デジモンストーリー オリジン   作:空閑アルト

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ルーチェモンの導きによって、原初の世界には平和と秩序が広がりつつあった。争いが減り、穏やかな日々を取り戻していくデジモンたち。しかし、世界が広がるほど、守るべきものも増えていく。そんな中央聖域に、新たな出会いの時が訪れようとしていた。


第4話「天使たちの誓い」

【狭間劇場・VIPルーム】

 

(巨大なスクリーンには、夕日に染まる中央聖域の神殿が映し出されていた。)

 

(第3話の最後にルーチェモンが立っていた、あの高台である。)

 

(サイガは椅子に座り直すと、隣のホメオスタシスへ顔を向けた。)

 

【サイガ】

 

「……ルーチェモンって、あれだけ大きな都市を一人でまとめてるんですよね?」

 

【ホメオスタシス】

 

「厳密には、多くのデジモンたちが彼を支えています。ですが、最終的な判断の多くを彼が担っているのは確かですね」

 

【サイガ】

 

「それって、相当大変じゃないですか?」

 

【イグドラシル】

 

(緑色の瞳を細める)

 

「そうだね。世界が広がるほど、一人で把握できることには限界が出てくるよ」

 

【コンロン】

 

「ふっ。どれほど優れた判断力を持っていても、すべての場所に同時にいることはできないからね」

 

【ホメロス】

 

(優雅に微笑む)

 

「だからこそ、信頼できる協力者というものが大切になりますの」

 

【サイガ】

 

「協力者……」

 

【ホメオスタシス】

 

「ふふ……ちょうど、今回の記録はそのお話になります」

 

(ホメオスタシスが指先を動かす。)

 

(夕暮れの神殿が光に包まれ、映像が切り替わった。)

 

【観測記録:ルーチェモンの時代・三体の天使】

 

⸻

 

【The ORIGIN・中央聖域/神殿】

 

(朝の光が、白亜の神殿を照らしていた。)

 

(中央聖域は、今日も多くのデジモンで賑わっている。)

 

(商人たちが荷車を引き、旅人たちが広場を行き交う。)

 

(神殿の前では、各地から届いた報告を抱えるデジモンたちが列を作っていた。)

 

【テントモン】

 

(記録板を抱え、慌ただしく歩く)

 

「いやはや……今日もえらい数の報告ですなあ」

 

【ピヨモン】

 

「北の集落から食料の相談、東の森からは道の整備について……」

 

【ガブモン】

 

「西の山では、また縄張りのことで揉めてるみたいだよ」

 

【テントモン】

 

「……全部、ルーチェモンに確認してもらうんですかいな?」

 

【ピヨモン】

 

「今は、そうするしかないみたい」

 

(ピヨモンは積み上げられた記録板を見つめた。)

 

【ピヨモン】

 

「でも……最近、ルーチェモンはほとんど休んでないんだよね」

 

【ガブモン】

 

「……確かに」

 

(そのとき、神殿の奥から穏やかな声が聞こえた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……皆さん、おはようございます」

 

(三体が振り返る。)

 

(白い翼を広げたルーチェモンが、広間へ入ってきた。)

 

【ピヨモン】

 

「あっ、ルーチェモン!」

 

【ルーチェモン】

 

「今日も、各地から報告が届いているのですね」

 

【テントモン】

 

「ええ。それが、かなりの量でして……」

 

【ルーチェモン】

 

(記録板へ目を向ける)

 

「……なるほど」

 

(ルーチェモンは、静かに微笑んだ。)

 

【ルーチェモン】

 

「では、順番に確認していきましょう」

 

【ガブモン】

 

「……あのさ、ルーチェモン」

 

【ルーチェモン】

 

「何でしょう?」

 

【ガブモン】

 

「少しくらい、休んだ方がいいんじゃない?」

 

【ルーチェモン】

 

「……休む?」

 

【ガブモン】

 

「うん。最近、ずっと忙しそうだから」

 

(ルーチェモンは少しだけ目を瞬かせた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……ご心配ありがとうございます」

 

