「死ね死ね死ね死ねッ!!殺すッ!ぶっ殺すッ!!クソガキがァア!!」
相当にお怒りなようで……ちゃんと意味が解るように話せよ、まともな言葉が話せてないぞ。
……ま、言語はしっかりして無くてもスタンドの方はしっかりと確実に俺を殺しに来ているようなんだけど……どうするか、囲まれているから距離をとるために離れることもできないし、あの刃物見てえな液体はかなり切れ味が良いっぽいから少しでも触れたらそこで終わりだし……前後左右に逃げても一瞬で切られるだろ、上に逃げてもそれからの手段が無く切られるし……おっ、あれは…………これで行こう。
「前後左右上がダメならッ、下だッ!!」
俺は下にあったマンホールをスタンドで開け、その中に飛び込んだ。
「よっと、丁度目の付くところに在ってくれて助かった」
「チッ!まちやがれこのクソガキ!!」
やっぱり追いかけてくるか……でも、小学3年生の今の俺の体でも少し狭いんだ、大人の体で通るのは時間が掛かるだろッ!いい感じに足を止めてくれているな
「よし、今のうちに……」
「邪魔なんだよッ!!うおりゃああああああああ!!!!!」
男はスタンドで周りの壁や天井を切り裂きながら俺に向かって走ってきやがった!
「邪魔なところは全部切って通るとか反則だろクソ!!」
俺はとりあえず逃げて逃げて逃げまくっていたが、ついに追いつかれてしまった……
「チイッ!!」
「追い詰めたぞォクソガキ、無残にぶっ殺してやるぜッぐひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
あー、ヤバいな、ピンチかも……いや間違いなくピンチだ。
……なんか手は、なんか手は無いのか!?……くそったれ……このままじゃマジにヤバいぞ……ッ!
「痛みの悲鳴を上げやがれッ!」
俺の胴体を真っ二つにするかのように刃物みたいな液体になった男のスタンドが襲い掛かってくる。
「おおッ!グッ!?」
グウッ……痛ってえ……でも、致命傷にならない程度には避けれてよかった、あのままボーっとつっ立っていたらあっぶねえ事になってたからからな……
しかし、どうする……このままこうしてても100%負けるのは俺になる……
「……ちょこまかと鬱陶しいガキだ、さっさと死ねやッ!!」
「そう簡単に死ねるかよ……バーカ」
そうは言った物の……手が無い、…………いや待てよ、スタンド、能力……ッ!そうッ!能力ッ!能力だッ!!スタンドには能力があるって言ってたじゃねえか!!
だが、能力……どうやって使うっつうかまず俺のスタンドに能力なんてあんのか?
……ダメじゃねえかよッ!!まず能力をどうやって使うのか、あるのかどうかすら分からなかったら意味無えじゃねえかよ!
「……ッ!!……いちいち癪に障るガキがッ!」
ッ!!、ヤバい、3つほどの同時攻撃で完全に仕留められようとしているッ!
「ここまでかッ!?くそッ!」
もう手がなく、最後の抵抗とそこらへんに落ちているこの男によって切断された岩をスタンドで投げた。……だが、投げた感じがおかしかった。
「ハッ、はやッ!?グアッ!?」
「……なっ、なんだコレ、おかしい、投げた感じがどうしようもなくおかしいぞッ!?物凄くッ、俺の身長の半分の大きさは有ろうかと言う大きさの岩だったのにッ、羽のように軽かったじゃあないかッ!?」
まず俺はあのサイズの岩を投げられるとは思って居なかった。でも最後の抵抗として何かしたかったから投げようとした、なのに投げられたどころかとてもそのサイズの岩とは思えなかったほど軽かったのだ。
「グウゥ……やってくれたじゃねえかクソガキィ、おかげで間一髪と言った感じだあ、あの岩が直撃したら終わっていただろうが……当たった瞬間に反射的にあの岩を切り裂けて良かったぜ……」
「……普通は当たっただけで終わると思うんだがな……」
「どういう訳かあの岩が異常に軽かったからなあ、助けられたぜ」
「……やっぱり軽く、……どういう事だ……」
「……ゥ、それでもけっこう食らっちまったからなあ、クソガキィ!!きっちり返すぜ!!」
「はん、だがまあ、一筋の希望が見えてきた」
さっきのあれが俺のスタンド能力だっていうならな、少なくともさっきのようにお先真っ暗では無いッ!!真正面からやってやろうじゃねえかッ!!
「ゲヒャヒャッ!!もう終わらせてやるッ!ゲームオーバーだぜクソガキィ!!」
薄汚い笑い方をするんじゃあねえよッ!!
「ゲームオーバーにはならないッ、ゲームクリア、だッ!!おをおおおおッ!!」
「また真正面から突っ込んで来るかッ!やっぱりお前どっか逝っちゃってるぜエ
エ!!」
「アンタには言われたくない言葉だなッ!」
走りながら男のスタンドを避けながら思う、そして光が大きくなる。
「今確信したッ!アンタのスタンドの精密さは近くに行けば行くほど落ちてやがるッ!!」
攻撃がどんどん雑になって言ってやがる。この男は自分に近いほどスタンドを精密に動かせてないんだ、そして、そこが弱点で俺の突くべき所だッ!!
