ゼンゼロ世界で天然の食材を使って屋台を開く。 作:ダブルモナカ
六分街、主人公の兄妹のリンとアキラは昼の時間帯が少し経った自分たちが経営するレンタルビデオ屋の店番を18号に任せて奥の別室、パエトーンとして活動する為の部屋で妹のリンはソファーに腰掛けてスマホでインターノットを見て過ごしていた。兄のアキラはH.D.Dシステムのモニターの椅子に座りごく普通な日常を過ごしていた、
「お兄ちゃん。今日の夕飯は火鍋にしようよ!最近依頼で立て込んでたから美味しいもの食べてなかったでしょ?」
「リン…火鍋は前も食べたじゃないか。二週連続で同じものを食べるのは嫌じゃないけど他のにしなか?
「え~~お兄ちゃんのケチ!今日は火鍋なの。別に今月の電気代は立て込んだ依頼をこなしたからお金なら余裕あるじゃん。」そんな会話を他所に部屋の奥のビデオ屋のドアが開きとある人物がもごもごと声が聞こえてプロキシ業務の部屋のドア番の06号が許可したのかドアが開きアキラとリンは誰かと振り向くとそこにはつい最近知り合ったばかりのクランプスの黒枝のプロメイアが入ってくる。
「アキラ…リン…。連絡もなしにすまない」
「プロメイア!?どうしたの?こんな昼間から何かあった?」
リンはスマホをポケットに入れてプロメイアの方に歩き出していくと奥歯に何かが挟まったような苦い顔で
「依頼を受けてもらいたい。内容はある料理人を探して欲しい。」
二人はプロメイアの口から出てきた内容がTOPS絡みの依頼かと思っていたが何故か料理人の捜索願いだったので、お互いの目を合わせてその内容に一先ず聞いてみるかとアイコンタクトを取る
「料理人かプロメイア、その人とは会ったことがあるのかい?」
「ああ…一度だけだが、あの悪魔の料理人はこの新エリー都を揺るがす存在だ。」
その言葉が出た瞬間部屋の空気が一気に緊張に変わりアキラとリンの表情もプロキシのそれになっていく。
「プロメイア。一つ確認だけどその依頼は君の上司のTOPSが関与しているのか?それとも君の個人的なものか?」
「………ッ!私個人の依頼だ、その料理人はこの新エリー都に流通にしている筈のない純度百パーセントの天然の食材を使い屋台で料理を作っている。」
天然の食材。しかも一部の権力者やお金持ちなどが食べれる超高級食材のものでさえ添加物を完全に取り除けないのがこの新エリー都の現状だ、そんな中それを超えた本物食材を使用して料理できる人間。もし実在するならそれは間違いなくこの街の様々な人間や勢力を巻き込むトラブルの元になる。その判断をした二人は姿勢を整えてすぐにモニターの前に座りインターノットや様々な角度から情報を調べていく
「プロメイア、その人の特徴やどんな場所に居たかを教えてくれ」
「会ったことは現時点で一度しかない。以前私が任務でスラム街に居た時に寂れた路地裏に暴力的とも言える匂いが漂ってきて足を運ぶと小さな屋台に一体のボンプと帽子を被った男が居たがそれだけだった」
アキラはその情報をもとに表も裏も関係なくモニターの前で調べていくが普段は複数の検索結果が出てくるが不自然な程に何も出てこない。
「おかしいな、これだけキーワードを当てててもインターノットにも何も出てこないのはもしかして既に誰かが情報統制に介入してるのか」
「えっ?ホントに何も出てこないのお兄ちゃん、だって普通プロメイアが言うような人が居たら絶対!有名になっててもおかしくないのに。変だな…ねぇお兄ちゃんもしかして都市伝説とかそういう類なんじゃ…」
しかしそんな時にH.D.Dシステムの画面に目玉のようなアイコンが出てくる
「マスター。お取込み中申し訳ありません、クランプスの黒枝の裁決官プロメイア様の言う天然の食材を使う伝説級の料理人の情報について過去、インターノットのとある書き込みに該当する情報を複数確認。画面に出しますか?」
「fairy!?あんたいつの間に、てか情報見つけてくれての!?はやく出してよ!」
リンの命令を受けてモニターにインターノットのどこにでもある市民のアカウントの書き込みが画面に流れていく。
名無しの市民 「おい!!みんな聞いてくれ!俺すごい店見つけたかも知れないんだ!今日の夕方にポート・エルピスから少し離れた薄暗い道の角になんか小さな屋台があってさまず匂いが半端ないんだよ!足が勝手に動いてパイプ椅子の席に座ると帽子を被った店主がメニューを出してきてそのメニューの数は少ないけど目の前で作ってくれるんだ!!でさでさ!その料理なんだけど口に入れた瞬間爆発するかと思って叫んだよ!!マジで!!こんな旨い料理があるなんて人生の中で断トツで一番だ!!」
名無しの市民 「ねぇねぇ!!今ね仕事の帰りで私の車が停めてある駐車場に向かって手時にすっっっごくいい匂いがしてその場所に言ったら道の奥に小さな屋台と可愛いボンプがいて、帽子を被ったクールでかっこいいお兄さんがいてメニューにはとんかつと具だくさんのコンソメスープとコーヒーゼリーが書いててもちろん全部頼んじゃって食べた瞬間全身に電撃が走った感覚で私絶対にこの店の常連になりたいって思ったけどその次に日の夜にはもう消えちゃった…誰か知ってる人いない!?」
fairyがモニターに出した無数のフォーラムやスレッドが乱立している情報の坩堝の中でピックアップされた二つの書き込みを見たアキラとリンは顔をしかめて考え込んでいた
「プロメイアが出会ったのはスラム街。でもこの書き込みが見るとこの屋台の料理人はポート・エルピスや新エリー都の様々な場所を転々といるようだ」
「ほんとに。こんなに転々としててそれも天然の食材を使ってるってどんな調理方法で何処で食材を調達しているんだろう…」
「そこが一番の謎だ、あの悪魔の料理人は基本的に喋ることはしない。意図的に情報が露呈するリスクを最小限にするために沈黙に徹している。くそっ…!もしこのまま治安局やその他の勢力にこの味が知られれば必ずやつをいかなる手段でも囲もうとする。そうなれば新エリー都のパワーバランスが崩壊する危険性も否定できない」
そしてプロメイアは大きなため息をついて
「私のほかに同じ黒枝のメンバーのフィオニーが一週間前にこの屋台で料理を食べたことにより、体の具合やポテンシャルが一気に上がっていつもなら毎日虚弱体質の性でふらふらと生活してるがどうやらあの料理の効果で一時的に虚弱体質が改善されて別人のように生き生きと過ごしていた…ただ底知れず旨いと片付けるには危険だ」
リンとアキラはあの超がつくトラブル体質と虚弱体質を持つフィオニーがまさか魔法の様に体の具合が良くなっている、今の新エリー都にある科学技術で説明できない現象に二人はごくりとつばを飲み込んで戦慄していた
今回は主人公サイドでの物語でした。たくさんのUA、お気に入りありがとうございます!