好きなキャラと好きなキャラでモブ高生 作:@7281mo-mu
俺の名前は佐藤和真。
かつては日本の善良な一般市民として日々電脳の世界にて仲間とともに様々な試練を乗り越えながらも我が家を守護するという任に勤しんでいた。
そんなある日、久しぶりに外出をしたときに女子高生がトラックに轢かれそうになり、その女子高生を庇ってその命を落としてしまった。
なんかトラクターとか言われている気もするが知らないですね。
だが、不幸中の幸いか、あの世で出会った駄女神アクアに異世界転生を提案される。
そこで俺は、アクアに小バカにされた腹いせに駄女神を転生特典に選び、異世界に降り立ったのだった。
そこで起こるのは俺が夢見ていた異世界生活ではなく土木作業、カエルに食べられる女神、空飛ぶキャベツ狩りといった夢の“ゆ”の字もない珍妙な日々。
しかも、集まったパーティーは爆裂魔法しか放てない残念魔法使いのめぐみん(本名)に防御力しか取り柄のないドМ女騎士のダクネス。アクアもこいつらに負けず劣らずの問題児で、能力は優秀なんだがいつも問題を起こしまくるわで、その尻拭いをいつも俺がやっていた。
それでもなんだかんだやっていくことができ、億くらいの借金に悩まされたり、魔王軍幹部と戦ったりして、ついに魔王を倒したのだった。
そんな俺は今……。
「アクアの奴、久しぶりのアンデット討伐だとかいって本気の浄化魔法を放ちやがったんですよ!そのせいで近くにあった酒屋の倉庫の酒が全部ただの水になったことで報酬どころか貯金から出すことになったんですよ!?」
「お、落ち付いてくださいカズマさん!先輩は久しぶりの仕事で張り切っていただけでしょうし、きっと今は反省していますよ。……多分」
「そこははっきり断言してくださいよ」
俺は今、この世界の真なる女神のエリスと仲睦まじく談笑していた。
エリスはあの駄女神アクアの後輩らしいがちゃんとした女神で、俺が転生した世界では多くの人々に信仰されている。
普段は死んだ人間を転生させる仕事をしているので俺が死んだときにしかここに来れなかったが、魔王城で死んだときに転移魔法のワープ場所に設定しておいたので、エリスに会いたい時はいつでもここに来れるようになったというわけだ。
我が事ながら、本当に良くやったと思う。
「今日も俺の愚痴に付き合ってくれてありがとうございます。ですが、エリス様の優しさに甘えて予想外なことをしでかす奴もいるので、そういう奴には厳しくやってもいいと思いますよ」
主にアクアとか。
「それだと真っ先にカズマさんが当てはまるのですが……。そういえば、カズマさんに大事な用事があるのでした。なので、できれば聞いてもらってもいいでしょうか?」
エリス様からの用事?何かアクア関連か神器案件で困ったことでもあるのだろうか。
「いつも迷惑かけている立場なので、俺のできる範囲ならいいですよ」
「じ、自覚はあったんですね……。いえ、最初にカズマさんが死んだときに転生は一人一回までといったことは覚えていますか?」
たしかそんな決まりがあったな。そんでアクアが無理やり俺を蘇生したんだっけ。
エリスに返事を返そうと口を開きかけたその時、右側からいきなり敵感知が反応した。
「その人間があなたのお気に入りですか。見た感じそれほど価値を見出せないのですが」
振り向くとそこには古代ギリシャの女神が装着しているような鎧を着た、童顔だが大人な雰囲気を醸し出している女性がいた。
さっきまではいなかったので、いきなりここに現れたのか?
