輪廻の輪を外れたからもう一度生きてる   作:佐波 大和

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第二十二話

「そうかい、それは良かった」

 

……はあ、何か疲れるな……

 

「それは良いとして俺以外に相馬さんの仲間っているのか?」

 

「ん?ああ、君が一人目だ」

 

仲間を探しているって言ってたから他にもいるんだろうな、

そんな気持ちで聞いたのだが予想外の返答が返ってきた。

 

「え?仲間を探しているって言ってたのにか?」

 

ちょっと信じられねえな……

 

「俺が『ブラックガーディアンズ』の存在を知ったのは1年前くらいだ。それから調べ続けてようやくさっき言った情報が手に入ったところなんだよ。だから仲間探しを開始した」

 

「最初っから仲間を探さなかったのか?」

 

その方が情報を手に入れるのとかも早いだろ?

 

「君はバカか?相手の情報が何一つとして分からないのに味方になってくれる奴なんているわけないだろう」

 

「それはそうだが……もしかしたらいるかもしれないんじゃないか?」

 

「もしいたとしても大体の情報がわかんなかったら戦闘になったときとか勝てる確率が減るよ」

 

「そういうもんか?」

 

「ああ、最初っから敵のスタンドを知っているか知らないかでは結果がだいぶ違ってくるよ」

 

それもそうだな、あの移動する能力を持っていた奴も最初に能力を知っていたら対処できたんじゃないかと思う。

 

「…………あ、そうだ。なあ相馬さん」

 

「なんだい?」

 

「相馬さんのスタンド能力ってなんなんだ?俺のは……」

 

「ああ、言わなくていい知ってるから。……俺のスタンドの能力だって?……それはだな」

 

……何か人のスタンド能力聞くときってドキドキするな……

 

「怪我をうつす。これが俺のスタンド能力だ」

 

「……なんだそれ?」

 

何かよく意味がわかんないな……

 

「簡単な話だ……」

 

「っ!!?相馬さん何を!?」

 

その瞬間相馬さんは取り出したナイフで自分の腕を突き刺した。

 

「騒ぐな、よく見てな」

 

「……っ!?なっ!?」

 

そう言って相馬さんは地面に手を付いた。

その瞬間相馬さんの腕の傷は無くなった。

 

「いったいどうなってんだ?」

 

「……これをよく見ろ」

 

「ん?」

 

相馬さんが指をさしたところはさっき自分が手を付いたところだった。

 

「……っ!?こっ、これは!?」

 

そこには刃物で突き刺したような傷があった。

 

「……!!、そういうことか……」

 

「理解したようだな、俺のスタンド『アンシュテックング・コンタクト』の能力!それは!手で触った所に傷をうつすというものだ!!たとえそれが生き物で無くてもだ!!」   

 

「……ま、マジかよ……それって最強なんじゃないのか?」

 

自分が生きている限り怪我をどっか別のものにうつせば相手がどんなに強くても勝てるんじゃないのかこの人?

 

「いや、いろいろ欠点もあるからな……と言うか最強だったら仲間なんて集める必要ないよ」

 

「そうか、……それはいいとして俺が一人目って……はぁ、まあいい、他に仲間にするスタンド使いに宛はあるのか相馬さん?」

 

「いや、無い……うん、無いな」

 

なんだその間は

 

「でも一応君のお友達の子には目を付けているけどどうだい?」

 

「……新か……でもそれは俺は反対だ」

 

「何でだい?」

 

「いや、たいそうな理由があるわけじゃあないが……新は俺の大切な親友だ。戦闘するってわかってる危ないことにあいつを巻き込みたくはない」

 

多分新は俺が一緒にやろうって言ったら首を縦に振るだろう。

俺が頼まなくてもブラックガーディアンズの存在を知ったら自ら首を突っ込みに行くだろう。新は正義感の強いやつだ。絶対にそうする。

だけど俺は新にそんなことに関わってほしくない。自分がってな思いだけど大切な親友に危ない目にあってほしくない。

 

「ふーん。ま、どっちでもいいけどね」

 

「……先に言った俺が言うのもあれだけど軽いな」

 

「ま、君のお友達、碓氷新君がブラックガーディアンズの存在をどっかから知って自分から仲間になりに来るなら歓迎するけどそうじゃないなら自分から勧誘しには行かないよ」

 

「……一応聞いておくがなんでなんだ?」

 

「そんなの簡単だ。俺が碓氷新君を誘ったら君との関係がボロボロになる。信頼ってものが俺と君との間になくなるんだ。そんなのは得策ではないからだよ」

 

…………意外といい人なのかもしれない……俺を半分脅した人とは思えないな……でもそれもそうか、一応世界を守ろうとしているからな。

 

「とりあえず返答が聞けたから今日の所はもう用はないよ。君の携帯電話に俺の電話番号入れといたから何かあったら連絡してくれ。こっちからは一週間以内に掛ける」

 

「ああ、わかった」

 

この人何普通に人の携帯いじってんだよ……

 

「それじゃあね俺はもう行く」

 

「ああ、じゃあな」

 

相馬さんはそう言って俺とは反対側に歩いて行った。たぶん家に帰るんだろう。

 