(そして、穏やかに首を横へ振る。)

 

【ルーチェモン】

 

「ですが、私を必要としている方々がいるのです」

 

「その方々を待たせるわけにはいきません」

 

【ピヨモン】

 

「……でも、一人で全部やらなくても……」

 

【ルーチェモン】

 

「ふふ……大丈夫ですよ」

 

(ルーチェモンは記録板を手に取った。)

 

【ルーチェモン】

 

「私には、皆さんを導く責任がありますから」

 

(その言葉に、三体は何も言えなくなった。)

 

(ルーチェモンは、すでに次の報告へ目を通していた。)

 

⸻

 

【遠方からの報告】

 

(昼過ぎ。)

 

(神殿の広間に、一体の旅人が駆け込んできた。)

 

【旅のパタモン】

 

「ルーチェモン様!」

 

【ルーチェモン】

 

「……どうしました?」

 

【旅のパタモン】

 

「北方の山岳地帯で、争いが起きています!」

 

(広間に緊張が走った。)

 

【テントモン】

 

「……北方ですかいな?」

 

【旅のパタモン】

 

「はい! 複数の集落が、中央聖域の決まりを巡って対立していて……!」

 

【ルーチェモン】

 

「……そうですか」

 

(ルーチェモンは静かに立ち上がった。)

 

【ルーチェモン】

 

「では、私が向かいましょう」

 

【ピヨモン】

 

「えっ!? でも、今から北方まで行くの?」

 

【ルーチェモン】

 

「はい」

 

【ガブモン】

 

「……ほかにも、相談がたくさん残ってるのに?」

 

【ルーチェモン】

 

「争いを放置することはできません」

 

(ルーチェモンは翼を広げた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……私が行けば、解決できるでしょう」

 

(その言葉には、以前よりも強い確信が宿っていた。)

 

(しかし、誰もそれを疑わなかった。)

 

(実際、ルーチェモンはこれまで幾度となく争いを終わらせてきたのだから。)

 

(そのときだった。)

 

【???】

 

「……お待ちください」

 

(広間の入口から、低く落ち着いた声が響いた。)

 

(ルーチェモンが振り返る。)

 

(神殿の大扉が、ゆっくりと開かれた。)

 

(そこには、三体の天使型デジモンが立っていた。)

 

⸻

 

【三体の完全体天使】

 

(最初に進み出たのは、白銀の鎧を身にまとい、八枚の翼を持つ天使だった。)

 

(右腕には聖剣を宿し、顔には兜をかぶっている。)

 

(その姿からは、厳格さと気高さが感じられた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

(ルーチェモンの前で片膝をつく)

 

「……お初にお目にかかります、ルーチェモン様」

 

(続いて、白い衣装と紫色の装飾をまとった、女性の姿をした天使が進み出る。)

 

(その背には美しい翼が広がり、穏やかながらも芯の強い眼差しを向けていた。)

 

【エンジェウーモン】

 

(静かに頭を下げる)

 

「お目にかかれて光栄です、ルーチェモン様」

 

(最後に、重厚な装備をまとった三体目の天使が進み出た。)

 

(その佇まいには、二体とは異なる威厳があった。)

 

【アルケーエンジェモン】

 

(胸に手を当て、敬意を示す)

 

「我ら三体、あなた様の御前に参りました」

 

(広間にいたデジモンたちが、息を呑む。)

 

【ガブモン】

 

「……すごい……」

 

【ピヨモン】

 

「……あの人たちも、天使なの……?」

 

【テントモン】

 

「……なんとも、立派なお姿ですなあ」

 

(ルーチェモンは、三体を静かに見つめていた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……あなた方は?」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「私は、ホーリーエンジェモン」

 

【エンジェウーモン】

 

「エンジェウーモンと申します」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「そして、私はアルケーエンジェモン」

 

(ホーリーエンジェモンが顔を上げた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「我らは、あなた様がこの世界にもたらした秩序を知り、その御志に感銘を受けました」

 

【ルーチェモン】

 

「……私の志に?」

 

【エンジェウーモン】

 

