明智あんなはプリキュアファン!? 作:プリキュア・ライオットジャベリン
犯人が分かった私たち二人は、すぐに先ほど話を聞いた三人を控え室に集めた。
「――犯人が、わかりました!」
「「「えっ?」」」
その一言で、部屋の空気が一変した。私達はさっきと違って二人で自信満々に犯人である人を宣言する。
「一体誰が犯人なんだ・・・・・?」
カメラマンの宇都見さんが質問するけど、今回の犯人はあなたじゃないから安心していいよ!
「「犯人は・・・・・あなたです!」」
私達はビシっと犯人のいる方向、まりさんの友人である藤井ともかさんの方を指さした。
「やだな~ティアラってポーチに入らなかったでしょ? 外に持ち出せるはずがないよ」
それはそう。ティアラは、帽子にも、ポーチにも、サイズ的に入ることはなかった。だから、今現在、外に持ち出すことは不可能。でも、それは結婚式が終わった時に外に持ち出すことが不可能、ということにはならない!
「ええ。ティアラはまだこの部屋にあるんです」
「「「えっ………!?」」」
みくるちゃんが答えてくれたので、私は今回の推理の要、ブーケの中に手を突っ込みながら言葉を続ける。
「あなたは、自分にブーケを投げてほしいってまりさんに頼んで、ティアラをブーケの中に入れた」
突っ込んだ手に、何か固い感触があったので、それを出すと・・・・・・・・うん、やっぱりティアラだ!
「そして・・・・・・まりさんからブーケを受け取った後に、ティアラを抜き取るつもりだったんだ!」
そう、これが今回の事件の真相。誰もその場ですぐに持ち出すことはできない。けど、ブーケトスを頼めばブーケの中にティアラを事前に仕込むことで、ティアラを最終的に持ち帰ることができる!!
・・・・・・でも、友達の結婚式にティアラが目当てで、普段遅刻ばかりするのに遅刻しないで来て、ブーケトスを頼みに来るなんて、本当にするのかな?
普通なら、友達の結婚式を祝いに来るものだよね・・・・・?
そう思っていると、ともかさんが立ち上がって不気味な笑いを浮かべて、拍手をし始めた。
「・・・・・ふっ・・・・やるじゃない、でも、一つだけ大きな間違いをしている・・・・・・」
大きな間違い・・・・・?
「僕はともかではないんだ!」
そう言いながらバッと変装を解いた。
ともかさんじゃない!? じゃあ本当にティアラだけが目的だったの!?
「僕はニジー!怪盗団ファントムの…怪盗さ!」
「怪盗団…ファントム…?」
怪盗団・・・・・・そっか!だから友達の結婚を祝う言葉を言わずにブーケトスをお願いしに来たのか・・・・・!珍しく遅れずに来れたのももともと違う人だったっていうのなら納得できる!
「惚れ惚れする変装だったろう!・・・・・・いただくよ」
ニジーは私とみくるちゃんの間を素早く通った。
「あっ!ティアラが・・・・!」
「しまった・・・!」
気づいたら、私が持っていたはずのティアラがなくなっていた。しかも、窓から降りて逃走を始めてる!?追いかけないと!!
私達は、ニジーを追いかけるために部屋から出て、走って追いかけた。
「待て~~!」
そう言いながら追いかけるけど、ニジーとの差は一行に縮まらない・・・・むしろそれどころか、開いていってる・・・・・・くっ、このままじゃ逃げられちゃう!!
「ポ~~~チ~~~!!」
「え…わあぁぁぁぁぁ?!」
その時、ポチタンがさっきみたいに紐を出して私に取り付けて、いきなり空を飛び始めた!
え、ちょっとこれ、どうなってるの!?なんで空飛んでるのこれ!? って、みくるちゃんも私に捕まってるんだけど!?私はオール○イトじゃなああい!*1
頭の中が混乱しながらも着いた先は、ニジーの目の前だった。追いつけたから良かったけど・・・・・・うぅん、ここでポチタンを責めちゃダメだね。ニジーに追いつけたんだから。
「困ったベイビーだねぇ…」
「ティアラを返して!」
私が啖呵を切って返すように言うけど、ニジーはそれに対してどこ吹く風。
「できない相談だよ。このティアラには、『マコトジュエル』が宿っているんだもの」
「マコトジュエル・・・・・・??」
マコトジュエル・・・・・?それが怪盗団ファントムの目的なの?? というかマコトジュエルっていったい・・・・?
