曇らせ系です
実はとあるゲームとクロスオーバー設定を作ってて
ストーリーもほぼできてる状態
けど文にしていないやつ、それの後日談を短編にしてみようって書きました
何のゲームか最後に書きます、ちなみにヒントとかないです、明確な描写も多分ない
え?ストーリーで書け?
ちょっとよくわかんない
目が覚めたとき、体はどこも痛くなかった。
それが、彩葉には一番おかしく思えた。
天井はいつも通り。カーテンの隙間から朝の光が入り、枕元ではスマホが静かに充電されている。
指を動かし、足を動かす。欠けたところは一つもない。それなのに、途方もなく長い間、何かと戦っていたような気がした。
手のひらを見る。傷一つない。なのにそこには、鉄と油の匂いが、まだ残っているようだった。
「……彩葉」
スマホの画面の中で、ヤチヨが小さく言った。いつもの軽さがなかった。
「あのね、変な夢?、見ちゃって」
「……夢?」
「うん。夢、としか言えないんだけど。内容は覚えてないのに、ずっと体を動かしてた気がして」
「……私も。何も覚えてないのに、同じ感じがする」
ヤチヨには、動かす体などないはずだった。二人はそれ以上、何も言えなかった。
大学に入り、研究室にも入った彩葉は、味覚の研究を進めようとしている最中で、壁にぶつかっていた。
味覚。化学的な刺激を信号に落とすところまでは、どうにかなった。
けれど、それを人型の体の中で安定して保つ回路が、どうしても組み上がらない。
何度やっても途中で信号が崩れ、味は砂のようにこぼれ落ちた。
目覚めてから三日目の夜、彩葉は研究室に一人で残っていた。
ノートを開く。何も考えていなかった。気づくと、手が勝手に線を引いていた。
感覚の経路を、一本にしない。本体から切り離して、冗長に持たせる。どこかが壊れても、残りが感じ続けられるように。
「……なにこれ」
自分で書いたはずの図面を、彩葉は呆然と見つめた。理屈は通っている。通りすぎていて、怖いくらいだった。
頭の奥で、誰かの声がした。
――焦るな。順番に組めばいい。
はっとして振り返る。誰もいない。蛍光灯が低く唸っているだけだった。
けれど、紙の上を指す誰かの指を、彩葉は確かに見た気がした。
使い込まれた、機械の指だった。
図面の通りに組むと、信号は初めて崩れなかった。
嬉しいはずだった。彩葉は一人、研究室の真ん中で、しばらく動けなかった。
研究は、嘘のように進み始めた。
味覚の変換は、行き詰まるたびに、手が先に動いた。
理屈は後からついてきた。教授は目を丸くし、先輩たちは「天才だ」と笑った。
彩葉は曖昧に笑い返すことしかできなかった。
そして、進むたびに、あの夢を見た。
図面を引く夜には、肩越しに覗き込む誰かの気配があった。
――うん、合ってる。よくやった。
頭に、乱暴に、けれど優しく手が置かれる。その温度で目が覚めて、彩葉は暗い部屋で、自分の頭に触れた。
泣いていた。理由は分からなかった。
別の夜には、誰かの背中が夢に出てきた。
低い唸り。遠くから押し寄せる、数え切れない足音。誰かが彩葉の前に立って、振り返らずに言う。
――下がれ、教えた通り、狙え。
手を伸ばしても、届かない。その背中は、顔も名前もないまま、遠ざかっていく。
飛び起きるたび、体は無傷だった。それが、たまらなく苦しかった。
「彩葉、最近ちゃんと寝てる?」
友人が心配そうに言った。「うん」と答えながら、彩葉は自分の声が、どこか遠くから聞こえるのを感じた。
周りの人たちは優しかった。優しくて、何が起きているのか分からないまま、ただ心配そうに、彩葉を見ていた。
その夜、先に口を開いたのはヤチヨだった。
研究室の灯りは落ちていた。スマホの画面だけが、ぼんやりと光っている。
「ねえ、彩葉。私が見る夢にね、誰かが出てくるの」
彩葉は、息を止めた。