伝わってくる神聖さと外見からしてこの人も女神なのだろう。
むしろ女神じゃなかったなら何なんだって感じだ。
……しかし、なんか初対面なのに俺を見る目が厳しいんだが。
喩えるならば……デストロイヤーを倒した後に冤罪で逮捕しに来た時のセナみたいな冷たい眼差しだった。
「佐藤和真といったな。お前には数々の違反行為がある。さぁ、おとなしくこちらの要求するペナルティを背負ってもらうぞ。もちろん拒否権などないからな。」
急に来て何だこの女神。
「返事はなしか……。まぁ常識なしだということは予想していたからな。貴様はどうせ何度も蘇生できることをいいことをいいことに、とんだぬるい異世界ライフを送っていたのだろう。だがそれも今日までだ!貴様を有効活用してやるから感謝しろ!」
失礼な女神さんは、俺があんまりにもあんまりな物言いに呆然としている間も得意げにペラペラと喋っている。
対して、エリスはこちらへ申し訳なさそうな顔をしている。
「……エリス様」
「か、カズマさん……」
そんなエリスに、俺は笑顔で告げた。
「チェンジで」
~~~
「なんだこの失礼な男は!とっととあの世界に送り込んでやる!」
「落ち着いてください!?カズマさんはいきなり言われたことに理解ができていないだけですので!いったん落ち着きましょう!」
エリスが荒ぶる失礼女神をなだめる中、とりあえずいろいろと気になることがあるので聞いてみる。
「エリス様、色々聞きたいことがあるんですけど一つだけ聞きます。なんですかこの失礼な人は?いきなり現れて初対面の人の悪口を本人の前で言いだすなんて魔王軍兵士よりやばいですよ」
「カズマさんも煽らないでください!というか、最初に聞くのがそれでいいんですか?」
だって俺、この人の素姓知らないですし。
「そ、そういえばカズマさんはこの方がだれか知りませんでしたね。紹介します、この方は」
そんなエリス様の説明を遮るように失礼女神が語りだす。
「私の名前はルーラ、女神ルーラである!数多の世界のバランスを保つことを使命としている上位の女神であり、もちろんその女神エリスよりも上の存在だ!せいぜい這いつくばって平伏するがいい、人間」
「そしたらあなたのパンツが丸見えですよ。パンツ見せたがりの痴女ですかぁ?ヤダー、ハレンチ女神~!」
「こ、こいつ!」
「カズマさん!煽るのを止めてください!?本当に偉い人なんですよ!」
そう言われましても。
痴女女神は何とか落ち着かせるために頭を振ると、エリスに食って掛かる。
「何なのだあの男は!何か言えば出てくるのは煽り文句!新種の類人猿かなんかか⁉」
「カズマさんはそういう人なんです」
おいっ。
「まぁ、これ以上無駄話しても一向に話が進まないので、さっさと話を進めてもらえますかエリス様?あと痴女女神」
「誰が痴女女神だ!いや、この男のペースに飲まれてはダメだ落ち付け……っ。ヒィーッヒィーッフゥー……よしっ!貴様程度にわかるように話をしよう、感謝しろ」
まだ煽りのレパートリーは残っているが、話が進まなくなるのでやめておこう。
「俺は忙しいんだ。さっさと話してくれ」
「貴様っ!……いや、簡潔に言おう、お前をとある世界に調査団として転移させる。最低限の保証はしてやるから安心して逝ってこい。断るならそれで良いが、その場合はエリス神に行かせることになるがどうする?」
はぁ?
「ふざけんなよお前!なんでそこでエリス様に飛び火すんだよこの駄女神2号!」
「誰が駄女神だ!お前本当に失礼な奴だな!?いい加減にしないとケーキを切り分けたときに自分の取り分が他のやつより小さくなる呪いをかけるぞ!」
「なんで女神っていうのは、そんなしょっぱい呪いばかりかけようとするんだよ!」
俺たちが言い争いをしていると、エリスが間を取り持とうとする。
「二人とも落ち着いてください!そそっ、それにカズマさん、わっ、私も覚悟がでででっできてますのでカカカッカズマさんが無理しなくても」
なんか声が震えている。ダメそう。
「それにお前もメリットがあるのだぞ。そこに行けばハーレムを作れる確率が高いぞ?」
「悪いな、もう俺には彼女がいるんでな。あんたのその俺のハーレムメンバーに入りたいっていう気持ちにはこたえることはできないんだ、諦めてくれ」
「なぜ私が告白していないのに振られたみたいになっているのだ!?もういいエリス!さっさとその男にこの件を了承させろぉ!!あっ、いやっ違う!エリスを送り出すぞ!」
・・・ん?
