ポケットモンスター 金星の星跡   作:セナ@ハーメルン

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40話 ルシアVSコルニ

カロス地方、シャラシティ。

 

4個目のジム戦は、佳境に差し掛かっていた。

 

ルシアの頭の上ではペロッパフが真剣な顔でバトルコートを見つめている。

 

お互いに残されたポケモンは最後の1匹。

 

コルニ「ルシア強い!最高!」

 

コルニは楽しそうに笑っていた。

 

ルシアも最後のモンスターボールを強く握り締める。

 

コルニ「お願い!ルカリオ!」

 

ルシア「出てきて!ゴウカザル!」

 

2つのボールから同時に光が弾けた。

 

コルニの前にはルカリオ。

 

そして、ルシアの前にはゴウカザルが降り立った。

 

ルカリオが大きく吠える。

 

向かい合うゴウカザルも姿勢を低く落とし、両腕を構えた。

 

バトルコートの入口では、ツキアシがその様子を眺めていた。

 

ツキアシ「……。」

 

……やっと来た、ゴウカザル。

 

ハクダンジム、エイセツジム、ヒャッコクジム。

 

これまでの3つのジム戦では、ゴウカザルの出番はなかった。

 

あの異質な炎はツキアシも知っていた。

 

一度近くで見てみたかった。

 

ツキアシはコートに立つゴウカザルへ視線を向けたまま、じっとその姿を見つめていた。

 

ルシアは正面のルカリオをじっと見つめた。

 

目の前にいるのはコルニのルカリオ。

 

そんなことはわかっている。

 

それでも、どうしても意識してしまう。

 

ルシアがその姿に重ねていたのは、セナのルカリオ。

 

……ここだけは負けられない。

 

ルシアはまっすぐ前を向いた。

 

ゴウカザルも両拳を強く握り締め、低く構える。

 

審判を務めるコンコンブルは、2匹の様子を確認するとゆっくりと呼吸を整えた。

 

そして、大きく息を吸った。

 

コンコンブル「バトル再開!」

 

コルニは大きく息を吸う。

 

コルニ「命!爆発!」

 

コルニのキーストーンが眩い光を放った。

 

コルニ「メガシンカ!」

 

ルカリオが力強く吠え、その体がメガシンカの光に包まれていく。

 

光の中で姿が変わっていく。

 

そして、眩い輝きが弾けた。

 

メガルカリオが立っている。

 

ルシア「ゴウカザル!フルパワー!」

 

ルシアの声もバトルコートに響き渡った。

 

ゴウカザルの炎が一気に膨れ上がる。

 

頭上で燃えていた炎がさらに勢いを増し、凄まじい熱気とともに天井へ向かって吹き上がった。

 

バトルコートの天井に届くほどの巨大な炎。

 

コルニは思わず言葉を失った。

 

……なにこれ。

 

こんなの知らない。

 

メガゴウカザル?

 

……違う。

 

そんなものはない。

 

まさか、ただのゴウカザルなの?

 

……これが?

 

目の前に立っているのは間違いなくゴウカザル。

 

でも、その体から燃え上がる炎は明らかに普通ではない。

 

ルシアの頬が自然と緩んだ。

 

……勝つ。

 

バトルコートの入口では、ツキアシがイーブイを抱いていた。

 

その腕の中で、イーブイは目を丸くしていた。

 

天井まで届くほどの巨大な炎。

 

生まれたばかりのイーブイは、ゴウカザルが燃やす美しい炎にすっかり目を奪われていた。

 

コルニ「ルカリオ!はどうだん!」

 

ルシア「ゴウカザル!グロウパンチ!」

 

ゴウカザルが拳を強く握り締めた。

 

その正面で、メガルカリオが両手からはどうだんを撃ち放つ。

 

青い波動が一直線に飛び、踏み込んできたゴウカザルを捉えた。

 

激しい衝撃とともに波動が炸裂し、周囲に土煙が巻き起こる。

 

