スター・ウォーズ×ガメラ ~翡翠のジェダイ・マスター~   作:フォレス・ノースウッド

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ガッデム!!どうしてこうならなかったんだよルー〇ス!!あんたが憎い!!(血涙


分かち合う再会

・分かち合う再会

 

 タトゥーンの様な惑星内の地上のほぼ全てが砂地に支配され、地表水がほんの壱パーセント程しかないわびしい星に於いて、最も盛んで重要となる農業はなにか?

 それこそ生物が生存する上で最も基本的な資源――『水』。

 大気中に漂う僅かな水蒸気――気体を冷却・抽出して『水』へと液化させつマシン『水分凝結機(モイスチャー・エバポレータ)』を用いて、貴重な水分を生産する、都市圏以外に住む入植者はほぼ全てがこの水分農夫として生計を立てており、ラーズ一家もそんな数多く存在する一介でしかない。

 唯一この一家が他の農家を一線を画する点があるとすれば現在の主人であるクリーグ・ラーズの二人目の妻が―――『アナキン・スカイウォーカー』の母『シミ・スカイウォーカー』であること、しかし当然ながらその事実を知る者は極端に少なく、シミ本人もたとえ息子の幼き日に語っていた夢をほぼ叶えかけていることを知っていようとも、ひけらかそうとは思わず、その日もクリーグと息子のオーウェンが、自宅よりの巨大な地下農場施設でせっせと貴重資源を生産している傍ら、オーウェンの妻ベル―と、さらに息子お手製のドロイドと共に家事業に勤しんでいた。

 小休憩も兼ね、日のよっては天候が急変しがちなタトゥーインの蒼穹の様子を確認しようと、シミは外に出ると――。

 

「あら?」

 

 一見するとタトゥーインではどの街の発着場に行けば簡単に見かけそうな貨物船が、ゆっくりと青空からラーズ家自宅から目と鼻の先の地点に、砂をほとんど巻き上げない、素人目に見ても上手い操縦技術だと分かる丁寧さで降り立った。

 

「お客さん?」

「みたいね……でも――」

 

 多数存在する水分採取農家の端くれでしかないラーズ家にわざわざ何用だろうかとシミとベル―の脳裏に疑問符が消えずにいる中、船のハッチが開く。

 程なくタラップから、おそらくベル―とほど近い年齢な若い女性の人(ヒューマノイド)が一人降り立った。

 女性としてはすらりと伸びた背丈と両脚、二つの太陽光を反射してより艶やかに彩られる葡萄色がかった黒髪、遠くから見ても吸い込まれそうな……並みの宝石では太刀打ちできぬ透明感と麗しさで煌めく翡翠色の瞳、さらに恵まれた顔つきと肢体に負けず劣らず、全身から発する佇まいが凛然としたオーラを醸し出しており、同じ女性たちからも思わず見惚れてもおかしくない、言葉も出なくなるほどの美しさだった。

 シミは知っている……その凛々しさを内包する者たちのことを確かに――。

 

「ジェダイ?」

 

 気がつけば、その者たちの総称を無意識に発していた。

 

「あの銀河の調停者の……それがなんで我が家に?」

 

 まだミステリアスさを残す訪問者(ジェダイ)は、長く住んでいる者でも苦痛となる暑さにも砂塵にも全く意を介さない様子でこちらに歩いてくる、その姿だけでまるで著名な画家が描いた絵画の如く、絵となる様相だった。

 やがてジェダイの女性は、シミたちと程よい距離間で歩みを止め。

 

「突然のご訪問、失礼致します、ジェダイ・ナイトのアヤネ・クサナギと申します、名前でお呼びしても構いませんので」

「これはどうも……」

 

 声もまた、乾ききった大気に潤いが溜まりそうな感覚に見舞われる程の透明感であいさつをして一礼し、シミたちもつられてお辞儀を返す。

 

「ご存知でしょうが、近頃のタトゥーイン近辺に看過できない異変を嗅ぎ取りまして、オーダーが重い腰を上げて私が派遣された次第です」

「それはわざわざご足労を、ですがなぜ私たちのところに?」

「要するに情報提供と言う形で、お手伝いをお願いしたく」

 

 女性ジェダイからの申し出に、戸惑いを隠せぬ二人。

 聞き込みならば他にも当てになりそうな相手はモス・アイズリーに限定するだけでも数多ある筈だろうに、なぜわざわざ自分達に、この聡明さまで美しさが現れているジェダイは依頼してくるのか?

