俺が頼んだご飯を食べ終わってから結構すぐに清彦さんは敵を見つけた。
その言葉を聞いた相馬さんはコーヒー関係の別の世界に行っているのではないかと思う状態を一瞬にして切り替え、最初に相馬さんと会った時や俺と戦った時と同じような雰囲気を出した。
多分この雰囲気が相馬さんの真剣になった時なのだろう。
その敵は案外近くにいて、30分ほどでそいつ等と会えるらしい。だから俺と相馬さんはブラックガーディアンズの奴らの所に向かい、今そいつ等を見つけたところだ。
「……あいつだ、この前戦ったばっかだから顔は忘れてねえ」
柳哲彦……良くも悪くも俺の精神、考え方に影響を与えたやつだ……そう簡単に忘れはしねえ。
「うん、もう一人の方、サピアーディも一緒に居るね」
「どうする?俺が柳哲彦を、相馬さんがサピアーディを相手にするって話だったけど……一緒に戦うか?」
二人一緒に居やがるから引き離して個々で倒すよりも一緒に戦う方が良い気がしてきた、が……
「いや、話したとうりに二手に分かれて戦う……飛行機では言ってなかったけど、サピアーディの相手は今の錬君では荷が重いかな」
「……そんなに強いのか?」
情報収集が得意な相馬さんだ、人の実力なんて正確にわかるのだろう。
そんな相馬さんが俺には荷が重いと言ったのだ。いや、優しめに言っただけで本当は俺が相手をするのはきついを超えて無理なのかもしれない。
実際俺ではそのサピアーディっつう奴には及ばないのだろう。
それが分かるからこそ俺は文句なんて言ったりはしない。するのは確認だけだ。
「そうだね、ぶっちゃけて言うと今の錬君なら2人居てもかなわないだろうね」
「そうかい、じゃあそんな俺より遥かに強い相馬さんだ。勝てるよな?」
「……フッ、錬君こそ、柳哲彦に負けるんじゃないよ」
「ああ、能力を知っているか知らないかはアイツとの戦いでかなり勝敗を左右されることだからな。今度は引き分けじゃなくて勝って見せる」
アイツの恐ろしいところはスタンドのパワーもそうだがその能力だ。初めてだったら一瞬で移動されて攻撃され終わりっつうことになる。
実際俺が引き分けに持って行けたのだってあいつが遊んでいて気を抜いていたからだ。最後のほうは結構気を抜かず戦っていた気がするがアイツの本領は短期決戦にあると思う……気がする。
アイツが最初っから本気で来たらどうなるのかなんて俺には解りはしない。もしかしたら負けるかもしれない。
……でも絶対勝つ。これは相馬さんに連れてこられてただ敵と戦うって事じゃあない。
これは言うなれば、あれだ、この間の敵の自爆。あれを防ぐためのと同じ感じがする。
よくわかんねえがそんな感じだと思う。
「……いい心構えだよ錬君、……君が今考えてる事、当ててみようか?心のどっかでただの戦いとは違う、そう思っているんだろう?」
「ッ!?……当たってる……なんでわかったんだ?」
心でも読めるのか?
「簡単な事だよ、俺も昔そんなふうに感じて戸惑ったことがあったからね」
相馬さんは昔を思い出しているのかどこか遠いところを見ている。
「いいかい、それはこの戦いが守る戦いだからだよ。自分の身を守るって事じゃあない、自己満足のために戦う為の戦いでもない。……思い出してくれ、俺は最初ブラックガーディアンズの目的は何だって言ったけ?」
「……自分たちのための世界……」
……なるほど、はからずともこの戦いは規模が小さいが世界を守るための戦いってことか。
そう言われてみればそんな感じはする。
「そう、自分たちのための世界?そんなの許して良いと思うかい? いや、ダメだね。錬君、気を引き締めろよ、これは今までとは違うんだ。そこんとこ覚えといてくれよ」
「……ああ」
やっぱり相馬さんは本気で許せないと思っている。それが分かるから俺は相馬さんについて行くんだ。
俺自身もブラックガーディアンズの奴らは気に食わないがたぶん相馬さんみたいな人じゃなかったら俺は誘いに乗らなかったと思う。そういう点では相馬さんは良い人だ。外道だけど、地味に外道だけどな……
「よし、じゃあ行くよ。作戦を考えたから今から説明するけど……一度で覚えられなかったらハンゴロシンンッ!ンッ!ンンッ!……奴らを分割するチャンスはたぶん一回だけだと思うからちゃんと頭の中に詰め込んどいてね」
……よし、バッチこい、今の俺は何でも覚えられる気がするぜ……
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「よし、それじゃあ作戦道理に行くよ、準備は良いかい?」
「ああ、……俺よりも相馬さんのほうが遥かに大変だと思うが大丈夫か?」
