「……先生、あの、質問があるのですが」
翌日の座学の授業中。
アシュレイ先生の容赦ない「お仕置きTS魔法」の恐怖が教室を支配する中、おずおずと手を挙げたのは、クラスで一番おっとりした癒やし系のぽっちゃり男子・ボブだった。
ルークやレオン、クララが青ざめた顔で「よせボブ! 余計なことを言うな!」と目配せを送るが、ボブはマイペースに首を傾げた。
「先生のTS魔法って、罰としてかけられた生徒みんなすごく魅力的になるじゃないですか。……あの、もし僕みたいな体型の男子がTS魔法を受けたら、一体どんな見た目になるのか……ちょっと気になりまして」
教室中に静寂が走った。
あの悪魔のようなアシュレイ先生に、自ら進んでTS魔法の被験者を志願するなど正気の沙汰ではない。
しかし、アシュレイ先生は静かに扇子を閉じると、うっとりとするような美しい笑みを浮かべた。
「ほう……自ら魔法の探求のために身を捧げるとは、素晴らしい好奇心ですね、ボブくん。……いいでしょう。特別に『実験』として体験させてあげます」
「え、あ、本当にいいんですか?」
「ひえっ! ボブ、逃げろ!!」というルークの悲痛な叫びも虚しく、アシュレイ先生の手から黄金色に輝く魔法札が飛び出した。
パチンッ!
温かな光がボブの丸っこい体を包み込んでいく。
「うわぁ……なんか、体がぽかぽかして——」
光が収まると、そこに立っていたのは……包容力に満ちた、ふんわり癒やし系のぽっちゃり美少女だった!
「……えへへ、声が高くなっちゃいました」
元々のふっくらとした頬はもちもちの美肌になり、優しげなタレ目と柔らかそうな栗色の髪。制服の上からでもわかる、豊満で柔らかそうなバストと、抱きつきたくなるような温かみのあるフォルム。
「う、うわあああ!? めちゃくちゃ可愛い!!」
「なにあの安心感……! お母さん……ううん、包容力抜群の年上のお姉ちゃんみたい!!」
男子生徒たちから一斉に歓喜の声が上がる。
「えへへ、なんだか体が軽いです。あ、でも……」
ボブ(女)が自分の胸や腕をぷにぷにと触っていると、アシュレイ先生が楽しそうに目を細めた。
「ふふ、ボブくん。ふっくらとした肉体というのは、魔法のエネルギーを蓄えるのに非常に適しているのです。……つまり、脂肪という名の魔法エネルギーを『再配置(コントロール)』することで、二つの姿を自由に切り替えられるのですよ」
「えっ? 再配置……ですか?」
アシュレイ先生がそっとボブの背中に手を当て、魔力を流し込む。
すると——ポンッ!
「「「えええええええええええっ!?」」」
教室中に凄まじい衝撃が走った。
先ほどまでの「ふんわり癒やし系ぽっちゃり少女」の肉体が、一瞬にして極上のメリハリを誇る超絶ナイスバディのグラマラス美女へと変貌したのだ!
お腹や二の腕についていたお肉がすべて「行くべき場所(胸と尻)」へと一気に移動し、キュッと引き締まった細いくびれと、溢れんばかりの爆乳&上向きのヒップが出現。おっとりした顔立ちと過激すぎるスタイルギャップが、凄まじい色気を放っている。
「ふえ……!? なんか、お肉が全部胸とヒップに集まっちゃいました……! 服がきついです……っ!」
窮屈そうに豊満な胸を抱え、顔を真っ赤にするナイスバディ版ボブ。
「が、画面の破壊力が強すぎる……ッ!!」
「なんだあの神スタイルは!? 奇跡かよ!!」
男子たちが血吐く思いで歓声をあげると、ボブはふうと息を吐き、再び魔力を込めた。
ポンッ!
すると、一瞬で元の「もちもち包容力ぽっちゃり美少女」へと戻る。
「ふぅ……やっぱり、こっちの体型の方が落ち着きますね。抱き心地も良さそうですし」
ニコッと微笑むぽっちゃり版ボブ。
「「「女神だ……!!」」」
「お肉を移動させた『超絶ナイスバディモード』と、お肉を戻した『極上の包容力ぽっちゃりモード』……一粒で二度美味しいですね」
アシュレイ先生が満足そうに頷くと、教室の男子生徒たちは完全にノックアウトされ、女子生徒たちも「触らせて!」「抱きつかせて!」とボブの元へ群がっていった。
自ら志願して両極端な最高権威の美少女となったボブは、罰ではなく純粋な人気者として、放課後まで男女問わず揉みくちゃにされるのだった。