勝ち取れ、さすれば与えられん 作:現実先輩、これ超えてみて!
修行時代の話は凄く端折りました、今後雑談で小出しで話させます。
凄く凄い、遅い投稿期間になると思いますがよろしくお願いします。
私は、阿慈谷涼子22歳。転生者であるが、それは些細な事、精々人生二週目だから勉学面で楽をさせて貰った位か。あと、転生特典のおかげで命が助かったから神には感謝している。
今生で初めて、競馬を見たのがサニーブライアンのダービーで、サニーブライアン陣営のドラマに感動して、漠然と騎手になりたいと思い、親にかなり反対されたが競馬学校に入学した。
そして、厳しい騎手課程を過ごし、競馬学校を卒業と同時に、休業届けをJRAに提出し、アメリカで武者修行を積んできた。
同期の面々からは、止められたが、私は君達と違い競馬界になーんにも縁が無い人間だ。
父と母は一般商社のサラリーマンなのに対し、同期やその先輩方の大半が騎手や調教師の子息で産まれた時から馬と関わって来ている人間であり、なんなら競走馬のオーナーとも面識もある人達だ。それを競馬学校に通いながら感じ取った私は、このまま卒業しても依頼は来るのかという不安を感じ、競馬学校の教官である、アレキサンダー師に相談をした。
「どうしたら、同期や先輩達との間に有る圧倒的な経験の差やコ……縁の差を埋めれるでしょうか?」
「あー、それは非常に厳しいな。単純にレースに多く出て、勝数を稼ぐしかないが、それは君の同期も同じ事だしな、馬の質も競馬界に縁の有る彼等に良い物がまわってくるだろう。うーん、アメリカならあまり勧められないが、あえてクレーミング競走ジョッキーになるのも一つの手なんだが、待遇がなぁ」
クレーミング競走、それはこの業界に入って知った一つのセリの形。馬を売る為のレース。
ほぼ毎日開催されているウマを売る為のレースだ。
これだ!と思った、経験も縁も足りていないのなら数と実績を積み上げるしかない。
客観的に見て、騎乗の腕は同期と比べても悪くないどころか、多少は上だとも思っているからパワーレベリングを敢行し、騎乗の腕を磨きまくり調教師の先生方や馬主の方々にアピールする、これだ!
「先生、私、クレーミング競走を暫くの間やりたいです!どうしたらいいですか?」
「本気か!言ったばかりだが、クレーミング競走の騎手なんて底辺も底辺、給料も待遇も最悪だぞ。君は私が見てきた騎手候補の中でも抜きんでている。じっくりと日本で我慢して居ればきっとチャンスは巡ってくる」
「でも、先生。私は、女です。女性騎手は、こう言っちゃなんですけど軽く見られます。経験も縁も無く、女で、待って居るだけでチャンスが巡るのを期待して待って居れば、他の人との差は開くばかりです。それに、私の好きなアニメのセリフにこうあります。『ねだるな、勝ち取れ、さすれば、与えられん!』他人から与えられる事を期待せずに、自ら行動を起こせ!そうすれば、おのずと願う物が得られるだろうという意味合いの言葉です」
「マタイの福音書の一節に、似ているな。……だが、今は競馬学校の課程に集中しなさい、無事卒業し、気持ちが変わらなければ、その時また訪ねて来なさい」
その後、免許発行後にそのまま休業届けを出した。
係の人に、マジかこいつって表情をされたけど、マジでーす
一応、前もってアメリカに武者修行しに行くと各方面に伝えていたから迷惑はかけていないはず。
そうして、再びアレキサンダー師の元へと赴いた。
「話は聞いている。本気の覚悟として受け取った。俺が君にしてやれる事はこんな事位だが……」
渡されたのは幾つかの手紙だった。
「俺の推薦にどれ程の力が有るかはわからないが、幾つか知り合いの厩舎への推薦状を書いておいた。門前払いにはならないだろうが、確実に雇って貰えるかは分からないぞ、ビザの問題も大変だと思うが、幸運を祈る」
「ありがとうございます」