それでも、ゴウカザルは止まらなかった。

 

歯を食いしばり、衝撃に耐えながら前へ踏み込む。

 

そして土煙の中から拳を突き出した。

 

グロウパンチがメガルカリオの腹部を捉える。

 

メガルカリオの体が押し込まれ、そのまま後方へ下がった。

 

攻撃を命中させたゴウカザルの体にさらに力がみなぎっていく。

 

グロウパンチの追加効果で攻撃力が跳ね上がる。

 

コルニ「やるじゃん!ルシア!」

 

ルシア「……。」

 

コルニの明るい声が、どこか遠くに聞こえる。

 

ルシアは目の前のゴウカザルをじっと見つめた。

 

こころとぎすまし、ポケモンとひとつに。

 

今、ほんの少しだけゴウカザルと心が重なった気がした。

 

ルシア「ブラストバーン!」

 

ゴウカザルの周囲に炎が舞い上がった。

 

足元から噴き出した炎が一気に膨れ上がり、ゴウカザルの全身を包み込んでいく。

 

凄まじい熱気とともに炎が渦を巻く。

 

やがて巨大なひとつの炎となった。

 

コルニ「……ッ!」

 

コルニは思わず息を呑んだ。

 

……すごいなんてものじゃない。

 

普通じゃない。

 

コルニ「ルカリオ!ラスターカノン!」

 

メガルカリオが腕を突き出した。

 

腕に白い光が集まり、眩い光線が一気に撃ち放たれる。

 

光線は一直線にゴウカザルへ向かった。

 

しかし、ラスターカノンは最後まで届かなかった。

 

ゴウカザルを包む巨大な炎に光線が激突する。

 

激しく燃え盛る炎の中で、白い光が押し込まれていく。

 

ラスターカノンはその輝きを保ちきれず、ゴウカザルに届く前に四散した。

 

コルニ「……嘘。」

 

コルニは目を見開いたまま、動けなかった。

 

メガルカリオも腕を突き出した姿勢のまま、呆然とゴウカザルを見つめている。

 

目の前で何が起きているのかわからなかった。

 

ルシア「いけ!」

 

ルシアが勢いよく手を前に突き出す。

 

同時に、ゴウカザルが地面を強く蹴った。

 

巨大な炎をまとったまま、メガルカリオとの距離を詰めていく。

 

コルニ「ルカリオ!インファイト!」

 

メガルカリオも姿勢を低く落とし、正面から迎え撃つ。

 

……避けきれない。

 

炎の範囲が広すぎる。

 

横へかわしてもあの炎に捉えられる。

 

だったら突っ込んで倒すしかない。

 

メガルカリオが拳を握り締め、迫り来るゴウカザルへ踏み込んだ。

 

次の瞬間、ブラストバーンとインファイトが激突する。

 

メガルカリオが炎の中へ飛び込み、ゴウカザルへ拳を叩き込む。

 

しかし、激しく燃え盛る炎がメガルカリオの体へ燃え移った。

 

メガルカリオは歯を食いしばった。

 

それでも拳を前へ突き出す。

 

コルニ「ルカリオ!」

 

その声に応えるように、メガルカリオがさらに拳を振るった。

 

一発ずつ、拳を握り締めながら、目の前のゴウカザルへ打ち込んでいく。

 

それでもゴウカザルは止まらない。

 

炎の勢いも衰えない。

 

それどころか、踏み込むたびに炎はさらに大きく燃え上がっていく。

 

メガルカリオの体が押し込まれ、足が地面から離れた。

 

次の瞬間、体が宙へ浮き上がる。

 

そして、巨大な炎の勢いに押し切られ、後方へ吹き飛ばされる。

 

メガルカリオはコートの地面を何度も跳ねた。

 

コルニ「ルカリオ!」

 

地面に倒れていたメガルカリオがゆっくりと体を起こした。

 

ボロボロのまま、再び正面へ向き直る。

 

コルニ「しんそく!」

 

満身創痍のメガルカリオが、地面を強く蹴った。

 

ブラストバーンは反動技。

 

撃った直後は動けないはずだった。

 

……今なら。

 

動けない今なら!

