助っ人枠ミステリアス少女が代償で苦しんでる時の周りの反応を答えよ 作:片桐きな粉
「それが運命なら、私は従うだけ。」
「えっと......運命って...?」
「?運命っていうのは、最初から決定されていることで__」
「確かに聞き方が悪かったですごめんなさい!」
言葉の定義ではなくその発言の意図を聞いたが、勘違いしたのかずれた返答をされてしまった。
「そういうことじゃなくて...従う、ってなんだろう、って思って」
カルアは少し考えるようなそぶりを見せた後、話し始めた。
「私と違ってあなた達はこの世界の変数。可能性に満ちている。....だからこそ、そうでない私は....そうすれば....」
やっぱり、忘れて。と目を伏せ、そう言った。
追加で何かを聞ける雰囲気ではなくなった。三人は無言のまま歩き続けていると、さっきまで黙っていたアオイが口を開いた
「ガラ!戦闘準備!」
その言葉に反応しガラは前を見ると、この前倒したような
物質創造によって住処を奪われた弱い
「しゃー!お金になってもらうぞ~!!」
先に実装を済ませたアオイが一目散に突撃していく。ガラも慌てて武装し、応戦を始めた。
「っ
背中の六つの脚が自在に動き、ガラの武装が完成した。近づいてきた
戦いを続ける二人とは対照的にカルアは、その場を一歩も動かず、ただその現場を見ているだけだった。
「ちょ、なんでカルアちゃんは戦わないの~!?」
当然の疑問をアオイが投げ、カルアは歩き出したかと思えば二人が対峙しているその横を通り抜けて物質創造によって作られた
「貴方達は変数。...だけど、経験が圧倒的に足りない。」
「だから、多少なりとも実践を積ませた方がいい。....せめて、これくらいは軽く倒せるようにね」
気にせず進む少女に周りよりも少しだけ大きい
野性味あふれたその行動に普通の人であれば驚き、恐怖を感じることもあるだろうが、位に返すこともしない。
彼女の薄い黒の髪が少し揺れたかと思うと、その瞬間に足元から泡となって消える
力の差は歴然であった。
(すご...)
ガラは素直に感心し、
「ずる!ワンパンじゃん!!」
アオイは不満交じりの声を出していた。
「もっと自分の強みを生かすのが、大事。....早くしないとおいていくよ」
なかなかに実践教育な彼女に追いつくために、二人は急いで残りの
「ここが、今回の異変の犯人の...
まるで人間がいくつもの月日をかけてできたような二階建ての洋館のような建物。およそ知性がないものにはできないような代物であった。
「先に言っておく。中級以上の
「えぇ!?じゃあなんでついてきてくれたの!?」
(....私たちに、成長させるため...?)
ガラは彼女が言っていた言葉を思い出す。
私たちが変数、と呼ばれること。そして彼女はそうではない、という発言。
彼女が未来、もしくは何らかの出来事を変えようとしていると考えるのは簡単だった。
利用されている?と考えもしたがガラには助けてもらった恩がある。
「わかった。やれるところまで私たちでやってみる」
「まじ?...しゃーないかぁ...」
カルアを置いて中へ入る二人。
建物の中に下級
また、
「この上に、多分
少し緊張するガラを元気づけるためにアオイが先導してその階段を上った。
「あ、待ってって!!」
2階には大きな部屋が一つだけだった。
「たのもー!」
元気よく開ける空気の読めない幼馴染に溜息をつきながらも警戒を緩めないガラ。
その部屋には.....
「人...?」
「ここは危ないので、避難をお願いします__」
ガラは一般人を誘導するのと同じ対処をしようとした。それを妨げるようにその
『ようこそ。わたくしの館へ。』
「「ッ!!?」」
振り向きざまに言うその顔には人間のソレではない、山羊のような紋章が黒く刻まれている。
驚いたガラたちを見ると笑いながらその頭から特有の曲がった角を出現させた。
瞬間、吹き荒れる魔力。
「お前...