そして、私はアレキサンダー師が紹介して貰った厩舎のうちの一つで、運動員(調教助手)として働いた。クレーミング競走とはいえ、いきなり鞍上にはなれないしビザの問題もあって運動員として働く事になった。想像以上にビザって面倒で逆に笑えてしまう。
で、暫く働いていたら、ようやく競走に出れることになった。
実際にクレーミング競走に出る馬に乗ると、どの馬も癖や気性がヤバい。
競馬学校に居る馬達がいかに、気性が穏やかで乗りやすいのかが分かる。
で、幾つか乗っていると分かる。
無理に馬に言う事聞かせようとすると、馬と私の双方の体力と精神力が削られて損だと。
なら、馬の邪魔にならない乗り方をして、レースにいや走る事に集中してもらう、この方法を当面の方針とした。
でも、クレーミング競走は大半が初見の馬がまわってくる。何レースも同じ馬と付き合う事なんて無い。
その上で、気性か癖がヤバい馬を初見で乗り、勝たせる。
これがクレーミング競走……なんて、難しく楽しく面白いんだ。
週に50~60レースを乗り、片手で足りる勝ち星を上げる日々が続く。
数ヶ月が経ち、一週間での勝ち星が10前後になり、ちょっとは上手く成ったかな?と思った時に、スカウトを受けた。
ちょうど、近くのセリに来ていた、アメリカの名トレーナーである、スティール・ハンター師が、なんの気まぐれかクレーミング競走を見に来た。
途中からではあるが、クレーミング競走を観戦し、何を思ったのか私に話しかけてきた。
まぁ、物珍しかったのだろう。日本から来た、小娘がクレーミング競走に出ているのだから。
色々と聞かれたから、アメリカに来た理由を語った。
「だったら、俺の所に来い!一から競馬ってものを教えてやる」
勿論、即座に頷いた。今まで、働いていた厩舎に事情を説明し、お礼を言い、移籍をした。
でも、いくら名門厩舎に移籍したとして、いきなりアローワンス競走やステークス競走へ乗せてくれる訳じゃ無かった。今まで通り、クレーミング競走には乗り続け、師の管理馬にも調教で乗る事になった。
まぁ指導の厳しい事厳しい事、私が普通の女だったら泣いちゃうよ。
ある日、厩舎に強盗が来たのには驚いた、馬が超お高いのは当然知っていたけど、強盗って……撃退したは良いけど(デッキブラシで)、師がそれ以降、私に対してビビり散らかした反応してるのが面白かった。
そして、ビザの関係でアメリカ滞在ができる最後の年。
最後の年もあってか、師が私にビビったかは知らないが、アメリカクラシックを目指す有力馬を一頭私に預けてくれるという。
その馬は、入厩してから調教では何度も跨がった馬だ。
結果としては、アメリカ三冠路線には全部参戦できたが、掲示板入り出来たのはケンタッキーダービー4着とブリーダーズカップクラシック3着である、因みにプリークネスS8着とベルモントS5着。師とオーナーは思っていたより好成績だと喜んでいた。
騎手として、調教師とオーナーが喜んでいるのは良い事だけど。
お手馬の今後の事を考えたら、どこかで勝たせてやりたかった。
こうして、私のアメリカでの修行は終わった。
師もまた、ブリーダーズカップ辺りに機会が有ったら依頼を出すと言ってくれたから、きっと良い体験が出来たのだろう。次は日本馬と渡米したいなぁ。
尚、日本の競馬紙には、日本人騎手がアメリカクラシック戦線で大健闘!という記事が出ていたが。当人は負けたレースなので喜ぶような事をせず、負けたのにどうしてそんなにインタビューするの?虐めかと思っているそうな。
転生特典は、絶対に寿命で死ぬ事。その為に、暇つぶしセ〇ムしている、武闘派な神様が居る。騎手能力などの干渉は無し。ただ、偶に漫画から出て来たキャラみたいな戦闘能力を発揮させる事がある。(サイヤ人襲来編までなら地球を守れる程度の戦闘力)
スティール・ハンター師「あいつ、ライフル持った強盗3人をデッキブラシで制圧したぞ、こわぁ。日本人ってみんなこうなの?」
他厩務員「マーベルかDCコミック世界が出身じゃないのか?」