「ちょっとタイム。エリス様こっちに来てください」
「え?はいっカズマさん」
あの女神が怪しいものを見る目で見つめてくるが今は関係ない。
俺は痴女女神に聞こえないようにエリスに質問した。
「エリス様、あの女神と結託して俺を騙そうとしてませんか?」
「え!?なぜ気づけたのですか!?あっ、いや今のはその……」
ビンゴか。だがエリスが自ら誰かをだまそうとするような性格じゃないし、何か理由があるのだろう。
「エリス様、俺は怒りませんから正直に話してください。何があってもエリス様を嫌いにはなりませんから」
そういうとエリスは、観念して申し訳なさそうに口を開いた。
「カズマさんには全部お見通しですね。わかりました、正直に話します。実は前にかなりの問題を起こしてしまいまして、それを指摘されて協力することになってしまったのです」
マジか。この人も何かやらかしたことがあるのか。そんな女神はアクアだけだと思っていたが、女神は何かやらかす宿命でもあるのだろうか。
「意外ですねエリス様がやらかすなんて。ところで何をやらかしたのですか?さっきも言った通り、俺もできる範囲でなら何とかしますよ」
「実は……」
エリス様は申し訳なさそうな顔をしてこう言った。
「何回もカズマさんを蘇生したことがばれてしまいました」
俺のせいですやん、ヤダー。
「話は終わったのか?なら早く貴様の答えを聞かせろ」
蚊帳の外だった女神ルーラが俺に向けて相変わらず上から目線で聞いてくる。
「いいだろう、俺は皆のためエリス様のためお前に従わなければならないようだ。快く受けさせてもらおう」
「いきなりなんだ、気持ち悪っ」
なんだとこの野郎。
「だが、ようやく従順になったか、これで話を進められるな」
ルーラはそう言うと、ゴチャゴチャと書かれているホワイトボードを取り出した。
どっから取り出したんだ?
「まず、お前が行く世界は現代社会にダンジョンが」
「ちょっと待て!説明がいきなり過ぎない!?あと現代社会って言った!?」
するとルーナは目を細める。
「頼むからおとなしく聞いてくれ。もう疲れたから早く進めたい」
違った、心底疲れてるって顔だった。
なんかスマン。
「説明に戻るぞ。お前が転移してもらうのは、現代社会にダンジョンが生えた世界だ。そこではもちろん冒険者という役職があり、お前には数年ほどそれになってもらう」
なんだその胸躍る世界、すっげー行きたいんだが。
「じゃあ俺に超絶チートスキルを付けてくださいよ」
「落ち着け、そこでは冒険者自身は戦うことはない」
冒険者は戦わない?じゃあどうやって戦うんだ?
「そこにいる冒険者は自分で戦うのではなくカードで呼び出したモンスターで戦うことが定番だ。こんな感じのカードだな」
そう言ってルーラは一枚のカードを差し出してきた。
カードにはまん丸ピンクの、いかにも雑魚ですって感じの子供向けマスコットキャラみたいなのが描かれている。
「……あの、これをどうしろと?」
「こうするのだ」
ツン。
駄目上司女神が俺の指を針で刺してきた。
「痛って!?やりやがったこのアマ!スティールでひん剥いてやる!」
「カズマさん落ち着いてください!これも必要な工程なんです!」
だからっていきなり針で指をさすことはないだろ!血が出ているし!?
……なんか、俺の血がついたカードが光り始めたんですけど?
「契約完了だな、とりあえずカードの名前を言って呼び出してみろ」
俺は半信半疑でカードに書いてあるとおり、カービィ?と読んでみた。
すると、ポンっと音を立ててイラストに描かれていたモンスターが呼び出された。
「こんにちは、僕カービィ!ご飯頂戴!」
出てきていきなり飯たかってきたんだが?
「どうだ、驚いたか?こうやって召喚したモンスターには命令して戦わせることができ」
「カービィ!あの女神で肩慣らしだー!」
「ラジャー!」
「貴様ァー!!」
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「ぐすっ、この、この、強くなったはずなのになんでぇ?ぐすっ」
カービィに泣かされた女神は、そんなに負けたことが嫌だったのかカエルに食われた後のアクアみたいに泣いている。
そのカービィはというと、エリス様からお菓子をもらっている。
カービィって結構強いのか?
