桜舞う月夜   作:海月流

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桜舞う月夜 三話

スクールバッグを振り回しながら帰る。

園児が良くやるふざけた振り回しではなく、もしこの帰り道妖が出てもガンって当たってくれればいいという意図的な行動だ。

まぁ、そんな偶然おきるわけないけど。

というか今日はもう妖は出てこないだろう。

さっきのもの〇け姫に出てきそうな妖は多分この辺の地域のボス。

妖は死なないけれど復活は1夜かかると聞いたことがある。

普通ボスがやられたら子分は出てこない。

それが常識だ。

今日はもう襲われない。

バックを振り回しながら曲がり角を曲がると

 

「いてっ」

 

何かにぶつかった。

私じゃなくてバックが。

その拍子にバックを数m後ろに投げてしまった。

バックを取ってから謝るのは失礼だよな。

振り回してたせいだから私が悪いよなぁ。

謝るのは大嫌いなのだけど謝らないと。

 

「えっと…大丈夫ですか?ごめんなさい」

 

よく見ると敬語を使う相手ではなかった。

いや、謝る以前の問題。

逃げないと。

 

「待ってよ…」

 

だってそれは妖だった。

なんか邪気纏ってる感じがして目が真っ黒で赤い血涙流してる女の子いないって!

本当に女の子かどうかわからないが身長は私の鳩尾くらいで服装は女の子の服といった感じ。

意外とガーリーな森ガールみたいな格好してた。

本当に意外。

まだ100mくらいしか逃げていなかったがそこで私に異変が起きた。

足が動かない。

逃げられない。

 

「待ってって言ったじゃん…」

 

妖は私に近づいてくる。

待って。顔超怖いから見せないで。

せめて目瞑って。

もう一つ気づいたのは肩が重いことだ。

重過ぎて腕が上がらない。

殴ったら解放されると思い殴ろうと考えたけどあがらないんじゃどうしようもない。

ここで重大なことに気づいた。

バックを広い忘れた!

今朝あったことを担任に説明したら塩がもらえたのに。

もう少しで私に触れるというところで救世主が現れた。

1日に2度も救世主が現れるなんて私はどっかの漫画のヒロインなのかもしれない。

妖の首と胴体が別れる。

真っ赤な鮮血が流れる。

あれ、妖って血は出ないはずじゃ…

そんな疑問は置いといて。

見てみると現れた救世主はまた一緒。

今朝のナルシスト妖退治。

 

「1日に2回も妖に襲われるなんて貴女モテますね。いやこの妖は本当は妖ではないのですが。まぁ、この僕も妖も人間も関係なく女人に良くモテますがね。」

 

自慢話の前に気になる話があった。

"本当は妖ではない…?"

 

「あの、この妖って…」

 

「生霊ですよ。生きた霊が妖になったんです。なので倒したら血は出ますが魂も肉体も死んではいません。」

 

なるほど。

女の子の生霊か。

妖がガーリーな森ガールのような服着てるのはおかしいはずだよね。

一瞬でも最近の妖は萌えキャラでも目指してるのか!?と思った私が恥ずかしい

 

「はぁ…最近この手の妖多いんですよ。まだ、昔からの伝承や都市伝説が実体化した者の方がいいですよ。」

 

血も出ないし罪悪感もありませんしね。とけいさんは言った。

この人に罪悪感なんてあるのか。

だってさっき女の子を首と胴体離ればなれにしたし。

 

「そろそろ6時になるので帰った方がよろしいのでは?それともこの美しい僕とまだ一緒にいたいのですか?」

 

イラッ

確かにかっこいい人だけどそんなわけねーだろ!

ナルシストは嫌いじゃ!

 

「帰ります。助けていただきありがとうございます。」

 

と、私は不機嫌に答えた。

家まで妖と会うことはなかった。

 

 

 

「ただいま」

 

「玲、おかえりなさい。なんだか不機嫌そうだね?」

と母が言う。

母の言う通り私は今不機嫌だ。

しかしいつも私はテンション低いから「機嫌悪い?」とよく聞かれるのに本当に機嫌悪いときに聞いてきてくれるなんて流石母親だ。

 

「今日、2回も妖に追いかけられたり襲われたりした。」

 

すると、母は夕飯作りの手を止め

 

「大丈夫!?怪我してない!?」

 

と私の肩を掴む。

 

「あー大丈夫だよ。すめらぎの人に助けてもらったから。ところで夕飯いつできそう?」

 

母は私の肩から手を離し時計を見ながら考え込む仕草をし

「6時30分くらいかな?」

と答えた。

「分かったー。部屋にいるから夕飯できたら呼んで。」

私は階段を上り部屋に向かった。

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