「花嫁がティアラを大切にする想いが・・・・・マコトジュエルを引き寄せたのさ」
そう言いながら、ニジーがティアラに手をかざすと、そこから淡い光が現れて、ティアラについている宝石とはまた別の宝石が現れた。
あれが、マコトジュエル・・・・・!
「このジュエルをいただくのが僕たちの目的・・・・・そうだ、ティアラの代わりに素敵なショーをお見せするよ!」
ショー・・・・・?
ショーがどんなのかはよく分からないけど、怪盗団が見せる、というショーだからか、私には嫌な予感しかしない。
「ウソよ覆え!出でよ、ハンニンダー!!」
ニジーは叫ぶと同時にバラをそのマコトジュエルの方へ向かって投げる。すると、そのマコトジュエルがだんだんと暗いモヤのようなものに浸食されていって、巨大なティアラの怪物が生まれた。
・・・・・・!?これって・・・・!
「ハンニンダー!!」
これ、どっからどう見ても、プリキュア達がそれぞれ戦う怪物にそっくりじゃない!?
キミとアイドルプリキュア♪のみんなはマックランダーやクラヤミンダー、ダークランダーっていう怪物と戦ってたって言ってたけど・・・・・あっちは映像を見る限り、なんか不良みたいだった。
でもこの怪物はなんか・・・・・ひげがついてて、シルクハットも被ってる・・・・・そのうえマントも・・・・・ニジーに少し似ている気がするし、『ザ・怪盗』っていう感じがする。
他のプリキュアチームもそれぞれ別の種類の怪物と戦ってたみたいだけど、こんな怪物、聞いたことない!
「ファントムが新たに開発した『ハンニンダー』さ!」
ハンニンダー・・・・・・やっぱり私知らない!
ハートキャッチやスマイル、アイドルプリキュアのみんなに他のチームについても聞いたことあるけど、『ハンニンダー』なんていう名前の怪物は聞いたことないよ!?もしかして新しい怪物・・・・!?
「さあ、ショータイムだよ、ベイベー!」
ショータイム!? え、ちょっと待って・・・・!
「ハン・・・・ニンダー!!」
心の中の願いは届かず、無慈悲にハンニンダーは腕を振るった。すると、放たれた斬撃波が森の木々に当たると、あっさりと折れて、地面に倒れた。
・・・・・・知ってた。伝説の戦士プリキュアはもちろんすごい力を持つけど、それに対峙するこの怪物達も当然それと同じくらいの力を持つってこと・・・・・!
アイドルプリキュアのみんなが戦っている所や、2012年のフュージョン戦の映像は何度も見てきたから知識として知ってる。なんならアイドルプリキュアの握手会に参加した時にマックランダーが出てきたから、実物は見たことある。
でも・・・・・・こんなに近くで暴れられてしかも直接私達に敵意を向けてくるとなると・・・怖いよ・・・・!
「ふっ……さぁ、探偵ごっこはおしまいだよ?おびえた瞳が全てを物語っている・・・・」
ニジーが真顔でみくるちゃんの方を見ながらそういった。みくるちゃんは私みたいにマックランダーを見たことがないし、プリキュアのことも知らないからか、完全にあの力で怯えてしまっていた。
無理もないよ。このような怪物の存在を事前に知っている私でも怖いから・・・・・・
そう思っていたら、ニジーが聞き捨てならない言葉をつづけた。
「・・・・・・・君は探偵じゃない。探偵気取りの真っ赤な偽物だ」
!?
探偵気取りの、真っ赤な偽物・・・・・・??
違う、そんなわけない!
「本物だよ!!みくるちゃんは名探偵になるんだ!」
確かにこのハンニンダーっていう怪物に怯えてしまっているかもしれないけど、努力して探偵テストを受けに来た。それに、誰かを助けたい、っていう思いは本物だよ!!
「名探偵?さすがにあり得ないな」
「なれる!助けたいって気持ちがあるから!」
「強がっているけど・・・・・君も本当は怖いんだろう?」
「ッ!」
痛いところを突かれた。当たり前だよ。いくらプリキュアファンだからって、本来伝説の戦士が相手にしなきゃいけないような怪物の力を前にして、怖がらないわけがない・・・・!