「うん、まあいちよう腕はそれなりにあるつもりだからね」
相馬さんがそれなりにだったら俺はどうなるんだよ……アンタ無茶苦茶強いだろうが……
「……よし、行くよ!作戦開始だ!!」
その言葉と共に相馬さんは2人の居る場所に突っ込んでいった。
「『アンシュテックング・コンタクト』!!」
「……ッ!?何だテメグォ!?」
「?……どうしッ!?」
そして気付かれる一瞬先に攻撃をして2人を吹っ飛ばす。いや、吹っ飛ばすって言ったけど正確には殴られて後ずさりしたって感じだ。
「ッ!敵か!?……貴様何者だ」
「ふっ、今君と話している暇はないんだよ」
相馬さんはサピアーディに見向きもせず柳哲彦に向かって追撃をした。
「うおお!?何だテメエ!……へへっ一目見ただけでわかるぜ……お前強いnアア!?」
「敵を前にしてお喋りなんてずいぶん余裕じゃないか……だから攻撃当たっちゃったじゃん」
柳哲彦が話している最中に攻撃をした相馬さんは見る物を苛立たせる笑みを浮かべ余裕ぶった。
……それ相馬さんは言ってはいけないだろ……よし、
「俺のっ出番だッ!」
俺はサピアーディに向かってテニスボールを投げた。能力をかけて。
『いいかい、まず俺が2人に突撃をして攻撃をする。その時2人を別方向に後ずさりするような方向から狙って殴る。錬君はサピアーディにその渡したテニスボールを一個投げてくれ。ちなみにあの技をちゃんとやってくれよ』
『不意を付いて一撃で倒すのか?』
『ああ、そうなったらラッキーだが……』
「……この僕を無視するなんていい度胸じゃあ無いか、エエ?このスカした顔をしたクソ野郎がッ……」
「……ずいぶんひどいこと言うね、ああそうそう、左方向注意だよ」
「?」
相馬さんの言葉につい左を向いたサピアーディ、そのすぐ目前には俺が投げたテニスボールが……
「なっ!? グボァ!!」
見事な顔面クリーンヒット。生々しい音が辺りに響く。運がいいことにこの周辺はもうお昼も終わり会社に皆戻って行ったことで誰も周りにいない。
さらに今日は祝日でここら一体食べ物屋が並ぶ地域なのだがどの店も閉まっている。唯一開いているのは近くにあるコンビニだけだ。だけどそのコンビニも近いとはいえ余程の大音量じゃない限り聞こえはしない。
これで今のように大きい音がしてもここで戦ってても人がくる心配はないな。
……防犯カメラ?相馬さんが何とかしてるらしい。
……どんな手使ったんだよあの人、ハッキングとかじゃないって言ってたけどじゃあ何だ……?
サピアーディは思いっきり吹っ飛んでいった。
『多分まだ倒せてないと思う。だけど錬君のその技は直撃すればかなり吹っ飛ばせると思う。いいかい、直撃したら俺はサピアーディの方に行く。だから君は柳哲彦の方に行ってくれ』
「……ッ!?サピアーディ!」
柳哲彦は吹っ飛ばされたサピアーディを見てこちらに気を向けていない。チャンスだ。
俺は全速力で柳哲彦の所に走る。
「……この攻撃、まさかとは思ったがやっぱりテメェだったのかガキィ!!」
さすがにここまで近づくと気付かれ、柳哲彦は攻撃したのが俺だと分かったらしい。
「ウゥラァァ!!」
「ハッ、おせえよ!」
俺のスタンドの攻撃はいともたやすく防がれてしまった。
「……よう、五日ぶりだな……」
「ハッ、もう一度お前と戦いたいと思っていたよ。前は聞けなかったなァ……お前、なんつう名前だ?」
「……錬だ。志熊錬。その名を覚えておけよ柳さんよ!!ウララララァ!!」
俺は答えるとともに柳哲彦に向かって攻撃をした。
「おっとお!?俺の名前を知っているのかい?そいつは光栄だァ、俺も有名になったっなあ!ファンとか出きちゃうかもな!」
だが柳哲彦はそんな軽口を言いながらその攻撃を全部防ぐ。
ショックは無い。初めからわかっていた。俺のスタンドではコイツのスタンドのパワーには勝てないと。
「ハッ!抜かすんじゃあないぜ、アンタが有名になれるんだったら人を玩具だと認識している残虐性が表に出たことによるニュースしかねえよ!ファンができるどころか人が遠ざかっていくぜ!」
コイツが言ったことや新にしたこと。俺はしっかり覚えているぜッ……!
「言ってくれるじゃあねェか、……まあ、サピアーディの方は大丈夫だろう。あいつかなり強いからな。……てことで、いっちょ殺り合おうぜ」
俺との戦いを楽しみたいらしいな……まあサピアーディの方に行かないのは実力を信頼しているらしいが……
『錬君と戦ってたんだろ?調べた限りの柳哲彦の性格だと多分こっちを追いかけてこないと思うからそのまま戦っちゃって』
こうも相馬さんの言った通りだと怖いな……