「背中だけで。私たちを下がらせて、振り返らないの」
「……私も、見る」
声が震えた。
「顔が、どうしても思い出せない」
「名前も」
「うん」
沈黙が落ちた。画面の中のヤチヨは、膝を抱えるような姿勢で、俯いていた。
「私ね、夢の中で、体があるの。鉄の体。重くて、冷たくて、でも自分で歩けて、戦えた。」
「……私も、覚えてる。並んで戦ってた。それで、機体も味も、全部」
言葉が、そこで詰まった。
同じ夢だった。襲撃者と戦ったことも、人型のロボを組み上げたことも、味覚を作ろうとしたことも。
二人は、同じ場所にいたのだ。そして同じ誰かに、全部教わって、全部守られて、置いていった。
「……置いてきたんだよね、私たち」
ヤチヨが言った。
彩葉は答えられなかった。答える代わりに、画面に指を置いた。冷たいガラスの向こうで、ヤチヨが同じ場所に手を重ねた。
「でも」ヤチヨは、泣き笑いのような顔をした。「一人じゃなくて、よかった」
「……うん」
「一人だったら、きっと、おかしくなってたと思う」
彩葉は頷いた。頷きながら、涙が止まらなかった。何を悲しめばいいのかも分からないまま、二人は同じ重さを分け合って、夜が明けるまで、そこにいた。
研究は、評価された。
学会に呼ばれ、企業に呼ばれ、とうとうテレビの取材まで来た。カメラの前で、彩葉は何度も頭を下げた。
「この研究のきっかけは、何だったんですか?」
司会者が、明るく聞いた。
彩葉は少しだけ黙った。
「……教えてくれた人がいます」
「その方は、どなたですか?」
「分かりません」
スタジオに、軽い笑いが起きた。冗談だと思われたのだ。彩葉は笑わなかった。笑えなかった。
称賛されるたびに、胸の奥の空洞が広がった。拍手の向こうで、誰かが頭に手を置いてくれる気がした。
その手の主に、礼を言えない。礼を言うべき相手の顔すら、思い出せない。
ヤチヨも静かに笑っていた。その笑顔が、同じ空洞を抱えていることを、彩葉は知っていた。
実装の日は、よく晴れていた。
研究室には、教授も、先輩も、友人もいた。皆、息を詰めて画面を見ている。
ヤチヨの感覚が、ツクヨミの中で、初めて「味」を受け取る。
「いくよ、ヤチヨ」
「うん」
最初のテスト用の刺激は、ごく単純なものだった。
ヤチヨの目が、少しだけ見開かれた。
「……しょっぱい」
歓声が上がった。誰かが彩葉の肩を叩き、誰かが拍手をした。成功だった。
味覚は、確かに、そこにあった。
けれどヤチヨは笑わずに、彩葉を見ていた。彩葉の頬を、一筋、何かが伝った。口元に届いたそれは、塩の味がした。
「……彩葉」
「うん」
「ありがとうって、言いたかったね」
「……うん」
誰に、とは、どちらも言えなかった。
歓声の中で、二人だけが、静かに泣いていた。顔のない先生が、最後まで教えてくれたもの。その味を、彩葉は一生忘れないだろうと思った。
忘れないまま、一生、誰にも礼を言えないのだ。
窓の外は、残酷なほどに、晴れていた。
ゲーム「Rimworld」
じつはストーリーは二部構成まで設定を固めてる
その二部の後日談で書きました
Rimworldに飛ばされた彩葉とヤチヨを助けたオリ主(歴戦個体)がメカノイドやアルコテックなどの技術を元の世界に戻って体を作れるように教えてくれたみたいな内容
なおRimworldのゲーム上のクリア宇宙船乗って脱出をしたら元の世界に帰れる設定でオリ主君は戦いの中で自らの脱出をあきらめて他の人の脱出を優先して、ずっと取り残されてる
Rimworldには精神だけ持ってかれてて、時間の流れは全く違うし、元の体に限りなく近い姿で彩葉は生まれて、ヤチヨはメカノイドの中にいたって設定
え?書け?
設定考えるの好きやけど、文作んのめんどい
AI君に作ってもらって修正するならできるなって短編で練習中です