「そうだよ……怖い……怖いけど…!!」
でもね、ニジー!その怖い気持ち以上に!
「ティアラを取り返したい!困っているまりさんを私も助けたい!みくるちゃんといっしょに!!」
「!!」
私一人だけじゃダメだ。みくるちゃんも一緒じゃなきゃ!
私はみくるちゃんの方を向いて、手を差し出した。
「みくるちゃん・・・・・・!」
すると、みくるちゃんは、ウインクしながら、手を取ってくれた。
「一歩踏み出す!」
「!・・・・・win-winウインク!」
みくるちゃん、その言葉、覚えてくれてたんだ!
「なんだか分からないけど、ウインクしたって無駄さ!行け、ハンニンダー!」
「ハンニンダー!」
ニジーの叫びと同時にハンニンダーが跳び上がり、二人を踏みつけようとする。
けれど、私とみくるちゃんの心には今、不思議と怯えは消えていた。
「「私達で…………取り返す!」」
私達が手を取り合ってそう叫ぶと、突然、私のポケットからさっきの時計型のペンダントが飛び出して、光り始めた。みくるちゃんの胸からも同じものが出てきた。
「あっ…………!私のと…………」
「同じ…………?」
全く同じ光を発する不思議な道具・・・・・・あれ?ちょっと待って。今、目の前に
これってもしかして!?
アイテムが発する光がさらに強くなると、ポチタンが叫んだ。
「ぷいきゅあー!」
「「オープン!!ジュエルキュアウォッチ!」」
口と体が勝手に動いてる!?・・・・・っていうかポチタン、やっぱりこれって・・・・・!
「「プリキュア・ウェイクアップタイム!」」
やっぱりプリキュアだーーー!!
「「サン!見つける!」」
えぇっ!ちょっと待って!本当に!?私、プリキュアになれちゃうの!?あの伝説の戦士プリキュアに!?
あ、すごい!!髪型が変わっていく・・・・・!!私は紫色、みくるちゃんは桃色・・・・・!はなまる素敵!
「「ロク!向き合う!」」
今度は・・・・・あ、衣装が変わっていく!!
ずっと来てみたいと思ってたんだ、プリキュアの衣装!!まさか本当に着れるなんて・・・・!すごい、夢みたい・・・・!
「「キュー!奇跡の二人!」」
今度はなんだろう・・・・あ!ブーツと袖・・・・・!歩きながら変身するのなんかファッションモデルみたいではなまるかっこいい!
「くるっと回して!」
「キュートに決めるよ~!」
次は何だろう・・・・・・ティアラ、イヤリング、蝶ネクタイ、ブローチまで・・・・!全部全部はなまるかわいい!!
ジュエルキュアウォッチは自動的にケースの中へ行くんだね!!
あれ、変身終わったからこの後ってもしかして・・・・
「どんな謎でも、はなまる解決!名探偵、キュアアンサー!」
名乗りだーー!私、キュアアンサーって名前になるんだ!どんな謎でもはなまる解決かぁ・・・・その名に恥じない名探偵にならないとね!
「重ねた推理で笑顔にジャンプ!名探偵、キュアミスティック!」
みくるちゃんはキュアミスティック!うん、笑顔にジャンプって、みんなを助けたいみくるちゃんにすごくぴったり!
「「名探偵プリキュア!!」」
決まった・・・・!同時名乗り!特にチーム名の前に何かないところを見る限り、ハートキャッチ型と見た!
って、あれ?待って。まだ体が勝手に動く・・・・
「私の答え、見せてあげる!」
!・・・・今の私、はなまるかっこいい!!こんな決め台詞まであるなんて!
終始変身中、脳内がうるさいあんなちゃんでした笑
まあ、憧れの伝説の戦士プリキュアに変身できるってなったらこうもなると思います。しかもかなり重度のファンなので・・・・・
だから、変身中のあんなちゃんの心内語はすごく苦戦しました。あんなちゃんらしさを崩さずに、どうすればプリキュアファンを貫けるかなぁ、と・・・・・・良ければ、感想と高評価、よろしくお願いします。