 

「あの、水分農家でしかない我々に、ジェダイ様のお仕事をお助けできる情報など到底思いつかないのですが……なにゆえ?」

「理由でしたら、今からお教え――いえお見せしましょう」

 

 するとジェダイはその凛然とした風貌からはギャップを感じさせる茶目っ気を帯びたユーモアと声色とウインクを披露したかと思うと。

 

「出番だよ、未来のエースくん!」

 

 貨物船に向かって、船内にいるらしい同乗者に出てくるよう催促した。

 

「あれ?お~い!もしも~し~~♪」

 

 しかし、彼女の想定に反して誰も出てこない………いやベル―でも何となく人のいる気配が窺えたが、何を迷っているのかまだ船外へ出るどころか、影も形も見せてこない。

 

「すみませんシミ殿、一緒に来ている後輩のパダワンは、目立ちがたりなのにどうも肝心な時はシャイになるようで」

「あの、なぜ私のお名前を?」

「それはもう、存じているからです、そうだろうアニーボーイ!!」

 アニー―――その呼び名は、シミの心の中では『あの子』が旅立ってから一人奴隷として残った五年、ラーズ家に嫁いでからの五年、それらを合わせた十年も常に呼び続けてきたが、この日まで口にすることは無かった『なまえ』。

 

「アニー……」

 

 初めてお会いしたジェダイから続き、シミもかの名前を砂地の乾いた大気に響かせていた直後、それまで船内で沈黙を貫いていた同乗者が、タラップをアクロバティックに飛び越えて、船外から大地に降り立つ。

 ローブ、法衣、ジャンプした勢いで露わになったライトセーバー、ヒューマノイドの男性の中で高身長、布地越しでもしなやかに鍛えられた体躯、研ぎ澄まされた端正さと不思議と愛嬌も垣間見える顔つきなジェダイの青年。

 それでもシミは一目で分かった……彼こそ十年分の成長を経た愛する息子……アニー――アナキンであると。

 

「義母さん?」

 

 事態が呑み込めないベル―をよそに、自身でもそう至った感情に気がつく余裕もなくシミは走り出す、両腕を広げて待つ息子の元へ。

 十年振りの抱擁を交わすスカイウォーカー親子。

 

〝またママに会える?

〝アニーの心に聞いて……〟

〝会いたいよ、そう言ってる〟

〝だったらきっと会える……〟

 

 言葉ではそう励まして背中を押しながらも、心の内では我が子と同じくらいその時が来るのか不安でたまらなかった。

 だからこそ、あの時より大きくなった我が子の両腕の感触は、別れの時と変わらぬ温もりだと噛み締める。

 言葉は無かった……むしろ今の二人には、互いの温かさを伝え合うだけで十分だったのだ……互いに無事な姿で、再会できたのだから。

 

  ◇

 

 朱音とベリーが当人らから一歩引いた上で、アナキンとシミの再会の場面を自分のことのように喜び合いって、微笑みを交わしていると。

 

「どうにも騒がしいと思ったら、お客さんか?———シミぃ……」

 

 地下水分採取農場から出たきたクリーグの目線は、シミが長身でジェダイの装束を来た青年(にんげん)と抱き合う姿に釘付けとなる。

 

「あの、貴方と、義母さんが抱き合ってる人もジェダイですよね?」

 

 続いて現れたクリーグの息子でベリーの夫であるオーウェンが、アヤネに素性を訊いてきた。

 