あっ、カービィがエリス様から貰ったお菓子を敗北女神の元へと持っていき……。
「飴食べる?」
「いるかぁ!?私を子ども扱いするんじゃない!これでも上位女神だぞ!」
カービィとのじゃれあいで、義足や義手が遠くへ飛ばされたせいでガバガバな服の中から本当の手足が確認できる。
童顔だと思っていたが、マジで子供だったんだな、このロリ女神。
「とにかくまだ説明が終わってないのでさっさとしてくださいよ」
「お前が言うな!だがこのままでは終わらないからな。ではさっさと終わりたいので終わらせるとするか」
投げやりになっている気もするが、この女神はいじりがいがあるのでずっといじってしまうかもしれない。それに早くその世界に行きたいし、早く話を進めてしまおう。
……そうだ。
「エリス様、アクア達も俺と一緒に来れますか?」
「場所が場所なのでおそらく無理だと思います。先輩達にはちゃんと伝えておきますので安心してください」
そうか、あいつらと少しだけ会えなくなるのは寂しいが、俺がいなくても何とかやっていけるだろう。
……やっていけそうか?
ま、まぁ、アクアは無理やり天界まで押しかけてきそうだし、後はエリス様に全部任せよう。
「そういえば、モンスターってどんな奴らがいるんですか?」
「えー資料によれば天使に悪魔、ドラゴンに精霊といったその世界の神話や物語に登場するやつらがいるらしい。もちろんそいつらにも性別が存在していて、なかでも女の子モンスターが人気みたいだな」
資料ってなんだよと思わざるを得ないが、モンスターは結構種類がいそうだ。
それじゃあ、モン娘で夢のハーレムパーティを作れるかもしれないのか!?
でも、本当に作ったらエリス様に冷たい目で見られるから止めておこう。
……ちょっとくらいならいいよね?
「現代社会のルールは社会不適合者のお前でも知っているだろうからハブかせてもらうからな、説明終わり!」
サクッとしすぎだろ。
「うるさい!私もふんわりしたことしか知らないんだからしょうがないだろ!文句ばかり言うと転移特典をやらないぞ!」
えっ?転移特典あるの!?
「生き倒れられても困るからな、戸籍と500万に加え世界に一つだけのカードを一枚やることにした」
「ありがとうございます女神さま、靴を温めましょうか?」
「うわっ、すごい変わりようだな」
いきなり500万円に俺だけのオリジナルカードなんてサイコーだろ!ついに無双展開はじまったか!?
「そして私からも一つ贈らせていただきます。カズマさんこれを」
そう言ってカービィを抱えたエリスはた〇ごっちみたいなものを渡してきた。
カービィ、そこ代われ。
「わたしの力が詰め込んである通信機です。これさえあればいつも私と通信ができますので大切にしてください」
何この女神、本当に何でもしてもらえて目頭が熱くなってくる。
「ありがとうございますエリス様、このえりすっちは大事にしますね」
「カズマさんに喜んでもらえて嬉しいですが、それに変な名前を付けないでください」
俺はえりすっち(カズマ命名)を受け取った。
「もう腹はくくりましたのでいつでもいけます。あとオリカは美少女ドラゴン娘で」
「なに言ってるのだ?おまえの相棒ならエリスが抱えているだろ?」
カービィしかいませんが?あとお前はいつまでお菓子食ってんだよ。
「あれだけ息が合っていたんだ、良い友となるだろうな」
「いやです。この大食いメルヘン生物が御三家ポジションなんて、チェンジします」
「ダメだ、用意できるカードはそいつしかいないからな。あと売ったり人前で出したりするなよ」
そのとき、俺の足元に魔法陣が出現した。
「あと、お前より先に送り込んだ転生者が1000人いたが全滅した。ほれ、500万」
―――今なんつったこいつ!?
「サービスいいと思ったらバッリバリの危険地帯じゃねーか!もうおうち帰る!!」
「ルーラ様それは初耳なんですが!?どういうことですか!?」
「大丈夫だよカズマ、明日は明日の風が吹くっていうじゃん」
「なんか名言みたいに言ってるけど、それ諦めだよな!?」
そして視界が光に包まれた瞬間、俺の意識は暗転した。
趣味で書いてみた好きなキャラと好きなキャラが活躍する話です。
なお、原作主人公は当分出てきませんし、原作の主要なキャラとの関係するかすら怪しいです。
下手をすれば出てこないかもしれないし、カズマたちのせいで原作の流れ変わるかもしれないですが、そこらへんは頑張るので大目に見てください。