「はい。争いに苦しむ者たちを救い、弱き者にも安心して暮らせる場所を与える……」

 

(エンジェウーモンは、穏やかに微笑んだ。)

 

【エンジェウーモン】

 

「その願いは、私たちも同じです」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「ゆえに、我らはあなた様に仕えることを望みます」

 

(広間が静まり返った。)

 

【ルーチェモン】

 

「……私に、仕えるのですか?」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「はい」

 

(ホーリーエンジェモンは、さらに深く頭を下げた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「あなた様の掲げる秩序を守り、この世界に平和を広げるために」

 

【エンジェウーモン】

 

「どうか、私たちの力をお役立てください」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「我らの力は、すべてルーチェモン様の理想のために」

 

(ルーチェモンは三体を見つめた。)

 

(その瞳に、わずかな驚きが浮かぶ。)

 

(そして、静かに微笑んだ。)

 

【ルーチェモン】

 

「……ありがとうございます」

 

(ルーチェモンは三体へ歩み寄った。)

 

【ルーチェモン】

 

「私も、皆さんと同じ願いを持っています」

 

「争いのない、平和な世界を築くこと」

 

(ルーチェモンは翼を広げた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……そのために、力を貸していただけるのですね?」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「無論です」

 

【エンジェウーモン】

 

「喜んで」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「我らの誓いに、偽りはございません」

 

(ルーチェモンは満足そうに頷いた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……では、共に歩みましょう」

 

(広間に、歓声が広がった。)

 

(こうして、三体の完全体天使デジモンが、ルーチェモンの配下に加わった。)

 

 

【挿絵表示】

 

⸻

 

【狭間劇場・VIPルーム】

 

【サイガ】

 

「……おお!」

 

(サイガは思わず身を乗り出した。)

 

【サイガ】

 

「今度は、ルーチェモン以外の天使が出てきましたね!」

 

【ホメロス】

 

「うふふ。しかも、三体とも随分と立派な天使ですわ」

 

【イグドラシル】

 

「彼らも、ルーチェモンの築いた秩序に共感しているようだね」

 

【コンロン】

 

「……そして、自ら仕えることを選んだ」

 

【サイガ】

 

「……そういえば、あの三体って、ルーチェモンより大きいですよね」

 

【ホメオスタシス】

 

「ええ。彼らは、三体とも完全体のデジモンです」

 

【サイガ】

 

「……完全体!」

 

(サイガは、第2話で教わった進化段階を思い出した。)

 

【サイガ】

 

「確か、成長期よりずっと上の段階でしたよね?」

 

【ホメオスタシス】

 

「はい。一般的には、成長期よりも高い段階に位置します」

 

【サイガ】

 

「……でも、その三体が成長期のルーチェモンに仕えてるんですね」

 

【コンロン】

 

「ふっ。以前も話しただろう? 成長段階だけで、デジモンの強さや立場が決まるわけではないんだ」

 

【サイガ】

 

「……そうでしたね」

 

【イグドラシル】

 

「それに、彼らがルーチェモンに仕えている理由は、単純な強さだけではないと思うよ」

 

【サイガ】

 

「……平和を願う気持ちが同じだから?」

 

【イグドラシル】

 

「うん。少なくとも、今の三体はそう考えているようだね」

 

【ホメオスタシス】

 

「……彼らの加入によって、ルーチェモンを中心とした秩序は、さらに大きく発展していくことになります」

 

(スクリーンには、三体の天使がルーチェモンの前に並ぶ姿が映し出されていた。)

 

⸻

 

【The ORIGIN・中央聖域/神殿】

 

(翌日。)

 

(神殿の広間には、ルーチェモンと三体の天使が集まっていた。)

 

(その前には、各地から届けられた記録板が並んでいる。)

 

【ルーチェモン】

 

「……それでは、皆さんにお願いしたいことがあります」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「何なりとお申し付けください」

 

【ルーチェモン】

 

「まず、ホーリーエンジェモン」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「はっ」

 

【ルーチェモン】

 

「あなたには、各地の秩序を守る役目をお願いしたいのです」

 