「紹介するわオーウェン、あの子こそお義母さんの実の息子のアナキン・スカイウォーカーで、こちらのジェダイの方が彼の『先生』のアヤネ・クサナギさんよ」

「せ、せんせ?」

 

 ベリーから紹介を受けたアヤネは、彼女の表現に言った覚えのない単語が混じっていたせいで、声を裏返させてオウム返しするほど呆気に取られてしまい、同じくスカイウォーカー親子の再会に横槍を挟まぬ様、そっと船からここまで自力で進んできたR2-D2も電子音で同じ言葉を発した直後。

 

「ありがとうござます!クサナギ先生で、よろしんですよね!?」

「あの、クリーグ殿……」

「五年前にシミを嫁に迎えて以来、幸せな結婚生活を送っていましたが、私でも薄々分かっていました……シミの心にはずっと、ジェダイになると旅立った息子のアナキンが気がかりで、胸の中にこう……穴みたいなものを抱えていたと……ですがしがない農家の私らではどうしようもなかった………それを先生が連れてきてくれて叶えてくれた!まったく感謝し切れません!フォースの存在を信じたくなりましたよ!!」

「はい、私としても、喜んでいただき光栄です」

 

 

 アヤネの両手を挟む込む様に自身の両手で握手して振ったまま、同じくらいの勢いで捲し立てるクリーグの言葉を慎ましく一言一句逃さずに聞き取る内に、冷静さを取り戻したアヤネは――。

 

(そっか、オーダーの教育プログラムを知らない彼らから見たら、私が直接指導してる先生にしか見えないよね……)

 

 自分とオーウェン一家の間に生じた認識の齟齬の原因を突き止めることができた。

 

「クリーグ、紹介が遅れてごめんなさい、この子が息子のアナキンよ、それでこちらがアヤネさん、アニーをここまで立派にしてくれたジェダイの先生」

「ママ……先生って?」

 

 一通り再会の感慨を味わい切ったシミはアナキンを伴って息子たちを紹介し、その当人は母の発言に端正な顔が疑問形となった。

 アヤネはラーズ一家から死角となる位置から、自身の胸を指差し、次に本を読むジェスチャーをして『心を読んでみて』と伝え。

 

(ごめん、ラーズ家の皆さんも大喜びで、私が君のマスターになってたと勘違いしたままなんだ)

 

 幸い、ジェスチャーもフォースの読心を活用した念話(メッセージ)も届いた様で。

 

「改めましてラーズ家の皆さん、アナキン・スカイウォーカー、僕がいない間に母のお世話、本当にありがとうございます、そしてこちらのマスター・アヤネも、僕をタトゥーインに帰る機会をくれた以外にもたくさん恩のある、偉大な先生たちの一人です」

 

 アナキンはクリーグたちに感謝のお辞儀をしつつ、アヤネからのメッセージに合わせた表現で彼女を紹介し直す。

 

「アニー、先生たちって?」

「学校で言えば……僕の担任の先生になるジェダイ・ナイトは他にいるんだ、マスター・アヤネは先輩で別の教員みたいなものさ」

「それなら、やっぱり偉大なる先生なマスター・ジェダイさんよね?」

「ああママ、ご自慢のね」

 

(ちょっとアニーくん、君までそう言ってくるの反則だよ……)

 

 直接アナキンに言いたくなる気持ちは堪えつつ。

 

「確かに、シミ殿の仰ることは、間違っておりません」

 

 シミ含めたラーズ家からそこまで喜ばしく言われアヤネは、照れ臭そうに、先程までタトゥーインの熱気に全く意を介さずにいた両頬が赤くなるのを感じ取りながらも、アナキンも含めた全員で、砂漠の大地の一角を笑顔満面に染めていくのであった。

 

  ◇

 

「あの、皆さん大層な笑顔でお集りになって何の話をしているんです?」

 

 砂漠の惑星で起きた微笑ましい輪に、一体のプロトコルタイプのドロイドが会話に入り込んできた。

 

「3PO?」

「なぜわたくしの名をミスタージェダイ?あ、もしやマスター・アニー様!?我が創造主様!?なんと言うことでしょう!!」

 

