ゴッドイーター 〜Happiness in the misfortune〜 作:ケイトン
ドタドタドタドタ
少年は逃げていた。自分を喰らおうとする”災厄”から
「ーーー‼︎急いで‼︎速くしないと…」
少年の母が彼を呼び、何かを言おうとする。しかし、その言葉は最後まで発される事は無かった。
バクッ
彼らを襲った災厄が、母の腹から上を喰らったのだ。
「母さん…?」
災厄は、少年も喰らおうとした。
ガン‼︎
しかし、少年の父がさせまいと、近くにあった鉄骨で殴りつけ、災厄の気を引く。
「ーーー‼︎速く逃げろ‼︎」
少年は動けなかった。しかし、父の怒声で我に帰り、急いで逃げ出した。
「そうだ、それでいい…」
抵抗を続け息も絶え絶えになって、喰われる間際に、少年の父はそう言った。
ドタドタドタドタドタドタ
少年は振り返らずに走り続けた。
どれだけ走っただろうか、見覚えのない場所にたどり着いた。
幸いな事に、災厄は満足したのか少年を追って来なかった。
「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…逃げ…切った…のか?」
疲れ切った少年は、そう発した後、辺りを見渡した。
そして、人影を見つけるやいなや、そこへ向かって進みだした。
少年は人影の下へたどり着き、その手首の腕輪を見て安堵し、疲れがピークに達したのか、説明を終えると同時に倒れて眠ってしまった。
少年は意識を失う直前に、声を聞いた。
「よく頑張ったな、後は俺たちの仕事だ。ゆっくり休みな。」
次に少年が起きた時、見知らぬ天井が目に入った。
「ここは…どこだ?」
少年は混乱していた。なぜ自分が見知らぬ場所で寝ているのかわからなかったからだ。
「お、目が覚めたか?寝坊助。」
突然声が聞こえたのでそっちを向くと、一人の男が立っていた。
「ここはどこですか?あなたは誰ですか?」
少年は、気になっていた事を目の前の男に聞いた。
「ここは孤児院だ。お前はあの後、俺の知り合いにここに連れてこられたんだ。」
男はまず、最初の質問に答えた。
「次に、俺はここの孤児院の責任者だ。名前はハイドっていうんだ。」
男は二つ目の質問にも答えた。そして、こう続けた。
「お前のいた居住区は…全滅した。お前を除いてな。」
ハイドは少年に質問をした。
「お前はこれからどうしたい?ここを出て、どこかで生きるか?それともここで暮らすか?」
少年は困惑した。これからの事など、全く考えてなかったからだ。
「…僕は…父さんや母さんの仇を討ちたい。そのためには生きなきゃいけない。だから…僕をここに置いてください。」
少年はこう言った。
「…分かった。なら、みんなで一緒に暮らそう。」
ハイドは、少年を抱擁しながそう言った。
そして数年が経ち、少年だった青年の下に一通の手紙が届いた。
この手紙が運命の歯車を進めるとは知らずに…
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