「争いが起きた際には、双方の事情を確認し、公正な判断を下してください」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

(深く頭を下げる)

 

「承知いたしました」

 

【ルーチェモン】

 

「エンジェウーモン」

 

【エンジェウーモン】

 

「はい」

 

【ルーチェモン】

 

「あなたには、傷ついた者や、助けを必要とする者たちを支えていただきたい」

 

【エンジェウーモン】

 

(優しく微笑む)

 

「お任せください。救いを求める声を、決して見過ごしはいたしません」

 

【ルーチェモン】

 

「そして、アルケーエンジェモン」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「はっ」

 

【ルーチェモン】

 

「あなたには、中央聖域の防衛と、各地の守護をお願いしたいのです」

 

「もし大きな争いが起きたときは、被害が広がる前に対処してください」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「承知いたしました。ルーチェモン様の築かれた秩序は、我らが守り抜きましょう」

 

(ルーチェモンは三体を見渡した。)

 

【ルーチェモン】

 

「……ありがとうございます」

 

(その表情には、確かな安堵があった。)

 

【ルーチェモン】

 

「これで、より多くのデジモンたちを救うことができるでしょう」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「はい。我ら三体、力を尽くします」

 

【エンジェウーモン】

 

「ルーチェモン様も、少しはお休みになってくださいね」

 

【ルーチェモン】

 

「……ふふ。そうですね」

 

(ルーチェモンは小さく笑った。)

 

【ルーチェモン】

 

「ですが、まだやるべきことは多くあります」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「そのために、我らがおります」

 

(ルーチェモンは三体へ視線を向けた。)

 

(そして、ゆっくりと頷いた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……頼もしい限りです」

 

⸻

 

【三体の天使、それぞれの役目】

 

(それから、三体の天使は各地で活動を始めた。)

 

(北方の山岳地帯。)

 

(険しい岩場に、ホーリーエンジェモンが降り立つ。)

 

(そこでは、二つの集落が土地の使用を巡って対立していた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「……双方の言い分は理解した」

 

(ホーリーエンジェモンは、静かに剣を収めた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「しかし、互いの事情を知らぬまま争っていては、解決には至らない」

 

(彼は両者を見渡した。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「まずは話し合おう。どちらか一方の意見だけを通すつもりはない」

 

(その言葉に、集落の代表者たちは静かに頷いた。)

 

(南方の森。)

 

(傷ついたデジモンたちの前に、エンジェウーモンが降り立つ。)

 

【エンジェウーモン】

 

「……もう大丈夫ですよ」

 

(彼女の手から、柔らかな光が広がる。)

 

(傷ついたデジモンたちの表情が、少しずつ和らいでいく。)

 

【エンジェウーモン】

 

「無理をしないでください。助けが必要なときは、遠慮なく声を上げてくださいね」

 

(西方の荒野。)

 

(旅人たちを襲おうとしていた凶暴なデジモンたちの前に、アルケーエンジェモンが立ちはだかる。)

 

【アルケーエンジェモン】

 

「……そこまでだ」

 

(重厚な翼が広がる。)

 

【アルケーエンジェモン】

 

「この地を通る者たちに、これ以上の危害を加えることは許さぬ」

 

(凶暴なデジモンたちは、その威圧感にたじろいだ。)

 

【アルケーエンジェモン】

 

「退くのであれば、追撃はしない」

 

(やがて、彼らは武器を下ろし、その場を去っていった。)

 

(こうして、三体の天使の働きによって、各地の争いはさらに減少していった。)

 

⸻

 

【狭間劇場・VIPルーム】

 

【サイガ】

 

「……三体とも、すごいですね」

 

【ホメロス】

 

「ええ。それぞれの役目を、見事に果たしていますわ」

 

【イグドラシル】

 

「ホーリーエンジェモンは公正な判断を重んじ、エンジェウーモンは救済を、アルケーエンジェモンは守護を担っているんだね」

 

【コンロン】

 

「ふっ。役割が明確になったことで、中央聖域の統治も効率的になっているようだ」

 