「しかも普通じゃない....宿主が居るタイプ....」
『ん?わたくしの宿主は既に亡くなっている。故にこの体を使えるのだよ』
と、なんでもないように謳う山羊男。
『自己紹介が遅れていたね。わたくしの名前はラムダ。....宿主には随分とお世話になった、
宿主が居ない。にも関わらず魔力が増大している。さらに人型となっていると、予測されるのはひとつのみ。
「こいつ、人を喰った....しかも契約主を....!?」
「倒すべき敵!貰える報酬!覚悟しろ〜!」
驚愕で少し動けないガラを置いてまたアオイが先陣を切る。
振り下ろされたハンマーはラムダの頭部に直撃することはなく、上げられた腕に当たり勢いが殺されていた。
『ほう...なかなかやる...ですが』
「ああっ!」
武器を柄にして投げ飛ばされる。力自慢のアオイが軽く受け流されてしまったことから力の差は歴然であると言えよう。
だが、
(やれるとこまではやるって、決めたし)
勝ち目がない勝負へと2人は挑んだ。
奇跡が起こる、なんてことはなく。
順調に2人は追い詰められた。
受け流される殴打、隙をつかれて傷がつく体。
劣勢につぐ劣勢だが、相手が遊び半分のような面持ちでいることが今生きている理由だろう。
ラムダは膝を地面につき満身創痍になりかけのガラたちを見て不敵に笑い、手に魔力を集める。
『下級共ではできない魔力操作。素晴らしいだろう?この建物だってそう。私の宿主が夢見ていたものを実現させたに過ぎない。ああ、なんて主思いの
「あんたのそれはただの自己満でしょ...」
『ふっ、減らず口を....では見せてやろう。これが本当の魔力の力だよ。』
手に集めた黒い魔力が1つの弾になり、それを私たちに向ける。
「っ[
アオイは立ち上がって能力を使用する。
今回の用途では魔力弾の核を探す力。
(核を打ち返せば、まだ戦える...!)
アオイのハンマーには特殊な機能があり、投擲物の中心核を探し、ハンマーをヒットさせることで威力をそのままに跳ね返す力がある。
またにそれをする準備をアオイは行っていた。
だが、
「ああーーっ、間に合わないっ....!」
弾の拡大速度が早すぎる。アオイが探す間にも回転がまし、今にも動き出しそうになっている。
(考えろ...!アオイなら出来ることがある....じゃあ私は....)
自分にできることを必死で探すガラ。
ふと、先程言われた言葉を思い出した。
(自分の強みを生かす....)
アオイが使うのは目。
ガラの契約
だとするならば、私にも能力が使えるのではないか。
片目の下に熱を持つ感覚がある。
それが何時でもあったかのような感覚が降り、ガラはそれを行った。
「__[
ガラの瞳の下に赤い単眼が生える。
それは人が持つには不自然すぎる、丸の目だった。
放出された魔力弾の速度を最大限遅くし、アオイが解析するまでの時間稼ぎを遂行した。
「見つけた!ガラナイス!!」
ハンマーを持ち直したアオイが大きく振りかざす!!
「飛ん、でけや〜〜!!!」
ラムダが立っている横の壁に大きな穴が空く。
アオイが跳ね返した魔力弾は避けられてしまった。
「....ぁ」
魂が抜けたような表情をするアオイ。渾身の一撃が無駄になってしまったことがかなりきているのだろう。
ガラも慣れない能力に頭痛が伴い、絶対絶命の状況。
『実に惜しかったですね...まあ上出来じゃあないでしょうか...人間にしてはね。』
興が冷めたと言わんばかりに態度が変わったラムダが2人に近づく。
それを止めたのは空いた壁の方角から聞こえる声だった。
「__うん、上出来だった。後は任せて」
ラムダが、2人が向いた先には空いた穴の瓦礫の縁に座ったカルアだった。