 アナキンはそのドロイドの略称を口にする。

 

(ふ~ん~~彼か、アナキンが独学で作った『C-3PO』って、外装以外は9歳で、ジャンク品から……改めて思い返すと……すごっ)

 

 少年時代のアナキンが、その類稀なるエンジニアの才能をフルに使って、自ら一から創り上げたドロイドこそこの『C-3PO』、アヤネも心中で唸ってしまう完成度な一方で、十年前はクワイ=ガンより奴隷の身分から解放され、まだ外装を張り付ける完成直前の段階でジェダイとなる旅路に出ざるを得なかったので、創造主本人のアナキンですら完成した彼の姿を見るのはこれが初めてだった。

 

「~~~www」

「誰ですか!?『このフルフロンタルドロイド~』などと失礼なこと言うドロイドは!?」

 

 そこへR2が茶々を入れ、3POは電子音で『素っ裸』と揶揄した彼の発言を復唱して憤慨する。

 

「君か!あの時の失礼な整備ドロイド!!」

「~~~ピーピー」

「仕方ないでしょう!あの時は皆さん大事な使命で急いでいたんです!アニー様にわたくしを完成させる暇は無かったのですぞ!!」

 

 こちらも十年振りに再会するドロイド二体は、また会って早々、口喧嘩を始めた。

 

「たくもう……せっかくアヤネ先生が粋な計らいをしてくれたってこにこのドロイドは、いつもよりやかましい~……」

「クリーグ、今は大目に、なんだかR2くんとも仲良くなれそうじゃない」

「「どこがですか!?」」

 

 シミの発言に、同時に待ったをかけるC-3POとR2-D2。

 しかしそれを聞いた朱音の方も。

 

(なんだか二人の漫才、板についてるんだよね……ずっと昔から喧嘩するほど仲良しコンビだったみたいな)

 

 と傍からはコミカルなやり取りをする二体に、不思議な感覚に見舞われており、そんなドロイドたちの提供してくれた笑いも上乗せされ、巨大な銀河の辺境の惑星の、砂漠の片隅で、確かにフォースが喜色満面の色鮮やかな姿に変わっていく最中だった――。

 

 

  ◇

 

「っ――!」

「マスター……」

「私もだ……」

 

 ジェダイ二人の全身に、フォースを通じて――血生臭い匂い、敵意、殺意――らが走り、表皮に鳥肌となって響く。

 

「アニーもアヤネ先生もどうしました?」

「パンサに乗ったタスケンの群れが、この近くをうろついています!」

「なに!?こんな時にまで奴らか……」

 

 せっかくの念願叶った瞬間を邪魔された以上の、露骨な憎悪をクリーグは吐き捨てつつも、懐から双眼鏡(スコープ)を取り出し

 

「どこですか先生?」

「あの蜃気楼に紛れて」

 

 アヤネの感覚は機械に頼らずとも、蜃気楼を隠れ蓑にパンサやビークルに乗って砂地を走るタスケン・レイダーの群れを捉えていた。

 

「ブラスターを持ってきてください、万が一は私も手伝います」

「頼みますぜ先生!オーウェン!」

「はい父さん!」

 

 ラーズ父子はブラスターを取りに自宅へ一時戻る。

 

「マスター、僕は?」

「アナキンは三人と採取場に隠れて護衛、そこにもブラスターはある筈だからそれも使って」

「でも、掟では……」

「今は掟より家族の命だ」

 

 アナキンは即答して頷き、アヤネの『家族の人命優先』する指示に応じた

 

「R2は電磁パルスでアナキンの援護を」

「――ッ!!」

「R2来い!C-3POも」

「はいアニー様!まったく空気の読めない荒くれどもめ~!!」

 

 アナキンたちの背中を見送るアヤネは、翡翠の瞳をタスケン・レイダーどもに向き直す。

 

(ある意味で、これは好機かもしれない)

 