【サイガ】

 

「……これなら、ルーチェモンも少しは楽になりそうですね」

 

【ホメオスタシス】

 

「……ええ。三体の天使は、彼にとって非常に大きな支えとなりました」

 

(ホメオスタシスは静かにスクリーンを見つめた。)

 

【ホメオスタシス】

 

「そして、ルーチェモン自身も、彼らの働きを高く評価していたのです」

 

⸻

 

【The ORIGIN・中央聖域/神殿】

 

(数日後。)

 

(神殿の広間には、各地から戻ってきた三体の天使が並んでいた。)

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「北方の争いは、無事に解決いたしました」

 

【エンジェウーモン】

 

「南方の負傷者たちも、回復へ向かっています」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「西方の交易路も、安全を確保いたしました」

 

(ルーチェモンは、三体の報告を静かに聞いていた。)

 

【ルーチェモン】

 

「……素晴らしい働きです」

 

(ルーチェモンは立ち上がった。)

 

【ルーチェモン】

 

「皆さんのおかげで、より多くのデジモンたちが安心して暮らせるようになりました」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「すべては、ルーチェモン様の御志あってこそ」

 

【エンジェウーモン】

 

「私たちは、その願いを支えているだけです」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「あなた様の導きがあれば、この世界はさらに平和になるでしょう」

 

(ルーチェモンは、三体の言葉を聞いて微笑んだ。)

 

【ルーチェモン】

 

「……ええ」

 

(その声には、静かな自信が宿っていた。)

 

【ルーチェモン】

 

「私たちは、正しい道を進んでいます」

 

(ルーチェモンは神殿の窓へ目を向けた。)

 

(眼下には、平和な中央聖域が広がっている。)

 

【ルーチェモン】

 

「……この秩序を、世界の隅々まで広げましょう」

 

【ホーリーエンジェモン】

 

「はっ」

 

【エンジェウーモン】

 

「はい」

 

【アルケーエンジェモン】

 

「御意」

 

(三体の天使が、一斉に頭を下げた。)

 

(ルーチェモンは、その姿を静かに見つめていた。)

 

(かつて、たった一人で争いを止めようとしていた小さな天使。)

 

(今や彼の傍らには、強大な力を持つ三体の天使が仕えていた。)

 

(そして、彼を中心とした秩序は、さらに強固なものとなっていった。)

 

⸻

 

【狭間劇場・VIPルーム】

 

(スクリーンの映像が、ゆっくりと暗くなった。)

 

(最後に映し出されていたのは、ルーチェモンの前に並ぶ三体の天使の姿だった。)

 

【サイガ】

 

「……なんだか、すごい組織になってきましたね」

 

【イグドラシル】

 

「うん。ルーチェモン一人では難しかったことも、三体の天使が加わったことで実現できるようになったんだね」

 

【ホメロス】

 

「うふふ。しかも、皆さんとても忠実ですわ」

 

【コンロン】

 

「……今の三体は、ルーチェモンの理想を心から信じているようだね」

 

【サイガ】

 

「……でも、三体ともちゃんと自分の考えを持ってるみたいでしたね」

 

【コンロン】

 

「そうだね。それぞれが自分の役目を理解し、判断している」

 

【ホメオスタシス】

 

「……三体の天使は、ルーチェモンの秩序を支える重要な存在となりました」

 

(ホメオスタシスは、静かに微笑んだ。)

 

【ホメオスタシス】

 

「そして、この時代のデジモンたちにとって、彼らは平和を守る象徴でもあったのです」

 

【サイガ】

 

「……ルーチェモンと、三体の天使かあ」

 

(サイガは、もう一度スクリーンへ目を向けた。)

 

【サイガ】

 

「……これから、どうなっていくんでしょうね」

 

【ホメオスタシス】

 

「ふふ……それは、次の記録で確かめてみましょう」

 

(スクリーンに、次の観測記録が浮かび上がった。)

 

【次回観測:秩序の影】

 

(サイガは、静かに頷いた。)

 

――第一章「原初の天使篇」第4話「天使たちの誓い」完。

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