「……俺も帰るか」

 

何かいろいろあったからちょっと疲れたわ……

 

「あ、電話」

 

そうだった。新に電話しないと……

 

 

 

『もしもし』

 

「あっ、錬か……電話してきたってことはもう帰ってる?」

 

『ああ、あと少ししたら家に着く。新も俺の家に来てく……いや、やっぱいい。話したいことは無くなったから』

 

「えっ?どういうことだよ錬」

 

『そのまんまの意味だ。話したかったことっていうか相談したかったことは解決したから』

 

…………はあ、そうなのか……まあいいや。

 

「それはいいんだけど……怪我とか大丈夫なの?」

 

一日じゃ治らないような怪我をしていたはずだけど……

 

『ん?ああ、怪我は大丈夫だ心配かけて悪かったな』

 

「そっか、ならいいんだけど」

 

『おう、悪いないろいろと』

 

「ううん、大丈夫だよ」

 

『じゃあまた明日新』

 

「うん、じゃあね錬」

 

……ふう、錬の奴なんか隠しているな……付き合いの長い俺だから分かるけど錬は何かを隠すときは話を早く終わらせに来る癖がある。

 

「ま、それが何かはわかんないけどね……」

 

でも怒りとかはない。これでも錬とは親友だと思っている。錬が無意味に俺に隠し事をするはずがない。それは自信を持って言える。

だから、錬が隠そうとしているんだ、それを探そうとするのは裏切りの行為だと思ってる。

 

「何かは知らないけど……頑張れよな錬」

 

俺は通話が終わった携帯電話を見てそう言った。

 

 

 

「……新を巻き込みたくない一心で話をしてたけど新のことだ、もしかしたら気付いてるかもしれねえな……アイツ無駄に鋭いからなあ……」

 

そうだとしても追及してこなければいいんだが……あ、家が見えてきた。

 

「はぁ、何か帰ってくるまでにいろんなことが起こったな……」

 

最初はただ喫茶店に行っただけだったのにスタンド使いと戦闘になって目を覚ましたら町の危機だ。

それを何とかしたと思ったら明子さんたちの家に行ってお世話になった。

帰れるかと思ったら相馬さんに出会ってブラックガーディアンズの事を知って相馬さんの仲間になった。

 

「ま、これから大変になるだろうけどな」

 

……こういっちゃあ不謹慎なのかもしれないが……ワクワクしてくる。

新に関わってほしくないとか思っていながらこれだ。ほんとに自分勝手な奴だと自分でも思う。

だかど、非日常には憧れるもんなんだよ……俺が違う世界の人だって思うのはこれだと思う。少なくとも俺がこの世界で生きてきた中で非日常に楽しさを感じる奴は見たことがない。

非日常ってことは人の命が左右されるときもあるんだ……それを無意識で感じ取っているのかはわからないがそんな事を考えている奴は本当にその意味を理解していない、軽く考えているんだと思う。ていうか俺がそうだ。

 

「こういう考え方がやめられればいいのにな……」

 

本当にそう思う……

 

「っと、もう着いたのか」

 

そんなことを考えているうちに、家までたどり着いたようだ。

 

「鍵、鍵っと」

 

えーと確か鞄のここに……あった。

 

ガチャ「えーと、何買おうかn」

 

   ドゴォ!!

 

「…………ッ!!?」

 

そして俺が家の鍵を開けようとドアの目の前に立った瞬間ドアが開いて俺の顔面に思いっきり当たった。

 

「グオオオ……!!」

 

「ああ!?錬!?大丈夫!?」

 

どうやら扉を開けたのは鈴さんだったようだ。

 

「……あ、ああ……大丈夫……」

 

「ごめん錬……まさかいるとは思わなくて……」

 

「いいっていいって、俺は大丈夫だからー」

 

鈴さんは人に怪我とかをさせちゃうと結構思いつめるタイプだ。だからすぐに何ともないように対応しないときりがない。

 

「それならいいんだけど……お帰り錬」

 

「……ただいま母さん」

 

心の中では鈴さんと呼んでいてもこの世界では母親だ。ちゃんと呼んであげるのが生んでくれた義理ってもんだろ……

 

「急に錬が友達の家に泊まるって連絡があってびっくりしたわよ……」

 

「あはは……」

 

それについては俺はなんにも言えねえ……

 

「さ、早く家に入りなさい。私は買い物行ってくるけど……今夜は何が良い?」

 

「……うーん……別に何でもいいよ」

 

「うーん、そうね……じゃあ後で姉さん達に聞いてみるわ」

 

「わかったー」

 

……最近思い始めたんだが子どもの言葉遣いをする必要はあるのか?吉良とか見てたら別に可笑しいとか思えなくなってきたし……明子さんたちの前では普通の口調で話しちゃってたし……あれ?相馬さんにもか?……いったいなんなんだよこれ……

 

「じゃあ言ってくるわ」

 

「いってらっしゃーい」

 

ま、徐々に口調を変えていけば良いか……普通に人を騙すようなことをやってる俺ってやっぱりクズいな……

 

「……あ、鼻血が……」

 

……早く手当てしようっと。




だんだんと口調が分からなくなっていく……
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