 タスケンを凛と見据えたまま集中力を高め、自身の肉体と大気中のフォースに働きかけた刹那、アヤネの脳内(ヴィジョン)では、ビークルを荒々しく乗りこなしてブラスターを持つタスケンに囲まれている。

 ビジョン内のタスケンが向けた銃口から放たれたビーム弾が、アヤネに狙いを定めて迫るも、ライトセーバーを抜き打ち様に、レーザーは光刃に弾かれ、まず二台のパンサがフレンドリファイアされる。

 なら背後から撃ってくるも、ジェダイかつシエンの性質も併せたソレス使いのアヤネ相手では隙にもならず、背部にセーバーを回して後ろ向きのままビームをお返ししてもう二台、さらに首を傾けただけの回避で掠めるギリギリで通り抜けた一筋(ビーム)が、向かいにいた個体のブラスターを破壊した。

 飛び道具が当たらないなら、接近戦だと、個体ごとに形状が異なるガダッフィ・スティックに持ち替えて、その場から動かぬアヤネめがけ突貫するも―――アタルの剣戟によるカウンターで三体のパンサが両断され、頭上を取ろうとした一台もマカシの刺突でスクラップとなり、乗っていたタスケンは砂地に叩き付けられた。

 その間に残るビークルに乗った個体たちがフォーメンションを組み、円状に四方八方を塞ぐ形で連携攻撃を仕掛ける魂胆であったが―――アヤネは自身から見て前方めがけ右手でセーバーを投げて回転、後方には左手を開いて大気中のフォースを操作。

 高速回転する光の刃は、残りの半分のパンサを斬り裂き抜け、もう半分も先頭を走っていたビークルがフォースで走行不能となり、後続車も対処できず玉突き事故を起こして全てがスクラップとなった。

 ここまでやって、アヤネはタスケンには一体も殺めてはいないが、翡翠の瞳含めた全身から彼らの狂暴性すら消失させるプレッシャーを発して委縮させ、その内のリーダー格へゆっくりと近づいてくる。

 

『今の私にはお前たちを殺める気も理由もない……お前たちに勝ち目はないからだ、このまま戦っても、何も奪えず犬死するだけだぞ』

 

 タスケンの言葉を発して近づくアヤネに対し、リーダー格は恐怖で尻もちを付いたまま後ずさるが、引き下がる意志すら消えたらしく中途で止まり、間近でアヤネがそびえ立っていた……二重の逆光で顔は影に染まって見えないが――。

 

『それでもこのまま私たちに危害を加えようなら………お前たち全てを、この星を蝕む災厄として、滅ぼすとしよう』

 

 それが最後通牒だと示すように、アヤネの日陰が突如巨大化して変化していき、影は砂を巻き込んで立ち上っていったかと思うと。

 

(あれは……なんだ?)

 

 タスケンたちにも見たことのない、背中に堅牢そうな甲羅を背負い、爬虫類系の鋭利な翡翠の目を宿す顔の両端からは、一際長い牙が生えた『巨大生物』。

 その未知なる巨体の口から、ブラスターとは比較にすらならないプラズマの火球が幾つも放たれ、タスケン・レイダーの集落はその生命体の背丈よりも高い大爆発の炎に飲み込まれ、ほんの一瞬で全滅してしまった。

 

「さあどうする」

 

 ———これはアヤネがフォースで生み出した幻、読心能力であのタスケンの戦闘パターンを読み取り、脳内で対処法をシミュレートして応戦すると同時に、最後通牒の幻覚もセットで蜃気楼内のタスケンたち全員に一連のイメージを流し込んだのである。

 

「先生!奴らは来ますか!?」

「いない……ですよね」

 

 ラーズ父子がブラスターライフルを手に駆け付け、スコープを覗き返した頃には。

 

「行ったようです、一応警戒は続けましょう」

「あ、はい……先生の仰せの通りに」

 

 ———文字通り、タスケンは尻尾を巻いて略奪も戦闘もしないまま、退却した後であり、

 現実ではライトセーバーすら抜かずして、勝利を掴んだジェダイマスターだった。

 

つづく。

 

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