 

メガルカリオが一気に加速し、ゴウカザルのいた場所へ突っ込んでいく。

 

コルニ「……え。」

 

そこには誰もいなかった。

 

確かにゴウカザルが立っていた場所。

 

地面は炎で黒く焦げついている。

 

それなのにゴウカザルの姿がない。

 

ルシア「ブラストバーン!!!!」

 

ルシアの声がバトルコートに響き渡った。

 

メガルカリオは着地すると、慌ててゴウカザルの姿を探す。

 

動きが止まる。

 

メガルカリオの背中側で、再び巨大な炎が燃え上がった。

 

次の瞬間、ゴウカザルのブラストバーンがメガルカリオを背後から飲み込んだ。

 

メガルカリオが膝から崩れ落ちる。

 

コルニ「……なんでよ。」

 

コルニは呆然と立ち尽くしていた。

 

目の前で何が起きたのかまだ理解できていなかった。

 

ルシア「……私のゴウカザル、反動克服したの。」

 

コルニ「……は?」

 

ルシア「反動ないよ。」

 

コルニ「……。」

 

……いや、だから。

 

その理由を説明してほしかった。

 

倒れたメガルカリオの体から光が溢れる。

 

メガシンカが解除され、元の姿へと戻っていく。

 

コンコンブル「ルカリオ、戦闘不能!」

 

コンコンブル「よって勝者、挑戦者ルシア!」

 

ルシアはぐっと拳を握った。

 

向かい側では、ゴウカザルが肩を大きく上下させながら息をしていた。

 

片腕を地面につき、苦しそうに呼吸を繰り返している。

 

ルシアは急いでゴウカザルのもとへ駆け寄った。

 

その前にしゃがみ込むと、顔についた土を優しく払ってあげる。

 

ルシア「お疲れ様!ゴウカザル!」

 

ゴウカザルはゆっくりと振り向く。

 

そして満足そうに笑った。

 

絶句していたのはコルニだけではない。

 

審判を務めていたコンコンブルも、バトルコートの入口で見守っていたツキアシも同じだった。

 

2人とも、これまで数えきれないほどのポケモンバトルを経験し、見てきた。

 

それでも、目の前の炎は明らかに異常。

 

火力だけで言えば。

 

レッドのメガリザードンX。

 

ダンデのキョダイマックスリザードン。

 

その2匹に並ぶと言っても過言じゃない。

 

ツキアシはルシアとゴウカザルを見つめながら、楽しそうに微笑んだ。

 

ルシア自身の実力がもっとついて。

 

ゴウカザルたちもさらに強くなれば。

 

本当にあのセナに食らいつけるかもしれない。

 

ツキアシがルシアの旅についてきた理由。

 

それはルシアを助けるためでも育てるためでもない。

 

ただ見たかった。

 

ルシアがセナに届きうるのかどうか。

 

それだけだった。

 

@battle_watch_19

ルシアVSコルニ見た?

 

@kalos_viewer

見てない

 

@lucia_fan08

見てこいよ

Poketubeに動画出てるぞ

 

@trainer_2525

見てきた

あの炎ってデフォルトなの?

 

@fire_pokemon

強すぎない?

 

@infernape_fan

火力やばいんだけど

 

@battle_analysis

ブラストバーンの反動当然のように踏み倒してるのは何?

 

@sinnoh_trainer

知らん

 

@mega_watch

知らん

 

@pokemon_movie

概要欄見たけど説明なかった

 

@lucia_support

ルシアゴウカザルすごい

 

@flame_fan19

もうルシアゴウカザルだろこれ

 

@lucia_infernape

#ルシアゴウカザル

 

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