ウルトラマンゼロ/iDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 作:わたあめ丸
果てしない漆黒の宇宙空間。星々が瞬く静寂の海を、一筋の眩い光が凄まじい速度で切り裂いていく。
「追いつきましたよ、ゼロ師匠!」
「おう、ゼット!行くぞ!」
蒼と赤のボディにシルバーのラインが走る戦士――ウルトラマンゼロと、その(自称)弟子であるウルトラマンゼットが並んで飛翔する。ふたりの視線の先で、不気味な銀色の宇宙船が必死に蛇行しながら逃走していた。
乗っているのは、赤髪のゴース星人・アリギア。怪獣転売及び惑星侵略の罪に追われているアリギアは他のゴース星人のような影の薄い不気味さではなく、人を苛つかせるニヤけた笑みを浮かべ、船内の通信を意図的にオープンにして響かせてくる。
『ケケッ! さすがは噂に名高いウルトラマンゼロとその弟子っ子ちゃん! 追いかけてくるスピードだけは一丁前だな~? でもさぁ、俺様を捕まえようとしても無駄無駄!』
「減らず口を叩いてんじゃねぇぞ、アリギア! テメェが俺に敵おうと思おうなんざ二万年早ぇってことを教えてやるぜ!」
ゼロが加速し、両腕をクロスさせてから広げた。
「ゼロスラッガー!」
頭部から脱着された二つの光の刃が、ブーメランのように回転しながら光速で動く宇宙船を捉え、正確に撃ち抜く。ドッ……! と爆発音が宇宙の真空に響き、船体がキリモミ状に落ちていく。
『うわっとっと! 容赦ねぇなぁ……でも、俺本人は弱くても、こいつがいるんだよねぇ! 出ておいで、俺の特別製!』
アリギアが怪しげなカプセルを射出すると、そこから空間を叩き割るように巨大な影が現れた。頭部が二つに分かれ、身体中に鋼鉄の機械の身体、そして全身から凄まじい高熱を撒き散らす異形の巨獣、アリギア特製の改造キングパンドンである。
「なっ……キングパンドン!? ゼロ師匠、あいつ手強いですよ!」
「慌てんじゃねぇ、ゼット! 改造されてようが俺達には関係ねぇ、一気に片付けるぞ!」
改造キングパンドンが口から放つ高熱火炎を、ゼロとゼットは間一髪で回避する。ゼットが前に出て「ゼスティウム光線!」の構えをとろうとした、その瞬間だった。
『ヒヒッ、掛かったなウルトラマン共! 俺の本命はこっちなんだよ!』
アリギアが嘲笑いながら、船内から怪しげな小型爆弾、次元を歪める特殊な「プルトン爆弾」を投下した。
「しまっ……!? 空間跳躍爆弾か!」
ガキィィィン……ッ!
空間がガラスのようにひび割れ、強烈な引力が周囲を飲み込み始める。アリギアは改造キングパンドンを咄嗟に回収し、自らも爆弾がこじ開けた次元の歪みの中へと飛び込んだ。
『じゃあね~ウルトラマンゼロ! ランダム跳躍だからどこに着くか俺にも分かんないけど、追いかけられるものなら追いかけてみな~!』
「逃がすかよっ……!」
「師匠! 危ないです、その空間の歪みは――!」
ゼットの手が届くより早く、ゼロはアリギアを追って次元の亀裂へと飛び込んだ。直後、爆弾のエネルギーが限界を迎え、亀裂は激しい衝撃波とともに完全に閉じ合わさってしまう。
「ゼロ師匠―――っ!!」
宇宙空間に取り残されたゼットの声が切なく響く。ゼロの反応は完全に途絶え、どこかの別次元へと消え去ってしまった。
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