ゼッツの方もあるので、よければそちらもぜひ。
『この街を、よろしく頼む』
『風都⋯やっぱり⋯いい風が吹くなぁ⋯』
「やれやれ、今度こそ風になれたと思ったんだけどね」
盗賊たちは殺した商隊の馬車を横目に肉を貪る。
「ハッハッハ!随分と溜め込んでたなぁ、あの貴族のジジイ!」
辺りには血の海と死体の山、そして馬車についた窓のガラス片が散らばっていた。
「これでしばらくは遊んで暮らせるなぁ!」
そんなふうに会話をしながら、酒を喉に流し込む。
そのとき、
「こんばんはぁ、おじさんたち」
「あぁ?」
そこには、黒いコートを着た少年が立っていた。
「なんだぁ、ガキぃ」
「通りすがりのスタイリッシュ盗賊スレイヤーさ」
そう言うと、少年は一歩踏み出す。
「てめぇ、それ以上近づく前に帰ってママのおっぱいでも飲んでろ」
スキンヘッドの盗賊がそう言って少年につばを吐きかける。
だが少年はそれをすっと避けて、ガラス片を投げる。
「がぁぁ!」
ガラス片はスキンヘッドの盗賊の腕に刺さり、血が流れる。
「このガキぃ!」
仲間の盗賊が少年に斬りかかる。
だが
「ヒャッハァ!」
少年の服から伸びたスライムの刃が盗賊の首を掻っ切った。
「なっ⋯!」
「てめぇ!」
他の盗賊が少年に斬りかかる。
それでも、少年の前に皆等しく肉片と化した。
「な、なんなんだお前は⋯!」
スキンヘッドの盗賊がそう言うが、少年は構わず首を飛ばし、リーダー格の男に近づく。
「じゃ、おじさんも逝こっか」
少年がそう笑う。
「なんだよ⋯ガキのくせに⋯!」
それが男の最後の言葉だった。
「これでよしと」
少年⋯シド・カゲノーはそう言って手を払う。
シドは歩きながら、馬車の中身を物色する。
「お〜⋯悪くないねぇ。ってこれ、モンクの『叫び』じゃん!コレクションにうってつけだぁ!」
そのとき
「⋯誰?」
少年は振り返らずに問う。
そこには貴族の死体をしゃがんで見つめる、青い体の怪物がいた。
「⋯これは君が?」
「いいや、そこのおっさんたち」
シドは盗賊の首を指す。
「なら彼らを殺したのは君ということか」
そう言って怪人は立ち上がる。
「まぁ⋯そうなるね」
「ちょうどいい。私のテリトリーを荒らしていた悪党君たちを掃除してくれたのには感謝するよ。⋯まぁ、私も人のことは言えないかもしれないが」
そう苦笑しながら、怪人は立ち上がる。
「君、誰なの?普通の人間には見えないけど」
「私かい?そうだねぇ⋯ナスカ、とでも名乗っておこうか」
これが、この世界が記憶する歴史的瞬間、後のシャドウとナスカの邂逅であった。
亀更新になるので、気長にお待ちください。
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