「どうか上手く行ってくれよッ! ウラァ!!」
近くに行けばいくほど雑になる、つまりその切れ味を振り回しているならそこらじゅうの壁や地面が切れて個々の岩になっているはずだ!
俺は岩になっているのを発見し、その岩を持つ。そして、軽くなった。
っシャア!、そしてこのまま投げるッ!
「こんな物切り裂いてくれるわッ!!」
あっけなく岩は切り裂かれた。
「それでいいッ!ウをおお!!」
俺の狙いはアンタのスタンドを俺から離す事だったのだからッ!!
「そんなの無駄だ……ッ!?こっ、これは!?」
「やっぱりな!、アンタ自分に攻撃が行くと思って近くで攻撃できないんだろッ!だったら一度離してその隙に近くに行けば俺の攻撃は邪魔されることは無いッ!」
俺のスタンドが胸の前で拳と拳を合わせた。俺の気持ちを再現しているかのように。
「いっくぜえぇええッ!!ウララララララララララララァッ!!!!」
「ウゲェェェェッ!!!」
男は綺麗に吹っ飛んで行った。しかし、途中からガードされたような感覚があったから多分……男はまだ意識があるだろう。
……想像以上に男がスタンドをガードに使えるまでの時間が早かったな……
「……ここら辺、だったよな吹っ飛んで行ったの……いきなり不意打ちとか勘弁してほしいが……」
周りを警戒しながら男が吹っ飛んだ方に近づいて行った、が、男はどこにもいなかった。
「くそっ、逃げられたか!?まだ近くにいるはずだが……」
それから周りを探したが、見るからなかった。
「チッ、逃げられちまった……あ、やば、ちょっとフラフラしてきた……」
俺の体は結構血が出てており、限界みたいなので、もやもやした気持ちを残しながら外に出ることにした。
「あー、こんな怪我初めてだ……痛っつう……ん?あれは……」
新がこっちに走ってきた。……新に心配かけちまったかな……
「大丈夫か錬!!」
「ああ、何とかな、でもあの大人は逃がしちまった。悪ぃな」
「何言ってるんだよ!錬はあいつに立ち向かえたじゃないか俺なんて……ッ!!」
「新……?」
「ごめん!ごめんな錬、俺臆病だから動けなかったんだよッ……本当にごめんな、
こんなにも怪我しちゃって、俺が臆病じゃなく錬みたいに動き出せたらもっと無事で済んだかもしれないのに……」
俺に謝ってきた。上っ面だけの謝罪じゃなく本当に心からの謝罪であった。でも新は悪くねえんじゃねえか……?
「なんで謝るんだ新?、別に恐怖で動けないのは何も悪いことじゃないだろ」
「だって、俺は怖くて怖くて、あの子を助けるために行動すらできなかった」
……動けなかった自分を責めてるのか?それは違くねえか?
「いいか新、本当にダメな事は助けることを考ようともせず、一目散に逃げ出すことだ。新は行動はできなかったが、助けることを考え行動しようとした。それなら新は立ち向かうことができる。だって新は逃げ出さなかったからな」
そう、新は行動はできなかったが、決して逃げ出さなかった。怖いっていう物は普通の奴ならば自分のために逃げ出すはずなのだが、新はしなかった。それだけですごい奴だということが分かる。
「なあ新、お前は悪くないと思うぞ?」
「……俺は、……俺はみんなを笑顔にできる人になりたい!!」
泣きながら、それでも力強く新はそう言った。
「でも、あの子を助けるどころか、行動すらできなかったし、錬も助けることができなかったから……俺にはそんなの無理だよな……」
「そんなことねえよ、新ならきっとできる。知ってるか?俺お前がいなけりゃずっと一人だったと思うぜ」
俺は新がいなければ精神年齢の低い子ども達に馴染めなかっただろうし、スタンドの見えない大人たちとも、親しくなれそうになかった。そんな時に現れたのは新だった、新は俺の大切な恩人にして最高の親友だと俺は思ってる。
新たな繋がり、実は鈴さんと海人さんじゃなくて最初はお前だったんだぜ
「俺は新のためで楽しく毎日を過ごせてるんだよ。だからお前はそんな人になれる。俺が保証する」
「……っ!…ありがとう錬、だが俺も君がいなくちゃ一人だったよ」
新はまぶしい笑顔でそう言った。
「さ、帰ろうぜ、俺ちょっとフラフラしててよ……」
「ああ!!ってええ!?大丈夫なのかい!?」
「ああ、何とかな……」
「ほんとに?どう見てもその怪我ヤバいんじゃあないかな?」
そんなふうに俺らが帰ろうとすると、後ろから声が掛かってきた。
「……ちょっと待ちなよ君たち、この僕を差し置いてくさい茶番を繰り広げ、あげく帰ろうとするだと?……ちゃんと説明をしていきなよ、じゃないと切れてしまうかもしれない」
あっ、あの子の事忘れてた……
錬のスタンド能力はまた次回紹介します。書き忘れとかじゃないです。