痛めて黄金色になった玉ねぎと黒コショウを乗せた白米のメインディッシュと海の新鮮さが凝縮したわかめと豆腐の味噌汁。更にスイーツは一口で食べれる夕日の様な色のドーナツ。私はあの品を食べた時に人生で一番満たされた!!それ程の料理だった…」
あのいつも冷徹なプロメイアがこんなにも食事について熱弁している様子を照とダイアリンはスマホやニンジンをテーブルにぽとりと落としてプロメイアの話した内容について困惑してしまった
「は???天然の食材……ってどういうことですか?」
「プロメちゃん??ちょっと説明してくれる?」
クランプスの黒枝のメンバーはプロメイアの言葉を聞き、会議室の空気が一気に静かになっていき突如として出現した屋台と料理人に新エリー都の人々は新しい嵐に巻き込まれていく。
初投稿です。最近久しぶりにハーメルンを開いてゼンゼロssがたくさんあったので思い切って書いてみました見切り発車になるかもですけど、なるべく続けます